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平成22年・2010|問50|基礎知識・経済

日本の地方自治体の財政状況として、義務的経費の増大による財政の硬直化が指摘されている。次のア~オの記述のうち、この「義務的経費の増大」の事例として妥当なものの組合せはどれか。

ア.大規模な運動場の建設を行うこととなり、今年度の予算規模が大幅に増大することとなった。

イ.職員数を削減し、民間委託を行った結果、委託費の支出が大きく増大した。

ウ.過去に、不況の影響による法人事業税の減収分を補填するため、追加的な起債を行なった結果、後年度の元利償還費が大幅に増大した。

エ.生活保護世帯の増加により、扶助費の支出が大幅に増大した。

オ.下水道事業経営が厳しくなったため、一般会計からの繰出額が大幅に増大した。

  1. ア・イ・ウ
  2. ア・エ
  3. イ・ウ・エ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

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【答え】:4
【解説】

地方財政の経費

地方財政の経費は、①義務的経費、②投資的経費、③その他経費の3つに分けることができます。

①義務的経費

法令又は性質上、必ず必要な経費で任意に減額できない経費です。

例えば、人件費・公債費・扶助費など

②投資的経費

支出の効果が長期間に及ぶ経費です。

例えば、建設費、災害復旧費、失業対策費など

③その他経費

①と②以外の経費です。

例えば、物件費、積立金、繰出金、委託費など

ア.大規模な運動場の建設を行うこととなり、今年度の予算規模が大幅に増大することとなった。

ア・・・妥当ではない
運動場の建設は、②投資的経費の中の建設費にあたります。したがって、運動場の建設を増やしても「①義務的経費の増大」にはあたりません。
イ.職員数を削減し、民間委託を行った結果、委託費の支出が大きく増大した。
イ・・・妥当ではない
職員に支払う人件費は「義務的経費」ですが、委託先に払う経費は「③その他経費」です。したがって、委託費が増えても「①義務的経費の増大」にはあたりません。
ウ.過去に、不況の影響による法人事業税の減収分を補填するため、追加的な起債を行なった結果、後年度の元利償還費が大幅に増大した。
ウ・・・妥当
元利償還費=借金の元本と利息の返済額の合計」は公債費なので、①義務的経費にあたります。したがって、後年度の元利償還費が増えることは「①義務的経費の増大」にはあたります。
エ.生活保護世帯の増加により、扶助費の支出が大幅に増大した。
エ・・・妥当
扶助費①義務的経費です。
そのため、生活保護世帯の増加による扶助費の支出の増大は、「①義務的経費の増大」にはあたります。
オ.下水道事業経営が厳しくなったため、一般会計からの繰出額が大幅に増大した。
オ・・・妥当ではない
下水道工事の費用は「投資的経費」ですが、経営が厳しくなった結果の繰出(穴埋め費用)は「③その他経費」に当たります。そのため、一般会計からの繰出額の増大は「①義務的経費の増大」にはあたりません。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

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