平成22年度(2010年度)過去問

平成22年・2010|問47|基礎知識・政治

政治とマスメディアの関係に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア.マスメディアは、ニュース報道や評論を通じて世論の形成に重大な影響を与えることから、立法・行政・司法に続く「第4の権力」と言われている。

イ.現代社会では、マスメディアは政治的関心を高めるうえで不可欠の存在になっているが、その一方で、マスメディアは政治について質の低い情報を伝えることによって、政治的無関心を助長する場合もあると指摘されている。

ウ.マスメディアが選挙報道において、ある候補者の有利・不利を報道することによって候補者の得票を増減させてしまうことがあるが、こうした効果は「アナウンス効果」と呼ばれる。

エ.小選挙区制度では、選挙期間中にマスメディアが不利と報道した候補者については、その潜在的な支持者が積極的に投票に行くようになり、得票を大きく伸ばす現象が見られるが、これは「バンドワゴン効果」と呼ばれる。

オ.日本の官公庁や政党では、取材や情報提供が円滑に行われるように会員制の記者クラブ制度がとられていたが、報道の画一化や官公庁への無批判な報道につながることから、現在では国の官庁においては廃止されている。

  1. ア・イ
  2. イ・ウ
  3. イ・オ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

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【答え】:5
【解説】

ア.マスメディアは、ニュース報道や評論を通じて世論の形成に重大な影響を与えることから、立法・行政・司法に続く「第4の権力」と言われている。

ア・・・正しい
マスメディア(テレビやラジオ、新聞)は、国民に対して影響力が大きいです。
そのため、他の権力に匹敵する力を持っており、また、立法・行政・司法に対する監視役としての役割を担うことから、三権に次ぐ「第4の権力」と言われています。
イ.現代社会では、マスメディアは政治的関心を高めるうえで不可欠の存在になっているが、その一方で、マスメディアは政治について質の低い情報を伝えることによって、政治的無関心を助長する場合もあると指摘されている。
イ・・・正しい
マスメディア(テレビやラジオ、新聞)は、国民に対して影響力が大きいです。
そのため、マスメディアが、政治に関するニュースや特集を組むことで、政治的関心を高める上で不可欠の存在です。しかし、その情報の質が低いと、逆に国民が政治的に無関心になることも指摘されています。
ウ.マスメディアが選挙報道において、ある候補者の有利・不利を報道することによって候補者の得票を増減させてしまうことがあるが、こうした効果は「アナウンス効果」と呼ばれる。
ウ・・・正しい
アナウンス効果とは、報道によりその対象に影響を与えることをいいます。特に選挙報道の際、問題にされます。

ある候補者が苦戦していると報道されると、激励票や同情票が集まるアンダードッグ効果(負け犬効果)が最も多く指摘されます。

選挙の予測報道で、優勢と報じられた候補者にさらに票が集まるバンドワゴン効果(勝ち馬効果)もあります。

実際には誰に有利になるかはケースバイケースです。

エ.小選挙区制度では、選挙期間中にマスメディアが不利と報道した候補者については、その潜在的な支持者が積極的に投票に行くようになり、得票を大きく伸ばす現象が見られるが、これは「バンドワゴン効果」と呼ばれる。
エ・・・誤り
選択肢ウの通り、バンドワゴン効果とは、選挙期間中にマスメディアが有利と報道した候補者が、さらに票を集めることです。本肢は、アンダードッグ効果の記述です。
オ.日本の官公庁や政党では、取材や情報提供が円滑に行われるように会員制の記者クラブ制度がとられていたが、報道の画一化や官公庁への無批判な報道につながることから、現在では国の官庁においては廃止されている。
オ・・・誤り
記者クラブとは、公的機関などの継続的な取材を目的とした新聞記者や放送記者らによって構成される組織で、国の官庁においてはまだ廃止されていません
よって、誤りです。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問48|基礎知識・政治

