2009年過去問

平成21年・2009|問27|民法・代理

代理に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. Aは留守中の財産の管理につき単に妻Bに任せるといって海外へ単身赴任したところ、BがAの現金をA名義の定期預金としたときは、代理権の範囲外の行為に当たり、その効果はAに帰属しない。
  2. 未成年者Aが相続により建物を取得した後に、Aの法定代理人である母Bが、自分が金融業者Cから金銭を借りる際に、Aを代理して行ったCとの間の当該建物への抵当権設定契約は、自己契約に該当しないので、その効果はAに帰属する。
  3. A所有の建物を売却する代理権をAから与えられたBが、自らその買主となった場合に、そのままBが移転登記を済ませてしまったときには、AB間の売買契約について、Aに効果が帰属する。
  4. 建物を購入する代理権をAから与えられたBが、Cから建物を買った場合に、Bが未成年者であったときでも、Aは、Bの未成年であることを理由にした売買契約の取消しをCに主張することはできない。
  5. Aの代理人Bが、Cを騙してC所有の建物を安い値で買った場合、AがBの欺罔行為につき善意無過失であったときには、B自身の欺罔行為なので、CはBの詐欺を理由にした売買契約の取消しをAに主張することはできない。

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【答え】:4
【解説】

1.Aは留守中の財産の管理につき単に妻Bに任せるといって海外へ単身赴任したところ、BがAの現金をA名義の定期預金としたときは、代理権の範囲外の行為に当たり、その効果はAに帰属しない。

1・・・妥当ではない

権限の定めのない代理人は、「代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為」をする権限を有します(民法103条)。

「Aの現金をA名義の定期預金」にする行為は、性質を変えない範囲の利用行為です。

そのため、代理権の範囲内の行為にあたるので、その効果はAに帰属します。

よって、妥当ではありません。

2.未成年者Aが相続により建物を取得した後に、Aの法定代理人である母Bが、自分が金融業者Cから金銭を借りる際に、Aを代理して行ったCとの間の当該建物への抵当権設定契約は、自己契約に該当しないので、その効果はAに帰属する。

2・・・妥当ではない

判例によると、
親権者Bが自己の負担する貸金債務につき未成年の子Aの所有する不動産に抵当権を設定する行為は、借受金を右未成年の子Aの養育費に供する意図であっても、「利益が相反する行為」にあたる』としています(最判昭37.10.2)。

本肢の「自己契約に該当しないので、その効果はAに帰属する」は誤りで、
正しくは「利益相反行為に該当するので、その効果はAに帰属しない」です。

3.A所有の建物を売却する代理権をAから与えられたBが、自らその買主となった場合に、そのままBが移転登記を済ませてしまったときには、AB間の売買契約について、Aに効果が帰属する。

3・・・妥当ではない

本肢の内容は「自己契約」です。

自己契約は、原則禁止です(民法108条1項)。

そのため、自己契約を行った場合、その行為は本人Aには効果が帰属しません。

よって、誤りです。

自己契約については、個別指導で解説します!

4.建物を購入する代理権をAから与えられたBが、Cから建物を買った場合に、Bが未成年者であったときでも、Aは、Bの未成年であることを理由にした売買契約の取消しをCに主張することはできない。

4・・・妥当

制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができません(民法102条)。

つまり、制限行為能力者Bを代理人にしたからと言って、制限行為能力者であることを理由に売買契約の取り消しはできないです。

よって、正しいです。

基本事項なので、しっかり理解しましょう!

理解の仕方は、個別指導で解説します!

5.Aの代理人Bが、Cを騙してC所有の建物を安い値で買った場合、AがBの欺罔行為につき善意無過失であったときには、B自身の欺罔行為なので、CはBの詐欺を理由にした売買契約の取消しをAに主張することはできない。

5・・・妥当ではない

代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとします(民法101条1項)。

本肢は、代理人Bが詐欺をして安い値で買っています。

この場合、本人Aが詐欺をしたものと扱い、詐欺を受けたCは、本人Aに契約の取り消しを主張できます。

よって、誤りです。

本肢は理解しないといけないので、個別指導で解説します!

