未分類

令和8年短期集中実力アップ講座の訂正点

問題

P9 問7 (6/23更新)

誤:国会の承認

正:国会の承諾

 

解説

P46 問8 1行目(6/23更新)

誤:予算の交公布は含まない

正:予算の公布は含まない

 

P149 問7 最終行(6/21更新)

誤:■行政代執行法の手続きの対象となるのは、 「行政上の強制執行」である①代執行、②執行罰、③直接強制、④行政上の強制徴収の4つです。

正:削除→行政代執行法は「行政上の強制執行」のうち①代執行だけの要件・手続を定める一般法であり、執行罰・直接強制・行政上の強制徴収の手続までは対象としていないです!

 

P246 問65 1行目 3行目

誤:通地方公共団体 、 懲役若しくは禁錮

正:普通地方公共団体 、 拘禁刑

 

P246 問66 1行目

誤:懲役若しくは禁錮

正:拘禁刑

行政書士テキスト無料ダウンロード【2026年版】|行書塾

行政書士試験の無料テキスト(行政法)

行政組織

行政立法

  • 行政立法(法規命令:執行命令・委任命令)(行政規則:訓令・通達)

行政行為

行政法総論

行政手続法

行政不服審査法

行政事件訴訟法

国家賠償法と損失補償

地方自治法

行政書士試験の無料テキスト(憲法)

目次

人権

統治

行政書士試験の無料テキスト(民法)

目次

総則

物権

債権

親族

行政書士試験の無料テキスト(商法)

商法

行政書士試験の無料テキスト(会社法)

株式会社の設立

株式

株式会社の機関

株式会社の計算

持分会社

組織再編

行政書士試験の無料テキスト(基礎知識)

2026年度(令和8年度)試験対応・無料テキストの効果的な使い方

当サイトの無料テキストは2026年度(令和8年度)行政書士試験の出題範囲・法改正に対応しています。独学で合格を目指す方は、以下の手順で学習を進めると効率的です。

  • まず行政法から着手する:配点が最も高い行政法(112点/300点)を最優先で学習し、得点源を確保します。上記の目次順に「行政組織→行政立法→行政行為」と進めてください。
  • テキストを読んだら過去問を解く:各単元を読み終えたら、すぐに該当範囲の過去問に取り組みましょう。インプットとアウトプットを交互に繰り返すことで記憶が定着します。
  • 民法は事例で理解する:民法は暗記だけでは対応できません。テキストの条文解説を読んだ後、具体的な事例問題で「なぜその結論になるか」を自分の言葉で説明できるまで復習しましょう。
  • 週1回の復習日を設ける:半年〜1年の学習計画を立て、週に1日は前週までの内容を振り返る日を確保すると、試験直前期の負担を大幅に減らせます。

すべてのテキストはPDFでダウンロード可能です。スマートフォンやタブレットに保存しておけば、通勤・通学中のスキマ時間にも学習を進められます。

取消訴訟の概要|原処分主義、裁決主義

取消訴訟の概要

取消訴訟は、行政庁の処分・裁決について、その全部または一部の取消しを求め、その処分・裁決の法的効力をさかのぼって消滅させる訴えを言います。

行政庁の処分や裁決は、国民の権利義務を一方的に変更する効力があります。この効力は、たとえ違法な処分や裁決であっても、取消しがあるまで、有効とされ(公定力という)、この効力を失わせるには、行政庁が自ら処分や裁決を取り消すか、裁判によって取消判決をもらうことが必要です。

※上記の通り、公定力があるが、行政庁の行った処分に瑕疵がある場合、その瑕疵が重大かつ明白であるときは、当該処分は無効初めから効力を生じない

そのため、国民の権利利益を保護するためにも、取消訴訟は、重要なものとなります。

そして、取消訴訟以外の抗告訴訟(無効確認の訴え、不作為の違法確認の訴え、義務付けの訴え、差止めの訴え)についても、取消訴訟のルールが適用されたりするため、取消訴訟のルールは基本的なルールとしてしっかり頭に入れましょう!

取消訴訟の分類

取消訴訟は、処分の取消しの訴え裁決の取消の訴えの2つがあります。

処分の取消しの訴え

処分の取消しの訴えは、行政庁の処分その他の公権力の行使に当たる行為の取消しを求める訴訟です。

自由選択主義

そして、違法な処分については、審査請求の申立てもできるし、審査請求をせずに処分の取消しの訴えの提起でもよいです。どちらを行ってもよいです。これを自由選択主義と言います。


審査請求前置主義

ただし、個別の法律に、「審査請求に対する裁決を経た後でなければ、処分の取消しの訴えを提起することができない」旨の定めがある場合、審査請求を先に行い、その裁決がなされた後でなければ訴えを提起することはできません。これを審査請求前置主義と言います。


裁決の取消しの訴え

裁決の取消しの訴えは、審査請求や再調査請求等の裁決や決定に対して、取消しを求める訴訟です。

そして、処分の違法を訴える場合、また裁決の違法を訴える場合、「処分の取消しの訴え」と「裁決の取消の訴え」のどちらを行えることができるのか?

行政事件訴訟法では、原則、「原処分主義」を採用しています。

原処分主義

Aが、行政庁から「税金100万円の課税処分」を受けた。Aは、この処分を違法と思い、審査請求を行った。

しかし、審査請求の裁決についても、棄却裁決。

Aが最後の手段として、取消訴訟を行う場合、下記2つのいずれかを行う

処分の違法を主張するのであれば、「処分の取消訴訟」を提起し

裁決の違法を主張するのであれば、「裁決の取消訴訟」を提起しなさい!

