基礎法学の過去問

令和3年・2021|問1|基礎法学

次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。

そもそも、刑罰は[ ア ]的に科すべきものであるか([ ア ]刑論)あるいは[ イ ]を目的として科すべきものであるか(目的刑論)が、いわゆる刑法理論の争いである。
[ ア ]刑論すなわち絶対論では、善因に善果あるべきが如く、悪因に悪果あるべきは当然とするのである。しかして、刑罰は、国家がこの原理に基づいてその権力を振るうもので、同時にこれによって国家ないし法律の権威が全うされるというのである。
これに対して、[ イ ]論すなわち相対論においては、[ イ ]の必要に基づきて国家は刑罰を行うというのである。たとい小さな犯罪といえども、それが[ ウ ]となれば重く罰する必要があろう。たとい重い犯罪といえども、それが偶発的な犯罪であるならば、刑の[ エ ]ということにしてよかろうというのである。

(出典 牧野英一「法律に於ける正義と公平」1920年から<適宜新かな新漢字に修正した。>)

  1. ア:応報 イ:社会防衛 ウ:故意犯 エ:仮執行
  2. ア:教育 イ:社会防衛 ウ:累犯 エ:執行猶予
  3. ア:応報 イ:国家防衛 ウ:故意犯 エ:仮執行
  4. ア:教育 イ:国家防衛 ウ:累犯 エ:執行猶予
  5. ア:応報 イ:社会防衛 ウ:累犯 エ:執行猶予

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【答え】:5

【解説】

ア.そもそも、刑罰は[ ア ]的に科すべきものであるか([ ア ]刑論)あるいは[ イ ]を目的として科すべきものであるか(目的刑論)が、いわゆる刑法理論の争いである。
[ ア ]刑論すなわち絶対論では、善因に善果あるべきが如く、悪因に悪果あるべきは当然とするのである。

ア・・・応報

[ ア ]刑論・・・では、善因に善果あるべきが如く、悪因に悪果あるべきは当然とするのである。」ということから、「善い原因・要因には、善い結果」が、「悪い原因・要因には、悪い結果」が起こるのは当然と言っています。これは「因果応報」のことなので、アには「応報」が入ります。

イ.[ イ ]論すなわち相対論においては、[ イ ]の必要に基づきて国家は刑罰を行うというのである。たとい小さな犯罪といえども、それが[ ウ ]となれば重く罰する必要があろう。たとい重い犯罪といえども、それが偶発的な犯罪であるならば、刑の[ エ ]ということにしてよかろうというのである。

イ・・・社会防衛

「国家防衛」とは、外敵の侵略から国家を防衛することです。一方、

「社会防衛」とは、犯罪から社会を防衛することを意味します。

よって、イには「社会防衛」が入ります。

ウ.たとい小さな犯罪といえども、それが[ ウ ]となれば重く罰する必要があろう。

ウ・・・累犯

たとえ、小さい犯罪でも、重い罰を科す必要があるのは、「故意犯:わざと罪を犯した」か「累犯:何度も罪を犯した」かのどちらかです。

刑法38条1項では「罪を犯す意思がない行為(故意ではない)は、原則、罰しない。」と規定しています。つまり、「故意でなければ、原則、罰がなく、逆に、故意であれば、罰がある」ということです。これは、「故意となれば罪を重くする」というわけではなく、故意となれば罪となる」ということです。つまり、ウには「故意」を入れるよりも「累犯」を入れた方が妥当ということです。

何度も犯罪を犯す者(再犯者・累犯者)については、その罪について定めた懲役の長期の2倍以下となります(刑法57条・59条)。これは、刑が重くなっているので、エには「累犯」が入ります。

【再犯と累犯の違い】 第1の犯罪について「懲役刑」の「執行を終わり若しくはその執行の免除を得た」後、「5年以内に更に第2の犯罪を犯し」、それが有期懲役の場合が「再犯」です。さらに、そのような犯罪が3回以上続く場合「累犯」です。

エ.たとい重い犯罪といえども、それが偶発的な犯罪であるならば、刑の[ エ ]ということにしてよかろうというのである。

エ・・・執行猶予

仮執行宣言」とは、民事訴訟の判決に付随して出すことのできる裁判で、当該判決が確定する前でも執行することのできる効力を与えるものです。そして、「仮執行」は仮執行宣言に基づいて、強制執行することです。つまり、仮執行は「民事訴訟」の話で、今回の問題文の内容は、「刑事訴訟」の内容です。よって、「仮執行」を入れるのは妥当ではないです。

一方、判例によると「犯罪が単発的、偶発的なものである」場合、執行猶予となるケースもあるとしています。つまり、「執行猶予」が入ります。


令和3年(2021年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政手続法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識
問20 国家賠償法 問50 一般知識
問21 国家賠償法 問51 一般知識
問22 地方自治法 問52 一般知識
問23 地方自治法 問53 一般知識
問24 地方自治法 問54 一般知識
問25 行政法 問55 一般知識
問26 行政法 問56 一般知識
問27 民法 問57 一般知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和3年・2021|問2|基礎法学

法令の効力に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 法律の内容を一般国民に広く知らせるには、法律の公布から施行まで一定の期間を置くことが必要であるため、公布日から直ちに法律を施行することはできない。
  2. 法律の効力発生日を明確にする必要があるため、公布日とは別に、必ず施行期日を定めなければならない。
  3. 日本国の法令は、その領域内でのみ効力を有し、外国の領域内や公海上においては、日本国の船舶および、航空機内であっても、その効力を有しない。
  4. 一般法に優先する特別法が制定され、その後に一般法が改正されて当該特別法が適用される範囲について一般法の規定が改められた場合には、当該改正部分については、後法である一般法が優先して適用され、当該特別法は効力を失う。
  5. 法律の有効期間を当該法律の中で明確に定めている場合には、原則としてその時期の到来により当該法律の効力は失われる。

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【答え】:5
【解説】

1.法律の内容を一般国民に広く知らせるには、法律の公布から施行まで一定の期間を置くことが必要であるため、公布日から直ちに法律を施行することはできない。

1・・・妥当ではない

法律は、原則、公布の日から起算して20日を経過した日から施行します。ただし、例外的に、法律でこれと異なる施行期日を定めたときは、その定めに従います(法の適用に関する通則法2条)。

つまり、上記例外の規定により、法律で施行期日を別に定めたときは、その定めた日から施行することもできます!