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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問26|行政法

国の行政組織に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 国家行政組織法は、内閣府を含む内閣の統轄の下における行政機関の組織の基準を定める法律である。
  2. 内閣府は、内閣に置かれる行政機関であって、その長は内閣総理大臣である。
  3. 省には外局として、委員会及び庁が置かれるが、内閣府にはそのような外局は置かれない。
  4. 各省および内閣府には、必置の機関として事務次官を置くほか、内閣が必要と認めるときは、閣議決定により副大臣を置くことができる。
  5. 内閣は、政令を制定するほか、内閣府の所掌事務について、内閣府の命令として内閣府令を発する権限を有する。

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【答え】:2
【解説】
1.国家行政組織法は、内閣府を含む内閣の統轄の下における行政機関の組織の基準を定める法律である。
1・・・誤り
国家行政組織法は、内閣の統轄の下における行政機関で内閣府以外のもの(以下「国の行政機関」という。)の組織の基準を定め、もって国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とします(国家行政組織法1条)。よって、内閣府は、国家行政組織法の行政機関の組織に含みません。

したがって、誤りです。

2.内閣府は、内閣に置かれる行政機関であって、その長は内閣総理大臣である。
2・・・正しい
内閣に、内閣府が置かれています内閣府設置法2条)。
そして、内閣府の長は、内閣総理大臣です(同法6条)。よって、本肢は正しいです。
3.省には外局として、委員会及び庁が置かれるが、内閣府にはそのような外局は置かれない。
3・・・誤り
内閣府には、その外局として、委員会及び庁を置くことができます内閣府設置法49条1項)。
よって、本肢は誤りです。内閣府の外局には「公正取引委員会」「金融庁」「消費者庁」「個人情報保護委員会」等があります。

各省についても、外局として、委員会及び庁を置きます国家行政組織法3条3項)。

4.各省および内閣府には、必置の機関として事務次官を置くほか、内閣が必要と認めるときは、閣議決定により副大臣を置くことができる。
4・・・誤り
事務次官については、必置の機関として各省および内閣府必ず1人置かれます(国家行政組織法18条1項、内閣府設置法15条1項)また、副大臣についても必置の機関として各省に必ず1人置かれ(国家行政組織法16条1項)、内閣府には、必ず3人置かれます(内閣府設置法13条1項)。

よって、本肢は、「置くことができる:任意」となっているので誤りです。

5.内閣は、政令を制定するほか、内閣府の所掌事務について、内閣府の命令として内閣府令を発する権限を有する。
5・・・誤り
内閣は、政令を制定します。内閣府の所掌事務について、内閣府の命令として内閣府令を発する権限を有するのは内閣総理大臣です(内閣府設置法7条3項)。

本肢は「内閣が内閣府令を発する」となっているので誤りです。

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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問25|国家公務員法