ということです。

言い換えれば、処分の違法を主張するのに、裁決の取消訴訟は行えないということです。


裁決主義

裁決主義とは、「処分の違法を争う場合」も「裁決の違法を争う場合」も、「裁決の取消しの訴え」で行うことができるということです。

処分の取消しの訴えでは行うことができません。

<<行政事件訴訟法の概要 | 取消訴訟の訴訟要件>>

行政行為の「取消し」と「撤回」の違い

取消しと撤回の違い

行政行為の取消しは、行政行為の成立当初から瑕疵があり、その瑕疵を理由として、行政行為がなされた時にさかのぼって、その効力を失われることです。例えば、不正手段を使って行政書士の登録を受けた場合、行政庁が登録した(行政行為の)時点で、すでに瑕疵があると言えます。そのため、その後、不正手段を行政庁が知った場合、登録を取り消さなければなりません。これは「取消し」です。

一方、行政行為の撤回は、成立当時は瑕疵はなく、その後の瑕疵によって、将来に向かって効力を失わせることです。例えば、行政書士の登録は正当な手段で受けたが、その後、強盗を行い、拘禁刑を受けた場合、登録消除処分の対象となります。この場合、当初の行政書士の登録に瑕疵はなかったが、その後、拘禁刑を受けることが瑕疵が生じ、登録取り消しとなります。これを法律上「撤回」と言います。「取消し」という文言があっても「撤回」になるので注意しましょう。

原因 効力
取消し 成立時に瑕疵 遡及的に効力消滅
撤回 成立後に瑕疵 将来に向かって効力消滅

行政行為の取消し

そもそも、行政行為が行われると、たとえ違法な行政行為であっても、取消しされるまで一応有効なものとして扱われます。これを「公定力」と言います。

行政行為の取消には、職権取消し争訟取消しの2つがあります。

職権取消し

職権取消しとは、行政行為の相手方からの取消しの主張を待たずに、行政庁が、違法又は不当であることを理由に行政庁自ら取り消しをすることです。上記事例でも解説しましたが、例えば、不正手段を使って行政書士の登録の申請を受けて、その不正を見抜けずに行政庁が登録の処分を下したとします。その後、「この登録は不正だ!」と見抜いて、「この登録は違法だったので、登録を取り消します!」というのが職権取消しです。

争訟取消し

争訟取消しとは、行政処分に対して、不服がある場合、審査請求や取消訴訟を行うことができます。これにより、審査庁や裁判所が取消しをすることを争訟取消しと言います。例えば、行政書士の登録を受けた者が、不正手段を理由に取り消し(職権取消し)をされ、その取消し処分に対して、「この取消処分はおかしい!取消処分を取り消せ!」と取消訴訟を行い、裁判所が、「この者は不正をしていない!だから取消処分は取消しなさい!」といった場合が争訟取消しです。

実際、行政書士試験では、上記2つの違いについては出題される可能性は低いので参考程度でよいでしょう。これより下の内容についても、判例だけ押さえておけば大丈夫でしょう!

取消しをする際の法律の根拠

行政庁が取消しを行う場合、法律の特別な根拠は不要です。なぜなら、行政行為の取消は、違法な行政行為の効力を失わせる行為であり、そもそも、取消さなければならないものだからです

ただし、授益的行政行為を取消すことは、相手方に対して大きな不利益を与える可能性があります。
例えば、営業許可を受けた後に飲食店の営業を準備のために色々機材を購入したにも関わらず、営業許可が突然取消されたら大きな損害を受けます。

そのため、授益的行政行為(相手に権利利益を与える行為)の職権取消しは一定の制限があります。

取消権者

取消権者とは、取消しすることができる者(職権取消しの権限を持つ者)を言います。そして、職権取消しの権限を持つのは、処分庁上級行政庁(処分庁を監督する行政庁)です。

職権取消しの制限(職権取消しは自由にできるか?)

  1. 不可変更力がある行政行為の職権取消しはできない
    不服申立てに対する裁決には、不可変更力が働きます。そのため、裁決した行政庁自身は職権取消しができません
    ※この点は行政不服審査法を勉強してから理解すれば大丈夫です!
  2. 侵害的行政行為の職権取消しは、自由に行える
    侵害的行政行為とは、私人の権利を侵害する行為で、例えば、Aさんの行政書士の登録を取り消す行為です。この取消し行為(取消処分)を職権取消しすることは、Aさんにとっては、不利益にはなりません。むしろ、利益です。そのため、自由に行えます。
  3. 授益的行政行為の職権取消しは、慎重な判断が必要
    授益的行政行為とは、私人に利益を与える行為です。例えば、Bさんに対する生活保護の支給決定処分です。これを取り消すとなると、Bさんは不利益を受けます。そのため、この支給決定処分を取り消す場合、慎重な判断が必要となります。慎重な判断とは、処分を取り消すだけの公益上必要性がある場合や、生活保護の申請内容に不正があったなどの場合です。

行政行為の取消しに関する判例

  • 処分をした行政庁その他正当な権限を有する行政庁においては、みずからその違法または不当を認めて、処分の取消しによって生じる不利益と、取消しをしないことによってかかる処分に基づきすでに生じた効果をそのまま維持することの不利益とを比較考量し、しかもその処分を放置することが公共の福祉の要請に照らし著しく不当であると認められるときに限り、これを取り消すことができる。(最判昭43.11.7:農地の買収売渡計画職権取消し)

行政行為の撤回

撤回をする際の法律の根拠

行政庁が撤回を行う場合、法律の特別な根拠は不要です(最判昭63.6.17)。なぜなら、撤回の原因は、私人にあるため、それを理由に撤回することは私人の権利の侵害には当たらないからです。例えば、運転免許をCさん与えて、その後、Cさんが、飲酒運転を行って運転免許の取消し(撤回)を行う場合、撤回するかどうか行政庁の裁量によります。法律に飲酒運転をした場合、撤回しなければならないと規定されていなくても、撤回をすることができます。もちろん、ほんのちょっとの飲酒で捕まえたとしても、それだけで撤回というのは厳しすぎるので、そういった場合は、免許取消ではなく、罰金くらいでしょう。つまり、比例原則は適用されます。

撤回権者

撤回権者とは、撤回することができる者(撤回できる権限を持つ者)を言います。そして、撤回権者は、処分庁のみです。

撤回の制限(撤回は自由にできるか?)

