個人情報保護制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 個人情報保護に関しては、一部の地方公共団体が先行して制度を整備した情報公開とは異なり、国の制度がすべての地方公共団体に先行して整備された。
- 個人情報保護委員会は、個人情報保護条例を制定していない地方公共団体に対して、個人情報保護法違反を理由とした是正命令を発出しなければならない。
- 個人番号カードは、個人情報保護法に基づいて、各都道府県が交付している。
- 個人情報保護委員会は、内閣総理大臣に対して、地方公共団体への指揮監督権限の行使を求める意見を具申することができる。
- 個人情報保護委員会は、認定個人情報保護団体に関する事務をつかさどる。
【答え】:5
【解説】
1・・・誤り
「個人情報保護」に関して言えば、1884年に、全国最初に、福岡県春日市(地方公共団体)で「春日市個人情報保護条例」が制定され、その後、1988年に国が「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」制定しました。
よって、「国の制度がすべての地方公共団体に先行して整備された」というのは誤りです。
2・・・誤り
個人情報保護法には、本肢のようなルールはないので、誤りです。
個人情報保護委員会が、行政機関の長等に行えることでいうと、下記があります。行えることでいうと
個人情報保護委員会は、行政機関の義務等の規定の円滑な運用を確保するため必要があると認めるときは、行政機関の長等に対し、行政機関等における個人情報等の取扱いについて、必要な指導・助言・勧告をすることができる(個人情報保護法157条、158条)。
3・・・誤り
「個人情報保護法に基づいて、各都道府県が交付している」という記述は誤りです。
個人番号カード(マイナンバーカード)は、個人番号法(番号法、マイナンバー法)に基づいて、市町村長が交付します(個人番号法17条1項)。
4・・・誤り
個人情報保護法には、本肢のようなルールはないので、誤りです。
個人情報保護委員会は、内閣総理大臣に対してすることでいうと、
「個人情報保護委員会は、毎年、内閣総理大臣を経由して国会に対し所掌事務の処理状況を報告するとともに、その概要を公表しなければならない(個人情報保護法168条)」というルールがあります。
5・・・正しい
個人情報保護委員会は、認定個人情報保護団体に関することを行います(個人情報保護法132条3号)。
よって、本肢は正しいです。
例えば、個人情報保護委員会は、民間団体による個人情報の保護の推進の規定の施行に必要な限度において、認定個人情報保護団体に対し、認定業務に関し報告をさせることができます(個人情報保護法153条:報告の徴収)。
令和4年(2022年)過去問
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法 |
問3 | 憲法 | 問33 | 民法 |
問4 | 憲法 | 問34 | 民法 |
問5 | 憲法 | 問35 | 民法 |
問6 | 憲法 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識 |
問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 基礎知識 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識 |
問21 | 国家賠償法 | 問51 | 基礎知識 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識 |
問27 | 民法 | 問57 | 基礎知識 |
問28 | 民法 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法 | 問60 | 著作権の関係上省略 |