国家公務員についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。
  1. 国家公務員には、一般職と特別職があるが、国家公務員法は、両者に等しく適用される。
  2. 独立行政法人は、国とは独立した法人であるから、その職員が国家公務員法上の公務員としての地位を有することはない。
  3. その不法行為について国が国家賠償法1条1項により賠償責任を負うのは、国家公務員法上の公務員に限られる。
  4. 国家公務員の懲戒免職は、行政処分であると解されており、審査請求の対象となる。
  5. 国家公務員の人事行政に関する各種の事務をつかさどるため、総務省の外局として人事院が設置されている。
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【答え】:4 【解説】
1.国家公務員には、一般職と特別職があるが、国家公務員法は、両者に等しく適用される。
1・・・妥当ではない 国家公務員の職は、これを「一般職」と「特別職」とに分けることができます(国家公務員法2条1項)。 国家公務員法は、一般職の者に適用され、特別職の者には適用されません。特別職とは、例えば、内閣総理大臣や大臣、副大臣等です(同条3項)。
2.独立行政法人は、国とは独立した法人であるから、その職員が国家公務員法上の公務員としての地位を有することはない。
2・・・妥当ではない 独立行政法人は「中期目標管理法人」、「国立研究開発法人」、「行政執行法人」の3つに分類されます(独立行政法人通則法2条1項)。このうち、「行政執行法人」の役員及び職員には国家公務員の身分が与えられます(同法51条)。行政執行法人とは、例えば、 国立公文書館、統計センター、造幣局等があります。
3.その不法行為について国が国家賠償法1条1項により賠償責任を負うのは、国家公務員法上の公務員に限られる。
3・・・妥当ではない 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責任を持ちます(国賠法1条)。そして、上記「公務員」には、国家公務員法や地方公務員法の公務員に限らず、「公権力の行使」にあたる行為をゆだねられた民間人も含まれます
4.国家公務員の懲戒免職は、行政処分であると解されており、審査請求の対象となる。
4・・・妥当 国家公務員の懲戒処分は、行政処分であると解されています。そして、懲戒処分を受けた職員は、人事院に対してのみ審査請求をすることができます(国家公務員法90条1項)。
5.国家公務員の人事行政に関する各種の事務をつかさどるため、総務省の外局として人事院が設置されている。
5・・・妥当ではない 人事院内閣の所轄の下に置かれています(国家公務員法3条)よって、本肢は、「総務省の外局」が妥当ではありません。
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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問24|地方自治法

住民監査請求についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 住民監査請求をすることができる者は、当該地方公共団体の住民に限られ、それ以外の者が請求することは認められていない。
  2. 住民監査請求の対象は、公金の支出などの地方公共団体の職員等の作為に限られ、公金の賦課徴収を怠るなどの不作為は、対象とならない。
  3. 地方公共団体の長の行為についての住民監査請求は、長に対してすべきこととなるが、長は、監査委員の意見を聴いて、監査結果を通知すべきこととされている。
  4. 住民監査請求によって請求できる内容は、当該行為の差止めなど、法定された4類型に限定されている。
  5. 監査結果などに不服がある場合は、請求人に限らず、何人もこれに対する住民訴訟を提起することが認められている。

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【答え】:1
【解説】
1.住民監査請求をすることができる者は、当該地方公共団体の住民に限られ、それ以外の者が請求することは認められていない。
1・・・妥当
普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、
  • 違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担があると認めるとき、又は
  • 違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実があると認めるときは、

これらを証する書面を添え、監査委員に対し

監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によって当該普通地方公共団体のこうむった損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することができます(地方自治法242条:住民監査請求)。

したがって、住民監査請求ができるのは、当該地方公共団体の住民のみです。

2.住民監査請求の対象は、公金の支出などの地方公共団体の職員等の作為に限られ、公金の賦課徴収を怠るなどの不作為は、対象とならない。
2・・・妥当ではない
選択肢1の解説の通り、公金の賦課徴収を「怠る事実(不作為)」も住民監査請求の対象です。よって、誤りです。
3.地方公共団体の長の行為についての住民監査請求は、長に対してすべきこととなるが、長は、監査委員の意見を聴いて、監査結果を通知すべきこととされている。
3・・・妥当ではない
選択肢1の解説の通り、住民監査請求の請求先は「監査委員」です。よって、本肢は「長に対して」となっているので誤りです。
4.住民監査請求によって請求できる内容は、当該行為の差止めなど、法定された4類型に限定されている。
4・・・妥当ではない
選択肢1の解説の通り、住民監査請求では、監査委員に対し、「①監査を求め」、「②当該行為を防止し」、若しくは「③是正し」、若しくは「④当該怠る事実を改め」、又は「⑤当該行為若しくは怠る事実によって当該普通地方公共団体のこうむった損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求」することができる(地方自治法242条1項)。よって、本肢は誤りです。

行為の差止め等法定された4類型に限定されるのは、住民訴訟です。

5.監査結果などに不服がある場合は、請求人に限らず、何人もこれに対する住民訴訟を提起することが認められている。
5・・・妥当ではない
監査結果などに不服がある場合、住民監査請求をした者に限って、住民訴訟を提起できます(地方自治法242条の2の1項)。よって、「請求人に限らず、何人も」が妥当ではありません。

