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取消訴訟の手続きの流れ

取消訴訟の手続きの流れ

取消訴訟の流れについては、原告が処分や裁決について取消訴訟を提起します。そして、裁判に必要な事実と証拠を集めて、事実関係を精査します。その事実関係に対して法律を適用して、裁判所が判決を下します。

上記流れをもう少し細かく見ていきます。

審理の対象

取消訴訟を含む行政事件訴訟や民事訴訟は、違法かどうかを裁判所に審理してもらうものです。不当かどうかは判断しません。当・不当については不服申立て(審査請求等)で審理できます。

処分権主義

まず、訴えを提起するか、しないか、また訴えを提起する場合、誰を被告として、何について、どのような裁判を行うかは、原告が自由に決めることができます。

また、訴えをいつ終了させるかも原告が自由に決めることができます。

これを処分権主義と言います。

簡単にまとめて、訴えを起こすかどうかを原告が自由に決めることができることを処分権主義と考えてもらっても行政書士の試験勉強であれば問題ございません。

要件審理

取消訴訟が提起されると、裁判所は訴訟要件の有無について審理(要件審理)します。

これは、前回までに勉強した訴訟要件の部分に関連してきます。

下記6つの要件の一つでも満たさないものがあると、不適法として却下されます。

全ての要件を満たすと、実際の処分に違法があるかどうかを審理していきます。

  1. 処分性
  2. 原告適格
  3. 訴えの利益(狭義)
  4. 被告適格
  5. 出訴期間
  6. 管轄裁判所

弁論主義

取消訴訟の審理手続きは弁論主義が採用されます。

裁判の基本は「事実」と「証拠」である。事実と証拠をもとに、裁判所は判決を下します。そして、取消訴訟(民事訴訟も同様)の場合では、この「事実」と「証拠」は当事者が集めて裁判所に提出すべきものとされている。このように、裁判の基礎となる訴訟資料の収集と提出を当事者の権能および責任とする原則を「弁論主義」と言います。

職権探知主義

弁論主義の対義語が「職権探知主義」です。裁判所が判断を下すための証拠資料を自ら収集するという原則を言います。訴訟要件のうちでも公益性の高い事項については、弁論主義ではなく、職権探知主義が採用されます。

また、行政不服審査法においては、審理員が職権で物件の提出要求参考人の陳述及び鑑定の要求審理関係人への質問をすることができるため、職権探知主義が採用されています。

職権証拠調べ

職権探知主義とよく似た言葉に職権証拠調べという言葉があります。

職権証拠調べとは、裁判所が、必要があると認めるときは、職権で、証拠を調べることができることを言います。

職権探知主義のように、裁判所が証拠書類を探しに行く(収集する)のではなく、提出された証拠書類を調べることが職権証拠調べです。

そして、上記証拠調べの結果について、当事者の意見をきかなければなりません。

行政事件訴訟法では、訴訟の結果が公共の福祉に影響するところが少くないため,裁判所が必要があると認めるときは,補充的に職権で証拠調べをすることができます

職権探知 職権証拠調べ
不服申立て
(行政不服審査法)
行政事件訴訟
(行政事件訴訟法)
×

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