日本の行政組織に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア.行政組織には、独任制の組織と合議制の組織があるが、合議制をとる場合でも、最終的な決定権は原則として合議機関の長にある。

イ.行政委員会は、所轄の行政機関の指揮監督から独立した合議制の機関であり、予算や人事についても内閣等から独立して自ら決定することができる。

ウ.審議会は、専門性の確保や民意の反映を目的として、行政機関に付随して設置される合議制の機関であり、原則としてその決定は行政機関を拘束するものではない。

エ.内閣府は、内閣の補助機関であると同時に内閣総理大臣を直接補佐する組織であり、内閣の重要政策に関する総合戦略機能を果たすものとされている。

オ.日本の行政組織では、一般に個々の職員の所掌事務を明確に区分せず、課や部などの単位組織全体で職務を処理する「大部屋主義」がとられている。

  1. ア・ウ
  2. イ・エ
  3. イ・ウ
  4. ウ・オ
  5. エ・オ

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【答え】:4
【解説】

ア.行政組織には、独任制の組織と合議制の組織があるが、合議制をとる場合でも、最終的な決定権は原則として合議機関の長にある。

ア・・・誤り
行政組織には、「独任制の組織」と「合議制の組織」があります。独任制の組織(機関)とは、例えば、知事や市長です。
これらの者は、決定権を持ちます

一方
合議制の組織(機関)とは、例えば、公正取引委員会などの〇〇委員会です。
これらの組織における決定は、原則、多数決です。
例外として、可否同数のときは、合議機関の長が決します。

イ.行政委員会は、所轄の行政機関の指揮監督から独立した合議制の機関であり、予算や人事についても内閣等から独立して自ら決定することができる。
イ・・・誤り
行政委員会は、所轄の行政機関の指揮監督から独立した合議制の機関です。
しかし、予算や人事は、内閣が決定するので、誤りです。
ウ.審議会は、専門性の確保や民意の反映を目的として、行政機関に付随して設置される合議制の機関であり、原則としてその決定は行政機関を拘束するものではない。
ウ・・・正しい
審議会(通常、諮問機関)は、専門性の確保や民意の反映を目的として、行政機関に付随して設置される合議制の機関です。例えば、法制審議会です。

そして、原則として審議会の決定は行政機関を拘束しないです。

審議会でも、例外的に電波監理審議会のような参与機関もあります。
参与機関の場合は、その決定は行政機関を拘束します。

エ.内閣府は、内閣の補助機関であると同時に内閣総理大臣を直接補佐する組織であり、内閣の重要政策に関する総合戦略機能を果たすものとされている。
エ・・・誤り
内閣府は、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とします(内閣府設置法3条1項)。本肢の内容は、内閣官房の内容です。

内閣官房は、内閣の補助機関であると同時に内閣総理大臣を直接補佐する組織であり、

内閣の重要政策に関する総合戦略機能を果たします(内閣法12条以下)。

オ.日本の行政組織では、一般に個々の職員の所掌事務を明確に区分せず、課や部などの単位組織全体で職務を処理する「大部屋主義」がとられている。
オ・・・正しい
大部屋主義とは、課や部などの組織単位で職務を与え、組織全体で職務を遂行する方式です。
日本の行政組織はこれに当たります。一方、

個室主義とは、個人1人1人に対して職務が与えられて、職務を遂行する方式です。
欧米の行政組織の多くが個室主義です。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問45|民法・記述式

民法改正に伴い、問題が使えなくなりましたので、解説は省略します。

Aは、Bから金銭を借り受けたが、その際、A所有の甲土地に抵当権が設定されて、その旨の登記が経由され、また、Cが連帯保証人となった。その後、CはBに対してAの債務の全部を弁済し、Cの同弁済後に、甲土地はAからDに譲渡された。この場合において、Cは、Dを相手にして、どのような権利の確保のために、どのような手続きを経た上で、どのような権利を行使することができるか。40字程度で記述しなさい。

