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平成23年・2011|問35|民法・親族

後見および扶養に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。

  1. 未成年後見人が選任されている場合、家庭裁判所は、職権で、さらに別の未成年後見人を選任することはできない。
  2. 後見人と被後見人との利益が相反する行為については、後見監督人がある場合でも、後見人は、被後見人のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
  3. 未成年後見については、未成年者に対し親権を行う者がないとき、または親権を行う者が管理権を有しないときに後見が開始し、成年後見については、後見開始の審判があったときに後見が開始する。
  4. 夫婦、直系血族および兄弟姉妹は、お互いに扶養する義務があるが、姻族間においては、家庭裁判所は、特別の事情がある場合でも、扶養の義務を負わせることはできない。
  5. 扶養する義務のある者が数人ある場合において、扶養すべき者の順序については、配偶者を先にし、配偶者がないときの親等の異なる血族間では、親等の近い者を先にする。

>解答と解説はこちら


【答え】:3 改正のため解説作成中・・・【解説】

1.未成年後見人が選任されている場合、家庭裁判所は、職権で、さらに別の未成年後見人を選任することはできない。
1・・・誤り
2.後見人と被後見人との利益が相反する行為については、後見監督人がある場合でも、後見人は、被後見人のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2・・・誤り
3.未成年後見については、未成年者に対し親権を行う者がないとき、または親権を行う者が管理権を有しないときに後見が開始し、成年後見については、後見開始の審判があったときに後見が開始する。
3・・・正しい
4.夫婦、直系血族および兄弟姉妹は、お互いに扶養する義務があるが、姻族間においては、家庭裁判所は、特別の事情がある場合でも、扶養の義務を負わせることはできない。
4・・・誤り
5.扶養する義務のある者が数人ある場合において、扶養すべき者の順序については、配偶者を先にし、配偶者がないときの親等の異なる血族間では、親等の近い者を先にする。
5・・・誤り

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[SPI name=平成23年度2011年度|行政書士試験の問題と解説]

平成23年・2011|問34|民法・請負契約

次のア~エの記述は、木造建物建築工事についての発注者Aと受注者Bとの間で締結された請負契約の約定の一部である。このうち、約定の内容が、民法の規定の内容と異なるもの、または民法に規定されていないものの組合せとして妥当なものはどれか。

ア.Aの請負代金の支払いは、Bの本契約の目的物の引渡しと同時になされるものとする。

イ.Aは、本契約の目的物に瑕疵があるときは、その瑕疵の補修(修補)に代え、または補修(修補)とともに、瑕疵に基づく損害賠償をBに求めることができる。

ウ.工事の遅延が、不可抗力によるとき、または正当な理由があるときは、Bは、速やかにその事由を示して、Aに工期の延長を求めることができる。

エ.Bの責めに帰すことができない工事の遅延または中止があるときは、Bは、この契約を解除することができる。

  1. ア・イ
  2. ア・エ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ

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【答え】:5 改正のため解説作成中・・・【解説】

ア.Aの請負代金の支払いは、Bの本契約の目的物の引渡しと同時になされるものとする。
ア・・・民法に規定されている
イ.Aは、本契約の目的物に瑕疵があるときは、その瑕疵の補修(修補)に代え、または補修(修補)とともに、瑕疵に基づく損害賠償をBに求めることができる。
イ・・・民法に規定されている
ウ.工事の遅延が、不可抗力によるとき、または正当な理由があるときは、Bは、速やかにその事由を示して、Aに工期の延長を求めることができる。
ウ・・・民法に規定されていない
エ.Bの責めに帰すことができない工事の遅延または中止があるときは、Bは、この契約を解除することができる。
エ・・・民法に規定されていない

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平成24年・2012|問46|民法・記述式

次の文章は遺言に関する相談者と回答者の会話である。〔    〕の中に、どのような請求によって、何について遺言を失効させるかを40字程度で記述しなさい。

相談者 今日は遺言の相談に参りました。私は夫に先立たれて独りで生活しています。亡くなった夫との間には息子が一人おりますが、随分前に家を出て一切交流もありません。私には、少々の預金と夫が遺してくれた土地建物がありますが、少しでも世の中のお役に立てるよう、私が死んだらこれらの財産一切を慈善団体Aに寄付したいと思っております。このような遺言をすることはできますか。」
回答者 「もちろん、そのような遺言をすることはできます。ただ「財産一切を慈善団体Aに寄付する」という内容が、必ずしもそのとおりになるとは限りません。というのも、相続人である息子さんは、〔    〕からです。そのようにできるのは、被相続人の財産処分の自由を保障しつつも、相続人の生活の安定及び財産の公平分配をはかるためです。」

