行政法の過去問

平成22年・2010|問23|地方自治法

「住民」にかかわる地方自治法の規定に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア.都道府県知事の被選挙権は、当該都道府県の住民ではなくとも、法定の年齢以上の日本国籍を有する者であれば認められる。

イ.地域協議会の構成員は、地域自治区の区域内に住所を有する住民の中から市町村長によって選任される。

ウ.都道府県は、その住民につき、住民たる地位に関する正確な記録を整備しておかなければならない。

エ.市町村議会の議員が住所を移したため被選挙権を失っても、その住所が同一都道府県の区域内に在るときは、そのために失職することはない。

オ.町村におかれる町村総会を構成するのは、当該町村の住民のうち選挙権を有する者である。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ
  5. 五つ

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【答え】:2
【解説】
ア.都道府県知事の被選挙権は、当該都道府県の住民ではなくとも、法定の年齢以上の日本国籍を有する者であれば認められる。
ア・・・正しい
日本国民で年齢満30年以上のものは、別に法律の定めるところにより、都道府県知事の被選挙権(立候補する権利)を有します(地方自治法19条2項)。
よって、知事に立候補する場合、当該都道府県の住民である必要はないです。
イ.地域協議会の構成員は、地域自治区の区域内に住所を有する住民の中から市町村長によって選任される。
イ・・・正しい
地域協議会の構成員は、地域自治区の区域内に住所を有する者のうちから、市町村長が選任します(地方自治法202条の5第2項)。つまり、地域協議会の構成員は「住民」かつ「市長村長の選任」が必要です。
ウ.都道府県は、その住民につき、住民たる地位に関する正確な記録を整備しておかなければならない。
ウ・・・誤り
市町村は、別に法律の定めるところにより、その住民につき、住民たる地位に関する正確な記録を常に整備しておかなければなりません(地方自治法13条の2)。実際、市町村は、住民基本台帳等で、住民に関する情報を整備しています。
エ.市町村議会の議員が住所を移したため被選挙権を失っても、その住所が同一都道府県の区域内に在るときは、そのために失職することはない。
エ・・・誤り
普通地方公共団体の議会の議員
  1. 被選挙権を有しない者であるとき
  2. 当該普通地方公共団体と請負契約を締結した請負業者の取締役等であるとき

は、その職を失います(失職する)(地方自治法127条1項)。

したがって、1の通り、市町村議会の議員が住所を移したため被選挙権を失った場合、議員としての地位を失います(失職する)。

オ.町村におかれる町村総会を構成するのは、当該町村の住民のうち選挙権を有する者である。
オ・・・正しい
町村は、条例で、議会を置かず選挙権を有する者の「総会」を設けることができます(地方自治法94条)。つまり、町村総会を構成するのは、当該町村の住民のうち選挙権を有する者です。

よって、本肢は正しいです。

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問22|地方自治法

地方自治法が定める大都市制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 中核市は、指定都市と同様、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例でその区域を分けて区を設けることができる。
  2. 指定都市に置かれる区は、都に置かれる特別区と同様に、法人格が認められている。
  3. 指定都市の数が増加したことにともない、指定都市の中でも特に規模の大きな都市については、特に特例市として指定し、より大きな権限を認めている。
  4. 指定都市は、必要と認めるときは、条例で、区の議会を置くことができる。
  5. 指定都市は、地方自治法において列挙された事務のうち、都道府県が法律またはこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部または一部で政令で定めるものを処理することができる。