>解答と解説はこちら


【答え】:-
【解説】

民法改正に伴い、問題が使えなくなりましたので、解説は省略します。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問46|民法・記述式

民法改正に伴い、問題が使えなくなりましたので、解説は省略します。

以下の【相談】に対して、〔 〕の中に適切な文章を40字程度で記述して補い、最高裁判所の判例を踏まえた【回答】を完成させなさい。

【相談】
私は、X氏から200万円を借りていますが、先日自宅でその返済に関してX氏と話し合いをしているうちに口論になり、激昂したX氏が投げた灰皿が、居間にあったシャンデリア(時価150万円相当)に当たり、シャンデリアが全損してしまいました。X氏はこの件については謝罪し、きちんと弁償するとはいっていますが、貸したお金についてはいますぐにでも現金で返してくれないと困るといっています。私としては、損害賠償額を差し引いて50万円のみ払えばよいと思っているのですが、このようなことはできるでしょうか。

【回答】
民法509条は「債務が不法行為によって生じたときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。」としています。その趣旨は、判例によれば〔     〕ことにあるとされています。ですから今回の場合のように、不法行為の被害者であるあなた自身が自ら不法行為にもとづく損害賠償債権を自働債権として、不法行為による損害賠償債権以外の債権を受働債権として相殺をすることは、禁止されていません。

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【答え】:-
【解説】

民法改正に伴い、問題が使えなくなりましたので、解説は省略します。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問44|行政法・記述式

Y組合の施行する土地区画整理事業の事業地内に土地を所有していたXは、Yの換地処分によって、従前の土地に換えて新たな土地を指定された。
しかし、Xは、新たに指定された土地が従前の土地に比べて狭すぎるため、換地処分は土地区画整理法に違反すると主張して、Yを被告として、換地処分の取消訴訟を提起した。
審理の結果、裁判所は、Xの主張のとおり、換地処分は違法であるとの結論に達した。
しかし、審理中に、問題の土地区画整理事業による造成工事は既に完了し、新たな土地所有者らによる建物の建設も終了するなど、Xに従前の土地を返還するのは極めて困難な状況となっている。
この場合、裁判所による判決は、どのような内容の主文となり、また、このような判決は何と呼ばれるか。40字程度で記述しなさい。

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【答え】:請求を棄却するとともに、処分の違法を宣言することを主文とする判決で、事情判決と呼ばれる。(44字)
【解説】

問題文の状況

  1. Xは、Y組合の施行する土地区画整理事業の事業地内に土地を所有していた
  2. Xは、Yの換地処分によって、従前の土地に換えて新たな土地を指定された。
  3. しかし、Xは、新たに指定された土地が従前の土地に比べて狭すぎるため、換地処分は土地区画整理法に違反すると主張して、Yを被告として、換地処分の取消訴訟を提起した。
  4. 審理の結果、裁判所は、Xの主張のとおり、換地処分は違法であるとの結論に達した。
  5. しかし、審理中に、問題の土地区画整理事業による造成工事は既に完了し、新たな土地所有者らによる建物の建設も終了するなど、Xに従前の土地を返還するのは極めて困難な状況となっている。

質問内容

  1. 裁判所による判決は、どのような内容の主文となるか?
  2. このような判決は何と呼ばれるか?

裁判所による判決は、どのような内容の主文となるか?

行政事件訴訟法31条1項では

「取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。」

と規定しています。

つまり、裁判所の判決は「請求棄却」であり、「主文では、処分が違法であることを宣言」します。

この2点がキーワードです。

このような判決は何と呼ばれるか?