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【答え】:遺留分減殺請求によって、相続財産の2分の1について遺言を失効させることができる(39字) 【解説】民法改正のため解説作成中・・・

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平成24年・2012|問45|民法・記述式

AがBに金銭を貸し付けるにあたり、書面により、Cが保証人(Bと連帯して債務を負担する連帯保証人ではない。)となり、また、Dが物上保証人としてD所有の土地に抵当権を設定しその旨の登記がなされた。弁済期を徒過したので、Aは、Bに弁済を求めたところ、Bは、「CまたはDに対して請求して欲しい」と応えて弁済を渋った。そこで、Aは、Dに対しては何らの請求や担保権実行手続をとることなく、Cに対してのみ弁済を請求した。この場合において、Cは、Aの請求に対し、どのようなことを証明すれば弁済を拒むことができるか。40字程度で記述しなさい。

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【答え】:Bに弁済する資力があり、かつ、その執行が容易であることを証明した場合、拒むことができる。(45字) 【解説】民法改正のため解説作成中・・・[SPI name=■過去問一覧上の広告枠]
[SPI name=平成24年度2012年度|行政書士試験の問題と解説]

平成30年・2018|問11|行政手続法・申請に対する処分・不利益処分

行政手続法の定める申請に対する処分および不利益処分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 行政手続法は、申請に対する処分の審査基準については、行政庁がこれを定めるよう努めるべきものとしているのに対し、不利益処分の処分基準については、行政庁がこれを定めなければならないものとしている。
  2. 行政庁は、申請を拒否する処分をする場合には、申請者から求めがあったときに限り当該処分の理由を示すべきものとされているのに対し、不利益処分をする場合には、処分を行う際に名宛人に対して必ず当該処分の理由を示すべきものとされている。
  3. 行政庁は、申請を拒否する処分をする場合には、弁明の機会の付与の手続を執らなければならないのに対し、不利益処分をする場合には、聴聞の手続を執らなければならない。
  4. 行政手続法は、申請に対する処分については、行政庁が標準処理期間を定めるよう努めるべきものとしているのに対し、不利益処分については、標準処理期間にかかわる規定を設けていない。
  5. 行政庁は、申請を拒否する処分をする場合には、公聴会を開催するよう努めるべきものとされているのに対し、不利益処分をする場合には、公聴会を開催しなければならないものとされている。

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【答え】:4

【解説】

1.行政手続法は、申請に対する処分の審査基準については、行政庁がこれを定めるよう努めるべきものとしているのに対し、不利益処分の処分基準については、行政庁がこれを定めなければならないものとしている。
1・・・誤り
行政庁は、審査基準を定めるものとする(行政手続法5条1項)。一方、
行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない(行政手続法12条1項)。
つまり、審査基準は必ず定めなければならない義務ですが
処分基準は、必ずしも定める必要はない努力義務です。

2.行政庁は、申請を拒否する処分をする場合には、申請者から求めがあったときに限り当該処分の理由を示すべきものとされているのに対し、不利益処分をする場合には、処分を行う際に名宛人に対して必ず当該処分の理由を示すべきものとされている。
2・・・誤り
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない(行政手続法8条1項本文)。
したがって、申請者の求めがなくても、拒否処分をする場合、理由を示す必要があるので誤りです。一方
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない(行政手続法14条1項本文)。
ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない(行政手続法14条1項ただし書)。
したがって、例外的に理由を示す必要がない場合もあるので「必ず」という記述は誤りです。