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【答え】:5
【解説】
1.中核市は、指定都市と同様、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例でその区域を分けて区を設けることができる。
1・・・誤り
指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くものとします(地方自治法252条の20の1項)。これは、指定都市の内容で、中核市は「区」を置くことはできません
2.指定都市に置かれる区は、都に置かれる特別区と同様に、法人格が認められている。
2・・・誤り
「指定都市の区」に法人格はありません。よって誤りです。
「特別区」と「財産区」は特別地方公共団体なので法人格があります。
3.指定都市の数が増加したことにともない、指定都市の中でも特に規模の大きな都市については、特に特例市として指定し、より大きな権限を認めている。
3・・・誤り
特例市は、2014年の地方自治法改正により廃止されたため、本肢は誤りです。
4.指定都市は、必要と認めるときは、条例で、区の議会を置くことができる。
4・・・誤り
指定都市は、必要と認めるときは、条例で、区ごとに区地域協議会を置くことができます(地方自治法252条の20の7項)。したがって、「区の議会」は置くことはできません。

正しくは「区地域協議会」です。

5.指定都市は、地方自治法において列挙された事務のうち、都道府県が法律またはこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部または一部で政令で定めるものを処理することができる。
5・・・正しい
政令で指定する人口50万以上の市(指定都市)は、一定の事務のうち都道府県が法律又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができます地方自治法252条の19の1項)。一定事務とは、例えば「児童福祉に関する事務」「民生委員に関する事務「身体障害者の福祉に関する事務」「生活保護に関する事務」等があります。

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問15|行政不服審査法

行政不服審査法における手続の終了に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 行政不服審査制度には権利保護機能の他に行政統治機能があるため、審理員の同意がなければ、審査請求人は審査請求を取り下げることができない。
  2. 事実行為に関する審査請求を認容する場合、審査庁は違法又は不当な当該事実行為を自ら撤廃することができる。
  3. 上級行政庁としての審査庁は、処分庁の処分を変更する旨の裁決をすることができず、処分庁の処分を取り消した上で、処分庁に当該処分の変更を命じなければならない。
  4. 処分についての審査請求は、原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して3ヵ月を経過したときは、することができない。
  5. 行政不服審査法には、それに基づく裁決について、行政事件訴訟法が定める取消判決の拘束力に相当する規定は設けられていない。

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【答え】:4
【解説】
1.行政不服審査制度には権利保護機能の他に行政統治機能があるため、審理員の同意がなければ、審査請求人は審査請求を取り下げることができない。
1・・・誤り
審査請求の取り下げについて、下記2つしか規定されていません(行政不服審査法27条)。
  1. 審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる
  2. 審査請求の取下げは、書面でしなければならない。

したがって、「審理員の同意がなければ、審査請求人は審査請求を取り下げることができない」といった規定はないので、誤りです。

2.事実行為に関する審査請求を認容する場合、審査庁は違法又は不当な当該事実行為を自ら撤廃することができる。
2・・・誤り
事実上の行為についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言し、下記のとおり措置をとります(行政不服審査法47条)。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変更すべき旨を命ずることはできない。
  1. 「処分庁以外の審査庁」の場合、審査庁は、当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずる
  2. 「処分庁である審査庁」の場合、審査庁は、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更する。

よって、「審査庁は違法又は不当な当該事実行為を自ら撤廃することができる」は誤りです。
もし、審査庁が、1の通り、「処分庁以外の審査庁」の場合、自ら撤廃することはできないからです。できるのは、「処分庁に、撤廃しろ!」と命じることです。

3.上級行政庁としての審査庁は、処分庁の処分を変更する旨の裁決をすることができず、処分庁の処分を取り消した上で、処分庁に当該処分の変更を命じなければならない。
3・・・誤り
処分についての審査請求に理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更します。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、当該処分を変更することはできません(行政不服審査法46条)。

「上級行政庁としての審査庁」は、上記原則の通り、処分庁の処分を変更する裁決ができます。

よって、「処分庁の処分を変更する旨の裁決をすることができず、・・・」は誤りです。

4.処分についての審査請求は、原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して3ヵ月を経過したときは、することができない。
4・・・正しい
処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときは、することができません。
ただし、正当な理由があるときは、3か月を経過しても審査請求できます(行政不服審査法18条)。よって、本肢は原則の話なので、正しいです。
5.行政不服審査法には、それに基づく裁決について、行政事件訴訟法が定める取消判決の拘束力に相当する規定は設けられていない。
5・・・誤り
裁決は、関係行政庁を拘束します(行政不服審査法52条1項:拘束力)。また、処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束します(行政事件訴訟法33条1項:拘束力)。

つまり、裁決についても、取消判決同様、拘束力はあるので、本肢は誤りです。

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問21|地方自治法

公の施設に関する次の記述のうち、法令または最高裁判所の判例に照らし、誤っているものはどれか。

  1. 地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的であれば、その区域外においても公施設を設けることができる。
  2. 公の施設の設置および管理に関する事項について、法律またはこれに基づく政令、特別の定めがない場合には、地方公共団体の長が規則でこれを定めなければならない。
  3. 公の施設の利用関係において、一定の地方税の負担をしているような「住民に準ずる地位にある者」には、住民と同様に、不当な差別的取扱いの禁止を定めた地方自治法244条3項の規律が及ぶ。
  4. 指定管理者に公の施設を管理させようとする場合、地方公共団体は条例でその旨を定めなければならず、長の規則によってこれを定めることはできない。
  5. 法改正により削除

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【答え】:2
【解説】
1.地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的であれば、その区域外においても公施設を設けることができる。
1・・・正しい
普通地方公共団体は、その区域外においても、また、関係普通地方公共団体との協議により、公の施設を設けることができます地方自治法244条の3の1項)。例えば、A市が、B市に公の施設を設けることも可能ということです。よって、本肢は正しいです。
2.公の施設の設置および管理に関する事項について、法律またはこれに基づく政令、特別の定めがない場合には、地方公共団体の長が規則でこれを定めなければならない。
2・・・誤り
普通地方公共団体は、「法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除く」ほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければなりません(地方自治法244条の2の1項)。本肢は「地方公共団体の長が規則」が誤りです。正しくは「地方公共団体が条例」です。
3.公の施設の利用関係において、一定の地方税の負担をしているような「住民に準ずる地位にある者」には、住民と同様に、不当な差別的取扱いの禁止を定めた地方自治法244条3項の規律が及ぶ。
3・・・正しい
判例によると「普通地方公共団体が設置する公の施設を利用する者の中には、当該普通地方公共団体の住民ではないが、その区域内に事務所、事業所、家屋敷、寮等を有し、その普通地方公共団体に対し地方税を納付する義務を負う者など住民に準ずる地位にある者が存在することは当然に想定されるところである。そして、法の下の平等の原則を公の施設の利用関係につき具体的に規定したものであることを考えれば、上記のような『住民に準ずる地位にある者』による公の施設の利用関係に地方自治法244条3項の規律が及ばないと解するのは相当でない。これらの者が公の施設を利用することについて、当該公の施設の性質やこれらの者と当該普通地方公共団体との結び付きの程度等に照らし合理的な理由なく差別的取扱いをすることは、同項(244条3項)に違反するものというべきである。」

地方自治法244条3項
普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。

と判示しています。

つまり、本肢は正しいです。

4.指定管理者に公の施設を管理させようとする場合、地方公共団体は条例でその旨を定めなければならず、長の規則によってこれを定めることはできない。
4・・・正しい
普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であって当該普通地方公共団体が指定するもの(指定管理者)に、当該公の施設の管理を行わせることができます(地方自治法244条の2の3項)。したがって、指定管理者に公の施設を管理させようとする場合地方公共団体は条例でその旨を定めなければならず長の規則によってこれを定めることはできません
5.法改正により削除
5・・・―

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問20|国家賠償法

道路の設置管理に関する国家賠償についての次の記述のうち、判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 国家賠償の対象となるのは、道路の利用者の被害に限られ、沿道住民の騒音被害とについては、道路管理者は、賠償責任を負わない。
  2. 土砂崩れによる被害を防止するために多額の費用を要し、それについての予算措置が困難である場合は、道路管理者は、こうした被害についての賠償責任を免れる。
  3. 道路上に放置された故障車に追突して損害を被った者がいたとしても、道路自体に暇疵があったわけではないから、道路管理者が賠償責任を負うことはない。
  4. ガードレールの上に腰掛けるなどの通常の用法に即しない行動の結果生じた損害についても、道路管理者は、賠償責任を負う。
  5. 道路の欠陥を原因とする事故による被害についても、道路管理者は、それを原状に戻すことが時間的に不可能であった場合には、賠償責任を負わない。