例えば、本問のように「法律の施行日を公布日とすること」もできます。

よって、「公布日から直ちに法律を施行することはできない」は妥当ではありません。

関連ポイントは個別指導で解説いたします!

 

2.法律の効力発生日を明確にする必要があるため、公布日とは別に、必ず施行期日を定めなければならない。

2・・・妥当ではない

「法律の効力発生日」とは、「施行日」を指します。そして、法律は、原則、公布の日から起算して20日を経過した日から施行します(法の適用に関する通則法2条本文)。したがって、公布日とは別に、施行期日を定めない場合、上記原則通り、公布の日から起算して20日を経過した日が施行日となります。

よって、「公布日とは別に、必ず施行期日を定めなければならない。」が妥当ではありません。

 

3.日本国の法令は、その領域内でのみ効力を有し、外国の領域内や公海上におい
ては、日本国の船舶および、航空機内であっても、その効力を有しない。

3・・・妥当ではない

(国内犯)
第1条 刑法は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。(属地主義)
 日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。(旗国主義:きこくしゅぎ

つまり、刑法は、外国の領域内や公海上であっても、日本国の船舶および、航空機内では、刑法の効力を有します。

したがって、本問は妥当ではありません。

本問は質問内容の理解が重要なので、個別指導で質問内容の理解の仕方も解説します!

また、関連ポイントも個別指導で解説いたします!

 

4.一般法に優先する特別法が制定され、その後に一般法が改正されて当該特別法が適用される範囲について一般法の規定が改められた場合には、当該改正部分については、後法である一般法が優先して適用され、当該特別法は効力を失う。

4・・・妥当ではない

「一般法」と「特別法」の関係では「特別法が優先」して適用されます(特別法優先の原則)。

また、旧法・前法(昔の法律)と新法・後法(新しい法律)では、新法・後法が優先されます(新法(後法)優先の原則)。

「新法(後法)優先の原則」と「特別法優先の原則」の関係では、「特別法優先の原則」が優先されます。

したがって、「一般法が新法・後法(新しい)」で「特別法が旧法・前法(古い)」の場合、古い特別法が優先します!

 

5.法律の有効期間を当該法律の中で明確に定めている場合には、原則としてその時期の到来により当該法律の効力は失われる。

5・・・妥当

本問は「限時法・時限立法・時限法」と呼ばれるものです。

限時法(げんじほう)とは、有効期間の定められている法令を言います。時限立法とも言います。本肢は「事態が収束した場合には失効」が誤りです。正しくは「期限が切れたら失効」です。例えば、アメリカで起きた同時多発テロ事件に基づいて、「テロ対策特別措置法」が制定されました。この法律は、2001年11月2日からの2年間の時限立法でした。
その後、この法律を延長しようとしたが、ねじれ国会が原因で延長が成立せず、2007年(平成19年)11月1日、期限切れで失効となりました。

また、近年では、「東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律(法テラス震災特例法)」があり、平成24年4月1日から3年間の時限立法でしたが、2度にわたる延長を経て令和3年3月31日に期限を迎え失効しました。

関連ポイントは、個別指導で解説いたします!


令和3年(2021年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政手続法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識
問20 国家賠償法 問50 一般知識
問21 国家賠償法 問51 一般知識
問22 地方自治法 問52 一般知識
問23 地方自治法 問53 一般知識
問24 地方自治法 問54 一般知識
問25 行政法 問55 一般知識
問26 行政法 問56 一般知識
問27 民法 問57 一般知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和2年・2020|問3|基礎法学

次の文章の空欄[ ア ]~[ オ ]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

未決勾留は、刑事訴訟法の規定に基づき、逃亡又は罪証隠滅の防止を目的として、被疑者又は被告人の[ ア ]を監獄内に限定するものであって、右の勾留により拘禁された者は、その限度で[ イ ]的行動の自由を制限されるのみならず、前記逃亡又は罪証隠滅の防止の目的のために必要かつ[ ウ ]的な範囲において、それ以外の行為の自由をも制限されることを免れない・・・。また、監獄は、多数の被拘禁者を外部から[ エ ]して収容する施設であり、右施設内でこれらの者を集団として管理するにあたっては、内部における規律及び秩序を維持し、その正常な状態を保持する必要があるから、・・・この面からその者の[ イ ]的自由及びその他の行為の自由に一定の制限が加えられることは、やむをえないところというべきである・・・被拘禁者の新聞紙、図書等の閲読の自由を制限する場合・・・具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の[ オ ]性があると認められることが必要であり、かつ、・・・制限の程度は、右の障害発生の防止のために必要かつ[ ウ ]的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。

(最大判昭和58年6月22日民集第37巻5号793頁)

  1. ア:居住 イ:身体 ウ:合理 エ:隔離 オ:蓋然
  2. ア:活動 イ:身体 ウ:蓋然 エ:遮断 オ:合理
  3. ア:居住 イ:日常 ウ:合理 エ:遮断 オ:蓋然
  4. ア:活動 イ:日常 ウ:蓋然 エ:隔離 オ:合理
  5. ア:居住 イ:身体 ウ:合理 エ:遮断 オ:蓋然