3.行政庁は、申請を拒否する処分をする場合には、弁明の機会の付与の手続を執らなければならないのに対し、不利益処分をする場合には、聴聞の手続を執らなければならない。
3・・・誤り
行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、処分が与える不利益の程度に応じて、意見陳述(聴聞もしくは弁明の機会の付与)のための手続を執らなければなりません(行政手続法13条1項参照)。
そして、「申請を拒否する処分」は、「申請に対する処分」であり、「不利益処分」ではありません(行政手続法2条4号ロ)。
したがって、上記、意見陳述のための手続きは不要です。
よって、本肢の「行政庁が申請を拒否する処分をする場合に、弁明の機会の付与手続を執らなければならない」という記述は誤りです。また、「不利益処分」を行う場合、内容によって「聴聞」と「弁明の機会の付与」のどちらか一方を行うので、「聴聞の手続を執らなければならない」と限定している記述も誤りです。

4.行政手続法は、申請に対する処分については、行政庁が標準処理期間を定めるよう努めるべきものとしているのに対し、不利益処分については、標準処理期間にかかわる規定を設けていない。
4・・・正しい
行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければなりません(行政手続法6条)。
これは「申請に対する処分」にかかる標準処理期間のルールです。
「不利益処分」にかかる、標準処理期間のルールは規定されていません。
したがって、本肢は正しいです。

5.行政庁は、申請を拒否する処分をする場合には、公聴会を開催するよう努めるべきものとされているのに対し、不利益処分をする場合には、公聴会を開催しなければならないものとされている。
5・・・誤り
行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければなりません(行政手続法10条)。
これは、「申請に対する処分」についてのルールで
「不利益処分」をする場合に「公聴会を開催しなければならない」という規定はないので、この点が誤りです。

直接請求

直接請求とは、住民が、地方公共団体に直接、一定の行動を取るように請求することを言い、普通地方公共団体の議会の議員および長の選挙権を有する者が直接請求の権利を持っています。

つまり、外国人は直接請求できません。

上記の通り、直接請求は、住民が、代表者(議員)などを介さずに、地方公共団体の意思決定に直接参加することから直接民主制の一つである。

議会政治(議会で地方公共団体の意思決定を行うこと)は、住民が選挙で選んだ代表者(議員)に意思決定を委託し、間接的に政治参加することから、間接民主制代表民主制の一つです。

直接請求の種類

直接請求には、下記4つがあります。

  1. 条例制定・改廃請求
  2. 事務監査請求
  3. 議会解散請求
  4. 解職請求

あとで、細かく解説しますが、重要ポイントをまとめると下記の通りです。


条例制定・改廃請求

住民は、条例の制定、改正、廃止を請求することができます。

当該地方公共団体の議員・長の選挙権を有する者外国人は除く)は、その総数の50分の1以上の連署により、代表者からに対して、請求できます。

ただし、地方税の賦課徴収、分担金・使用料・手数料の徴収に関する条例については、制定・改廃請求できません

条例制定・改廃請求があったときは、長は、直ちに請求の要旨を公表しなければなりません。

そして、この請求を受領した日から20日以内に議会を招集し、意見を付けて議会に付議(過半数の同意で議決)し、その結果を代表者に通知するとともに、公表しなければなりません。


事務監査請求

住民は、「地方公共団体の事務執行」ならびに「長および各委員会・委員の権限に属する事務執行」について、監査委員に対し、監査請求ができます。

当該地方公共団体の議員・長の選挙権を有する者外国人は除く)は、その総数の50分の1以上の連署により、代表者から監査委員に対して、請求できます。

署名が有効の場合、監査委員はすぐに事務監査(特別監査に該当)を行います。

>>住民監査請求請求との違いはこちら

議会解散請求

住民は、都道府県議会や市町村議会を解散するよう請求できます。

当該地方公共団体の議員・長の選挙権を有する者外国人は除く)は、その総数の3分の1以上の連署により、代表者から選挙管理委員会に対して、請求できます。

議会の解散請求があった場合、選挙管理委員会は、直ちに請求の要旨を公表し、選挙人の投票に(住民投票)に付さなければなりません。

解散の投票で、過半数の同意があった時は、議会は解散することになります。

解職請求

住民は、「議員」「地方公共団体の長」「役員」の解職を請求できます。

この点については、それぞれ内容が異なるので分けて考えます。

議員の解職請求

当該地方公共団体の議員・長の選挙権を有する者外国人は除く)は、その総数の3分の1以上(※1)の連署により、請求できます。

請求先は、その後、選挙が行われるので選挙管理委員会に請求します。

そして、住民投票により、過半数の同意で決し、過半数の同意があれば、議員は解職されます。

※1 有権者総数が40万人以下の場合は、3分の1の連署でよいが、
有権者総数が40万人超の場合は、署名数の要件が緩和されます。どれだけ緩和されるかは行政書士の試験では出題される可能性は低いので覚えなくても大丈夫です。