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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問23|地方自治法

一部事務組合についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。
  1. 一部事務組合は、地方公共団体がその事務の一部を共同して処理するために設ける組織であるが、その例としては、土地区画整理組合、市街地再開発組合などがある。
  2. 市町村や特別区は、一部事務組合に加入できるが、都道府県は、これに加入することができない。
  3. 一部事務組合には議会が設置されることはないので、その独自の条例が制定されることもない。
  4. 地方自治法の定める「地方公共団体の組合」は、一部事務組合及び広域連合の2種類である。
  5. 一部事務組合自体は、地方公共団体ではないから、その活動について、住民監査請求や住民訴訟が認められることはない。
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【答え】:4 【解説】
1.一部事務組合は、地方公共団体がその事務の一部を共同して処理するために設ける組織であるが、その例としては、土地区画整理組合、市街地再開発組合などがある。
1・・・妥当ではない 地方公共団体の組合は、一部事務組合及び広域連合の2種類があります(地方自治法284条1項)。そして、普通地方公共団体及び特別区は、その事務の一部を共同処理するため、その協議により規約を定め、
  • 都道府県の加入するものにあっては総務大臣の許可を得て
  • その他のものにあっては都道府県知事の許可を得て、
一部事務組合を設けることができます(同条2項)。 一部事務組合の具体例は、「介護保険事業の認定や給付」、「ごみ処理事業」「消防事業」「上下水道事業」等です。 土地区画整理組合、市街地開発組合は一部事務組合ではありません
2.市町村や特別区は、一部事務組合に加入できるが、都道府県は、これに加入することができない。
2・・・妥当ではない 選択肢1の解説の通り、一部事務組合の対象は「普通地方公共団体及び特別区」です。つまり、都道府県・市町村・特別区すべて、一部事務組合に加入できるので、本肢は妥当ではありません。
3.一部事務組合には議会が設置されることはないので、その独自の条例が制定されることもない。
3・・・妥当ではない 一部事務組合の規約には、次に掲げる事項につき規定を設けなければなりません(地方自治法287条1項)。
  1. 一部事務組合の名称
  2. 一部事務組合の構成団体
  3. 一部事務組合の共同処理する事務
  4. 一部事務組合の事務所の位置
  5. 一部事務組合の議会の組織及び議員の選挙の方法
  6. 一部事務組合の執行機関の組織及び選任の方法
  7. 一部事務組合の経費の支弁の方法
上記5号から、一部事務組合には議会が設置されることが分かります。 よって、誤りです。 さらに、一部事務組合は、独自の条例を定めることができます
4.地方自治法の定める「地方公共団体の組合」は、一部事務組合及び広域連合の2種類である。
4・・・妥当 選択肢1の解説の通り、 地方自治法の定める「地方公共団体の組合」は、一部事務組合及び広域連合の2種類です(地方自治法284条1項)。
5.一部事務組合自体は、地方公共団体ではないから、その活動について、住民監査請求や住民訴訟が認められることはない。
5・・・妥当ではない 地方公共団体の中に、一部事務組合が存在することから、一部事務組合自体、地方公共団体です。よって、一部事務組合の活動に対する住民監査請求も住民訴訟も可能です。
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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問22|地方自治法

地方自治法の定める監査制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 戦後、地方自治法が制定された際に、監査委員による監査制度のみならず、外部監査制度についても規定された。
  2. 普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、当該普通地方公共団体の住民であれば、1人でも行うことができる。
  3. 普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、当該普通地方公共団体の住民であれば、外国人でも行うことができる。
  4. 監査委員による監査は、長、議会または住民からの請求があったときのみに行われるため、その請求がなければ監査が行われることはない。
  5. 監査委員の監査の対象となる事務には、法定受託事務も含まれている。

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【答え】:5
【解説】
1.戦後、地方自治法が制定された際に、監査委員による監査制度のみならず、外部監査制度についても規定された。
1・・・誤り
平成9年の地方自治法改正で、外部監査制度は導入されました。つまり、戦後すぐに制定された地方自治法には外部監査制度の規定はありませんでした。