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【答え】:5
【解説】
1.国家賠償の対象となるのは、道路の利用者の被害に限られ、沿道住民の騒音被害とについては、道路管理者は、賠償責任を負わない。
1・・・誤り
判例によると、「一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により受けた被害について、社会生活上受忍すべき限度を超え、道路の設置又は管理には瑕疵があるとして、国家賠償請求できる
と判示しています。つまり、本肢は誤りです。
2.土砂崩れによる被害を防止するために多額の費用を要し、それについての予算措置が困難である場合は、道路管理者は、こうした被害についての賠償責任を免れる。
2・・・誤り
判例によると、「国家賠償法2条1項の営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、これに基づく国および公共団体の賠償責任については、その過失の存在を必要としないと解するを相当とする。そして、本件道路における防護柵を設置するとした場合、その費用の額が相当の多額にのぼり、上告人県としてその予算措置に困却するであろうことは推察できるが、それにより直ちに道路の管理の瑕疵によって生じた損害に対する賠償責任を免れうるものと考えることはできない」

と判示しています。

つまり、「予算措置が困難である場合であったとしても、直ちに道路の管理の瑕疵によって生じた損害に対する賠償責任を免れる」わけではない、と言っています。

よって、本肢は「道路管理者は、賠償責任を免れる」となっているので誤りです。

3.道路上に放置された故障車に追突して損害を被った者がいたとしても、道路自体に暇疵があったわけではないから、道路管理者が賠償責任を負うことはない。
3・・・誤り
判例によると「道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、もって一般交通に支障を及ぼさないように努める義務を負っており、道路中央線付近に故障した大型貨物自動車が87時間にわたって放置されていたことは、本件事故発生当時、道路管理に瑕疵があった状態であり、国家賠償請求できる」
としています。上記判例から、
道路上に放置された故障車に追突して損害を被った者がいたとしても、道路自体に暇疵があったわけではない、とは言えないです。

場合によっては、道路管理の瑕疵を理由に、道路管理者が賠償責任を負うことはあるので、誤りです。

4.ガードレールの上に腰掛けるなどの通常の用法に即しない行動の結果生じた損害についても、道路管理者は、賠償責任を負う。
4・・・誤り
判例によると「営造物の通常の用法に即しない行動の結果事故が生じた場合において、その営造物として本来具有すべき安全性に欠けるところがなく、右行動が設置管理者において通常予測することのできないものであるときは、右事故が営造物の設置又は管理の瑕疵によるものであるということはできない。」と判示しています。

本肢のように、ガードレールの上に腰掛けるなどの通常の用法に即しない行動の結果生じた損害についても、道路管理者は、賠償責任を負わない、ということなので、本肢は誤りです。

5.道路の欠陥を原因とする事故による被害についても、道路管理者は、それを原状に戻すことが時間的に不可能であった場合には、賠償責任を負わない。
5・・・正しい
判例によると、「県道上に道路管理者の設置した掘穿工事中であることを表示する工事標識板、バリケード及び赤色灯標柱が倒れ、赤色灯が消えたままになつていた場合であっても、それが夜間、他の通行車によって引き起こされたものであり、その直後で道路管理者がこれを原状に復し道路の安全を保持することが不可能であったなど判示の事実関係のもとでは、道路の管理に瑕疵がなかつたというべきである。」と判示しています。

つまり、道路の欠陥を原因とする事故による被害についても、道路管理者は、それを原状に戻すことが時間的に不可能であった場合には、賠償責任を負わなくてよいので、本肢は、正しいです。

