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令和4年・2022|問11|行政手続法

申請に対する処分について定める行政手続法の規定に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努め、これを定めたときは、行政手続法所定の方法により公にしておかなければならない。
  2. 行政庁は、法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請について、それを理由として申請を拒否することはできず、申請者に対し速やかにその補正を求めなければならない。
  3. 行政庁は、申請により求められた許認可等の処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示すよう努めなければならない。
  4. 行政庁は、定められた標準処理期間を経過してもなお申請に対し諾否の応答ができないときは、申請者に対し、当該申請に係る審査の進行状況および処分の時期の見込みを書面で通知しなければならない。
  5. 行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利益を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、当該申請者以外の者および申請者本人の意見を聴く機会を設けなければならない。

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【答え】:1

【解説】
1.行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努め、これを定めたときは、行政手続法所定の方法により公にしておかなければならない。

1・・・妥当

行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(標準処理期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければなりません(行政手続法6条)。

つまり、「標準処理期間」を定めることは努力義務であり、「標準処理期間」を定めた場合は、公にする義務があるということです。

この点は間違えやすいポイントがあるので、個別指導で解説します!

2.行政庁は、法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請について、それを理由として申請を拒否することはできず、申請者に対し速やかにその補正を求めなければならない。

2・・・妥当ではない

行政庁は、法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、「それを理由として申請を拒否することもできるし」または「申請者に対し、その補正を求めることもできます」。

よって、本肢は、「それを理由として申請を拒否することはできず」が妥当ではないです。

条文では、下記のように規定されています。

行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければなりません(行政手続法7条)。

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3.行政庁は、申請により求められた許認可等の処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示すよう努めなければならない。

3・・・妥当ではない

本肢は「努めなければならない」という点が妥当ではありません。

行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合、原則、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければなりません(行政手続法8条1項本文)。

よって、原則として、行政庁が申請により求められた許認可等の処分をする場合、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示すことは「義務」です。

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4.行政庁は、定められた標準処理期間を経過してもなお申請に対し諾否の応答ができないときは、申請者に対し、当該申請に係る審査の進行状況および処分の時期の見込みを書面で通知しなければならない。

4・・・妥当ではない

行政庁は、定められた標準処理期間を経過してもなお申請に対し諾否の応答ができないときであっても、申請者に対し、当該申請に係る審査の進行状況および処分の時期の見込みを書面で通知する義務はありません。

本肢のようなルールは、行政手続法に規定されていないです。

よって、妥当ではないです。

ちなみに、標準処理期間を超えたからといって、直ちに「不作為についての審査請求(行政不服審査法3条)」や「不作為の違法確認の訴え(行政事件訴訟法3条5項)」を提起することはできません。

「相当の期間」を経過すれば、上記審査請求や違法確認訴訟を提起することができます。

5.行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利益を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、当該申請者以外の者および申請者本人の意見を聴く機会を設けなければならない。

5・・・妥当ではない

本肢は「設けなければならない」という風に「義務」になっている点が妥当ではありません。

行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、「必要に応じ」、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう「努めなければなりません」。

つまり、公聴会の開催等については、「義務」ではなく、「努力義務」です。

必要に応じて開催すればよく、行政庁が不要と判断すれば開催しなくてもよいです。

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令和4年(2022年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 地方自治法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 基礎知識
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 行政法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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