内部監査だけでは、馴れ合い的な監査になってしまい、監査の目的を達成できないことあります。

そのため、第三者である外部から監査させるために、外部監査制度が導入されました。

2.普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、当該普通地方公共団体の住民であれば、1人でも行うことができる。
2・・・誤り
選挙権を有する者は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、普通地方公共団体の監査委員に対し、当該普通地方公共団体の事務の執行に関し、監査の請求(事務監査請求)をすることができます(地方自治法75条)。よって、本肢の「1人でも行うことができる」は誤りです。

1人でも行うことができるのは、「住民監査請求」です。

3.普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、当該普通地方公共団体の住民であれば、外国人でも行うことができる。
3・・・誤り
選挙権を有する者は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、普通地方公共団体の監査委員に対し、当該普通地方公共団体の事務の執行に関し、監査の請求(事務監査請求)をすることができます(地方自治法75条1項)。そして、選挙権を有する者とは、「日本国民たる年齢満18年以上の者で引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有する者」を指します(地方自治法18条)。

よって、外国人は、事務監査請求ができません

したがって、誤りです。

4.監査委員による監査は、長、議会または住民からの請求があったときのみに行われるため、その請求がなければ監査が行われることはない。
4・・・誤り
監査委員は、毎会計年度少くとも一回以上期日を定めて監査をしなければなりません(地方自治法199条4項)。
また、監査委員は、上記のほか、必要があると認めるときは、いつでも監査をすることができます(地方自治法199条5項)。したがって、監査委員による監査は、請求がなくても行う行うことができます。
5.監査委員の監査の対象となる事務には、法定受託事務も含まれている。
5・・・正しい
監査委員は、必要があると認めるときは、
  • 自治事務にあっては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除く自治事務について
  • 法定受託事務にあっては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により監査委員の監査の対象とすることが適当でないものを除く法定受託事務について

監査をすることができます(地方自治法199条2項)。

よって、法定受託事務も、監査委員による監査対象なので、正しいです。

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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問21|地方自治法

以下の記述のうち、地方自治法に規定されている内容として、誤っているものはどれか。
  1. 地方自治法に定める「自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいう。
  2. 地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。
  3. 地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない。
  4. 市町村が当該都道府県の条例に違反して事務を処理した場合には、その市町村の行為は無効とされる。
  5. 市町村は、その事務を処理するに当たり、当該都道府県知事の認可を得て、総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定めなければならない。
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【答え】:5 【解説】
1.地方自治法に定める「自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいう。
1・・・正しい自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいいます(地方自治法2条8項)。よって、本肢は正しいです。
2.地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。
2・・・正しい 地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければなりません(地方自治法2条14項)。よって、本肢は正しいです。 また、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担います(地方自治法1条の2の1項)。
3.地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない。
3・・・正しい 地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければなりません地方自治法2条15項)。よって、正しいです。 また、地方自治法の目的は、地方自治の本旨に基いて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することです(地方自治法1条)。
4.市町村が当該都道府県の条例に違反して事務を処理した場合には、その市町村の行為は無効とされる。
4・・・正しい 地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはなりません。なお、市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはなりません地方自治法2条16項)。 また、上記に違反して行つた地方公共団体の行為は、これを無効となります(同条17項)。 よって、本肢は正しいです。
5.市町村は、その事務を処理するに当たり、当該都道府県知事の認可を得て、総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定めなければならない。
5・・・誤り 平成23年の地方自治法の改正で、「市町村が基本構想を定める義務」はなくなりました。よって、誤りです。
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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問18|行政事件訴訟法

