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単純承認・限定承認・相続放棄

相続財産の承継

財産には、プラスの財産(積極財産)とマイナスの財産(消極財産:借金等)があります。

ある人(被相続人)が死亡した場合、相続人は、被相続人の財産を承継するのか、放棄するのかを自由に選択することができます。

具体的には、①単純承認、②限定承認、③相続放棄の3つがあります。

単純承認

単純承認」とは、被相続人の権利・義務を(プラスの財産もマイナスの財産も)無限に(全て)承継するものです(民法920条)。

下記のいずれかに該当する場合、相続人は、単純承認をしたものとみなします(民法921条)。

  1. 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び602条に定める短期賃貸借の期間を超えない賃貸をすることは、処分に含めません。
  2. 相続人が、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内の期間(熟慮期間)内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
  3. 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。

限定承認

限定承認」とは、相続によって得たプラスの財産の限度で相続し、その財産で債務を弁済する方法です(民法922条)。

例えば、プラスの財産が1000万円あって、マイナスの財産(借金)が1500万円あった場合、1000万円だけ相続し、1000万円を借金の返済に充てる方法です。

相続人が数人あるときは、共同相続人の全員が共同して限定承認ができます。一人でも単純承認をする者がいたら、限定承認はできません(民法923条)。

相続人は、限定承認をしようとするときは、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内の期間(熟慮期間)内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない(民法924条)。

相続放棄

相続放棄とは、相続を放棄することで、「最初から相続人でなかった」とみなされます(民法939条)。

被相続人の負債が多いなど相続することで、相続人の生活が厳しくなってしまう場合に使います。

相続放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければなりません(民法938条)。

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民法テキストの目次

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参考条文

(単純承認の効力)
第920条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

(法定単純承認)
第921条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

(限定承認)
第922条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

(共同相続人の限定承認)
第923条 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。

(限定承認の方式)
第924条 相続人は、限定承認をしようとするときは、第九百十五条第一項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。

(限定承認をしたときの権利義務)
第925条 相続人が限定承認をしたときは、その被相続人に対して有した権利義務は、消滅しなかったものとみなす。

(限定承認者による管理)
第926条 限定承認者は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理を継続しなければならない。

(相続の放棄の方式)
第938条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

(相続の放棄の効力)
第939条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

(相続の放棄をした者による管理)
第940条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
2 第六百四十五条、第六百四十六条、第六百五十条第一項及び第二項並びに第九百十八条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

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