憲法の過去問

令和3年・2021|問41|憲法

次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

問題は、裁判員制度の下で裁判官と国民とにより構成される裁判体が、[ ア ]に関する様々な憲法上の要請に適合した「[ イ ]」といい得るものであるか否かにある。・・・(中略)・・・。
以上によれば、裁判員裁判対象事件を取り扱う裁判体は、身分保障の下、独立して職権を行使することが保障された裁判官と、公平性、中立性を確保できるよう配慮された手続の下に選任された裁判員とによって構成されるものとされている。また、裁判員の権限は、裁判官と共に公判廷で審理に臨み、評議において事実認定、[ ウ ]及び有罪の場合の刑の量定について意見を述べ、[ エ ]を行うことにある。これら裁判員の関与する判断は、いずれも司法作用の内容をなすものであるが、必ずしもあらかじめ法律的な知識、経験を有することが不可欠な事項であるとはいえない。さらに、裁判長は、裁判員がその職責を十分に果たすことができるように配慮しなければならないとされていることも考慮すると、上記のような権限を付与された裁判員が、様々な視点や感覚を反映させつつ、裁判官との協議を通じて良識ある結論に達することは、十分期待することができる。他方、憲法が定める[ ア ]の諸原則の保障は、裁判官の判断に委ねられている。
このような裁判員制度の仕組みを考慮すれば、公平な「[ イ ]」における法と証拠に基づく適正な裁判が行われること(憲法31条、32条、37条1項)は制度的に十分保障されている上、裁判官は[ ア ]の基本的な担い手とされているものと認められ、憲法が定める[ ア ]の諸原則を確保する上での支障はないということができる。

(最大判平成23年11月16日刑集65巻8号1285頁)

1. 憲法訴訟 2.民事裁判 3.裁決 4.行政裁判 5.情状酌量 6.判例との関係 7.司法権 8.公開法廷 9.判決 10.紛争解決機関 11.決定 12.法令の解釈 13.裁判所 14.人身の自由 15.立法事実 16.評決 17.参審制 18.議決 19.法令の適用 20.刑事裁判

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【答え】: ア:20.刑事裁判、イ:13.裁判所、ウ:19.法令の適用、エ:16.評決

【解説】

問題は、裁判員制度の下で裁判官と国民とにより構成される裁判体が、[ ア ]に関する様々な憲法上の要請に適合した「[ イ ]」といい得るものであるか否かにある。・・・(中略)・・・。
以上によれば、裁判員裁判対象事件を取り扱う裁判体は、身分保障の下、独立して職権を行使することが保障された裁判官と、公平性、中立性を確保できるよう配慮された手続の下に選任された裁判員とによって構成されるものとされている。また、裁判員の権限は、裁判官と共に公判廷で審理に臨み、評議において事実認定、[ ウ ]及び有罪の場合の刑の量定について意見を述べ、[ エ ]を行うことにある。これら裁判員の関与する判断は、いずれも司法作用の内容をなすものであるが、必ずしもあらかじめ法律的な知識、経験を有することが不可欠な事項であるとはいえない。さらに、裁判長は、裁判員がその職責を十分に果たすことができるように配慮しなければならないとされていることも考慮すると、上記のような権限を付与された裁判員が、様々な視点や感覚を反映させつつ、裁判官との協議を通じて良識ある結論に達することは、十分期待することができる。他方、憲法が定める[ ア ]の諸原則の保障は、裁判官の判断に委ねられている。
このような裁判員制度の仕組みを考慮すれば、公平な「[ イ ]」における法と証拠に基づく適正な裁判が行われること(憲法31条、32条、37条1項)は制度的に十分保障されている上、裁判官は[ ア ]の基本的な担い手とされているものと認められ、憲法が定める[ ア ]の諸原則を確保する上での支障はないということができる。

【ア】 

ア・・・20.刑事裁判

【イ】 

イ・・・13.裁判所

【ウ】 

ウ・・・19.法令の適用

【エ】 
エ・・・16.評決


令和3年・2021|問7|憲法

次の文章の空欄[ ア ]~[ オ ]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

国民投票制には種々の方法があるが、普通にこれを[ ア ]、[ イ ]及び[ ウ ]の三種に大別する。[ ア ]という言葉は、通俗には広く国民投票一般を意味するもののようにも用いられているが、その語の本来の意義は、代表者たる議会が一度議決した事柄を、主権者たる国民が確認又は否認して終局的に決定するということであって、国民表決という訳語も必ずしも正確ではない。・・・(中略)・・・。[ ア ]が議会の為したことの過誤を是正する手段であるのに対して、[ イ ]は議会が為さないことの怠慢を補完する方法である。即ち議会が国民の要望を採り上げないで、必要な立法を怠っている場合に、国民自ら法律案を提出し国民の投票によってその可否を決する制度である。・・・(中略)・・・。[ ウ ]即ち公務員を国民の投票によって罷免する制度は、元来選挙と表裏を成して人の問題を決定するもので、[ エ ]を前提とするものであるから、厳密な意味における[ オ ]ではないけれども、その思想及び制度の歴史に於いて他の国民投票制と形影相伴って発達して来たのみならず、その実行の方法に於いても、概ね共通しているから、通常やはり国民投票制の一種として取り扱われている。