長の解職請求

長の解職請求は、議員の解職請求と同じです。

当該地方公共団体の議員・長の選挙権を有する者外国人は除く)は、その総数の3分の1以上(※1)の連署により、請求できます。

請求先は、その後、選挙が行われるので選挙管理委員会に請求します。

そして、住民投票により、過半数の同意で決し、過半数の同意があれば、議員は解職されます。

役員の解職請求

役員とは、①副知事・副市町村長、②指定都市の総合区長、③選挙管理委員、④監査委員、⑤公安委員会の委員を指します。

当該地方公共団体の議員・長の選挙権を有する者外国人は除く)は、その総数の3分の1以上(※1)の連署により、請求できます。

請求先は、任命権者である長(知事や市町村長)です。

役員の解職請求があったら、長は、直ちに請求の要旨を公表し、解職請求を議会に付議し、議会議員の3分の2以上の出席、かつ、その4分の3以上の者の同意により議決します。

可決されれば、その役員は役員の職を失います。

そして、長は、可決・否決の結果を解職請求の代表者および関係人に通知し、公表します。

地方公共団体の議会の運営の5つの原則

地方公共団体の議会の運営には下記5つの原則があります。

  1. 会議公開の原則
  2. 定足数の原則
  3. 多数決の原則
  4. 一事不再議の原則
  5. 会期不継続の原則

会議公開の原則

普通地方公共団体の議会の会議は、公開により行います。
ただし、議長または議員3人以上の発議により、出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができます。

定足数の原則

普通地方公共団体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、会議自体開くことができません。

※定足数とは、会議で議事を進め議決するのに必要な最小限の人数です。

多数決の原則

普通地方公共団体の議会の議事は、原則、出席議員の過半数で決定し、可否同数(賛成も反対も同じ数)の場合は、議長が決します。

例外的に特別多数を要するものは下記の通りです。

議員の半数の出席とその3分の2以上の多数の同意
地方公共団体の事務所の位置決定又は変更に関する条例の制定
秘密会の開催
議員の失職、資格決定
条例の制定・改廃または予算に関する再議
条例で定める特に重要な公の施設の廃止、長期かつ独占的な利用をさせること
議員の3分の2の出席過半数の同意
地方公共団体の長に対する再度の不信任議決
議員の3分の2の出席とその4分の3の同意
役員の解職請求に対する同意
議員の除名
地方公共団体の長に対する最初の不信任議決

一事不再議の原則

一度議決された事項は、同一会期中に再度議決してはいけません(再議にかけてはいけない)。これを一事不再議の原則と言います。

会期不継続の原則

会期中に議決に至らなかった事件は、次の会期に継続しません。会期はそれぞれ独立しているということです。

国家賠償と損失補償の全体像

行政書士のここまでの勉強、行政不服審査法行政事件訴訟法と勉強してきました。これらは、争訟による救済制度です。もし、公権力の行使によって、金銭的に損害を受けた場合、行政不服審査法や行政事件訴訟法での救済だけでは不十分です。そのため、国家賠償や損失補償という制度があります。

そもそも、国家賠償法は、憲法17条を受けて制定されました。

憲法17条
何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

一方、損失補償は、憲法29条3項で定めております。しかし、国家賠償法のように、一般法はなく、個別の法律で損失補償の規定がされています。ただし、たとえ、個別法に損失補償の規定がない場合も、上記憲法29条3項を根拠に(直接適用して)損失補償されることもあります。

憲法29条3項
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

国家賠償 違法行為による損害の賠償を求める制度
損失補償 適法行為ではあるもの損失を受け場合に補償を求める制度

そして、国家賠償には、「国家賠償法1条による損害賠償責任」と「国家賠償法2条による損害賠償責任」があります。

1条 公権力の行使について、故意または過失により他人に損害を与えた場合(過失責任
2条 営造物の設置管理の瑕疵により他人に損害を与えた場合(無過失責任

 

 

取消訴訟の原告適格

原告適格とは、取消訴訟を提起した者が「処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者」であるかどうか?ということです。

処分の相手方は、もちろん取消訴訟を行えますが、「処分の相手方以外の第三者」についても、取消訴訟を行うことができます。この「処分の相手方以外の第三者」が法律上の利益を有していれば、原告適格の要件を満たします。

一方、「処分の相手方以外の第三者」が法律上の利益を有していないのであれば、原告適格の要件を満たさず、却下判決が下されます。

法律上の利益を有する者とは?