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問19|国家賠償法

国家賠償請求訴訟に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 国家賠償を請求する訴訟は、民事訴訟であるから、その訴訟手続について行政事件訴訟法が適用されることはない。
  2. 処分の違法を理由として国家賠償を請求する訴訟を提起するためには、事前に、当該処分についての取消判決により、その違法性を確定しておく必要がある。
  3. 処分に対する取消訴訟の出訴期間が経過して、処分に不可争力が生じた場合には、その違法を理由として国家賠償を請求する訴訟を提起することはできない。
  4. 処分に対する取消訴訟に当該処分の違法を理由とする国家賠償を請求する訴訟を併合して提起することは許されない。
  5. 国家賠償を請求する訴訟の被告とされるのは国または地方公共団体に限られ、それ以外の団体が被告となることはない。

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【答え】:1
【解説】
1.国家賠償を請求する訴訟は、民事訴訟であるから、その訴訟手続について行政事件訴訟法が適用されることはない。
1・・・正しい
国家賠償請求訴訟は、民事訴訟の一種というのが通説です。
よって、訴訟手続について行政事件訴訟法が適用されることはありません。
2.処分の違法を理由として国家賠償を請求する訴訟を提起するためには、事前に、当該処分についての取消判決により、その違法性を確定しておく必要がある。
2・・・誤り
判例によると「行政処分が違法であることを理由として国家賠償の請求をするについては、あらかじめ右行政処分につき取消又は無効確認の判決を得なければならないものではない

と判示しています。

よって、処分の違法を理由として国家賠償を請求する訴訟を提起する場合、事前に、取消判決により、その違法性を確定しておく必要はありません。

したがって、本肢は誤りです。

3.処分に対する取消訴訟の出訴期間が経過して、処分に不可争力が生じた場合には、その違法を理由として国家賠償を請求する訴訟を提起することはできない。
3・・・誤り
取消訴訟は、行政事件訴訟であり、国家賠償請求訴訟は、民事訴訟です。取消訴訟の出訴期間が経過すると、取消訴訟の提起はできなくなります(不可争力)。

しかし、国家賠償請求訴訟は民事訴訟なので、上記「取消訴訟の出訴期間が経過(行政事件訴訟法)」は関係ありません

民法上の時効期間で考えます。

したがって、本肢は誤りです。

4.処分に対する取消訴訟に当該処分の違法を理由とする国家賠償を請求する訴訟を併合して提起することは許されない。
4・・・誤り
取消訴訟には、関連請求に係る訴えを併合することができます(行政事件訴訟法16条1項)そして、本肢の「当該処分の違法を理由とする国家賠償を請求する訴訟」は、取消訴訟の関連請求にあたります(行政事件訴訟法13条1号)

そのため、「処分に対する取消訴訟」に「当該処分の違法を理由とする国家賠償を請求する訴訟」を併合して提起することは許されるので、誤りです。

5.国家賠償を請求する訴訟の被告とされるのは国または地方公共団体に限られ、それ以外の団体が被告となることはない。
5・・・誤り
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これの賠償責任を負います(国家賠償法1条1項)。この「公共団体」とは、地方公共団体だけに限りません。

例えば、公共組合(土地区画整理組合、国民健康保険組合)独立行政法人だけでなく、弁護士会も含まれます。

つまり、上記の者を被告として訴えることも可能なので、本肢は誤りです。

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問18|行政事件訴訟法

不利益処分の取消訴訟において原告勝訴判決(取消判決)が確定した場合に、当該判決について生ずる効力に関する次のア~エの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア.処分をした行政庁は、判決確定の後、判決の拘束力により、訴訟で争われた不利益処分を職権で取り消さなければならない。

イ.判決後に新たな処分理由が発生した場合、処分をした行政庁は、これを根拠として、判決の拘束力と関わりなく、原告に対して、より厳しい内容の不利益処分を行うことができる。