撤回の場合も、職権取消しと同じように、不可変更力がある行政行為は撤回できません。」「侵害的行政行為の場合、自由に撤回できます。」一方、「授益的行政行為の撤回は、原則、できません。

行政行為の撤回に関する判例

  • 【要旨】都有行政財産である土地について建物所有を目的とし期間の定めなくされた使用許可が当該行政財産本来の用途又は目的上の必要に基づき将来に向つて取り消されたときは、使用権者は、特別の事情のないかぎり、右取消による土地使用権喪失についての補償を求めることはできない。【判決理由】使用許可に際し別段の定めがされている等により、行政財産についての右の必要にかかわらず使用権者がなお当該使用権を保有する実質的理由を有すると認めるに足りる特別の事情が存する場合に限られるというべきである。(最判昭49.2.5:撤回にかかる損失補償の要否)

行政書士の過去問題集【年度別の問題と解説】無料

行政書士 過去問題集(問題と解説)

行政上の強制手段

行政の目的を達成するために、国民に任意にしてもらいたい場合や、義務として行ってもらいたい場合があります。それにも関わらず、国民が思うように行ってくれないときに、行政機関は行政上の強制手段を発動して、行政の目的を達成させることができます。

例えば、お酒の飲みすぎで、路上で寝ている人がいた場合、このまま放ってい置いては、車を運転する人の迷惑になります。そのために、警察官が、路上で寝ている人を、強制的に安全な場所に運びます。これも行政上の強制手段です。その他にも色々あるので、その点を解説していきます。

行政上の強制手段には、大きく分けて「行政強制」と「行政罰」の2つに分けることができます。

行政強制と行政罰

行政強制とは、将来に向けて、行政目的を達成するための行為です。

一方、
行政罰は、過去の義務違反に対する制裁です。

行政強制はさらに、行政上の強制執行(①代執行・②執行罰・③直接強制・④行政上の強制徴収)と即時強制に分けることができます。

行政上の強制執行と即時強制の違い

行政上の強制執行は、義務が課されているにもかかわらず、その義務を履行しない場合に、行政庁が実力行使して義務を履行させます。

一方、
即時強制は、義務が課されていないけど、相手方の身体や財産に実力行使することです。上の例にもある、路上で寝ている人がいた場合に、警察官が安全な場所に移動させる行為が即時強制です。

行政上の強制執行

行政上の強制執行は、①代執行・②執行罰・③直接強制・④行政上の強制徴収の4種類あるのですが、どれも、義務が課されているにもかかわらず、その義務を履行しない場合の話です。そして、上記4つすべてについて言えることは、法律の根拠がなければ行うことができないということです。それでは、具体例を使いながら解説していきます。

代執行

 

代執行とは、代替的作為義務が履行されない場合に、「行政庁もしくは第三者」が自ら、義務者に代わって義務を履行し、その費用を義務者から徴収することを言います。

例えば、Aが所有する建物が建築基準法違反で、いつ倒壊してもおかしくない状況にあったとします。

この場合、市長は、Aに対して「建物を除去しなさい!」と除去命令が下すことができます。

この除去命令を受けたAは、除去する義務が発生します。それでも、Aが、建物を除去しない場合、

(Ⅰ)市長(行政庁)は「1か月以内に除去しないのであれば、代執行(市が強制的に除去)をします!」と文書で戒告(お知らせ)をします。

(Ⅱ)それでもAが除去しない場合、「それでは、代執行を行います!」と代執行令書を使って、Aに通知します。

(Ⅲ)市は、代執行を行います(強制的に、建物の取り壊しを行う)。

(Ⅳ)かかった費用については、Aから徴収します。

ここで行政書士試験で出題される内容は、上記の細かい流れです。

(Ⅰ)文書で戒告・(Ⅱ)代執行令書による通知

行政庁は、相当期間を定めて、文書で戒告します。ただし、例外として、非常の場合、または、危険切迫の場合は、(Ⅰ)戒告と(Ⅱ)代執行令書による通知を省略できます。

(Ⅲ)代執行

代執行を実際に行う執行責任者は、証票を携帯し、要求があるときは、いつでもこれを呈示しなければなりません。

(Ⅳ)費用の徴収

代執行に実際に要した費用を、納期日を定め、義務者に対して、文書をもって納付を命じます。期限内に納付がない場合は、国税滞納処分の例により、義務者から強制徴収をすることができます。

※国税滞納処分の例とは、「国税徴収法に規定されている、納税義務者が納税しない場合の手続きに従って」という意味です。

執行罰

執行罰とは、義務の不履行に対して、過料を科すことを予告し、その予告によって、義務者に心理的圧迫を加えて間接的に義務の履行を強制することを言います。

「罰」という漢字が含まれていますが、「罰」ではありません。もし、義務を履行すれば、過料を取られることはないからです。ただし、義務を履行しないと、何度も過料を科されることがあるので注意が必要です。イメージとしては、DVDの延滞料です。DVDを期限までに返却すれば延滞料を取られませんが、延滞すると、毎日、延滞料がずっと科されます。

実際、執行罰は、砂防法36条しかありません。

砂防法36条 私人ニ於テ此ノ法律若ハ此ノ法律ニ基キテ発スル命令ニ依ル義務ヲ怠ルトキハ国土交通大臣若ハ都道府県知事ハ一定ノ期限ヲ示シ若シ期限内ニ履行セサルトキ若ハ之ヲ履行スルモ不充分ナルトキハ五百円以内ニ於テ指定シタル過料ニ処スルコトヲ予告シテ其ノ履行ヲ命スルコトヲ得