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【答え】:1

【解説】
本問は、最大判昭58.6.22のよど号ハイジャック新聞記事抹消事件の判決文の一部です。

未決勾留は、刑事訴訟法の規定に基づき、逃亡又は罪証隠滅の防止を目的として、被疑者又は被告人の[ア:居住]を監獄内に限定するものであって、右の勾留により拘禁された者は、その限度で[イ:身体]的行動の自由を制限されるのみならず、前期逃亡又は罪証隠滅の防止の目的のために必要かつ[ウ:合理]的な範囲において、それ以外の行為の自由をも制限されることを免れない・・・。また、監獄は、多数の被拘禁者を外部から[エ:隔離]して収容する施設であり、右施設内でこれらの者を集団として管理するにあたっては、内部における規律及び秩序を維持し、その正常な状態を保持する必要があるから、・・・この面からその者の[イ:身体]的自由及びその他の行為の自由に一定の制限が加えられることは、やむをえないところというべきである・・・被拘禁者の新聞紙、図書等の閲読の自由を制限する場合・・・具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の[オ:蓋然]性があると認められることが必要であり、かつ、・・・制限の程度は、右の障害発生の防止のために必要かつ[ウ:合理]的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。(最大判昭和58年6月22日民集第37巻5号793頁)

ア.未決勾留は、刑事訴訟法の規定に基づき、逃亡又は罪証隠滅の防止を目的として、被疑者又は被告人の[ ア ]を監獄内に限定するものであって

ア・・・居住
知っていれば「居住」と入れることができるが、知らない場合。「居住」または「活動」が入りそうですが、それ以上は判断できないと思います。なので、その他イ~オで答えを導きます。

イ.勾留により拘禁された者は、その限度で[ イ ]的行動の自由を制限されるのみならず、

イ・・・身体
勾留により拘禁された者が、どのような制限を受けるのかを考えると、拘禁されているので、「身体的」な制限を受けます。
「日常」についても制限を受けますが、拘禁の性質から考えても「身体」の方がより適切です。

※「拘禁」とは、その者の身体を継続的に拘束することです。

ウ.勾留により拘禁された者は、その限度で[イ:身体]的行動の自由を制限されるのみならず、前記逃亡又は罪証隠滅の防止の目的のために必要かつ[ ウ ]的な範囲において、それ以外の行為の自由をも制限されることを免れない

ウ・・・合理
「必要かつ合理的」という単語の組み合わせは、判例でもよく見かけます。「必要かつ合理的」としても意味も問題なく通じるので「合理」が入ります。

エ.監獄は、多数の被拘禁者を外部から[ エ ]して収容する施設であり

エ・・・隔離

監獄とは、「懲役、禁錮または拘留」に処せられた者、刑事被告人や死刑囚などを収容する施設です。この施設に入ると、親族や友人などの外部の者とは、引き離されて、収容されてしまいます。
ここから考えて「隔離」が入ることが分かります。

「遮断」も入りそうですが、
「遮断」とは、交通・電流・光・音・熱など「人以外のもの」をさえぎり止めることを言い、一般的に人には使いません。

オ.被拘禁者の新聞紙、図書等の閲読の自由を制限する場合・・・具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の[ オ ]性があると認められることが必要であり・・・

オ・・・蓋然

「蓋然性がある」とは、その事柄が実際に起こるか否か、真であるか否かの、確実性が高いことを言います。

判例において、「蓋然性がある」という言葉は、ある結果が起こる確実性が高い場合に使われるので覚えておくと良いでしょう。

具体例は個別指導で解説します!


令和2年(2020年)過去問

問1 著作権の関係上省略 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基礎法学 問33 民法:債権
問4 憲法 問34 民法:債権
問5 憲法 問35 民法:親族
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・社会
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識・経済
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 国家賠償法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・経済
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・社会
問25 情報公開法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・個人情報保護
問28 民法:物権 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

令和2年・2020|問2|基礎法学

簡易裁判所に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア.簡易裁判所は、禁固刑および懲役刑を科すことができず、これらを科す必要を認めたときは、事件を地方裁判所へ移送しなければならない。

イ.簡易裁判所における一部の民事事件の訴訟代理業務は、法務大臣の認定を受けた司法書士および行政書士にも認められている。

ウ.簡易裁判所で行う民事訴訟では、訴えは口頭でも提起することができる。

エ.少額訴訟による審理および裁判には、同一人が同一の簡易裁判所において同一の年に一定の回数を超えて求めることができないとする制限がある。

オ.簡易裁判所判事は、金銭その他の代替物または有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・オ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

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【答え】:4

【解説】

ア.簡易裁判所は、禁固刑および懲役刑を科すことができず、これらを科す必要を認めたときは、事件を地方裁判所へ移送しなければならない。

ア・・・誤り
簡易裁判所は、原則、禁錮以上の刑を科することができません(裁判所法33条2項本文)。ただし、下記については、3年以下の懲役を科することができます(2項ただし書)。

  • 刑法130条(住居侵入等)の罪若しくはその未遂罪
  • 刑法186条(常習賭博及び賭博場開張等図利)の罪
  • 刑法235条(窃盗)の罪若しくはその未遂罪
  • 刑法252条(横領)、254条(遺失物等横領)若しくは256条(盗品譲受け等)の罪
  • 古物営業法31条から33条までの罪若しくは質屋営業法30条から32条までの罪に係る事件又はこれらの罪と他の罪とにつき刑法54条1項の規定によりこれらの罪の刑をもって処断すべき事件

よって、懲役刑を科すことができる場合はあるので、誤りです。

イ.簡易裁判所における一部の民事事件の訴訟代理業務は、法務大臣の認定を受けた司法書士および行政書士にも認められている。

イ・・・誤り
司法書士の会の会員は、簡裁訴訟代理等関係業務を行えるが、行政書士簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができないので、誤りです。