(出典 河村又介「新憲法と民主主義」1948年から<原文の表記の一部を改めた。>」

  1. ア:レファレンダム イ:国民発案 ウ:国民拒否 エ:命令委任 オ:プレビシット
  2. ア:イニシアティブ イ:国民拒否 ウ:不信任投票 エ:直接民主制 オ:代議制
  3. ア:イニシアティブ イ:国民拒否 ウ:不信任投票 エ:直接民主制 オ:代議制
  4. ア:イニシアティブ イ:国民拒否 ウ:解職投票 エ:プレビシット オ:命令委任
  5. ア:レファレンダム イ:国民発案 ウ:解職投票 エ:代議制 オ:直接民主

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【答え】:5

【解説】

ア.

ア・・・レファレンダム

イ.

イ・・・国民発案

ウ.

ウ・・・ 解職投票

エ.
エ・・・代議制

オ.
オ・・・直接民主


令和3年・2021|問6|憲法

次の文章の空欄[ ア ]・[ イ ]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

憲法で、国会が国の「唯一の」立法機関であるとされるのは、憲法自身が定める例外を除き、[ ア ]、かつ、[ イ ]を意味すると解されている。

  1. ア:内閣の法案提出権を否定し(国会中心立法の原則)
    イ:議員立法の活性化を求めること(国会単独立法の原則)
  2. ア:国権の最高機関は国会であり(国会中心立法の原則)
    イ:内閣の独立命令は禁止されること(国会単独立法の原則)
  3. ア:法律は国会の議決のみで成立し(国会単独立法の原則)
    イ:天皇による公布を要しないこと(国会中心立法の原則)
  4. ア:国会が立法権を独占し(国会中心立法の原則)
    イ:法律は国会の議決のみで成立すること(国会単独立法の原則)
  5. ア:国権の最高機関は国会であり(国会中心立法の原則)
    イ:立法権の委任は禁止されること(国会単独立法の原則)

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【答え】:4

【解説】

ア.

ア・・・国会が立法権を独占し(国会中心立法の原則)

イ.

イ・・・法律は国会の議決のみで成立すること(国会単独立法の原則)


令和3年・2021|問5|憲法,政教分離

地方公共団体がその土地を神社の敷地として無償で提供することの合憲性に関連して、最高裁判所判決で
考慮要素とされたものの例として、妥当でないものはどれか。

  1. 国または地方公共団体が国公有地を無償で宗教的施設の敷地として提供する行為は、一般に、当該宗
    教的施設を設置する宗教団体等に対する便宜の供与として、憲法89条*との抵触が問題となる行為であると
    いわなければならない。
  2. 一般的には宗教的施設としての性格を有する施設であっても、同時に歴史的、文化財的な保護の対象
    となったり、観光資源、国際親善、地域の親睦の場としての意義を有するなど、文化的・社会的な価値に
    着目して国公有地に設置されている場合もあり得る。
  3. 日本では、多くの国民に宗教意識の雑居性が認められ、国民の宗教的関心が必ずしも高いとはいえな
    い一方、神社神道には、祭祀儀礼に専念し、他の宗教にみられる積極的な布教・伝道などの対外活動をほ
    とんど行わないという特色がみられる。
  4. 明治初期以来、一定の社寺領を国等に上知(上地)させ、官有地に編入し、または寄附により受け入
    れるなどの施策が広く採られたこともあって、国公有地が無償で社寺等の敷地として供される事例が多数
    生じており、これが解消されないまま残存している例もある。
  5. 当該神社を管理する氏子集団が、宗教的行事等を行うことを主たる目的とする宗教団体であり、寄附
    等を集めて当該神社の祭事を行っている場合、憲法89条*の「宗教上の組織若しくは団体」に該当するもの
    と解される。

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【答え】:3
【解説】

1.国または地方公共団体が国公有地を無償で宗教的施設の敷地として提供する行
為は、一般に、当該宗教的施設を設置する宗教団体等に対する便宜の供与として、憲法89条*との抵触が問
題となる行為であるといわなければならない。
1・・・妥当
 
 

 
 

2.一般的には宗教的施設としての性格を有する施設であっても、同時に歴史的、
文化財的な保護の対象となったり、観光資源、国際親善、地域の親睦の場としての意義を有するなど、文
化的・社会的な価値に着目して国公有地に設置されている場合もあり得る。
2・・・妥当
 
 

 
 

3.日本では、多くの国民に宗教意識の雑居性が認められ、国民の宗教的関心が必
ずしも高いとはいえない一方、神社神道には、祭祀儀礼に専念し、他の宗教にみられる積極的な布教・伝
道などの対外活動をほとんど行わないという特色がみられる。
3・・・妥当ではない
 
 

 
 