砂防法等の命令による義務を怠ると、国土交通大臣もしくは知事は、一定期限を示す等して、500円以内の過料に処することを予告して、履行を命ずることができる

執行罰は、行政刑罰と併科しても二重処罰の禁止規定(憲法39条後段)には違反しません

直接強制

直接強制とは、行政上の義務を義務者が履行しない場合に、行政庁が、義務者の身体又は財産に実力を加えて、義務の履行があったとみなす行為を言います。有名な事例は、成田国際空港の安全確保に関する緊急措置法3条です。

1項 国土交通大臣は、規制区域内に所在する建築物その他の工作物について、その工作物が次の各号に掲げる用に供され、又は供されるおそれがあると認めるときは、当該工作物の所有者、管理者又は占有者に対して、期限を付して、当該工作物をその用に供することを禁止することを命ずることができる。
一 多数の暴力主義的破壊活動者の集合の用
二 暴力主義的破壊活動等に使用され、又は使用されるおそれがあると認められる爆発物、火炎びん等の物の製造又は保管の場所の用
三 成田国際空港又はその周辺における航空機の航行に対する暴力主義的破壊活動者による妨害の用

6項 国土交通大臣は、第一項の禁止命令に係る工作物が当該命令に違反して同項各号に掲げる用に供されていると認めるときは、当該工作物について封鎖その他その用に供させないために必要な措置(建物の実力封鎖)を講ずることができる

行政上の強制徴収

行政上の強制徴収とは、国民が、行政上の金銭納付義務を履行しない場合に、行政庁が、自ら強制的に徴収し、当該国民は義務を果たしたことにすることを言います。

例えば、税金を滞納している人がいた場合、滞納者の財産を差押えて、競売にかけて得られた代金で納税することが強制徴収です。

行政上の金銭納付義務とは

道路占有料河川占有料放置違反金等があります。

水道料金は民事上の話なので、民事上の強制執行の対象となるので注意しましょう!

また、行政上の金銭納付義務については、行政上の強制徴収の手段によって行う必要があり、民事上の強制執行によって行うことはできません

即時強制

即時強制とは、義務を命じる余裕のない緊急の必要がある場合に、行政機関が、国民に義務を課することなく、国民の身体や財産に実力行使することを言います。

上記の通り、国民の身体や財産に実力行使するので、即時強制を行うには「法律の根拠」もしくは「条例で定めていること」が必要です。

例えば、路上で寝ている人がいた場合に、「起きて路上から離れてください!」と義務を命じていては、それまでに車にひかれてしまうかもしれません。緊急で路上から離れさせる必要があります。実際、警察官職務執行法の3条に上記内容が規定されています。

第三条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して左の各号の一に該当することが明らかであり、且つ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、とりあえず警察署、病院、精神病者収容施設、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。
一 精神錯乱又はでい酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす虞(おそれ)のある者
二 迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)

行政罰

行政罰とは、過去の義務違反に対する制裁です。そして、行政罰には「行政刑罰」と「行政上の秩序罰」の2つがあります。

※公務員に対する懲戒解雇などは「懲戒罰」なので、行政罰ではありません。

執行罰と行政罰の違い

執行罰は、行政強制の一つなので、将来に向けて、行政目的を達成するための行為です。簡単にいえば、将来、義務を履行しないと罰を加えますよ!という内容です。

一方、
行政罰は、過去の義務違反に対する制裁です。もうすでに、義務違反をしたから、それに対して罰を加えます!という内容です。

行政刑罰

行政刑罰とは、刑法に定めのある刑罰を科すものを言います。具体的には、拘禁、罰金、拘留、科料です。そして、行政刑罰は、刑法総則の規定が適用され、刑事訴訟法の定める手続きによって科されることになります。ただし、例外的に、大量に生じる軽微な違反事件(例えば、国税犯則取締法に基づく通告処分等)は刑事訴訟法によらない簡易的な手続きが定められています。

また、行政刑罰の特徴として、違反行為者のほか、その使用主や事業主も科刑される「両罰規定」が置かれていることが多いです。例えば、宅建業法84条です。

第84条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第79条又は第79条の2 一億円以下の罰金刑

第79条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 不正の手段によって免許を受けた場合
二 無免許で宅建業を営んだ場合
三 自己の名義をもって他人に宅建業を営ませた場合
四 業務の停止命令に違反して業務を営んだ場合

第79条の2 重要事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げた者は、二年以下の拘禁若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

行政上の秩序罰

行政上の秩序罰とは、形式的で軽微な行政上の義務違反に対して課される過料のことです。例えば、届出義務や登録義務、通知義務に違反した場合です。

そして、科料は刑罰ですが、過料は刑罰ではありません。そのため、
法令に基づく過料は、非訟事件手続法によって地方裁判所が科します。

一方、地方公共団体の条例や規則に違反した場合、地方自治法の定めに基づいて、地方公共団体の長が行政処分として科します。

そして、「秩序罰による過料」と「行政刑罰」は、目的や要件が異なるため併科してもよいです。

憲法の基礎6|生命・自由・幸福追求権

スライド1:表紙(生命・自由・幸福追求権)

本日のテーマは「生命・自由・幸福追求権」です。

憲法を学習する上で、多くの受験生が「人権」という言葉に触れますが、その中でも今回のテーマはすべての権利の「大元(おおもと)」となる非常に重要な部分です。行政書士試験においても、この分野は単に条文を暗記するだけでなく、その背景にある考え方や、どのようにして新しい権利が生まれてきたのかというプロセス、そして重要な判例の結論を正確に理解しておく必要があります。