上記判決を事情判決と言います。

これらをまとめると

請求を棄却するとともに、処分の違法を宣言することを主文とする判決で、事情判決と呼ばれる。(44字)

または

請求を棄却し、処分が違法であることを宣言する内容の主文となり、事情判決と呼ばれる。(41文字)

となります。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問43|行政事件訴訟法

次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原子炉設置許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の専門技術的な[ ア ]及び判断を献じてされた被告行政庁の判断に[ イ ]があるか否かという観点から行われるべきであって、現在の科学技術水準に照らし、右[ ア ]において用いられた具体的[ ウ ]に[ イ ]があり、あるいは当該原子炉施設が右の具体的[ ウ ]に適合するとした原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の[ ア ]及び[ エ ]に看過し難い過誤、欠落があり、被告行政庁の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には、被告行政庁の右判断に[ イ ]があるものとして、右判断に基づく原子炉設置許可処分は違法と解すべきである。
原子炉設置許可処分についての右取消訴訟においては、右処分が前記のような性質を有することにかんがみると、被告行政庁がした右判断に[ イ ]があることの主張、立証責任は、本来、原告が負うべきものと解されるが、当該原子炉施設の安全審査に関する資料をすべて被告行政庁の側が保持していることなどの点を考慮すると、被告行政庁の側において、まず、その依拠した前記の具体的[ ウ ]並びに[ ア ]及び[ エ ]等、被告行政庁の判断に[ イ ]のないことを相当の根拠、資料に基づき主張、立証する必要があり、被告行政庁が右主張、立証を尽くさない場合には、被告行政庁がした右判断に[ イ ]があることが事実上推認されるものというべきである。

(最一小判平成4年10月29日民集46巻7号1174頁以下)

1:妥当性 2:要綱 3:重大な事実の誤認 4:予見可能性 5:合理性 6:審査基準 7:答申 8:不合理な点 9:重大かつ明白な瑕疵 10:判断枠組み 11:省令 12:事業計画 13:勧告 14:判断の過程 15:政令 16:根拠事実 17:調査審議 18:裁量の余地 19:法令違背 20:知見

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【答え】:ア:17、イ:8、ウ:6、エ:14
【解説】

原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原子炉設置許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の専門技術的な[ア:調査審議]及び判断を基にしてされた被告行政庁の判断に[イ:不合理な点]があるか否かという観点から行われるべきであって、現在の科学技術水準に照らし、右[ア:調査審議]において用いられた具体的[ウ:審査基準]に[イ:不合理な点]があり、あるいは当該原子炉施設が右の具体的[ウ:審査基準]に適合するとした原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の[ア:調査審議]及び[エ:判断過程]に看過し難い過誤、欠落があり、被告行政庁の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には、被告行政庁の右判断に[イ:不合理な点]があるものとして、右判断に基づく原子炉設置許可処分は違法と解すべきである。
原子炉設置許可処分についての右取消訴訟においては、右処分が前記のような性質を有することにかんがみると、被告行政庁がした右判断に[イ:不合理な点]があることの主張、立証責任は、本来、原告が負うべきものと解されるが、当該原子炉施設の安全審査に関する資料をすべて被告行政庁の側が保持していることなどの点を考慮すると、被告行政庁の側において、まず、その依拠した前記の具体的[ウ:審査基準]並びに[ア:調査審議]及び[エ:判断過程]等、被告行政庁の判断に[イ:不合理な点]のないことを相当の根拠、資料に基づき主張、立証する必要があり、被告行政庁が右主張、立証を尽くさない場合には、被告行政庁がした右判断に[イ:不合理な点]があることが事実上推認されるものというべきである。

ア.イ.原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原子炉設置許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の専門技術的な[ ア ]及び判断を献じてされた被告行政庁の判断に[ イ ]があるか否かという観点から行われるべきであって、現在の科学技術水準に照らし、右[ ア ]において用いられた具体的[ ウ ]に[ イ ]があり、

ア・・・調査審議
イ・・・不合理な点『原子炉安全委員会の専門的技術的な「ア」と「判断」を受けて行った行政庁の判断』なので
「アには調査審議」が入ります。

そして、何を基準に判断するかというと、「不合理な点があるか否か」で判断するので、「イには不合理な点」が入ります。

ウ.右[ア:調査審議]において用いられた具体的[ ウ ]に[イ:不合理な点]があり、あるいは当該原子炉施設が右の具体的[ ウ ]に適合するとした原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の[ア:調査審議]及び[ エ ]に看過し難い過誤、欠落があり、被告行政庁の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には、被告行政庁の右判断に[イ:不合理な点]があるものとして、右判断に基づく原子炉設置許可処分は違法と解すべきである。