4.明治初期以来、一定の社寺領を国等に上知(上地)させ、官有地に編入し、ま
たは寄附により受け入れるなどの施策が広く採られたこともあって、国公有地が無償で社寺等の敷地とし
て供される事例が多数生じており、これが解消されないまま残存している例もある。
4・・・妥当
 
 

 
 

5.当該神社を管理する氏子集団が、宗教的行事等を行うことを主たる目的とする
宗教団体であり、寄附等を集めて当該神社の祭事を行っている場合、憲法89条*の「宗教上の組織若しくは
団体」に該当するものと解される。
5・・・妥当
 
 

 
 

 

令和3年・2021|問4|憲法,プライバシー権

捜査とプライバシーに関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 個人の容ぼうや姿態は公道上などで誰もが容易に確認できるものであるから、個人の私生活上の自由
    の一つとして、警察官によって本人の承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を認める
    ことはできない。
  2. 憲法は、住居、書類および所持品について侵入、捜索および押収を受けることのない権利を定めるが
    、その保障対象には、住居、書類および所持品に限らずこれらに準ずる私的領域に侵入されることのない
    権利が含まれる。
  3. 電話傍受は、通信の秘密や個人のプライバシーを侵害するが、必要性や緊急性が認められれば、電話
    傍受以外の方法によって当該犯罪に関する重要かつ必要な証拠を得ることが可能な場合であっても、これ
    を行うことが憲法上広く許容される。
  4. 速度違反車両の自動撮影を行う装置により運転者本人の容ぼうを写真撮影することは憲法上許容され
    るが、運転者の近くにいるため除外できないことを理由としてであっても、同乗者の容ぼうまで撮影する
    ことは許されない。
  5. GPS端末を秘かに車両に装着する捜査手法は、車両使用者の行動を継続的・網羅的に把握するものであ
    るが、公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりする手法と本質的に異ならず、憲法が保障す
    る私的領域を侵害するものではない。

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【答え】:2
【解説】

1.個人の容ぼうや姿態は公道上などで誰もが容易に確認できるものであるから、
個人の私生活上の自由の一つとして、警察官によって本人の承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影
されない自由を認めることはできない。
1・・・妥当ではない
 
 

 
 

2.憲法は、住居、書類および所持品について侵入、捜索および押収を受けること
のない権利を定めるが、その保障対象には、住居、書類および所持品に限らずこれらに準ずる私的領域に
侵入されることのない権利が含まれる。
2・・・妥当
 
 

 
 

3.電話傍受は、通信の秘密や個人のプライバシーを侵害するが、必要性や緊急性
が認められれば、電話傍受以外の方法によって当該犯罪に関する重要かつ必要な証拠を得ることが可能な
場合であっても、これを行うことが憲法上広く許容される。
3・・・妥当ではない
 
 

 
 

4.速度違反車両の自動撮影を行う装置により運転者本人の容ぼうを写真撮影する
ことは憲法上許容されるが、運転者の近くにいるため除外できないことを理由としてであっても、同乗者
の容ぼうまで撮影することは許されない。
4・・・妥当ではない
 
 

 
 

5.GPS端末を秘かに車両に装着する捜査手法は、車両使用者の行動を継続的・網羅
的に把握するものであるが、公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりする手法と本質的に異
ならず、憲法が保障する私的領域を侵害するものではない。

 
 

 
 

Traceback (most recent call last):
File “C:\Users\info\ドキュメント\python_practice\kakomon_toi_hp_gyosyo.py”, line 142, in
rint(‘ ’)
NameError: name ‘rint’ is not defined
PS C:\Users\info\ドキュメント\python_practice> python kakomon_toi_hp_gyosyo.py
 
 
令和3年・2021|問4|憲法,プライバシー権
 
 
2021年過去問,憲法,プライバシー権の過去問
 
 

捜査とプライバシーに関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 個人の容ぼうや姿態は公道上などで誰もが容易に確認できるものであるから、個人の私生活上の自由
    の一つとして、警察官によって本人の承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を認める
    ことはできない。
  2. 憲法は、住居、書類および所持品について侵入、捜索および押収を受けることのない権利を定めるが
    、その保障対象には、住居、書類および所持品に限らずこれらに準ずる私的領域に侵入されることのない
    権利が含まれる。
  3. 電話傍受は、通信の秘密や個人のプライバシーを侵害するが、必要性や緊急性が認められれば、電話
    傍受以外の方法によって当該犯罪に関する重要かつ必要な証拠を得ることが可能な場合であっても、これ
    を行うことが憲法上広く許容される。
  4. 速度違反車両の自動撮影を行う装置により運転者本人の容ぼうを写真撮影することは憲法上許容され
    るが、運転者の近くにいるため除外できないことを理由としてであっても、同乗者の容ぼうまで撮影する
    ことは許されない。
  5. GPS端末を秘かに車両に装着する捜査手法は、車両使用者の行動を継続的・網羅的に把握するものであ
    るが、公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりする手法と本質的に異ならず、憲法が保障す
    る私的領域を侵害するものではない。