簡裁訴訟代理等関係業務は、次のいずれにも該当する司法書士に限り、行うことができます。(司法書士法3条2項)

  1. 簡裁訴訟代理等関係業務について法務省令で定める法人が実施する研修であって法務大臣が指定するものの課程を修了した者であること。
  2. 前号に規定する者の申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した者であること。
  3. 司法書士会の会員であること。
ウ.簡易裁判所で行う民事訴訟では、訴えは口頭でも提起することができる。

ウ・・・正しい
簡易裁判所の訴訟手続については、口頭による訴えの提起が認められています。(民事訴訟法271条)
よって、正しいです。

エ.少額訴訟による審理および裁判には、同一人が同一の簡易裁判所において同一の年に一定の回数を超えて求めることができないとする制限がある。
エ・・・正しい
少額訴訟」とは、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えです。
そして、少額訴訟は、簡易裁判所に対して訴えを提起します。
また、1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする特別な訴訟手続です。
【注意点】
少額訴訟は、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数(10回)を超えてこれを求めることができません
よって、本肢は正しいです。
オ.簡易裁判所判事は、金銭その他の代替物または有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。
オ・・・誤り
金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、「裁判所書記官」は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができます。(民事訴訟法382条本文)
よって、「簡易裁判所判事」ではないので誤り。「裁判所書記官」とは、裁判所において、裁判の記録や調書などを作成する事務職員です。「判事」とは、単独で裁判をし、また裁判長になることができる者です。


令和2年(2020年)過去問

問1 著作権の関係上省略 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基礎法学 問33 民法:債権
問4 憲法 問34 民法:債権
問5 憲法 問35 民法:親族
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・社会
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識・経済
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 国家賠償法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・経済
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・社会
問25 情報公開法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・個人情報保護
問28 民法:物権 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

令和元年・2019|問2|基礎法学

裁判の審級制度等に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア.民事訴訟および刑事訴訟のいずれにおいても、簡易裁判所が第1審の裁判所である場合は、控訴審の裁判権は地方裁判所が有し、上告審の裁判権は高等裁判所が有する。イ.民事訴訟における控訴審の裁判は、第1審の裁判の記録に基づいて、その判断の当否を事後的に審査するもの(事後審)とされている。

ウ.刑事訴訟における控訴審の裁判は、第1審の裁判の審理とは無関係に、新たに審理をやり直すもの(覆審)とされている。

エ.上告審の裁判は、原則として法律問題を審理するもの(法律審)とされるが、刑事訴訟において原審の裁判に重大な事実誤認等がある場合には、事実問題について審理することがある。

オ.上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について、下級審の裁判所を拘束する。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

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【答え】:5

【解説】

ア.民事訴訟および刑事訴訟のいずれにおいても、簡易裁判所が第1審の裁判所である場合は、控訴審の裁判権は地方裁判所が有し、上告審の裁判権は高等裁判所が有する。

ア・・・誤り

■民事訴訟

民事訴訟の場合、第一審裁判所が簡易裁判所であるとき、控訴裁判所は地方裁判所で(裁判所法16条1号、24条3号)、上告裁判所は高等裁判所です(裁判所法16条3号)。

したがって、民事訴訟については正しいです。

■刑事訴訟

刑事訴訟の場合、第一審裁判所が簡易裁判所である場合、控訴裁判所は高等裁判所で(裁判所法16条1号)、上告裁判所は最高裁判所です(裁判所法7条1号)。

※刑事訴訟の場合、上告裁判所は常に最高裁判所です。

したがって、刑事訴訟については誤りです。

よって、本肢は誤りです。

イ.民事訴訟における控訴審の裁判は、第1審の裁判の記録に基づいて、その判断の当否を事後的に審査するもの(事後審)とされている。

イ・・・誤り

控訴審の裁判には「続審」「事後審」「覆審」の3つがあります。

日本の民事訴訟における控訴審の裁判は「続審制」が採用されています。
よって、誤りです。

■「続審」とは、下級審の審理を基礎としながら、上級審においても新たな訴訟資料の提出を認めて事件の審理を続行して判決をすることです。

■「事後審」とは、原判決の当否を原審の訴訟記録により上級審で審査すること言い、続審のように原則、新たに訴訟の提出を認めていません。

■「覆審」とは、上級審で第一審とは無関係に新たに審理し直すことです。

ウ.刑事訴訟における控訴審の裁判は、第1審の裁判の審理とは無関係に、新たに審理をやり直すもの(覆審)とされている。

ウ・・・誤り

日本の刑事訴訟における控訴審の裁判は「事後審」が採用されています。

「事後審」とは、原判決の当否を原審の訴訟記録により上級審で審査すること言い、続審のように原則、新たに訴訟の提出を認めていません。
つまり、第一審で取り調べた証拠に基づいて,第一審判決に上記の控訴理由が存在するかを事後的に審査します。

エ.上告審の裁判は、原則として法律問題を審理するもの(法律審)とされるが、刑事訴訟において原審の裁判に重大な事実誤認等がある場合には、事実問題について審理することがある。
エ・・・正しい
上告申し立ての理由として認められるのは、原審に対して憲法違反や憲法解釈の誤り、最高裁の判例と相反する判断をしたことなどに限定されています(刑事訴訟法405条)。これを「法律審」と言います。そして、上告審の裁判は、「法律審」です。そのため、この点は正しいですが、判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認等があって原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときには、原判決を破棄することができるため、事実問題について審理することがあります(刑事訴訟法411条)。よって、本肢は正しいです。この辺りは整理した方が良いので個別指導で整理して解説します。

オ.上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について、下級審の裁判所を拘束する。
オ・・・正しい
上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束します(裁判所法4条)