法律上の利益を有する者」とは、「処分により自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害されるおそれのある者」と判例では言っています。

そして、「法律上保護された利益」とは、行政法規(法令)で私人の個人的利益が保護されているものを言います。

反射的な利益をもつに過ぎない者は、「法律上保護された利益」を持つとは言えず、原告適格を有する者と認められません。

この点については、下記「主婦連ジュース不当表示事件」で詳しく解説します。

主婦連ジュース不当表示事件(最判昭53.10.4)

商品の表示方法に問題があったとして、消費者(主婦連合会)が訴えたが、景表法はあくまでも一般的抽象的な「公益」を保護しているのであって、「個々人の具体的利益」を保護しているわけではありません。もちろん、公益保護を目的として商品の表示方法について制限を加えた結果、消費者も利益を受けることとなるが、それは、反射的利益でなので、「法律上保護された利益」とは言えないということです。

つまり、個別の法令で
公益利益のみを保護している場合、原告適格なし
個人の個別的利益も保護している場合、原告適格あり
ということです・

「最判昭53.3.14:主婦連ジュース事件」の詳細はこちら>>

原告適格を肯定した判例

  1. 公衆浴場法に基づく営業許可処分(最判昭37.1.19)
  2. 森林法に基づく保安林指定解除処分(最判昭57.9.9)
  3. 航空法に基づく定期航空運送事業免許処分(最判平元.2.17)
  4. 原子炉等規制法に基づく原子炉設置許可処分(最判平4.9.22)
  5. 都市計画法29条に基づく開発許可処分(最判平9.1.28)
  6. 場外車券発売施設設置許可処分における「医療施設の開設者」(最判平21.10.15)

公衆浴場法に基づく営業許可処分(最判昭37.1.19)

公衆浴場は、多数の国民の日常生活に必要不可欠な公共性を伴う厚生施設です。
そして、公衆浴場の設立を業者の自由に委せて、濫立することにより、浴場経営に無用の競争を生じさせ
結果として「浴場の衛生設備の低下」等の影響をきたすことも考えられます。
公衆浴場の性質に鑑み、国民保健及び環境衛生の上から、濫立を防止することが望まく、
公衆浴場法では、公衆浴場を設置する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要があるとしています。
つまり、公衆浴場法では、①「国民保健及び環境衛生」という公共の福祉と、②既存業者の経営の不合理化を防止することを目的としているわけです。
したがって、既存業者の営業上の利益は、単なる事実上の反射的利益というにとどまらず公衆浴場法によって保護せられる法的利益と解するのが相当なので、既存業者は、原告適格の要件を満たします。
よって、ある業者に対する公衆浴場の営業許可処分に対して、既存の業者が営業許可の取消訴訟を提起することができます。

「最判昭37.1.19:公衆浴場既存経営者の原告適格」の詳細はこちら>>

森林法に基づく保安林指定解除処分(最判昭57.9.9)

森林法における保安林は、農業用水の確保や、洪水の予防・飲料水の確保を目的としたものです。そして、この保安林によって利益は、公益だけでなく、一定範囲の者の利益(個別的利益)も保護すべき利益と捉えています。
そのため、保安林が指定を解除されたことで、洪水の緩和や水不足の予防に関して直接影響を受ける一定範囲の地域住民は、森林法の「直接の利害関係を有する者」として、保安林の指定解除処分に関する取消訴訟の原告適格があります

航空法に基づく定期航空運送事業免許処分(最判平元.2.17)