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【答え】:2
【解説】

1.個人の容ぼうや姿態は公道上などで誰もが容易に確認できるものであるから、
個人の私生活上の自由の一つとして、警察官によって本人の承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影
されない自由を認めることはできない。
1・・・妥当ではない
 
 

 
 

2.憲法は、住居、書類および所持品について侵入、捜索および押収を受けること
のない権利を定めるが、その保障対象には、住居、書類および所持品に限らずこれらに準ずる私的領域に
侵入されることのない権利が含まれる。
2・・・妥当
 
 

 
 

3.電話傍受は、通信の秘密や個人のプライバシーを侵害するが、必要性や緊急性
が認められれば、電話傍受以外の方法によって当該犯罪に関する重要かつ必要な証拠を得ることが可能な
場合であっても、これを行うことが憲法上広く許容される。
3・・・妥当ではない
 
 

 
 

4.速度違反車両の自動撮影を行う装置により運転者本人の容ぼうを写真撮影する
ことは憲法上許容されるが、運転者の近くにいるため除外できないことを理由としてであっても、同乗者
の容ぼうまで撮影することは許されない。
4・・・妥当ではない
 
 

 
 

5.GPS端末を秘かに車両に装着する捜査手法は、車両使用者の行動を継続的・網羅
的に把握するものであるが、公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりする手法と本質的に異
ならず、憲法が保障する私的領域を侵害するものではない。
5・・・妥当ではない
 
 

 
 

令和3年・2021|問3|憲法

インフルエンザウイルス感染症まん延防止のため、政府の行政指導により集団的な予防接種が実施された
ところ、それに伴う重篤な副反応により死亡したXの遺族が、国を相手取り損害賠償もしくは損失補償を請
求する訴訟を提起した(予防接種と副反応の因果関係は確認済み)場合に、これまで裁判例や学説におい
て主張された憲法解釈論の例として、妥当でないものはどれか。

  1. 予防接種に伴う特別な犠牲については、財産権の特別犠牲に比べて不利に扱う理由はなく、後者の法
    理を類推適用すべきである。
  2. 予防接種自体は、結果として違法だったとしても無過失である場合には、いわゆる谷間の問題であり
    、立法による解決が必要である。
  3. 予防接種に伴い、公共の利益のために、生命・身体に対する特別な犠牲を被った者は、人格的自律権
    の一環として、損失補償を請求できる。
  4. 予防接種による違法な結果について、過失を認定することは原理的に不可能なため、損害賠償を請求
    する余地はないというべきである。
  5. 財産権の侵害に対して損失補償が出され得る以上、予防接種がひき起こした生命・身体への侵害につ
    いても同様に扱うのは当然である。

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【答え】:4
【解説】

1.予防接種に伴う特別な犠牲については、財産権の特別犠牲に比べて不利に扱う
理由はなく、後者の法理を類推適用すべきである。
1・・・妥当
 
 

 
 

2.予防接種自体は、結果として違法だったとしても無過失である場合には、いわ
ゆる谷間の問題であり、立法による解決が必要である。
2・・・妥当
 
 

 
 

3.予防接種に伴い、公共の利益のために、生命・身体に対する特別な犠牲を被っ
た者は、人格的自律権の一環として、損失補償を請求できる。
3・・・妥当ではない
 
 

 
 

4.予防接種による違法な結果について、過失を認定することは原理的に不可能な
ため、損害賠償を請求する余地はないというべきである。
4・・・妥当
 
 

 
 

5.財産権の侵害に対して損失補償が出され得る以上、予防接種がひき起こした生
命・身体への侵害についても同様に扱うのは当然である。
5・・・妥当
 
 

 
 

令和2年・2020|問41|憲法

次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

このような労働組合の結成を憲法および労働組合法で保障しているのは、社会的・経済的弱者である個々の労働者をして、その強者である[ ア ]との交渉において、対等の立場に立たせることにより、労働者の地位を向上させることを目的とするものであることは、さきに説示したとおりである。しかし、現実の政治・経済・社会機構のもとにおいて、労働者がその経済的地位の向上を図るにあたっては、単に対[ ア ]との交渉においてのみこれを求めても、十分にはその目的を達成することができず、労働組合が右の目的をより十分に達成するための手段として、その目的達成に必要な[ イ ]や社会活動を行なうことを妨げられるものではない。

この見地からいって、本件のような地方議会議員の選挙にあたり、労働組合が、その組合員の居住地域の生活環境の改善その他生活向上を図るうえに役立たしめるため、その[ ウ ]を議会に送り込むための選挙活動をすること、そして、その一方策として、いわゆる統一候補を決定し、組合を挙げてその選挙運動を推進することは、組合の活動として許されないわけではなく、また、統一候補以外の組合員であえて立候補しようとするものに対し、組合の所期の目的を達成するため、立候補を思いとどまるよう勧告または説得することも、それが単に勧告または説得にとどまるかぎり、組合の組合員に対する妥当な範囲の[ エ ]権の行使にほかならず、別段、法の禁ずるところとはいえない。しかし、このことから直ちに、組合の勧告または説得に応じないで個人的に立候補した組合員に対して、組合の[ エ ]をみだしたものとして、何らかの処分をすることができるかどうかは別個の問題である。