問1 著作権の関係上省略 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法・議員 問33 民法:債権
問4 法の下の平等 問34 民法:債権
問5 選挙権・選挙制度 問35 民法:親族
問6 教科書検定制度 問36 商法
問7 憲法・その他 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識・政治
問20 問題非掲載のため省略 問50 一般知識・経済
問21 国家賠償法 問51 一般知識・経済
問22 地方自治法 問52 一般知識・政治
問23 地方自治法 問53 一般知識・経済
問24 地方自治法 問54 一般知識・情報通信
問25 行政法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 一般知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問2|基礎法学

「日本司法支援センター」(いわゆる「法テラス」のこと。以下、「支援センター」とする。)の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 支援センターは、利用者からの問合せに応じて、裁判等の法的紛争を解決するための法制度に関する情報、弁護士や隣接法律専門職者(以下、弁護士等という。)の業務および弁護士会や隣接法律専門職者の団体の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。
  2. 支援センターは、利用者から個別の依頼に応じて、法的紛争の解決方法について指導および助言を無料で行い、利用者の資力が十分でない場合には、弁護士等の中から適当な者を紹介して、その報酬および費用を支払う業務を行う。
  3. 支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所からの求めに応じて国選弁護人の候補を指名して通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせて、その報酬および費用を支払う業務を行う。
  4. 支援センターは、いわゆる司法過疎地において、利用者からの個別の依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務を行う。
  5. 支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与やその損害または苦痛の回復・軽減を図るための制度その他被害者やその親族等の援助を行う団体等の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。

>解答と解説はこちら


【答え】:2
【解説】

1.支援センターは、利用者からの問合せに応じて、裁判等の法的紛争を解決するための法制度に関する情報、弁護士や隣接法律専門職者(以下、弁護士等という。)の業務および弁護士会や隣接法律専門職者の団体の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。
1・・・正しい
支援センターは、次に掲げる情報及び資料を収集して整理し、情報通信の技術を利用する方法その他の方法により、一般の利用に供し、又は個別の依頼に応じて提供する業務を行います(総合法律支援法30条1項1号)。

  1. 裁判その他の法による紛争の解決のための制度の有効な利用に資するもの
  2. 弁護士、弁護士法人及び隣接法律専門職者の業務並びに弁護士会、日本弁護士連合会及び隣接法律専門職者団体

分かりやすく言えば、「情報提供業務」で無料です。
よって、本肢は正しいです。

2.支援センターは、利用者から個別の依頼に応じて、法的紛争の解決方法について指導および助言を無料で行い、利用者の資力が十分でない場合には、弁護士等の中から適当な者を紹介して、その報酬および費用を支払う業務を行う。
2・・・誤り
支援センターは、民事裁判等手続等に必要な費用を支払う資力がない国民等又はその支払により生活に著しい支障を生ずる国民等に対して、無料法律相談を実施したり、弁護士などに支払う費用の立て替えの業務を行います(総合法律支援法30条1項2号)。立て替えなので、利用者は後で返済する義務があります
3.支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所からの求めに応じて国選弁護人の候補を指名して通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせて、その報酬および費用を支払う業務を行う。
3・・・正しい
支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所からの求めに応じて国選弁護人の候補を指名して通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせて、その報酬および費用を支払う業務を行います(総合法律支援法30条1項6号)。国選弁護については、利用者は費用を返済する必要はありません。
4.支援センターは、いわゆる司法過疎地において、利用者からの個別の依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務を行う。
4・・・正しい
支援センターは、弁護士、弁護士法人又は隣接法律専門職者がその地域にいないことその他の事情によりこれらの者に対して法律事務の取扱いを依頼することに困難がある地域(司法過疎地)において、その依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な契約弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務を行っています(総合法律支援法30条1項7号)。分かりやすくいうと、「弁護士の派遣業」で、有料サービスとなります。
5.支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与やその損害または苦痛の回復・軽減を図るための制度その他被害者やその親族等の援助を行う団体等の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。
5・・・正しい
支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与やその損害または苦痛の回復・軽減を図るための制度その他被害者やその親族等の援助を行う団体等の活動に関する情報を無料で提供する業務を行います(総合法律支援法30条1項8号)。分かりやすく言えば、「被害者支援業務」で、無料です。


平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・政治
問19 国家賠償法 問49 一般知識・社会
問20 国家賠償法 問50 一般知識・社会
問21 地方自治法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・社会
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 一般知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問1|基礎法学

法律・政省令・条例など、各種の法規の概念や相互の関係等に関する次のア~エの記述について、その正誤の組合せとして妥当なものはどれか。

ア.地方議会が制定する法規が「条例」、知事や市町村長など自治体の長ならびに教育委員会、公安委員会などの行政委員会が定める法規が「命令」であって、総称した概念が「条令」である。

イ.法律と法律、条例と条例など、形式的な効力が同等の法規の間に矛盾抵触が生じる場合は、一般に、「特別法は一般法に優先する」「後法は前法に優先する」という法原則に従って処理されることになる。

ウ.教育基本法、環境基本法など「基本法」という名称を持つ法律は、法律の形式をとってはいるものの各議院の特別多数決を経て制定される特別の法律であるから、通常の法律をもって基本法の規定を改廃することはできない。

エ.現行憲法は最高裁に対し、国会が制定した法律が憲法に適合するか否かを審査する違憲審査権を付与したが、この審査権の対象はあくまでも法律だけであるから、内閣の制定する政令や地方議会の制定する条例は違憲審査の対象にならない。

  1. ア:正 イ:正 ウ:正 エ:誤
  2. ア:誤 イ:誤 ウ:誤 エ:正
  3. ア:正 イ:誤 ウ:正 エ:誤
  4. ア:誤 イ:正 ウ:誤 エ:正
  5. ア:誤 イ:正 ウ:誤 エ:誤