ウ.不利益処分をした処分庁が地方公共団体に所属する場合、不利益処分にかかわった関係行政庁のうち国に所属する行政庁には、判決の拘束力は及ばない。

エ.判決の拘束力が生じるのは主文に限られず、主文に含まれる判断を導くために不可欠な理由中の判断についても及ぶ。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ

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【答え】:4
【解説】
ア.処分をした行政庁は、判決確定の後、判決の拘束力により、訴訟で争われた不利益処分を職権で取り消さなければならない。
ア・・・誤り
取消判決には拘束力があるため、行政庁は、判決の内容にしたがって、行動する義務があります。
ただし、取消訴訟において、取消判決が下されると、行政庁が処分(本肢の場合不利益処分)を取消すことなく、判決により、自動的に、行政庁の処分は初めからなかったものとされます(形成力)。したがって、本肢の「訴訟で争われた不利益処分を職権で取り消さなければならない」が誤りです。
イ.判決後に新たな処分理由が発生した場合、処分をした行政庁は、これを根拠として、判決の拘束力と関わりなく、原告に対しより厳しい内容の不利益処分を行うことができる。
イ・・・正しい
判決には、拘束力があり、行政庁は判決の内容にしたがって行動する義務が発生します。
また、判決があると、同一理由に基づく同一処分をすることが出来なくなります。ただし、判決後別の理由があれば、その理由をもとに同一処分をすることは可能です。本肢は、「判決後に新たな処分理由が発生した場合」なので、処分をした行政庁は、これを根拠として、判決の拘束力と関わりなく、原告に対しより厳しい内容の不利益処分を行うことができます。
ウ.不利益処分をした処分庁が地方公共団体に所属する場合、不利益処分にかかわった関係行政庁のうち国に所属する行政庁には、判決の拘束力は及ばない。
ウ・・・誤り
処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束します(行政事件訴訟法33条1項)。したがって、「不利益処分にかかわった関係行政庁のうち国に所属する行政庁には、判決の拘束力は及ばない」は誤りです。判決の拘束力は及びます。
エ.判決の拘束力が生じるのは主文に限られず、主文に含まれる判断を導くために不可欠な理由中の判断についても及ぶ。
エ・・・正しい
判例によると「拘束力は、判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたる」と判示しています。

つまり、判決の拘束力が生じるのは主文だけでなく、主文に含まれる判断を導くために不可欠な理由中の判断についても及びます

よって、正しいです。

どういうことかは、個別指導で解説します!

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問16|行政事件訴訟法

次のア~オの訴えのうち、抗告訴訟にあたるものの組合せはどれか。

ア.建築基準法に基づき私法人たる指定確認検査機関が行った建築確認拒否処分の取消しを求める申請者の訴え。

イ.土地収用法に基づく都道府県収用委員会による収用裁決において示された補償額の増額を求める土地所有者の訴え。

ウ.土地収用法に基づく都道府県収用委員会による収用裁決の無効を前提とした所有権の確認を求める土地所有者の訴え。

エ.核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づき許可を得ている原子炉施設の運転の差止めを運転者に対して求める周辺住民の訴え。

オ.住民基本台帳法に基づき、行政機関が住民票における氏名の記載を削除することの差止めを求める当該住民の訴え。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:2
【解説】
ア.建築基準法に基づき私法人たる指定確認検査機関が行った建築確認拒否処分の取消しを求める申請者の訴え。
ア・・・抗告訴訟
まず、自分自身の権利利益の救済を目的とした、行政行為に対する訴訟を「主観訴訟」と言います。そして、主観訴訟は、大きく分けて、「抗告訴訟」と「当事者訴訟」に分けることができます。抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関して違法でないかと不服がある場合の訴訟で、当事者訴訟は、当事者間の公法上の法律関係を争う訴訟です。

本問については、建築確認の拒否処分によって、建物を建築できなくなった者が、それを取消してほしいと訴えているので、自分自身の権利利益の救済を目的とした訴訟です。
つまり、主観訴訟です。

そして、行政庁の公権力の行使(建築確認の拒否処分)が違法ではないかと訴える訴訟なので、抗告訴訟にあたります。

ちなみに、抗告訴訟の中の、取消訴訟です。

本問はすべて考え方の整理が必要なので、個別指導で解説します!

