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令和3年・2021|問6|憲法,国会

次の文章の空欄[ ア ]・[ イ ]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

憲法で、国会が国の「唯一の」立法機関であるとされるのは、憲法自身が定める例外を除き、[ ア ]、かつ、[ イ ]を意味すると解されている。
  1. ア:内閣の法案提出権を否定し(国会中心立法の原則) イ:議員立法の活性化を求めること(国会単独立法の原則)
  2. ア:国権の最高機関は国会であり(国会中心立法の原則) イ:内閣の独立命令は禁止されること(国会単独立法の原則)
  3. ア:法律は国会の議決のみで成立し(国会単独立法の原則) イ:天皇による公布を要しないこと(国会中心立法の原則)
  4. ア:国会が立法権を独占し(国会中心立法の原則) イ:法律は国会の議決のみで成立すること(国会単独立法の原則)
  5. ア:国権の最高機関は国会であり(国会中心立法の原則) イ:立法権の委任は禁止されること(国会単独立法の原則)

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【答え】:4
【解説】
憲法で、国会が国の「唯一の」立法機関であるとされるのは、憲法自身が定める例外を除き、[ア:国会が立法権を独占し(国会中心立法の原則)]、かつ、[イ:法律は国会の議決のみで成立すること(国会単独立法の原則)]を意味すると解されている。

本問は、「国会中心立法の原則」と「国会単独立法の原則」の内容を問う問題です。

国会中心立法の原則

「国会中心立法の原則」は、憲法によって特別定められたものを除いて、原則として国会を通して立法を行わなければならないという意味です。
例外として、両議院の規則制定権、内閣の政令制定権、裁判所の規則制定権、地方自治体の条例制定権は、国会を通さずに立法を行っているので、例外です。

国会単独立法の原則

「国会単独立法の原則」は、立法は国会だけで行い、国会以外の機関等は参加せずに、国会の議決だけで法律が成立するという原則をいいます。
例外としては、「①一の地方公共団体のみに適用される特別法への住民投票(95条)」「②憲法改正の国民投票(96条)」「③内閣の法案提出権」などがあり、①は、住民投票は、住民が参加しないと成立しない点で例外ですし、②は国民が参加しないと成立しない点で例外です。また、③については、法律の成立に内閣(行政機関)が参加している点で、例外といえます。

1.ア:内閣の法案提出権を否定し(国会中心立法の原則) イ:議員立法の活性化を求めること(国会単独立法の原則)

1・・・妥当ではない
「内閣の法案提出権」を否定しているのは、「国会単独立法の原則」です。よって、この点が妥当ではありません。

また、「議員立法の活性化を求めること」は、「国会単独立法の原則」を意味していないので、この点も妥当ではありません。

2.国権の最高機関は国会であり(国会中心立法の原則) イ:内閣の独立命令は禁止されること(国会単独立法の原則)

2・・・妥当ではない
「国権の最高機関は国会であり」というのは、「国会中心立法の原則」の意味ではありません。
憲法41条にある「国会は、国権の最高機関であって」の「最高機関」とは、国会議員が「国民」によって、直接選任され、その点で国会は国民に連結しており、国会は、国政の中心的地位を占める機関であることを強調する「ほめ言葉」のような意味で使われていて、法的な意味はありません。

「内閣の独立命令は禁止されること」は、「国会単独立法の原則」の意味ではありません。
「内閣の独立命令」とは、法律を無視して内閣が制定する政令のことですが、これは憲法73条6号本文「この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。」の中の「憲法及び法律の規定を実施するために」について、「法律」を無視して「憲法の規定を実施するために」と考えているため、憲法にさえ沿っていれば法律に違反していても政令が下せるという解釈の下にある命令です。しかし、現在は認められていません。

3.ア:法律は国会の議決のみで成立し(国会単独立法の原則) イ:天皇による公布を要しないこと(国会中心立法の原則)

3・・・妥当ではない
「法律は国会の議決のみで成立し」とは、「国会単独立法の原則」ですが、イの「天皇による公布を要しないこと」は、「国会中心立法の原則」ではないので、妥当ではありません。

4.ア:国会が立法権を独占し(国会中心立法の原則) イ:法律は国会の議決のみで成立すること(国会単独立法の原則)

4・・・妥当
「国会が立法権を独占している」とは、「国会を通して立法を行わなければならない」「立法する場合、国会を通す必要がある」ということなので「国会中心立法の原則」です。

また、「法律は国会の議決のみで成立する」ことは、「国会単独立法の原則」を意味します。

よって、妥当です。

5.ア:国権の最高機関は国会であり(国会中心立法の原則) イ:立法権の委任は禁止されること(国会単独立法の原則)

5・・・妥当ではない
「国権の最高機関は国会であり」とは「国会中心立法の原則」を意味するものではありません。(選択肢2の解説参照)

また、「立法権の委任は禁止されること」は、「国会単独立法の原則」の意味ではありません。
そして、「国会単独立法の原則」は、立法権の委任は禁止してはいません。

この点は理解するのが難しい部分なので、個別指導で解説します!

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令和3年(2021年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政手続法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 地方自治法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 基礎知識
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 行政法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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