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【答え】:5
【解説】

ア.地方議会が制定する法規が「条例」、知事や市町村長など自治体の長ならびに教育委員会、公安委員会などの行政委員会が定める法規が「命令」であって、総称した概念が「条令」である。

ア・・・誤り

  1. 地方議会が制定する法規が「条例」(地方自治法14条1項)
  2. 知事市町村長など自治体の長ならびに教育委員会、公安委員会などの行政委員会が定める法規が「規則」(地方自治法15条1項、138条の4の2項)
  3. 上記を総称した概念が「例規」

また、条例には、規則も含まれると解されています(憲法94条)。

イ.法律と法律、条例と条例など、形式的な効力が同等の法規の間に矛盾抵触が生じる場合は、一般に、「特別法は一般法に優先する」「後法は前法に優先する」という法原則に従って処理されることになる。
イ・・・正しい
特別法は一般法に優先する」という特別法優先の原則があります。また、
後法(新法)は前法(新法)に優先する」という新法優先の原則があります。よって、本肢は正しいです。

ウ.教育基本法、環境基本法など「基本法」という名称を持つ法律は、法律の形式をとってはいるものの各議院の特別多数決を経て制定される特別の法律であるから、通常の法律をもって基本法の規定を改廃することはできない。
ウ・・・誤り
国の基本政策を定めた法律は「基本法」という名称を持つことはあります。そして、この基本法も通常の法律と同じです。つまり、原則、両議院(衆議院と参議院)で可決により制定、改廃ができます憲法59条)。

エ.現行憲法は最高裁に対し、国会が制定した法律が憲法に適合するか否かを審査する違憲審査権を付与したが、この審査権の対象はあくまでも法律だけであるから、内閣の制定する政令や地方議会の制定する条例は違憲審査の対象にならない。
エ・・・誤り
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限(違憲審査権)を有する終審裁判所です(憲法81条)。
これは、国内法規範をすべてを含み、政令や条例も違憲審査の対象となります。


平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・政治
問19 国家賠償法 問49 一般知識・社会
問20 国家賠償法 問50 一般知識・社会
問21 地方自治法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・社会
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 一般知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問2|基礎法学

世界各国の法体系は、大陸法系と英米法系に分類されることがあるが、大陸法系と英米法系の法制度等の差異に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア.大陸法系の諸国では、一般に法曹養成機関等を修了した者を直ちに裁判官に任用する職業裁判官の制度が採用されている。これに対して、英米法系の諸国では、一般に弁護士の経験を有する者の中から裁判官を選任する法曹一元の制度が採用されている。わが国においては、司法研修所における司法修習を終えた者が直ちに裁判官に任用されるのが通例であるが、弁護士の経験を有する者が裁判官に任用されることもある。

イ.大陸法系の諸国では、ローマ法および教会法の影響を受けて、近代以降に民法典や刑法典等の成文法が整備され、それらの成文法が主要な法源となっている。これに対して、英米法系の諸国では、英国の古来の慣習から発展した判例が主要な法源となっているが、刑法の領域については、罪刑法定主義の観点から、判例を法源とすることは一切認められていない。わが国においても、犯罪は法律により明確に定められていることを要する。

ウ.大陸法系の諸国では、公法と私法の区別が重視され、行政事件を取り扱う特別の裁判所が設置されているのが通例である。これに対して、英米法系の諸国では、公法と私法の区別は重視されず、行政事件も通常の裁判所が裁判を行う。わが国においては、大日本帝国憲法に基づいて行政裁判所が設置されていたが、日本国憲法の施行にともない廃止された。

エ.大陸法系の諸国の裁判では、刑事事件と民事事件が明確に区別される。これに対して、英米法系の諸国では、刑事事件と民事事件が明確に区別されず、刑事裁判において犯罪の被害者等が損害賠償の請求を行う付帯私訴と呼ばれる制度が採用されているのが通例である。わが国においても、近年の刑事司法制度の改革により、特定の犯罪に関して付帯私訴の制度が導入された。

オ.刑事裁判において、大陸法系の諸国では、国民から選任された参審員が裁判官と合議体を構成して裁判を行う参審制度が採用されている場合がある。これに対して、刑事裁判において、英米法系の諸国では、国民から選任された陪審員が事実を認定して評決を行う陪審制度が採用されているのが通例である。わが国の裁判員制度は、裁判員が裁判官と合議体を構成して事実の認定とともに量刑に係る判断に関与することから、英米法系の陪審制度と異なるが、他方で、裁判員は法令の解釈に係る判断に関与しないことから、大陸法系の参審制度とも異なっている。

  1. ア・ウ
  2. ア・エ
  3. イ・エ
  4. イ・オ
  5. ウ・オ

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【答え】:3
【解説】

ア.大陸法系の諸国では、一般に法曹養成機関等を修了した者を直ちに裁判官に任用する職業裁判官の制度が採用されている。これに対して、英米法系の諸国では、一般に弁護士の経験を有する者の中から裁判官を選任する法曹一元の制度が採用されている。わが国においては、司法研修所における司法修習を終えた者が直ちに裁判官に任用されるのが通例であるが、弁護士の経験を有する者が裁判官に任用されることもある。
ア・・・妥当
法律の継承を歴史的を見ると「大陸法系」と「英米法系」に分けることができます。大陸法系は、ドイツやフランスの法系で、英米法系は、イギリスやアメリカの法系です。そして、大陸法系の国では、養成機関を卒業してそのまま裁判官になれます。一方、英米法系の国では、弁護士など法律の実務経験を積んでから裁判官になります。