整理できていないと、失点するし、覚えても忘れてしまうので注意しましょう!

イ.土地収用法に基づく都道府県収用委員会による収用裁決において示された補償額の増額を求める土地所有者の訴え。
イ・・・当事者訴訟
本肢は当事者訴訟の中の「形式的当事者訴訟」です。形式的当事者訴訟とは、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものです。例えば、Aの土地について、土地収用に関する収用委員会の裁決について,不服がある場合、本来、収用委員会の属する都道府県を被告として、収用裁決の取消しの訴えを提起します。

しかし、Aが収用自体は納得しているけど、収用に対する補償金額に不服がある場合があります。この場合、Aは補償額についてのみ争えばよいです。

そして、この補償額については、事業の起業者(事業を行う者)が決め、収用委員会が認定するのですが、補償額(損失補償額)に争いがある場合,土地を収用されたAと起業者との間で争います。

本来であれば,「補償額を認定した収用委員会の属する行政主体である都道府県」を被告として裁決を争う抗告訴訟によるべきです。
これが、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟」ということです。

しかし、補償金額については,補償金の支払いに関係する当事者間で直接争わせたほうが適切であるため、被告を起業者として訴訟を提起します。
これが、「法律関係の当事者の一方を被告とする」ということです。

上記訴えが、当事者訴訟の中の形式的当事者訴訟です。

ウ.土地収用法に基づく都道府県収用委員会による収用裁決の無効を前提とした所有権の確認を求める土地所有者の訴え。
ウ・・・争点訴訟
争点訴訟とは、私法上の法律関係に関する訴訟ですが、その前提となる処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無が争われているものを言います。例えば、Aの土地が収用(買収)された場合における「収用裁決の無効を理由とする所有権確認訴訟」です。最終的には、Aは「この土地の所有権は私のものです!」と確認を求める訴訟(所有権という私法上の法律関係に関する訴訟)なのですが、争点となっているのは、土地収用の裁決です。

この土地収用の裁決が無効だから、この土地の所有権はAにあるでしょ!という争いです。

エ.核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づき許可を得ている原子炉施設の運転の差止めを運転者に対して求める周辺住民の訴え。
エ・・・民事訴訟
「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づき許可を得ている原子炉施設の運転の差止めを運転者に対して求める周辺住民の訴え」については原告が周辺住民(民間)で、被告が運転者である原子炉施設の会社(官・民一体)です。つまり、民間同士の争いととらえて、民事訴訟も可能ですし
民間と国との争いととらえて、行政事件訴訟(無効確認訴訟)も可能としています。
オ.住民基本台帳法に基づき、行政機関が住民票における氏名の記載を削除することの差止めを求める当該住民の訴え。
オ・・・抗告訴訟
住民票に記載がないと、選挙権(投票権)がありません。
そのため、自分自身の権利利益のために、「行政機関による住民票における氏名の記載削除」という行政処分の違法性を訴えているので、抗告訴訟に当たります。ちなみに、抗告訴訟の中の差止め訴訟です。

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問17|行政事件訴訟法

取消訴訟の裁判管轄に関する次のア~オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア.取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。

イ.取消訴訟は、処分をした行政庁の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。

ウ.土地の収用など特定の不動産または場所に係る処分の取消訴訟は、その不動産または場所の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。

エ.取消訴訟は、処分に関し事案の処理にあたった下級行政機関の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。