(最大判昭和43年12月4日刑集22巻13号1425頁)

1.統制 2.過半数代表 3.争議行為 4.指揮命令 5.政治献金 6.国民 7.地域代表 8.政治活動 9.支配 10.公権力 11.職能代表 12.経済活動 13.管理運営 14.自律 15.公益活動 16.純粋代表 17.利益代表 18.国 19.私的政府 20.使用者

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【答え】: ア:20.使用者、イ:8.政治活動、ウ:17.利益代表、エ:1.統制

【解説】

このような労働組合の結成を憲法および労働組合法で保障しているのは、社会的・経済的弱者である個々の労働者をして、その強者である[ ア:使用者 ]との交渉において、対等の立場に立たせることにより、労働者の地位を向上させることを目的とするものであることは、さきに説示したとおりである。しかし、現実の政治・経済・社会機構のもとにおいて、労働者がその経済的地位の向上を図るにあたっては、単に対[ ア:使用者 ]との交渉においてのみこれを求めても、十分にはその目的を達成することができず、労働組合が右の目的をより十分に達成するための手段として、その目的達成に必要な[ イ:政治活動 ]や社会活動を行なうことを妨げられるものではない。

この見地からいって、本件のような地方議会議員の選挙にあたり、労働組合が、その組合員の居住地域の生活環境の改善その他生活向上を図るうえに役立たしめるため、その[ ウ:利益代表 ]を議会に送り込むための選挙活動をすること、そして、その一方策として、いわゆる統一候補を決定し、組合を挙げてその選挙運動を推進することは、組合の活動として許されないわけではなく、また、統一候補以外の組合員であえて立候補しようとするものに対し、組合の所期の目的を達成するため、立候補を思いとどまるよう勧告または説得することも、それが単に勧告または説得にとどまるかぎり、組合の組合員に対する妥当な範囲の[ エ:統制 ]権の行使にほかならず、別段、法の禁ずるところとはいえない。しかし、このことから直ちに、組合の勧告または説得に応じないで個人的に立候補した組合員に対して、組合の[ エ:統制 ]をみだしたものとして、何らかの処分をすることができるかどうかは別個の問題である。

【ア】 このような労働組合の結成を憲法および労働組合法で保障しているのは、社会的・経済的弱者である個々の労働者をして、その強者である[ ア ]との交渉において

ア・・・20:使用者

「労働組合において強者である[ ア ]との交渉・・・・」という部分から考えると、

労働組合(労働者の集まり)が、交渉するのは、「使用者」です。

また、「社会的・経済的弱者である個々の労働者」に対して、給与を決めることができる「社会的・経済的強者」は「使用者」です。

よって、アには「使用者」が入ります。

【イ】 現実の政治・経済・社会機構のもとにおいて、労働者がその経済的地位の向上を図るにあたっては、単に対[ア:使用者]との交渉においてのみこれを求めても、十分にはその目的を達成することができず、労働組合が右の目的をより十分に達成するための手段として、その目的達成に必要な[ イ ]や社会活動を行なうことを妨げられるものではない。・・・
この見地からいって、本件のような地方議会議員の選挙にあたり・・・

イ・・・8:政治活動

イは「社会活動」とペアになっている言葉なので「〇〇活動」という言葉が入ると予想できます。

すると、「8:政治活動」「12:経済活動」「15:公益活動」の3つがあります。

そして、判決文の「この見地からいって、本件のような地方議会議員の選挙にあたり」という記述から、政治活動に関する記述が係れているので、イには「政治活動」が入ります。

イに「政治活動」を入れると話もつながります。

【ウ】 この見地からいって、本件のような地方議会議員の選挙にあたり、労働組合が、その組合員の居住地域の生活環境の改善その他生活向上を図るうえに役立たしめるため、その[ ウ ]を議会に送り込むための選挙活動をすること

ウ・・・17:利益代表

「労働組合が、その組合員の居住地域の生活環境の改善その他生活向上を図るために、[ ウ ]を議会に送り込む」と省略することができます。

労働組合が、目的達成のために議会に送り込む人は誰か?

入りそうな言葉は「2:過半数代表」「7:地域代表」「11:職能代表」「16:純粋代表」「17:利益代表」の5つがあります。

この中で「労働組合の目的達成するための人」を選ぶと「17:利益代表」が妥当です。

【エ】 また、統一候補以外の組合員であえて立候補しようとするものに対し、組合の所期の目的を達成するため、立候補を思いとどまるよう勧告または説得することも、それが単に勧告または説得にとどまるかぎり、組合の組合員に対する妥当な範囲の[ エ ]権の行使にほかならず、別段、法の禁ずるところとはいえない。しかし、このことから直ちに、組合の勧告または説得に応じないで個人的に立候補した組合員に対して、組合の[ エ ]をみだしたものとして、何らかの処分をすることができるかどうかは別個の問題である。
エ・・・1:統制