日本では、司法研修所における司法修習を終えて、そのまま裁判官になるのが一般的ですが、弁護士として働いた後に裁判官になることも可能です。

イ.大陸法系の諸国では、ローマ法および教会法の影響を受けて、近代以降に民法典や刑法典等の成文法が整備され、それらの成文法が主要な法源となっている。これに対して、英米法系の諸国では、英国の古来の慣習から発展した判例が主要な法源となっているが、刑法の領域については、罪刑法定主義の観点から、判例を法源とすることは一切認められていない。わが国においても、犯罪は法律により明確に定められていることを要する。
イ・・・妥当ではない
大陸法系の諸国では、ローマ法および教会法の影響を受けて、近代以降に民法典や刑法典等の成文法が整備され、それらの成文法が主要な法源となっています。一方、英米法系の諸国では、判例が主要な法源となっており、刑法の領域についても、判例を法源としています。よって、妥当ではないです。日本において、罪刑法定主義の観点から、犯罪行為を罰するには、法律により明確に定められていることが必要です。
ウ.大陸法系の諸国では、公法と私法の区別が重視され、行政事件を取り扱う特別の裁判所が設置されているのが通例である。これに対して、英米法系の諸国では、公法と私法の区別は重視されず、行政事件も通常の裁判所が裁判を行う。わが国においては、大日本帝国憲法に基づいて行政裁判所が設置されていたが、日本国憲法の施行にともない廃止された。
ウ・・・妥当
大陸法系の諸国では、公法と私法の区別が重視され、行政事件を取り扱う行政裁判所が設置されているのが一般的です。一方、英米法系の諸国では、公法と私法の区別は重視されず行政事件も通常の裁判所が裁判を行います。日本においては、大日本帝国憲法に基づいて行政裁判所が設置されていたが、日本国憲法の施行にともない行政裁判所は廃止されました。よって、本肢は妥当です。
エ.大陸法系の諸国の裁判では、刑事事件と民事事件が明確に区別される。これに対して、英米法系の諸国では、刑事事件と民事事件が明確に区別されず、刑事裁判において犯罪の被害者等が損害賠償の請求を行う付帯私訴と呼ばれる制度が採用されているのが通例である。わが国においても、近年の刑事司法制度の改革により、特定の犯罪に関して付帯私訴の制度が導入された。
エ・・・妥当ではない
大陸法系の諸国の裁判では、刑事事件と民事事件が明確に区別します。
ただし、刑事裁判において犯罪の被害者等が損害賠償の請求(民事上の請求)を行う付帯私訴(ふたいしそ)と呼ばれる制度が採用されています。本肢はこの付帯私訴が英米法系になっているのが妥当ではないです。
大陸法系です。一方、
英米法系の諸国では、刑事事件と民事事件が明確に区別されないのが通例である。日本においても、近年の刑事司法制度の改革により、付帯私訴に類似する「損害賠償命令の申立て」の制度が定められています。「付帯私訴の制度が導入された」とは言えないので、この点も妥当ではないです。
オ.刑事裁判において、大陸法系の諸国では、国民から選任された参審員が裁判官と合議体を構成して裁判を行う参審制度が採用されている場合がある。これに対して、刑事裁判において、英米法系の諸国では、国民から選任された陪審員が事実を認定して評決を行う陪審制度が採用されているのが通例である。わが国の裁判員制度は、裁判員が裁判官と合議体を構成して事実の認定とともに量刑に係る判断に関与することから、英米法系の陪審制度と異なるが、他方で、裁判員は法令の解釈に係る判断に関与しないことから、大陸法系の参審制度とも異なっている。
オ・・・妥当
刑事事件について大陸法系の諸国では、国民から選任された参審員が裁判官と合議体を構成して裁判を行う参審制度が採用されている場合があります。英米法系の諸国では、国民から選任された陪審員が事実を認定して評決を行う陪審制度が採用されているのが通例です。日本の裁判員制度は、裁判員が裁判官と合議体を構成して事実認定とともに量刑に係る判断に関与することから、英米法系の陪審制度と異なります(陪審制度は、事実認定を陪審員のみが行う)。他方で、裁判員は法令解釈に係る判断に関与しないことから、大陸法系の参審制度とも異なっている(参審制度は、法解釈を裁判官と参審員が共同で行う)。この辺りは、個別指導で整理して解説いたします!


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・政治
問19 国家賠償法 問49 一般知識・社会
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 地方自治法 問51 一般知識・経済
問22 地方自治法 問52 一般知識・社会
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問1|基礎法学

法令の用語として「又は」と「若しくは」の用法は、選択される語句に段階がある場合には、段階がいくつあっても、一番大きな選択的接続に「又は」を用い、その他の小さな選択的接続には、「若しくは」を用いる。次の、地方自治法180条の2の条文中の空欄[ア]~[オ]に当てはまる接続詞の組合せとして、妥当なものはどれか。

「普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会[ ア ]委員と協議して、普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長、委員[ イ ]これらの執行機関の事務を補助する職員[ ウ ]これらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、[ エ ]これらの執行機関の事務を補助する職員[ オ ]これらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。但し、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。」
  1. ア:又は イ:若しくは ウ:若しくは エ:又は オ:若しくは
  2. ア:又は イ:若しくは ウ:若しくは エ:若しくは オ:又は
  3. ア:若しくは イ:又は ウ:若しくは エ:若しくは オ:又は
  4. ア:若しくは イ:若しくは ウ:又は エ:若しくは オ:又は
  5. ア:若しくは イ:又は ウ:若しくは エ:又は オ:若しくは

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【答え】:1 

【解説】

「普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会[ア:又は]委員と協議して

普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長、委員[イ:若しくは]これらの執行機関の事務を補助する職員[ウ:若しくは]これらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し

エ:又は

これらの執行機関の事務を補助する職員[オ:若しくは]これらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。但し、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。」

ア.普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会[ ア ]委員と協議して、

ア・・・又は
「どちらか一方」を意味する用語には「又は」と「若しくは」があります。2つのものを並べる場合、「又は」を使います。A又はBといった感じです。また、同じ種類のものを3つ以上並べる場合リンゴ、メロンまたはバナナ