定期航空運送事業の免許により、周辺住民は騒音被害を受けることになります。
そして、定期航空運送事業免許の審査において、航空機の騒音による障害の防止の観点から、
航空機の航行による騒音障害の有無及び程度も審査基準とされています。
これは、単に飛行場周辺の環境上の利益を一般的公益として保護しようとするにとどまらず、
「飛行場周辺に居住する者が航空機の騒音によって著しい障害を受けないという利益」を周辺住民の個別的利益としても保護すべきとする趣旨を含むものと解することができるので、騒音による障害が著しい程度に至った周辺住民については、原告適格があるとしています。

「最判平元.2.17:航空法に基づく定期航空運送事業免許処分」の詳細はこちら>>

原子炉等規制法に基づく原子炉設置許可処分(最判平4.9.22)

原子炉等規制法は、単に公衆の生命、身体の安全、環境上の利益を一般的公益として保護しようとするにとどまらず、住民の生命、身体の安全等を個々人の個別的利益としても保護すべきとあります。
つまり、原子炉の設置により重大な被害を受けることが想定される範囲の周辺住民について、原告適格を認めています。

「最判平4.9.22:原子炉設置許可処分と原告適格」の詳細はこちら>>

都市計画法29条に基づく開発許可処分(最判平9.1.28)

大規模な土地の工事を行う許可が開発許可です。そして、都市計画法33条1項7号は、この開発許可によって、がけ崩れなどによる被害が直接的に及ぶことが想定される開発区域内外の一定範囲の住民の生命、身体の安全等を、個々人の個別具体的な利益として保護する趣旨を含みます。
よって、近隣住民は、法律上の利益を有する者として、原告適格を認めています

場外車券発売施設設置許可処分における「医療施設の開設者」(最判平21.10.15)

位置基準は、一般的公益を保護する趣旨に加えて、上記のような業務上の支障が具体的に生ずるおそれのある医療施設等の開設者において、健全で静穏な環境の下で円滑に業務を行うことのできる利益を、個々の開設者の個別的利益として保護する趣旨をも含む規定であるというべきである。

したがって、当該場外施設の設置、運営に伴い著しい業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認められる区域に医療施設等を開設する者は、位置基準を根拠として当該場外施設の設置許可の取消しを求める原告適格を有するものと解される。

「最判平21.10.15:場外車券発売施設設置許可処分」の詳細はこちら>>

原告適格を否定した判例

  1. 主婦連ジュース不当表示事件(最判昭53.10.4)
  2. 町名変更決定(最判昭48.1.19)
  3. 特急料金決定認可処分(最判平元.4.13)
  4. 場外車券発売施設設置許可処分における周辺住民、事業者、医療施設の利用者(最判平21.10.15)

町名変更決定(最判昭48.1.19)

町名は、住民の日常生活にとって密接な関係を持つものであるが、利益・不利益は事実上のものであるにすぎず、「現在の町名をみだりに変更されない」という利益が法的に保障されているわけではないので、当該区域内の住民に原告適格は認められない

特急料金決定認可処分(最判平元.4.13)

地方鉄道法21条では、地方鉄道における運賃、料金の定め、変更につき監督官庁の認可を受けさせることとしているが、同条の趣旨は公共の利益を確保することにあるのであって、当該地方鉄道の利用者の個別的な権利利益を保護することにあるのではなく、他に同条が当該地方鉄道の利用者の個別的な権利利益を保護することを目的として認可権の行使に制約を課していると解すべき根拠はない
そのため、地方鉄道の路線の周辺に居住し、通勤定期券を購入するなどして日常的に特急列車を利用している者であっても、特急料金の改定(値上げ)の認可処分について、その取消しを求める原告適格は認められない

「最判平元.4.13:特急料金改定の認可処分」の詳細はこちら>>

場外車券発売施設設置許可処分における周辺住民、事業者、医療施設の利用者(最判平21.10.15)

自転車競技法及び規則が位置基準によって保護しようとしているのは、第一次的には、上記のような不特定多数者の利益であるところ、それは、性質上、一般的公益に属する利益であって、原告適格を基礎付けるには足りないものであるといわざるを得ない。

したがって、場外施設の周辺において居住し又は事業(医療施設等に係る事業を除く。)を営むにすぎない者や、医療施設等の利用者は、位置基準を根拠として場外施設の設置許可の取消しを求める原告適格を有しないものと解される。

「最判平21.10.15:場外車券発売施設設置許可処分」の詳細はこちら>>