上記内容から「組合の組合員に対する妥当な範囲の[ エ ]権の行使」を考えると、エには「統制権」が入ることが分かります。

組合は、組合員をコントロールする力(一定の統制権)を持ちます。

よって、エには統制権が入ります。


令和2年(2020年)過去問

問1 著作権の関係上省略 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基礎法学 問33 民法:債権
問4 憲法 問34 民法:債権
問5 憲法 問35 民法:親族
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・社会
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識・経済
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 国家賠償法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・経済
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・社会
問25 情報公開法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・個人情報保護
問28 民法:物権 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

令和2年・2020|問7|憲法

憲法訴訟における違憲性の主張適格が問題となった第三者没収に関する最高裁判所判決*について、次のア~オの記述のうち、法廷意見の見解として、正しいものをすべて挙げた組合せはどれか。

ア.第三者の所有物の没収は、所有物を没収される第三者にも告知、弁解、防禦の機会を与えることが必要であり、これなしに没収することは、適正な法律手続によらないで財産権を侵害することになる。

イ.かかる没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、それが被告人に対する附加刑である以上、没収の裁判の違憲を理由として上告をすることができる。

ウ.被告人としても、その物の占有権を剥奪され、これを使用・収益できない状態におかれ、所有権を剥奪された第三者から賠償請求権等を行使される危険に曝される等、利害関係を有することが明らかであるから、上告により救済を求めることができるものと解すべきである。

エ.被告人自身は本件没収によって現実の具体的不利益を蒙ってはいないから、現実の具体的不利益を蒙っていない被告人の申立に基づき没収の違憲性に判断を加えることは、将来を予想した抽象的判断を下すものに外ならず、憲法81条が付与する違憲審査権の範囲を逸脱する。

オ.刑事訴訟法では、被告人に対して言い渡される判決の直接の効力が被告人以外の第三者に及ぶことは認められていない以上、本件の没収の裁判によって第三者の所有権は侵害されていない。

(注)* 最大判昭和37年11月28日刑集16巻11号1593頁

  1. ア・イ
  2. ア・エ
  3. イ・オ
  4. ア・イ・ウ
  5. ア・エ・オ

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【答え】:4

【解説】

ア.第三者の所有物の没収は、所有物を没収される第三者にも告知、弁解、防禦の機会を与えることが必要であり、これなしに没収することは、適正な法律手続によらないで財産権を侵害することになる。

ア・・・誤り
本問(ア~オ)は、密輸しようとした被告人(密輸人)が捕まった際に、密輸船にあった「第三者の所有物」が「被告人の所有物」と一緒に没収された事件についての判例(最大判昭37.11.28)です。

この判例によると、
「第三者の所有物を没収する場合において、その没収に関して当該所有者(第三者)に対し、何ら告知、弁解、防御の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、著しく不合理であって、憲法の容認しないところであるといわなければならない。
けだし(なぜなら)、憲法29条1項は、財産権は、これを侵してはならないと規定し、また同31条は、何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられないと規定しているが、前記第三者の所有物の没収は、被告人に対する附加刑として言い渡され、その刑事処分の効果が第三者に及ぶものであるから、
所有物を没収せられる第三者についても、告知、弁解、防御の機会を与えることが必要であって、これなくして第三者の所有物を没収することは、適正な法律手続によらないで、財産権を侵害する制裁を科するに外ならないからである」
と判示しています。

つまり、「第三者の所有物を没収する場合、その第三者にも告知、弁解、防禦(防御)の機会を与えることが必要で、その機会を与えないで没収することは、適正な法律手続をしないで財産権を侵害することになる」ということです。

よって、本肢は正しいです。

イ.かかる没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、それが被告人に対する附加刑である以上、没収の裁判の違憲を理由として上告をすることができる。

イ・・・正しい

アと同じ判例によると、「かかる没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、被告人に対する附加刑である以上、没収の裁判の違憲を理由として上告をなしうることは、当然であるのみならず(選択肢イ)、

被告人としても没収に係る物の占有権を剥奪され、またはこれが使用、収益をなしえない状態におかれ、更には所有権を剥奪された第三者から賠償請求権等を行使される危険に曝される等、利害関係を有することが明らかであるから、上告によりこれが救済を求めることができるものと解すべきである(選択肢ウ)」
と判示しています。
つまり、第三者の所有物の没収を言い渡された被告人は、それが被告人に対する附加刑である以上、没収するという裁判は違憲だということを理由に上告できます。

※「附加刑」とは、 独立して科することができず、主刑に付随してだけ科することのできる刑罰で、「没収」が「附加刑」に当たります。

ウ.被告人としても、その物の占有権を剥奪され、これを使用・収益できない状態におかれ、所有権を剥奪された第三者から賠償請求権等を行使される危険に曝される(さらされる)等、利害関係を有することが明らかであるから、上告により救済を求めることができるものと解すべきである。

ウ・・・正しい
選択肢イの判例をご覧ください。

被告人は、没収されてその物の所有権がなくなった第三者から賠償請求等をされる危険があるなど、利害関係があることは明らかであるから、上告して救済を求めることができます。