ウ・・・審査基準
エ・・・判断過程調査審議で用いられる具体的なものとは「審査基準」です。
そのため、「ウには審査基準」が入ります。

そして、『原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の[ア:調査審議]及び[ エ ]に、看過し難い過誤、欠落があり・・・右判断に[イ:不合理な点]があると違法となる』
と書いてあります。

調査審議によって、何らから結論は出されるのですが
その結論いたる「判断過程」も含めて、過誤や欠落がないか、裁判所は考慮するわけです。

そのため「エには判断過程」が入ります。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問42|行政事件訴訟法

取消訴訟の原告適格に関する次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

平成16年(2004年)の行政事件訴訟法(以下、「行訴法」という。)改正のポイントとして、取消訴訟の原告適格の拡大がある。
取消訴訟の原告適格につき、行訴法9条(改正後の9条1項)は、「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき[ ア ]を有する者・・・に限り、提起することができる。」と定めているが、最高裁判例は、ここでいう「当該処分の取消し求めるにつき『[ ア ]を有する者』とは、当該処分により自己の権利若しくは[ イ ]を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」と解してきた。しかしながら、裁判実務上の原告適格の判断が狭いとの批判があり、平成16年改正により新たに行訴法9条に第2項が加えられ、「裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する[ ア ]の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき[ ウ ]の内容及び性質を考慮するものとする」ことが規定された。そしてこの9条2項は、[ エ ]の原告適格についても準用されている。

1:差止め訴訟 2:法律上の利益 3:権限 4:憲法上保護された利益 5:事実上の利益 6:住民訴訟 7:実質的当事者訴訟 8:損害 9:利益 10:法律上保護された利益 11:訴訟上保護された利益 12:立法目的 13:訴訟上の利益 14:公益 15:うべかりし利益 16:不作為の違法確認訴訟 17:法的地位 18:公共の福祉 19:紛争 20:形式的当事者訴訟

>解答と解説はこちら


【答え】:ア:2、イ:10、ウ:9、エ:1
【解説】

平成16年(2004年)の行政事件訴訟法(以下、「行訴法」という。)改正のポイントとして、取消訴訟の原告適格の拡大がある。
取消訴訟の原告適格につき、行訴法9条(改正後の9条1項)は、「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき[ア:法律上の利益]を有する者・・・に限り、提起することができる。」と定めているが、最高裁判例は、ここでいう「当該処分の取消し求めるにつき『[ア:法律上の利益]を有する者』とは、当該処分により自己の権利若しくは[イ:法律上保護された利益]を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」と解してきた。しかしながら、裁判実務上の原告適格の判断が狭いとの批判があり、平成16年改正により新たに行訴法9条に第2項が加えられ、「裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する[ア:法律上の利益]の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき[ウ:利益]の内容及び性質を考慮するものとする」ことが規定された。そしてこの9条2項は、[エ:差止め訴訟]の原告適格についても準用されている。

ア.行訴法9条(改正後の9条1項)は、「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき[ ア ]を有する者・・・に限り、提起することができる。」と定めている

ア・・・法律上の利益
取消訴訟は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができます(行政事件訴訟法9条)。

つまり、「アには法律上の利益」が入ります。

イ.「当該処分の取消し求めるにつき『[ア:法律上の利益]を有する者』とは、当該処分により自己の権利若しくは[ イ ]を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」と解してきた。

イ・・・法律上保護された利益
航空機の騒音被害に苦しめられる周辺住民による定期航空運送事業免許の取消訴訟の判例によると

「取消訴訟の原告適格について規定する行政事件訴訟法九条にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう。」