特に、今の時代は「SNSの普及」や「情報化」が進み、個人のプライバシーや自己決定といった「新しい人権」が注目されています。それらが憲法の中でどのように位置づけられているのかを、今日の一回の講義でスッキリと整理していきましょう。難しい法律用語も、噛み砕いてお話ししますので、まずは肩の力を抜いて、憲法が目指している「個人の尊重」という温かい理念を感じ取ってみてください。それでは、具体的な中身に入っていきましょう。

スライド2:この講義で学ぶこと

さて、この講義で具体的にどのようなステップで進めていくか、学習の地図を確認しておきましょう。

まず一つ目は、全ての土台となる「憲法13条」そのものの考え方です。「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」という、非常に壮大な名前がついたこの権利が、なぜ憲法の中心的な柱だと言われているのか。そして、この13条が持つ「包括的な権利」としての役割を理解していただきます。

二つ目は、その13条から派生して生まれた「新しい人権」についてです。憲法が制定された昭和21年当時には、現代のようなインターネットや高度な医療技術はありませんでした。そのため、条文には直接書かれていないけれども、現代社会を生きていく上でどうしても守られるべき権利が出てきました。これが「新しい人権」です。

試験では、「どのような基準で新しい人権が認められるのか?」や、「具体的にどのような権利が認められているのか?」という点が、判例(裁判所の判断)をベースに出題されます。今回の講義では、単に知識を詰め込むのではなく、「なぜその権利が必要だったのか」という物語を大切にしながら、判例のポイントを交えて学んでいきましょう。

スライド3:すべての基本 憲法第13条

それでは、本日の主役である「憲法13条」の条文をじっくり見てみましょう。

「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

この13条は、日本国憲法における「最高原理」と呼ばれています。最も大切なのは、冒頭の「個人として尊重される」という部分です。これは「個人の尊厳」とも言い換えられます。一人一人がかけがえのない存在として扱われること、これが憲法の究極の目的です。

ここで注目したいのは、13条が「包括的(ほうかつてき)な権利」であるという点です。憲法には14条の平等権や21条の表現の自由など、具体的な権利が並んでいますが、条文に書ききれなかった「人間としての尊厳を保つために必要な権利」は、すべてこの13条が拾い上げて守ってくれるのです。

このため、社会の変化によって「新しい権利を守らなきゃ!」となったとき、裁判所はこの13条を根拠にして、その権利を憲法上の権利として認めることができるのです。この柔軟性こそが、13条が「新しい人権の母」と呼ばれる理由です。

スライド4:なぜ「新しい人権」が必要なのか?

では、なぜわざわざ「新しい人権」という考え方を作り出す必要があったのでしょうか。

憲法が作られたのは、戦後間もない時期です。当時の人々にとって最も切実だったのは、国家権力による不当な逮捕や、言論の弾圧から逃れることでした。しかし、時代は流れます。高度経済成長を経て、社会は複雑化し、科学技術は飛躍的に進歩しました。

例えば、カメラの性能が上がり、誰でも簡単に他人の姿を撮影できるようになったことで、「勝手に撮られたくない」というプライバシーや肖像権の問題が出てきました。また、医療が進歩したことで、自分の最期をどう迎えるかという自己決定の問題も生じました。これらは、憲法が作られた当時には想定すらされていなかった問題です。

もし、憲法に書いていないからという理由でこれらの新しい侵害を放置してしまえば、「個人の尊重」という憲法の目的は果たせなくなってしまいます。そこで、社会の変化に対応し、人間が人間らしく幸せに生きていくために不可欠な利益を、13条の「幸福追求権」という器を使って救い出すことにしたのです。

ただし、何でもかんでも「権利だ!」と主張できるわけではありません。それが本当に憲法で守るべき価値があるのかどうか、裁判所は慎重に判断します。そのあたりの「線引き」が、試験ではよく問われる部分になります。

スライド5:幸福追求権から生まれた代表的な「新しい人権」

ここで幸福追求権から生まれた、行政書士試験でも特に出題頻度の高い3つの「新しい人権」をご紹介します。

  • ① プライバシー権:昔は「一人にしておいてもらう権利」といった消極的な意味が強かったのですが、現代では「自分の情報をコントロールする権利」という積極的な意味まで含まれるようになっています。
  • ② 肖像権:自分の容姿や姿態を、みだりに撮影されたり公表されたりしない権利です。これは「京都府学連事件」などの有名な判例があります。
  • ③ 自己決定権:自分の生き方や生活に関わる重要な事柄について、公権力から干渉されずに自分で決定できる権利です。ファッションの自由から、医療における治療方針まで幅広く含まれます。

これらの権利は、条文には一文字も書かれていません。しかし、いずれも13条の「個人の尊重」という根っこから伸びてきた大切な枝葉です。

スライド6:① プライバシー権

まずは現代社会で最も重要と言っても過言ではない「プライバシー権」です。

プライバシー権とは、一般的に「私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」と定義されています。日本でも昭和39年の「宴(うたげ)のあと」事件(三島由紀夫の小説を巡る裁判)で初めて裁判所によって認められました。

現代の情報化社会ではその意味が進化し、自分のデータがどこでどう使われているかを把握し、誤りがあれば訂正を求める「自己の情報をコントロールする権利」という積極的な側面が重視されています。行政書士の試験においても、この「私生活の公開禁止」から「情報のコントロール権」への変遷のイメージを持っておくことが、記述式や多肢選択式の対策としても非常に有効です。

スライド7:【判例】プライバシー権:前科照会事件(最判昭56.4.14)

プライバシー権に関する極めて重要な判例である「前科照会事件」を見ていきましょう。

【事案】弁護士会が市区町村長に対し、ある人物の前科について照会しました。市区町村長がこれに応じ回答したため、本人がプライバシー侵害で訴えました。

【判旨】最高裁判所は、「みだりに前科等を公開されないことは、法律上の保護に値する利益である」と明言しました。前科は個人の名誉や更生に関わるデリケートな情報であり、十分な必要性の検討なく外部へ教えることは許されないという判断です。