という風に並べます(上記はすべて果物で種類が同じです)。

ここで、アについては、普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、「当該普通地方公共団体の委員会」と「委員」どちらか一方と協議すればよいので、

『「当該普通地方公共団体の委員会「又は」委員』

となります。

イ.ウ.エ.普通地方公共団体の長は、・・・普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長、委員[ イ ]これらの執行機関の事務を補助する職員[ ウ ]これらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、

[ エ ]

これらの執行機関の事務を補助する職員[ オ ]これらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させる

イ・・・若しくは
ウ・・・若しくは
エ・・・又は
オ・・・若しくは「地方公共団体の長は、〇〇に委任し、××に補助執行させる」となっています。これは〇〇に委任させるか、
××に補助執行させるか
どちらか一方を行うのでエには「又は」「若しくは」のどちらかが入ります。

〇〇には委任、××は補助執行と内容が異なり、
さらに〇〇の中にも、

  • 普通地方公共団体の委員会
  • 委員会の委員長
  • 委員
  • これらの執行機関の事務を補助する職員
  • これらの執行機関の管理に属する機関の職員

上記5人のいずれかに委任をします。

このように、大きなくくりと小さなくくりがある場合

  • 「又は」は大きなくくりで使い
  • 「若しくは」は小さなくくりで使います

よって、「〇〇には委任」又は「××は補助執行」となるので
「エには又は」が入ります。

そして、〇〇と××の中はすべて小さいくくりで、
どれか一つに委任・補助執行させるので
「イ、ウ、オにはすべて若しくは」が入ります


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・政治
問19 国家賠償法 問49 一般知識・社会
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 地方自治法 問51 一般知識・経済
問22 地方自治法 問52 一般知識・社会
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成23年・2011|問2|基礎法学・裁判制度

わが国の裁判制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. わが国の裁判制度は、三審制を採用していることから、高等裁判所が第一審裁判所になることはない。
  2. 民事訴訟または刑事訴訟のいずれであっても、第一審裁判所が簡易裁判所である場合には、控訴裁判所は地方裁判所となり、上告裁判所は高等裁判所となる。
  3. 裁判官が合議制により裁判を行う場合には、最高裁判所の裁判を除いて、裁判官の意見が一致しないときであっても、少数意見を付すことはできない。
  4. 刑事訴訟においては、有罪判決が確定した場合であっても、あらたに証拠が発見されるなど重大な理由があるときには、有罪判決を受けた者の利益のために再審を行うことができるが、民事訴訟においては、再審の制度は認められていない。
  5. 家庭裁判所は、家庭に関する事件の審判および調停ならびに少年保護事件の審判など、民事訴訟や刑事訴訟になじまない事件について権限を有するものとされ、訴訟事件は取り扱わない。

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【答え】:3

【解説】

1.わが国の裁判制度は、三審制を採用していることから、高等裁判所が第一審裁判所になることはない。
1・・・妥当ではない
日本の裁判制度は、原則、三審制を採用しています。ただし、例外もあります。例えば、刑法77条や79条の罪(国の統治機構を破壊するような内乱を起こした罪)に係る訴訟の第一審は高等裁判所で行います(裁判所法16条4号)。よって、「高等裁判所が第一審裁判所になることはない」は妥当ではないです。
2.民事訴訟または刑事訴訟のいずれであっても、第一審裁判所が簡易裁判所である場合には、控訴裁判所は地方裁判所となり、上告裁判所は高等裁判所となる。
2・・・妥当ではない
刑事訴訟では、「第一審裁判所が簡易裁判所」の場合、「控訴裁判所は高等裁判所」となり、「上告裁判所は最高裁」となります(裁判所法16条1号、7条号)。
よって、妥当ではありません。民事訴訟では、「第一審裁判所が簡易裁判所」の場合、「控訴裁判所は地方裁判所」となり、「上告裁判所は高等裁判所」となります(裁判所法16条1号、24条3号、16条3号)。
この点は妥当です。
3.裁判官が合議制により裁判を行う場合には、最高裁判所の裁判を除いて、裁判官の意見が一致しないときであっても、少数意見を付すことはできない。
3・・・妥当
最高裁の場合、裁判書には、各裁判官の意見を表示しなければなりません(裁判所法11条)。
したがって、少数意見も付けなければなりません。一方、最高裁以外の下級裁判所の場合は、合議体の裁判における各裁判官の意見等について、秘密を保持することが要求されているため(裁判所法75条2項)、裁判官の意見が一致しないときであっても、少数意見を付けることはできません
よって、本肢は妥当ではないです。
4.刑事訴訟においては、有罪判決が確定した場合であっても、あらたに証拠が発見されるなど重大な理由があるときには、有罪判決を受けた者の利益のために再審を行うことができるが、民事訴訟においては、再審の制度は認められていない。
4・・・妥当ではない
刑事訴訟も民事訴訟も再審の制度は認められています刑事訴訟法435条以下、民事訴訟法338条以下)。
よって、本肢は「民事訴訟においては、再審の制度は認められていない」が妥当ではありません。
5.家庭裁判所は、家庭に関する事件の審判および調停ならびに少年保護事件の審判など、民事訴訟や刑事訴訟になじまない事件について権限を有するものとされ、訴訟事件は取り扱わない。
5・・・妥当ではない
家庭裁判所も、訴訟事件を取り扱うことはできます裁判所法31条3の1項2号)。例えば、人事訴訟(離婚の訴えや嫡出否認の訴えなど)の第一審です。


平成23年度(2011年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 新しい人権 問33 民法・債権
問4 参政権 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 国会 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 法改正により削除 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・政治
問19 国家賠償法 問49 一般知識・経済
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 地方自治法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・社会
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 行政法 問54 一般知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 一般知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略