と判示しています。

よって、「イには法律上の利益」が入ります。

ウ.「裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する[ ア ]の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき[ ウ ]の内容及び性質を考慮するものとする」ことが規定された。

そしてこの9条2項は、[ エ ]の原告適格についても準用されている。

ウ・・・利益
エ・・・差止め訴訟
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとします(行政事件訴訟法9条2項)。よって、「ウには利益」が入ります。

そして、取消訴訟の原告適格が準用されているのは「差止め訴訟」「義務付け訴訟」です。

選択肢には「差止め訴訟」のみあるので、「エには差止め訴訟」が入ります。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問41|憲法

次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

・・・憲法以下の法令相互の効力関係を定めることも、憲法のなすべき事項の範囲に属する。憲法は、[ ア ]・[ イ ]などの制定権をそれぞれ特別の[ ウ ]に授権すると同時に、それらの法令の効力関係をも定めなければならない。明治憲法には、[ ア ]と[ イ ]との効力関係について、第九条但書に、「[ イ ]ヲ以テ[ ア ]ヲ変更スルコトヲ得ス」とあり、第八条に、緊急[ イ ]は、[ ア ]に代わる効力をもつ旨を示す規定があった。日本国憲法には、そのような明文の規定はない。政令と[ ア ]、最高裁判所規則と[ ア ]、地方公共団体の条例と[ ア ]・[ イ ]など、個々の場合について、憲法の趣旨を考えてみるより仕方がない。例えば、政令と[ ア ]との関係においては、憲法は、[ エ ]を唯一の立法[ ウ ]とし、また、政令としては、[ ア ]の規定を実施するための政令、いわゆる執行[ イ ]的政令と、[ ア ]の委任にもとづく政令・いわゆる委任[ イ ]的政令としか認めていないから、一般に政令の効力は[ ア ]に劣るとしているものと解せられ、最高裁判所規則と[ ア ]との関係においては、憲法は、国民の代表[ ウ ]であり、国権の最高[ ウ ]、かつ、唯一の立法[ ウ ]である[ エ ]の立法として、憲法に次ぐ形式的効力を与えている[ ア ]に優位を認めているものと解せられる。

(出典清宮四郎「憲法I〔第3版〕」より)

1:主体 2:内閣 3:条約 4:権力 5:慣習法 6:憲法付属法 7:機関 8:天皇 9:命令 10:判例 11:公務員 12:法規 13:国会 14:詔勅 15:習律 16:官職 17:内閣総理大臣 18:法律 19:通達 20:行政各部

>解答と解説はこちら


【答え】:ア:18、イ:9、ウ:7、エ:13
【解説】

・・・憲法以下の法令相互の効力関係を定めることも、憲法のなすべき事項の範囲に属する。憲法は、[ア:法律]・[イ:命令]などの制定権をそれぞれ特別の[ウ:機関]に授権すると同時に、それらの法令の効力関係をも定めなければならない。明治憲法には、[ア:法律]と[イ:命令]との効力関係について、第九条但書に、「[イ:命令]ヲ以テ[ア:法律]ヲ変更スルコトヲ得ス」とあり、第八条に、緊急[イ:命令]は、[ア:法律]に代わる効力をもつ旨を示す規定があった。日本国憲法には、そのような明文の規定はない。政令と[ア:法律]、最高裁判所規則と[ア:法律]、地方公共団体の条例と[ア:法律]・[イ:命令]など、個々の場合について、憲法の趣旨を考えてみるより仕方がない。例えば、政令と[ア:法律]との関係においては、憲法は、[エ:国会]を唯一の立法[ウ:機関]とし、また、政令としては、[ア:法律]の規定を実施するための政令、いわゆる執行[イ:命令]的政令と、[ア:法律]の委任にもとづく政令・いわゆる委任[イ:命令]的政令としか認めていないから、一般に政令の効力は[ア:法律]に劣るとしているものと解せられ、最高裁判所規則と[ア:法律]との関係においては、憲法は、国民の代表[ウ:機関]であり、国権の最高[ウ:機関]、かつ、唯一の立法[ウ:機関]である[エ:国会]の立法として、憲法に次ぐ形式的効力を与えている[ア:法律]に優位を認めているものと解せられる。