試験のポイントは、市区町村長の行為が「過失による違法な公権力の行使」に当たり、国家賠償法上の責任にもつながるという点です。個人の権利を公的機関が侵害してはならないという重い教訓を残しています。

スライド8:② 肖像権

肖像権とは、自分の容姿や姿態を、みだりに撮影されたり、それを公表されたりしない権利を指します。スマホ社会の現代、トラブルの原因になりやすい権利です。あとで解説する京都府学連事件の判例は、この権利が憲法13条によって保障されると明確に認めています。ただし、この権利も無制限ではなく、公共の福祉による制約を受けます。

スライド9:京都府学連事件(最判昭44.12.24)

【事案】デモ行進の様子を、警察官が証拠保全のために写真撮影しました。これが肖像権侵害ではないかが争われました。

【判旨】最高裁は、「何人も、その承諾なしに、みだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を有する」と判断しました。原則として勝手な撮影は許されません。しかし、「現に犯罪が行われている」「証拠保全の緊急性がある」といった正当な理由がある場合には、撮影も許容されるとしました。

憲法に明記はないが13条を根拠に認められること、そして「正当な理由があれば制限される」というバランス感覚を掴んでおきましょう。

スライド10:③ 自己決定権

自己決定権とは「個人がその私的な生活領域において、一定の事柄を公権力の干渉を受けずに自ら決定できる権利」です。ライフスタイル、家族計画、医療の治療方針など、個人の尊厳に深く関わります。

スライド11:エホバの証人輸血拒否事件(最判平12.2.29)

【事案】宗教上の理由で「輸血拒否」の意思を示していた患者に対し、手術中に生命の危険が生じたため医師が輸血を行った事案です。

【判旨】最高裁は、輸血拒否の意思決定は「人格権の一内容」として尊重されるべきであり、医師の行為は自己決定権を侵害したと判断しました。

自己決定権は、ファッションのような日常から、安楽死といった命の選択まで及びます。行政書士試験では、人格形成に関わる重要な決定ほど13条の保障が強くなるというイメージを持っておきましょう。

スライド12:まとめ:13条が支える現代の人権

憲法13条は、決して古い歴史の遺物ではありません。AIや遺伝子工学など、現代の新しい課題において最も生命力を持って機能している条文です。

「すべて国民は、個人として尊重される」

この一文が根っことなり、プライバシー権や自己決定権といった枝葉を伸ばしています。試験勉強では判例の結論だけでなく、その底にある「一人一人の人間を唯一無二の存在として大切にする」精神を忘れないでください。

実務で「個人の尊厳」に寄り添える法律家への第一歩として、今日の学びを大切にしていただければ嬉しいです。お疲れ様でした!

 

 

行政書士試験対策講座:憲法基礎シリーズ

人権の歴史と性質をマスターする完全ガイド

行政書士試験受験生の皆さん、こんにちは。担当講師です。本日は憲法の学習において避けては通れない、そして合否を分ける非常に重要なテーマである「人権の歴史と性質」について徹底的に解説していきます。

初学者の多くは、憲法13条や14条といった条文の数字や、判例の結論(合憲か違憲か)だけを暗記しようと急ぎがちです。しかし、近年の行政書士試験、特に難易度の高い多肢選択式や記述式問題では、「なぜその権利が必要なのか?」「どのような歴史的経緯でその概念が生まれたのか?」という根本的な理解を問う問題が増えています。この基礎がぐらついていると、応用問題で足元をすくわれてしまいます。

本記事では、講義スライドの内容をベースに、試験で狙われるポイントを網羅した5,000文字超の圧倒的ボリュームでお届けします。この記事を読み終える頃には、あなたの憲法に対する解像度は格段に上がっているはずです。それでは、始めましょう!

本記事の学習ポイント

  • 人権が「特定の人の特権」から「人類共通の権利」へと進化した歴史を辿る
  • 「自由権」と「社会権」の成立背景の違いを明確にする
  • 国家権力を縛る「立憲主義」の核心を理解する
  • 人権の3つの絶対的性質(固有性・不可侵性・普遍性)を定義する
  • 4つの人権分類と、現代的な「分類の相対化」という視点を身につける

1. 人権の歴史:血と汗で勝ち取った「自由」の物語

人権は、最初からそこにあったわけではありません。かつての絶対王政の時代、王様は「神から権力を授かった(王権神授説)」と称し、国民の命や財産を思いのままに支配していました。今私たちが手にしている自由は、先人たちが何百年もの歳月をかけ、命をかけて権力から勝ち取ってきた「戦利品」なのです。

① 「国民の権利」から「人権」へのパラダイムシフト

歴史の出発点は、13世紀のイギリスにあります。1215年に制定されたマグナ・カルタ(大憲章)は、王の勝手な課税や不当な逮捕を制限した画期的な文書でした。しかし、注意が必要なのは、この時代の権利はあくまで「イギリス国民」あるいは「特定の貴族」という限定された身分に与えられた「特権」であったという点です。これを「国民の権利」と呼びます。

【図解:マグナ・カルタから近代宣言へ】
イギリスの身分的権利(国民の権利) → 米仏の普遍的権利(人権)への流れ

この流れを根本から変えたのが、18世紀後半の二つの大きな革命です。 1776年のアメリカ独立宣言は、「すべての人間は平等に造られ、生命、自由、幸福の追求を含む不可侵の権利を造物主によって与えられている」と宣言しました。 続いて1789年のフランス人権宣言も、「人は、自由かつ権利において平等なものとして出生し、かつ、生存する」と高らかに謳いました。

これらの宣言の最大の特徴は、「イギリス人だから」といった国籍や「貴族だから」といった身分を一切不問にし、「人間であること」そのものを理由にすべての人が権利を持つという、普遍的な「人権(Human Rights)」の概念を確立した点にあります。これこそが、近代市民社会の幕開けであり、憲法の根本精神なのです。

② 時代のニーズによる変遷:「自由権」から「社会権」へ

近代市民憲法が成立した当初、人権の主役は「自由権」でした。これは「国家からの自由」と呼ばれます。当時の市民が最も望んだのは、「国家は私の生活や経済活動に余計な口出しをしないでくれ」ということでした。この時代の国家は、治安維持と国防のみを行う「夜警国家(消極国家)」が理想とされました。

しかし、19世紀の産業革命を経て資本主義が急速に発展すると、自由放任の裏側で深刻な貧富の格差、過酷な労働環境、貧困問題が噴出しました。単に「自由」があるだけでは、弱者は飢え、人間らしい生活ができなくなったのです。

そこで20世紀に入り、1919年のドイツワイマール憲法において、初めて「社会権」が登場しました。これは「国家による自由」と呼ばれます。「国家は黙って見ているだけでなく、人間らしい生活を保障するために積極的に介入して助けてくれ」と求める権利です。現代の日本国憲法25条(生存権)はこの系譜に連なるものです。試験では「18・19世紀=自由権(消極国家)」対「20世紀=社会権(積極国家・福祉国家)」という対比が頻出します。

③ グローバルな視点へ:「国内の保障」から「国際的な保障」へ

第二次世界大戦における甚大な人権侵害の反省から、世界は「人権は一国だけの問題ではない」という結論に達しました。1948年の世界人権宣言、そして1966年の国際人権規約により、人権は国境を越えて国際社会全体で守るべきものとなりました。日本も1979年にこれらを批准し、国際法上の義務として人権を保障しています。

2. なぜ「憲法」で人権を保障する必要があるのか?(立憲主義の核心)

ここで、非常に根本的な問いを立ててみましょう。なぜ、普通の「法律」ではなく「憲法」という最高法規で人権を規定する必要があるのでしょうか。ここに「立憲主義」の本質があります。

法律は「国家が国民に対して守らせるルール」ですが、憲法はその逆、「国民が国家権力に対して守らせるルール」です。この「誰が誰を縛っているのか」という方向性の違いは、行政書士試験の超重要知識です!

国家権力(国会、内閣、裁判所など)は、強力な力を持っています。もし人権が普通の法律だけで守られているとしたら、時の権力者が多数決を使って、自分たちに都合の悪い人々を弾圧する法律を簡単に作れてしまいます。民主主義における多数決は大切ですが、時として「多数派による少数派の抑圧」を招くリスクがあるのです。

だからこそ、法律よりも高い効力を持つ「最高法規」としての憲法に人権を書き込み、「たとえ国会の多数決であっても、この枠だけは絶対に超えてはならない」と権力に「鎖」をかけているのです。この立憲主義という視点を持つと、憲法の条文がなぜあのように厳格な言葉で書かれているのかが理解できるようになります。

3. 人権の性質:人権が持つ3つの本質

憲法学において、人権には共通する3つの絶対的な性質があるとされています。これらは試験の多肢選択式などで用語を入れ替えたりして狙われますので、正確に覚えましょう。

【図解:人権の3つの柱】
固有性(生まれながらに) ・ 不可侵性(侵されない) ・ 普遍性(誰にでも)
  1. 固有性(Inherent Nature): 人権は、国や憲法から「恩恵として与えられた」ものではありません。人間が人間である以上、生まれながらにして当然に備わっている権利です。これを「天賦人権(てんぷじんけん)」と言います。
  2. 不可侵性(Inviolable Nature): 人権は、公権力によって侵害されてはならないという性質です。ただし、人権は「無制限」ではありません。他人の人権とぶつかる場合には、お互いを調整するための「公共の福祉」による最小限度の制約を受けます。
  3. 普遍性(Universal Nature): 人権は、人種、性別、社会的身分、信条などにかかわらず、人間であれば誰でも等しく享有できるものです。特定の国や時代に限定されない、人類共通の価値です。

4. 人権の分類:整理して理解する「4つのカテゴリー」

憲法には多くの人権が並んでいますが、それらを「国家に対して何を求めているのか」という視点で整理すると、驚くほどスッキリ理解できます。

分類 キャッチコピー 国家へのアクション 具体的な権利
自由権 国家からの自由 不作為(何もしないでくれ) 精神的自由、表現の自由、職業選択の自由など
参政権 国家への自由 参加(政治に参加させろ) 選挙権、被選挙権、公務員選定罷免権
受益権 国家による受益 救済(侵害されたら助けろ) 裁判を受ける権利、国家賠償請求権
社会権 国家による自由 給付(人間らしく生きさせろ) 生存権、教育を受ける権利、勤労の権利

【応用】分類の「相対化」とは何か?

試験で一歩差をつけるための重要概念が、この「相対化」です。 伝統的には「自由権は国が何もしないこと(不作為)」「社会権は国が何かをすること(作為)」と厳密に分けられていました。しかし、現代社会ではこの境界線が曖昧になっています。

例えば、私たちがデモ行進をして自分の意見を世の中に伝える「表現の自由(自由権)」を行使する場合を考えてみてください。単に国が「邪魔をしない」だけでは不十分です。反対派が襲ってこないように警察官が警備をし、安全な場所を確保するという「国の積極的な行動(作為)」があって初めて、私たちの表現の自由は実質的に守られます。 このように、自由権の中にも社会権的な側面(国の助け)が必要だったり、逆に社会権を行使する際にも自由が尊重されなければならなかったりします。分類は絶対的な壁ではなく、互いに影響し合っている。この柔軟な捉え方が、判例を深く理解するための鍵となります。

5. 講師からのまとめ:基礎を固めて合格を掴む!