行政事件訴訟法の定める当事者訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 当事者間の法律関係を確認しまたは形成する処分に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものは、当事者訴訟である。
  2. 地方自治法の定める住民訴訟のうち、当該執行機関または職員に対する怠る事実の違法確認請求は、当事者訴訟である。
  3. 国または公共団体の機関相互間における権限の存否に関する紛争についての訴訟は、公法上の法律関係に関するものであるから、当事者訴訟である。
  4. 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき、行政庁がその処分をすべき旨を命ずることを求める訴訟は、当事者訴訟である。
  5. 公職選挙法に定める選挙無効訴訟は、国民の選挙権に関する訴訟であるから、当事者訴訟である。
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【答え】:1 【解説】
1.当事者間の法律関係を確認しまたは形成する処分に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものは、当事者訴訟である。
1・・・正しい 当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものを「形式的当事者訴訟(当事者訴訟の1つ)」と言います(行政事件訴訟法4条前段)。よって、本肢は正しいです。
2.地方自治法の定める住民訴訟のうち、当該執行機関または職員に対する怠る事実の違法確認請求は、当事者訴訟である。
2・・・誤り 「地方自治法の定める住民訴訟」は、民衆訴訟に当たります。「民衆訴訟」とは、国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものをいいます(行政事件訴訟法5条)。
3.国または公共団体の機関相互間における権限の存否に関する紛争についての訴訟は、公法上の法律関係に関するものであるから、当事者訴訟である。
3・・・誤り 国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟を「機関訴訟」と言います(行政事件訴訟法6条)。つまり、本肢は「機関訴訟」が正しいです。
4.行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき、行政庁がその処分をすべき旨を命ずることを求める訴訟は、当事者訴訟である。
4・・・誤り 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないときに、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟を「義務付け訴訟(非申請型)」いいます(行政事件訴訟法3条6項1号)。よって、本肢は誤りです。
5.公職選挙法に定める選挙無効訴訟は、国民の選挙権に関する訴訟であるから、当事者訴訟である。
5・・・誤り 公職選挙法に定める選挙無効訴訟は「民衆訴訟」です。選択肢2の通り、「民衆訴訟」とは、国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟です。 公職選挙法に違反しているとして、選挙無効を主張しているので、国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟と言えます。 よって、本肢は民衆訴訟です。
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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問19|国家賠償法

国家賠償法2条にいう公の営造物に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 公の営造物とは、国や公共団体が所有するすべての物的施設をいうわけではなく、公の用に供しているものに限られる。
  2. 公の営造物の設置又は管理の瑕疵とは、公の営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうが、賠償責任が成立するのは、当該安全性の欠如について過失があった場合に限られる。
  3. 河川・海浜等の自然公物は公の営造物に当たらないが、これに付随する堤防や防波堤は人工公物であり公の営造物に当たるので、賠償責任が成立するのは、堤防等に起因する損害の場合に限られる。
  4. 公の営造物の管理者と費用負担者とが異なる場合、被害者に対して損害賠償責任を負うのは、費用負担者に限られる。
  5. 公の営造物の設置または管理に起因する損害について賠償を請求することができるのは、その利用者に限られる。

>解答と解説はこちら


【答え】:1
【解説】
1.公の営造物とは、国や公共団体が所有するすべての物的施設をいうわけではなく、公の用に供しているものに限られる。
1・・・正しい
道路、河川その他の「公の営造物」の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償責する責任があります(国家賠償法2条1項)。そして、上記「公の営造物」とは、①国または公共団体により②公の目的に供される有体物ないしは物的施設をいいます。

つまり、国や公共団体が所有するすべての物的施設をいうわけではなく、公の用に供しているものに限られます。

2.公の営造物の設置又は管理の瑕疵とは、公の営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうが、賠償責任が成立するのは、当該安全性の欠如について過失があった場合に限られる。
2・・・誤り
判例によると「国家賠償法2条1項による営造物の設置または管理の瑕疵に基づく国および公共団体の損害賠償責任については、過失の存在を必要としない。」

と判示しています。

つまり、公の営造物の設置又は管理の瑕疵は無過失責任です。

よって、「賠償責任が成立するのは、・・過失があった場合に限られる」は誤りです。

3.河川・海浜等の自然公物は公の営造物に当たらないが、これに付随する堤防や防波堤は人工公物であり公の営造物に当たるので、賠償責任が成立するのは、堤防等に起因する損害の場合に限られる。
3・・・誤り
公の営造物(公物)には、「自然公物」と「人工公物」に分けることができます。
  • 自然公物河川、湖、沼、海、砂浜等
  • 人工公物道路、上下水道、庁舎、庁舎内の机・椅子、校舎、公用車、けん銃等