エ.被告人自身は本件没収によって現実の具体的不利益を蒙ってはいないから、現実の具体的不利益を蒙っていない被告人の申立に基づき没収の違憲性に判断を加えることは、将来を予想した抽象的判断を下すものに外ならず、憲法81条が付与する違憲審査権の範囲を逸脱する。
エ・・・誤り
選択肢ウの解説の通り、被告人自身も、第三者の所有物が没収されることで、第三者から賠償請求等をされる可能性があるなど「現実の具体的不利益」を被っています。
よって、本肢は「不利益を蒙っていない」が誤りで、忠育は「不利益を蒙っている」です。

※ 「蒙っている(こうむっている)」とは「被っている」と同じ意味です

オ.刑事訴訟法では、被告人に対して言い渡される判決の直接の効力が被告人以外の第三者に及ぶことは認められていない以上、本件の没収の裁判によって第三者の所有権は侵害されていない。
オ・・・誤り
本肢は「侵害されていない」が誤りで、正しくは「侵害される」です。

判例によると、「憲法29条1項は、財産権は、これを侵してはならないと規定し、また同31条は、何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられないと規定しているが、前記第三者の所有物の没収は、被告人に対する附加刑として言い渡され、その刑事処分の効果が第三者に及ぶものである」と判示しています。

つまり、
第三者の所有物の没收は、被告人に対する附加刑として言い渡されて、その刑事処分の効果が第三者に及びます。

したがって、没収の裁判で第三者の所有権は侵害されるので誤りです。


令和2年(2020年)過去問

問1 著作権の関係上省略 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基礎法学 問33 民法:債権
問4 憲法 問34 民法:債権
問5 憲法 問35 民法:親族
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・社会
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識・経済
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 国家賠償法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・経済
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・社会
問25 情報公開法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・個人情報保護
問28 民法:物権 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

令和2年・2020|問6|憲法

衆議院の解散に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 衆議院議員総選挙は、衆議院議員の任期が満了した場合と衆議院が解散された場合に行われるが、実際の運用では、任期満了による総選挙が過半数を占め、解散による総選挙は例外となっている。
  2. 内閣による衆議院の解散は、高度の政治性を有する国家行為であるから、解散が憲法の明文規定に反して行われるなど、一見極めて明白に違憲無効と認められる場合を除き、司法審査は及ばないとするのが判例である。
  3. 最高裁判所が衆議院議員選挙における投票価値の不均衡について憲法違反の状態にあると判断した場合にも、内閣の解散権は制約されないとするのが政府見解であるが、実際には、不均衡を是正しないまま衆議院が解散された例はない。
  4. 衆議院が内閣不信任案を可決し、または信任案を否決したとき、内閣は衆議院を解散できるが、この場合には、内閣によりすでに解散が決定されているので、天皇は、内閣の助言と承認を経ず、国事行為として衆議院議員選挙の公示を行うことができると解される。
  5. 天皇の国事行為は本来、厳密に形式的儀礼的性格のものにすぎない、と考えるならば、国事行為としての衆議院の解散の宣言について内閣が助言と承認の権能を有しているからといって、内閣が憲法上当然に解散権を有していると決めつけることはできない、という結論が導かれる。

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【答え】:5
【解説】

1.衆議院議員総選挙は、衆議院議員の任期が満了した場合と衆議院が解散された場合に行われるが、実際の運用では、任期満了による総選挙が過半数を占め、解散による総選挙は例外となっている。
1・・・妥当ではない
衆議院議員総選挙は、「衆議院議員の任期が満了した場合」と「衆議院が解散された場合」に行われます。
実際のところ、任期満了に伴う総選挙」は、これまでで1回だけ(昭和51年12月)であり、それ以外は「衆議院の解散に伴う総選挙」です。

2.内閣による衆議院の解散は、高度の政治性を有する国家行為であるから、解散が憲法の明文規定に反して行われるなど、一見極めて明白に違憲無効と認められる場合を除き、司法審査は及ばないとするのが判例である。

2・・・妥当ではない
内閣による衆議院の解散についての判例(最大判昭35.6.8)によると
「衆議院の解散は、極めて政治性の高い国家統治の基本に関する行為であって、かくのごとき行為について、その法律上の有効無効を審査することは司法裁判所の権限の外にありと解すべきことは既に前段説示するところによってあきらかである。そして、この理は、本件のごとく、当該衆議院の解散が訴訟の前提問題として主張されている場合においても同様であって、ひとしく裁判所の審査権の外にありといわなければならない」としています。
つまり、「内閣による衆議院の解散は、高度の政治性を有する国家行為であるから、司法審査は及ばない」ということです。したがって、「解散が憲法の明文規定に反して行われるなど、一見極めて明白に違憲無効と認められる場合を除き」が妥当ではありません。このような例外に関係なく、司法審査は及びません。

