日本の雇用・労働に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 「日本型雇用システム」とは、終身雇用、年功序列型賃金、職業別労働組合という3つの特徴を持つことで知られ、これらは、安定した雇用環境を長期にわたって保障する制度として機能してきた。
- フレックスタイム制とは、業務遂行の手段・方法や時間配分について、労働者本人の裁量に任せる方式のことで、実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ労使で協定した時間だけ労働したとみなす制度のことをいう。
- 男女雇用機会均等法(*1)その他関連労働法規の改正により、女性労働者についての時間外労働、休日労働、深夜労働の制限が撤廃され、女性の働く機会が大幅に増大した。
- 労働者派遣法(*2)の改正により、派遣対象業務の制限が撤廃され、すべての業務について派遣労働が認められることとなったことから、2000年以降、派遣労働者数は急速に増加した。
- 日本女性の年齢階層別労働率をみると、かつては結婚・出産を機に30歳代でいったん退職し、育児が一段落して再び就労する傾向がみられたが、現在では20~50歳代まで同水準となっている。
(注)
※1 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
※2 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律
【答え】:3
【解説】
1.「日本型雇用システム」とは、終身雇用、年功序列型賃金、職業別労働組合という3つの特徴を持つことで知られ、これらは、安定した雇用環境を長期にわたって保障する制度として機能してきた。
1・・・誤り
日本的雇用システムとは「終身雇用」、「年功序列型賃金」、「企業別組合」という三つの特徴を持っています。よって、本肢は「職業別労働組合」が誤りです。
日本的雇用システムとは「終身雇用」、「年功序列型賃金」、「企業別組合」という三つの特徴を持っています。よって、本肢は「職業別労働組合」が誤りです。
企業別組合とは、各会社ごとに組織される労働組合のことです。
例えば、トヨタ自動車であれば、トヨタ自動車の従業員で構成される労働組合があります。
2.フレックスタイム制とは、業務遂行の手段・方法や時間配分について、労働者本人の裁量に任せる方式のことで、実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ労使で協定した時間だけ労働したとみなす制度のことをいう。
2・・・誤り
本肢は「みなし労働時間制」の内容なので、誤りです。フレックスタイム制とは、労働者自身が日々の労働時間の長さあるいは労働時間の配置(始業及び終業の時刻)を決定することができる制度のことです。
本肢は「みなし労働時間制」の内容なので、誤りです。フレックスタイム制とは、労働者自身が日々の労働時間の長さあるいは労働時間の配置(始業及び終業の時刻)を決定することができる制度のことです。
3.男女雇用機会均等法その他関連労働法規の改正により、女性労働者についての時間外労働、休日労働、深夜労働の制限が撤廃され、女性の働く機会が大幅に増大した。
3・・・正しい
平成9年(1997年)の男女雇用機会均等法及び労働基準法等の改正により、満18歳以上の女性労働者についての時間外労働、休日労働、深夜労働の制限が撤廃され、女性の働く機会が大幅に増大しました。
平成9年(1997年)の男女雇用機会均等法及び労働基準法等の改正により、満18歳以上の女性労働者についての時間外労働、休日労働、深夜労働の制限が撤廃され、女性の働く機会が大幅に増大しました。
4.労働者派遣法の改正により、派遣対象業務の制限が撤廃され、すべての業務について派遣労働が認められることとなったことから、2000年以降、派遣労働者数は急速に増加した。
4・・・誤り
平成11年(1999年)の労働者派遣法の改正により、派遣対象業務の規制緩和がされました。
それ以降、派遣労働者数は急速に増加することとなりました。しかし、「すべての業務について派遣労働が認められることとなった」わけではないので誤りです。
平成11年(1999年)の労働者派遣法の改正により、派遣対象業務の規制緩和がされました。
それ以降、派遣労働者数は急速に増加することとなりました。しかし、「すべての業務について派遣労働が認められることとなった」わけではないので誤りです。
①港湾運送業務、②建設業務、③警備業法により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務については、派遣労働は禁止です(労働派遣法4条1項)。
5.日本女性の年齢階層別労働率をみると、かつては結婚・出産を機に30歳代でいったん退職し、育児が一段落して再び就労する傾向がみられたが、現在では20~50歳代まで同水準となっている。
5・・・誤り
本肢は「かつて」と「現在」が逆です。日本女性の年齢階層別労働率をみると、
本肢は「かつて」と「現在」が逆です。日本女性の年齢階層別労働率をみると、
現在は結婚・出産を機に30歳代でいったん退職し、育児が一段落して再び就労する傾向がみられます。
かつては20~50歳代まで同水準となっていました。
平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 基本的人権 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 法の下の平等 | 問34 | 民法:親族 |
問5 | 精神的自由 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 財政 | 問36 | 会社法 |
問7 | 国会 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 法改正により削除 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政事件訴訟法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政事件訴訟法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・経済 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |