令和6年度の行政書士試験の合格を目指す。理解学習が実践できる個別指導はこちら

令和2年・2020|問2|基礎法学

簡易裁判所に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア.簡易裁判所は、禁固刑および懲役刑を科すことができず、これらを科す必要を認めたときは、事件を地方裁判所へ移送しなければならない。

イ.簡易裁判所における一部の民事事件の訴訟代理業務は、法務大臣の認定を受けた司法書士および行政書士にも認められている。

ウ.簡易裁判所で行う民事訴訟では、訴えは口頭でも提起することができる。

エ.少額訴訟による審理および裁判には、同一人が同一の簡易裁判所において同一の年に一定の回数を超えて求めることができないとする制限がある。

オ.簡易裁判所判事は、金銭その他の代替物または有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・オ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:4

【解説】
ア.簡易裁判所は、禁固刑および懲役刑を科すことができず、これらを科す必要を認めたときは、事件を地方裁判所へ移送しなければならない。

ア・・・誤り
簡易裁判所は、原則、禁錮以上の刑を科することができません(裁判所法33条2項本文)。ただし、下記については、3年以下の懲役を科することができます(2項ただし書)。

  • 刑法130条(住居侵入等)の罪若しくはその未遂罪
  • 刑法186条(常習賭博及び賭博場開張等図利)の罪
  • 刑法235条(窃盗)の罪若しくはその未遂罪
  • 刑法252条(横領)、254条(遺失物等横領)若しくは256条(盗品譲受け等)の罪
  • 古物営業法31条から33条までの罪若しくは質屋営業法30条から32条までの罪に係る事件又はこれらの罪と他の罪とにつき刑法54条1項の規定によりこれらの罪の刑をもって処断すべき事件

よって、懲役刑を科すことができる場合はあるので、誤りです。

イ.簡易裁判所における一部の民事事件の訴訟代理業務は、法務大臣の認定を受けた司法書士および行政書士にも認められている。

イ・・・誤り
司法書士の会の会員は、簡裁訴訟代理等関係業務を行えるが、行政書士簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができないので、誤りです。

簡裁訴訟代理等関係業務は、次のいずれにも該当する司法書士に限り、行うことができます。(司法書士法3条2項)

  1. 簡裁訴訟代理等関係業務について法務省令で定める法人が実施する研修であって法務大臣が指定するものの課程を修了した者であること。
  2. 前号に規定する者の申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した者であること。
  3. 司法書士会の会員であること。
ウ.簡易裁判所で行う民事訴訟では、訴えは口頭でも提起することができる。

ウ・・・正しい
簡易裁判所の訴訟手続については、口頭による訴えの提起が認められています。(民事訴訟法271条)
よって、正しいです。

エ.少額訴訟による審理および裁判には、同一人が同一の簡易裁判所において同一の年に一定の回数を超えて求めることができないとする制限がある。
エ・・・正しい
少額訴訟」とは、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えです。
そして、少額訴訟は、簡易裁判所に対して訴えを提起します。
また、1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする特別な訴訟手続です。
【注意点】
少額訴訟は、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数(10回)を超えてこれを求めることができません
よって、本肢は正しいです。
オ.簡易裁判所判事は、金銭その他の代替物または有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。
オ・・・誤り
金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、「裁判所書記官」は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができます。(民事訴訟法382条本文)
よって、「簡易裁判所判事」ではないので誤り。「裁判所書記官」とは、裁判所において、裁判の記録や調書などを作成する事務職員です。「判事」とは、単独で裁判をし、また裁判長になることができる者です。

令和6年・2024年行政書士試験対策の個別指導はこちら

令和2年(2020年)過去問

問1 著作権の関係上省略 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基礎法学 問33 民法:債権
問4 憲法 問34 民法:債権
問5 憲法 問35 民法:親族
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・社会
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・経済
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・社会
問25 情報公開法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:物権 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

【勉強の仕方等、お気軽にご相談ください!】
  • メールアドレス
  • お名前(姓・名)
  • 姓と名はスペースで区切ってください
  • 郵便番号
  • 例:123-4567
  • 住所(都道府県)
  • 住所(市町村以下)
  • ご相談はこちら

  

SNSでもご購読できます。