【対比ポイント】
「一見極めて明白に違憲無効」と認められる場合とはどんな場合か?
これは、砂川事件の判例(最判昭34.12.16)で記述されています。
この判例は、安全保障条約に司法審査が及ぶかが論点の一つとなっています。
ここでは、「本件安全保障条約は、主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重大な関係をもつ高度の政治性を有するものというべきであって、安全保障条約の内容が違憲か否かの法的判断は、その条約を締結した内閣およびこれを承認した国会の高度の政治的ないし自由裁量的判断と表裏をなす。
それ故、右違憲か否かの法的判断は、司法裁判所の審査には、原則としてなじまない性質のものであり、一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のものである。
そして、本件安全保障条約は、違憲無効であることが一見きわめて明白であるとは到底認められないため、司法審査は及ばない。」と判示しています。

3.最高裁判所が衆議院議員選挙における投票価値の不均衡について憲法違反の状態にあると判断した場合にも、内閣の解散権は制約されないとするのが政府見解であるが、実際には、不均衡を是正しないまま衆議院が解散された例はない。
3・・・妥当ではない
実際には、不均衡を是正しないまま衆議院が解散された例はあります。
例えば、1983年12月に行われた衆議院議員の総選挙では、その前の総選挙の投票価値の不均衡が是正されないまま行われました。

4.衆議院が内閣不信任案を可決し、または信任案を否決したとき、内閣は衆議院を解散できるが、この場合には、内閣によりすでに解散が決定されているので、天皇は、内閣の助言と承認を経ず、国事行為として衆議院議員選挙の公示を行うことができると解される。
4・・・妥当ではない
天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、国会議員の総選挙の施行を公示します。(憲法7条4号)。
そのため、、天皇が公示するには、「内閣の助言と承認」を経ることが必要です。

5.天皇の国事行為は本来、厳密に形式的儀礼的性格のものにすぎない、と考えるならば、国事行為としての衆議院の解散の宣言について内閣が助言と承認の権能を有しているからといって、内閣が憲法上当然に解散権を有していると決めつけることはできない、という結論が導かれる。
5・・・妥当
天皇の国事行為は本来全て形式的儀礼的行為と考えられています。
この考え方すると、
内閣の助言と承認が必要な国事行為としての衆議院の解散の宣言があるが(憲法7条3号)、
内閣が助言と承認の権能を有しているからといって、内閣が憲法上当然に解散権を有していると決めつけることはできません。

実際、「内閣が解散権を有する」旨の憲法上の規定はありません。


令和2年(2020年)過去問

問1 著作権の関係上省略 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基礎法学 問33 民法:債権
問4 憲法 問34 民法:債権
問5 憲法 問35 民法:親族
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・社会
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識・経済
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 国家賠償法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・経済
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・社会
問25 情報公開法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・個人情報保護
問28 民法:物権 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

令和2年・2020|問5|憲法

次の記述のうち、「議院の自律権」を前提としていないものはどれか。(改)

  1. 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定めることができる。
  2. 両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。
  3. 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
  4. 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。
  5. 両議院は、各々院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。

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【答え】:2
【解説】

1.両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定めることができる。
1・・・議院の自律権を前提としている
議院の権能として「議院の自律権」と「国政調査権」の2つがあります。

議院の自律権

議院の自律権」とは、衆議院と参議院それぞれの自立性を尊重するために、各議院の自律権を認めて、内部的なことは、各議院が自主的に決定できるようにすること

具体的にどのような内容について自主的に決定できるのか、下記4つがあります。

  1. 議員の資格争訟裁判(55条)
  2. 役員の選任(58条1項)
  3. 議院の懲罰(58条2項)
  4. 議院規則の制定(58条2項)

国政調査権

憲法第62条
両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

国政調査権とは、国会の持つ立法権や行政権が適切に行使されているかを監視・調査を行う権利です。これは、各議院それぞれに与えられています。

■本問の「表両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定めることができる。」というのは、「議院規則の制定」です。
つまり、議院の自律権を前提とした権利です。

2.両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

2・・・議院の自律権を前提としていない
本肢の「両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」は、「国政調査権」です。
「国政調査権」は「議院の自律権」に基づく権利ではありません。

3.両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
3・・・議院の自律権を前提としている
本肢の「両議院は、各々その議長その他の役員を選任する」は、「役員の選任」にあたります。
これは、「議院の自律権」に基づく権利です。
4.両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。
4・・・議院の自律権を前提としている
本肢の「両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する」は、「議員の資格争訟裁判」です。
これは、「議院の自律権」に基づく権利です。
5.両議院は、各々院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。
5・・・議院の自律権を前提としている
本肢の「両議院は、各々院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる」は「議院の懲罰」にあたります。
これは、「議院の自律権」に基づく権利です。


令和2年(2020年)過去問

問1 著作権の関係上省略 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基礎法学 問33 民法:債権
問4 憲法 問34 民法:債権
問5 憲法 問35 民法:親族
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・社会
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識・経済
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 国家賠償法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・経済
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 地方自治法 問54 一般知識・社会
問25 情報公開法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・個人情報保護
問28 民法:物権 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略