オ.国を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ
  5. 五つ

>解答と解説はこちら


【答え】:4
【解説】
ア.取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
ア・・・誤り
取消訴訟は、原則、『①「被告」の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所』又は『②処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所』の管轄に属します(行政事件訴訟法12条1項)。したがって、本肢は「原告(訴える方)」となっているので誤りです。
正しくは「被告(訴えられる方)」です。
イ.取消訴訟は、処分をした行政庁の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
イ・・・正しい
選択肢1の通り、取消訴訟は、原則、『①「被告」の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所』又は『②処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所』の管轄に属します(行政事件訴訟法12条1項)。本肢は②の内容なので、正しいです。
ウ.土地の収用など特定の不動産または場所に係る処分の取消訴訟は、その不動産または場所の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
ウ・・・正しい
「土地の収用、鉱業権の設定その他不動産又は特定の場所に係る処分又は裁決についての取消訴訟は、その不動産又は場所の所在地の裁判所にも、提起することができます(行政事件訴訟法12条2項)。よって、本肢は正しいです。
エ.取消訴訟は、処分に関し事案の処理にあたった下級行政機関の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
エ・・・正しい
取消訴訟は、当該処分又は裁決に関し事案の処理に当たった下級行政機関の所在地の裁判所にも、提起することができます(行政事件訴訟法12条3項)。よって、本肢は正しいです。
オ.国を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
オ・・・正しい
国又は独立行政法人等を被告とする取消訴訟は、「原告(訴える方)」の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する「地方裁判所」にも、提起することができます(行政事件訴訟法12条4項)。選択肢1の通り、原則、『「被告」の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所』ですが、

被告が国や独立行政法人等の場合は、「原告」の近くの「地方裁判所」に訴えを提起することもできます。

よって、本肢は正しいです。

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問14|行政不服審査法

行政不服審査法に基づく不服申立てに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 審査請求は、他の法律や条例において書面でしなければならない旨の定めがある場合を除き、口頭ですることができる。
  2. 審査請求は、代理人によってもすることができるが、その場合は、審査請求人が民法上の制限行為能力者である場合に限られる。
  3. 代理人は、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求の取下げについては特別の委任を要する。
  4. 処分について不服申立適格を有するのは、処分の相手方に限られ、それ以外の第三者は、法律に特別の定めがない限り、不服申立適格を有しない。
  5. 行政不服審査法に基づく不服申立ては、行政庁の処分の他、同法が列挙する一定の行政指導についても行うことができる。

>解答と解説はこちら


【答え】:3
【解説】
1.審査請求は、他の法律や条例において書面でしなければならない旨の定めがある場合を除き、口頭ですることができる。
1・・・誤り
審査請求は、他の法律(条例に基づく処分については、条例)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、審査請求書を提出してしなければなりません(行政不服審査法19条)。つまり、審査請求は原則書面で、例外的に口頭でできます。

本肢は、「原則口頭例外的に書面」となっているので、誤りです。

2.審査請求は、代理人によってもすることができるが、その場合は、審査請求人が民法上の制限行為能力者である場合に限られる。
2・・・誤り
審査請求は、代理人によってすることができます(行政不服審査法12条1項)。
審査請求人が制限行為能力者でなかったとしても代理人を立てることができます。
3.代理人は、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求の取下げについては特別の委任を要する。
3・・・正しい
審査請求の代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができます。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができます(行政不服審査法12条2項)。

よって、本肢は正しいです。

4.処分について不服申立適格を有するのは、処分の相手方に限られ、それ以外の第三者は、法律に特別の定めがない限り、不服申立適格を有しない。
4・・・誤り
処分について不服申立適格者については、行政不服審査法に規定されていません。ただし、判例はあります。

判例によると
「不服申立をする法律上の利益がある者、すなわち、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者
が不服申立適格を有する者と判示しています。

つまり、第三者であっても、上記に該当すれば、不服申し立てはできます。

5.行政不服審査法に基づく不服申立ては、行政庁の処分の他、同法が列挙する一定の行政指導についても行うことができる。
5・・・誤り
不服申立ての対象は「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」です(行政不服審査法1条2項)。行政指導については、原則、処分に該当せず不服申立を行うことはできません。

よって、本肢は誤りです。

 


平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略