本日の講義、いかがでしたでしょうか。内容をギュッとまとめると以下の通りです。

  • 人権は歴史の中で「国民の特権」から「人類普遍の権利」へと成長した。
  • 時代背景によって、国家の干渉を拒む「自由権」から、国家の助けを求める「社会権」へと中心が移った。
  • 憲法は、暴走しがちな国家権力を縛り、人権を守るための「最高法規(立憲主義)」である。
  • 人権は「固有・不可侵・普遍」の性質を持ち、4つのカテゴリーに分類されるが、現代ではその性質は「相対化」されている。

行政書士試験の憲法は、条文の暗記だけで乗り切れるほど甘くはありません。しかし、今日学んだような「人権の根っこ」をしっかり理解していれば、この後に続く「個別の人権」や「統治機構」の学習効率は劇的に上がります。判例を読むときも、「これは自由権の話か?社会権の話か?」「立憲主義の観点からどう判断されているか?」と問いかける癖をつけてください。

初学者の皆さんは、まずはこの歴史の流れと分類の表を完璧にイメージできるように復習しましょう。千里の道も一歩からです。共に合格を目指して走り抜けましょう!

行政書士試験対策講座:憲法マスターへの道

© 2025 Administrative Scrivener Examination Prep. All Rights Reserved.

令和7年・2025年の予想模試の訂正点

第一回模試(問題)

問35-1 図

誤:③この期間中に出生した子は「推定されない嫡出子」=嫡出子ではあるが、嫡出は推定されない
正:③この期間中に出生した子は「婚姻した夫」の子として嫡出推定される

 

問46 1行目

誤:Aは、Bから「結婚しないと家族を殺す」と強迫されて、婚姻をしてしまった。
正:Aは、Bから「24歳である」と言われていて婚姻したが、実際は52歳であった。

 

第一回模試(解説②)

問52-3 4行目

誤:アメリカの保有するドルが激減し
正:アメリカの保有する「金(ゴールド)」が激減し

 

第二回模試(問題)

問30-1 3行目

誤:甲楯も
正:甲建物

 

第三回模試(解説②)

問27-1 下から3行目

誤:代理人Bは「買主Cが第三者から詐欺を受けて売却していること」を知らずに
正:代理人Bは「売主Cが第三者から詐欺を受けて売却していること」を知らずに

令和6年・2024年の予想模試の訂正点

予想模試1回目①解説

P2 問1-1 2行目、6行目(8/19更新)

誤:憲法、法律、条約、命令、条約
正:憲法、法律、条約、命令、条例

 

P33 問17-オ 表「訴訟要件」の3(8/27更新)

誤:行政庁が一定の処分をすべき旨
正:行政庁が一定の処分をすべきでない

 

予想模試1回目②解説

P6 問29-エ 6行目(8/29更新)

誤:よって、本肢は正しいです。
正:よって、本肢は誤りです。

 

P8 問30-4 【代金債権が到来していて、貸金債権の弁済期が到来していない場合】1行目

誤:一方で、Cが代金債務を弁済しないと、債務不履行責任を問われます。
正:一方で、が代金債務を弁済しないと、債務不履行責任を問われます。

 

P13 問33-3 1行目の太文字

誤:賃貸人Bは転借人Cに、賃貸借契約の終了を対抗できない

正:賃貸人は転借人Cに、賃貸借契約の終了を対抗できない

 

P21 最終行

誤:①~④の内容が記載されていれば定款としての効力が生じます。

正:①~の内容が記載されていれば定款としての効力が生じます。

 

予想模試2回目 問題

P29 問38 イ (9/3更新)

誤:4分の1を下回ってはいけない。

正:4分の1回ってはいけない。

 

予想模試2回目②解説

P9 問29-エ 一番下の行(10/21更新)

誤:166 条 2 項

正:167条 2 項

 

P9 問29-オ 表(10/26更新)

誤:④抵当権消滅請求できる

正:④物上代位権を行使できる

 

P18 問34-3 6行目(10/30更新)

誤:更改については、求償はできないので、Bは、C・Dに対し、1 円も求償できません。

正:「給付の内容について変更する更改」については、求償ができます。Bが100万円の債務を負担するので、C・Dに対してそれぞれ、333333円を求償できます。

 

P19 問35-ア 一番下の図

②と③が逆になっていました。

正:
②この期間中に出生した子は「推定されない嫡出子」=嫡出子ではあるが、嫡出は推定されない 
③この期間中に出生すれば、婚姻中に妊娠したと推定

 

P19 問35-ア ▼③の具体例 2つ目 (9/4更新)

誤:A男とB女が婚姻を解消してから 300 日経過後に

正:A男とB女が婚姻を解消してから 300 日以内に

P19の修正済みの解説はこちら>

P20の修正済みの解説はこちら>

 

P33・34 問43-エ (9/18)

誤:職務濫用

正:職権濫用 

 

P47 問58-ウ 4行目・5行目 (9/13更新)

誤:市町村長は、住民票を改製したときは、改製前の住民票を住民基本台帳から除いて、消除した住民票は破棄しなければならない。

正:(不要なため削除)

 

予想模試3回目 問題

P10 問14-イ 1行目 (10/18更新)

誤:審理員

正:行政庁

 

P20 問26-ウ 3行目 (9/18更新)

誤:真摯勝つ明確に表明し

正:真摯かつ明確に表明し

 

予想模試3回目①解説

P1 問51の正解番号(8/27更新)

誤:5
正:1

 

P12 問6-3 解説2行目(9/16更新)

誤:最大決昭 44.11.26
正:最大判平元.3.8

 

予想模試3回目②解説

P9 問31-5 下から2行目(9/2更新)

誤:AはCに対して不法行為による損害賠償請求
正:はCに対して不法行為による損害賠償請求

 

P29 問45 ▼①について  4行目(10/7更新)

誤:買主Bに引き渡したにもかかわらず
正:買主Cに引き渡したにもかかわらず