ア.イ.憲法は、[ ア ]・[ イ ]などの制定権をそれぞれ特別の[ ウ ]に授権すると同時に、それらの法令の効力関係をも定めなければならない。・・・

政令としては、[ ア ]の規定を実施するための政令、いわゆる執行[ イ ]的政令と、[ ア ]の委任にもとづく政令・いわゆる委任[ イ ]的政令としか認めていないから、一般に政令の効力は[ ア ]に劣るとしているものと解せられ

ア・・・法律
イ・・・命令

 

後半部分の方が分かりやすいです。
政令は、法律の規定を実施するための執行命令的政令法律の委任に基づく、委任命令的政令があります。

これは、執行命令と委任命令が分かれば、そこから導けます。

また、前半部分では、

「憲法は、ア・イなどの制定権をウに与える」と記述されており
「法律」と「命令」を入れても矛盾しません。

ウ.例えば、政令と[ ア ]との関係においては、憲法は、[ エ ]を唯一の立法[ ウ ]・・・

憲法は、国民の代表[ ウ ]であり、国権の最高[ ウ ]、かつ、唯一の立法[ ウ ]である[ エ ]の立法として、憲法に次ぐ形式的効力を与えている[ ア ]に優位を認めているものと解せられる。

ウ・・・機関
エ・・・国会

 

国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関です(憲法41条)。
ここから、上記は導けます。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問39|会社法・持分会社

持分会社に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 持分会社の無限責任社員は、株式会社の株主とは異なり、金銭出資や現物出資にかぎらず、労務出資や信用出資の方法が認められている。
  2. 持分会社の社員の持分は、株式会社の株式とは異なり、一人一持分であって、細分化されたものではなく、内容が均一化されたものでもない。
  3. 持分会社は、会社法上の公開会社である株式会社とは異なり、原則として、社員各自が当該会社の業務を執行し、当該会社を代表する。
  4. 持分会社の社員は、株式会社の株主とは異なり、退社による持分の払戻しが認められているが、当該社員の責任を明確にするために、登記によって退社の効力が生じる。
  5. 持分会社が会社成立後に定款を変更するには、株式会社の場合とは異なり、原則として、総社員の同意を必要とする。

>解答と解説はこちら


【答え】:4
【解説】
1.持分会社の無限責任社員は、株式会社の株主とは異なり、金銭出資や現物出資にかぎらず、労務出資や信用出資の方法が認められている。
1・・・正しい
有限責任社員は、金銭等の出資に限られます。一方、無限責任社員は、労務出資や信用出資も可能です。

よって、正しいです。

2.持分会社の社員の持分は、株式会社の株式とは異なり、一人一持分であって、細分化されたものではなく、内容が均一化されたものでもない。
2・・・正しい
持会社の持分では、一人一持分で、それぞれの社員の出資額に応じて扱いが異なります。一方、
株式会社の株式は、株式か細分化された割合的単位で、その個々の内容は均一化されています。

よって、本肢は正しいです。

この点も、個別指導で細かく解説します!

3.持分会社は、会社法上の公開会社である株式会社とは異なり、原則として、社員各自が当該会社の業務を執行し、当該会社を代表する。
3・・・正しい
持分会社の社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、各人が持分会社の業務を執行します(590条1項)。よって、本肢は正しいです。
4.持分会社の社員は、株式会社の株主とは異なり、退社による持分の払戻しが認められているが、当該社員の責任を明確にするために、登記によって退社の効力が生じる。
4・・・誤り
持分会社の各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができます。この場合、各社員は、6ヵ月前までに持分会社に退社の予告をしなければなりません(会社法606条1項)。ただし、例外的に、やむを得ない事由があるときは、上記に関係なく、いつでも退社することができます(同条3項)。

