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平成21年・2009|問12|行政手続法

行政手続法1条が定める同法の目的に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 行政手続法は、政府の諸活動について国民に説明する責務が全うされるようにすることを主な目的とする。
  2. 行政手続法は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。
  3. 行政手続法は、簡易迅速かつ公正な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
  4. 行政手続法は、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。
  5. 行政手続法は、国の行政事務の能率的な遂行のために必要な組織を整えることによって、公務の民主的かつ能率的な運営を保障することを目的とする。

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【答え】:2
【解説】
1.行政手続法は、政府の諸活動について国民に説明する責務が全うされるようにすることを主な目的とする。
1・・・誤り
「政府の諸活動について国民に説明する」とは、情報公開を指します。したがって、本肢は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)の目的です。

情報公開法1条
この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。

2.行政手続法は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。
2・・・正しい
その通りです。行政手続法は「行政運営における公正の確保と透明性の向上を図る」ことで、国民の権利利益の保護を目的としています。

行政手続法1条
この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。

3.行政手続法は、簡易迅速かつ公正な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
3・・・誤り
「簡易迅速かつ公正な手続」による行政庁に対する不服申立てをできる制度によって、行政の適正な運営を確保することを目的とするのは「行政不服審査法」です。行政不服審査法1条
この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
4.行政手続法は、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。
4・・・誤り
「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」は、選択肢1の情報公開法の目的の一部です。よって、誤りです。

情報公開法1条
この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。

「民主的な行政運営」という観点から、下記2つの法律もあります。

国家公務員法1条
この法律は、国家公務員たる職員について適用すべき各般の根本基準(職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含む。)を確立し、職員がその職務の遂行に当り、最大の能率を発揮し得るように、民主的な方法で、選択され、且つ、指導さるべきことを定め、以て国民に対し、公務の民主的且つ能率的な運営を保障することを目的とする。

地方公務員1条
この法律は、地方公共団体の人事機関並びに地方公務員の任用、人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、休業、分限及び懲戒、服務、退職管理、研修、福祉及び利益の保護並びに団体等人事行政に関する根本基準を確立することにより、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営並びに特定地方独立行政法人の事務及び事業の確実な実施を保障し、もつて地方自治の本旨の実現に資することを目的とする。

5.行政手続法は、国の行政事務の能率的な遂行のために必要な組織を整えることによって、公務の民主的かつ能率的な運営を保障することを目的とする。
5・・・誤り
「国」と「組織」というキーワードから、国家行政組織法と判断できます。

国家行政組織法1条
この法律は、内閣の統轄の下における行政機関で内閣府以外のもの(以下「国の行政機関」という。)の組織の基準を定め、もつて国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする。

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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

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