よって、「河川・海浜等の自然公物は公の営造物に当たらない」は誤りです。

河川については、国賠法2条の条文にも記載されています。(選択肢1の解説参照)

4.公の営造物の管理者と費用負担者とが異なる場合、被害者に対して損害賠償責任を負うのは、費用負担者に限られる。
4・・・誤り
国賠法2条の「公の営造物の設置・管理の瑕疵に基づく賠償責任」
について、「公の営造物の設置若しくは管理に当る者」と「公の営造物の設置若しくは管理の費用を負担する者」とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責任があります(国家賠償法3条)。よって、「費用負担者に限られる」は誤りです。

「公の営造物の設置・管理に当たる者」と「費用負担者」の両方が賠償責任を負います

5.公の営造物の設置または管理に起因する損害について賠償を請求することができるのは、その利用者に限られる。
5・・・誤り
判例によると、
「国家賠償法2条1項の営造物の設置又は管理の瑕疵とは、営造物が有すべき安全性を欠いている状態をいう。そこにいう安全性の欠如、すなわち、他人に危害を及ぼす危険性のある状態とは、ひとり当該営造物を構成する物的施設自体に存する物理的、外形的な欠陥ないし不備によって一般的に右のような危害を生じさせる危険性がある場合のみならず、その営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合をも含む。

また、その危害は、営造物の利用者に対してのみならず、利用者以外の第三者(に対するそれをも含むものと解すべきである。」
と判示しています。

つまり、第三者も国家賠償請求ができます。

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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成21年・2009|問16|行政事件訴訟法

行政事件訴訟法に関する次のア~オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア.国の行政庁がした処分に関する取消訴訟の被告は、国である。

イ.国の行政庁が行うべき処分に関する不作為の違法確認訴訟の被告は、当該行政庁である。

ウ.国の行政庁が行うべき処分に関する義務付け訴訟の被告は、当該行政庁である。

エ.国の行政庁が行おうとしている処分に関する差止め訴訟の被告は、当該行政庁である。

オ.国又は地方公共団体に所属しない行政庁がした処分に関する取消訴訟の被告は、当該行政庁である。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ
  5. 五つ

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【答え】:2
【解説】
ア.国の行政庁がした処分に関する取消訴訟の被告は、国である。
ア・・・正しい
処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、当該処分又は裁決をした行政庁の所属する「国又は公共団体」を被告として提起しなければなりません(行政事件訴訟法11条1項)。よって、本肢は正しいです。
イ.国の行政庁が行うべき処分に関する不作為の違法確認訴訟の被告は、当該行政庁である。
イ・・・誤り
「不作為の違法確認訴訟」でも、「取消訴訟の被告適格(行政事件訴訟法11条1項)」が準用されます(行政事件訴訟法38条1項)。したがって、被告は国です。

よって、誤りです。

ウ.国の行政庁が行うべき処分に関する義務付け訴訟の被告は、当該行政庁である。
ウ・・・誤り
「義務付け訴訟」でも、「取消訴訟の被告適格(行政事件訴訟法11条11条1項)」が準用されます(行政事件訴訟法38条1項)。したがって、被告は国です。

よって、誤りです。

エ.国の行政庁が行おうとしている処分に関する差止め訴訟の被告は、当該行政庁である。
エ・・・誤り
「差止め訴訟」でも、「取消訴訟の被告適格(行政事件訴訟法11条1項)」が準用されます(行政事件訴訟法38条1項)。したがって、被告は国です。

よって、誤りです。

オ.国又は地方公共団体に所属しない行政庁がした処分に関する取消訴訟の被告は、当該行政庁である。
オ・・・正しい
処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合には、取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければなりません(行政事件訴訟法11条2項)。よって、本肢は正しいです。

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平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法 問33 民法・債権
問4 職業選択の自由 問34 民法:債権
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 学問の自由 問36 商法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・社会
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略