よって「登記によって退社の効力が生じる」は誤りです。

正しくは「原則、6ヵ月前までに退社の予告をして、事業年度の終了時に退社となる」です。

5.持分会社が会社成立後に定款を変更するには、株式会社の場合とは異なり、原則として、総社員の同意を必要とする。
5・・・正しい
持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができます(会社法637条)。よって、本肢は正しいです。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成22年・2010|問38|会社法・新株予約権

新株予約権に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア.新株予約権と引換えに金銭の払込みを要する募集新株予約権を発行する場合において、募集新株予約権の割当てを受けた者は、払込期間中または払込期日に払込金額の全額を払い込んだときに、新株予約権者となる。

イ.募集新株予約権の行使に際して出資する金銭その他の財産の価額が新株予約権を引き受ける者に特に有利な金額であるときには、募集新株予約権の募集事項は、株主総会の特別決議により決定しなければならない。

ウ.募集新株予約権の発行が法令もしくは定款に違反し、または著しく不公正な方法により行われる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときには、株主は、会社に対して募集新株予約権の発行をやめることを請求することができる。

エ.新株予約権付社債を有する者は、新株予約権付社債についての社債が消滅した場合を除いて、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。

オ.新株予約権と引換えに金銭の払込みを要する募集新株予約権の払込金額は、新株予約権が行使されるか否かにかかわらず、その全額を資本金に計上しなければならない。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:4
【解説】
ア.新株予約権と引換えに金銭の払込みを要する募集新株予約権を発行する場合において、募集新株予約権の割当てを受けた者は、払込期間中または払込期日に払込金額の全額を払い込んだときに、新株予約権者となる。
ア・・・誤り
募集新株予約権の割当てを受けた者は、割当日に、募集新株予約権の新株予約権者となります(会社法245条1項)。よって、本肢は「払込金額の全額を払い込んだとき」が誤りで、正しくは「割当日」です。
イ.募集新株予約権の行使に際して出資する金銭その他の財産の価額が新株予約権を引き受ける者に特に有利な金額であるときには、募集新株予約権の募集事項は、株主総会の特別決議により決定しなければならない。
イ・・・誤り
募集新株予約権の募集事項の決定について払込金額が特に有利な金額の場合は、株主総会の特別決議が必要です。(会社法238条2項、309条2項6号)そして、本肢は「行使に際して出資する金銭その他の財産の価額」が誤りです。
正しくは「払込金額」です。

この点は理解が必要なので、個別指導で解説します!

ウ.募集新株予約権の発行が法令もしくは定款に違反し、または著しく不公正な方法により行われる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときには、株主は、会社に対して募集新株予約権の発行をやめることを請求することができる。
ウ・・・正しい
次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができます(会社法247条)。
  1. 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合
  2. 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合

したがって、本肢は正しいです。

エ.新株予約権付社債を有する者は、新株予約権付社債についての社債が消滅した場合を除いて、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。
エ・・・正しい
原則、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできません。ただし、例外として、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、新株予約権のみを譲渡することはできます会社法254条2項)。よって、本肢は正しいです。
オ.新株予約権と引換えに金銭の払込みを要する募集新株予約権の払込金額は、新株予約権が行使されるか否かにかかわらず、その全額を資本金に計上しなければならない。
オ・・・誤り
株式会社の資本金の額は、原則、株主となる者が当該株式会社に対して払込した金額」です(会社法445条1項)。ただし、払込金額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができ、その部分は資本準備金として計上しなければならなりません(同条2項3項)。つまり、払込金額の2分の1以下を資本金に計上しなくてよいので、本肢は、誤りです。

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平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基本的人権 問33 民法・債権
問4 法の下の平等 問34 民法:親族
問5 精神的自由 問35 民法:親族
問6 財政 問36 会社法
問7 国会 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 法改正により削除
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政事件訴訟法
問13 行政手続法 問43 行政事件訴訟法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略