令和6年度の行政書士試験の合格を目指す。理解学習が実践できる個別指導はこちら

令和4年・2022|問16|行政不服審査法

行政不服審査法が定める教示に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

  1. 処分庁が審査請求をすることができる処分をなす場合においては、それを書面でするか、口頭でするかにかかわらず、当該処分につき不服申立てをすることができる旨その他所定の事項を書面で教示をしなければならない。
  2. 処分庁が審査請求をすることができる処分をなす場合において、処分の相手方に対し、当該処分の執行停止の申立てをすることができる旨を教示する必要はない。
  3. 処分庁は、利害関係人から、当該処分が審査請求をすることができる処分であるかどうかにつき書面による教示を求められたときは、書面で教示をしなければならない。
  4. 処分をなすに際し、処分庁が行政不服審査法において必要とされる教示をしなかった場合、当該処分に不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。
  5. 審査庁は、再審査請求をすることができる裁決をなす場合には、裁決書に、再審査請求をすることができる旨並びに再審査請求をすべき行政庁および再審査請求期間を記載してこれらを教示しなければならない。

>解答と解説はこちら


【答え】:1

【解説】
1.処分庁が審査請求をすることができる処分をなす場合においては、それを書面でするか、口頭でするかにかかわらず、当該処分につき不服申立てをすることができる旨その他所定の事項を書面で教示をしなければならない。

1・・・妥当ではない

本肢は「口頭でするかにかかわらず」が妥当ではありません。
下記の通り、口頭の場合、教示は不要です。

行政庁は、審査請求若しくは再調査の請求又は他の法令に基づく不服申立てをすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を書面で教示しなければなりません。
ただし、当該処分を口頭でする場合は、教示は不要です(行政不服審査法82条1項)。

なぜなら、口頭で処分を行う場合、その処分は重要な処分ではないので、教示も不要としています。

2.処分庁が審査請求をすることができる処分をなす場合において、処分の相手方に対し、当該処分の執行停止の申立てをすることができる旨を教示する必要はない。

2・・・妥当

処分庁が審査請求をすることができる処分をなす場合において、処分の相手方に対し、教示すべき内容は「①当該処分につき不服申立てをすることができる旨」「②不服申立てをすべき行政庁」「③不服申立てをすることができる期間」の3つです。

「行停止の申立てをすることができる旨」は含まれていません。

よって、本肢は妥当です。

なぜ、執行停止について教示の内容になっていないか個別指導で解説します!

理解できれば、当然なので理解しておきましょう!

3.処分庁は、利害関係人から、当該処分が審査請求をすることができる処分であるかどうかにつき書面による教示を求められたときは、書面で教示をしなければならない。

3・・・妥当

行政庁は、利害関係人から、「①当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうか」並びに「②当該処分が不服申立てをすることができるものである場合における不服申立てをすべき行政庁」及び「③不服申立てをすることができる期間」につき教示を求められたときは、当該事項を教示しなければなりません(行政不服審査法82条2項)。

そして、上記教示を求めた者が書面による教示を求めたときは、当該教示は、書面でしなければなりません(行政不服審査法82条3項)。

したがって、「処分庁は、利害関係人から、当該処分が審査請求をすることができる処分であるかどうかにつき書面による教示を求められたときは、書面で教示をしなければならない」ので妥当です。

ちなみに、「利害関係人」とは、「処分を受けた者」や「処分について利害関係を有する第三者」です。

4.処分をなすに際し、処分庁が行政不服審査法において必要とされる教示をしなかった場合、当該処分に不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。

4・・・妥当

行政庁が前条の規定による教示をしなかった場合には、当該処分について不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができます(行政不服審査法83条1項)。

行政庁が教示をしなかった場合には、行政庁が悪いので、それによって、不服申立人が不利益をこうむるのは、酷です。そのため、不服申立人が、処分庁に対して不服申立書を提出してもよいことになっています。

5.審査庁は、再審査請求をすることができる裁決をなす場合には、裁決書に、再審査請求をすることができる旨並びに再審査請求をすべき行政庁および再審査請求期間を記載してこれらを教示しなければならない。

5・・・妥当

審査庁は、再審査請求をすることができる裁決をする場合には、裁決書に「①再審査請求をすることができる旨」並びに「②再審査請求をすべき行政庁」及び「③再審査請求期間」を記載して、これらを教示しなければなりません(行政不服審査法50条3項)。

再審査請求ができる場合、審査庁が裁決書に、教示内容を記載して、審査請求人に教示するということです。

基本事項ですね!

基本事項も体系立てて頭に入れると、さらに頭が整理されて忘れにくくなります

無料講座でも、体系立てた解説を行っておりますので、整理できていない方は、無料講座をお気軽にご活用ください!

令和6年・2024年行政書士試験対策の個別指導はこちら

令和4年(2022年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 地方自治法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 基礎知識
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 行政法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

【勉強の仕方等、お気軽にご相談ください!】
  • メールアドレス
  • お名前(姓・名)
  • 姓と名はスペースで区切ってください
  • 郵便番号
  • 例:123-4567
  • 住所(都道府県)
  • 住所(市町村以下)
  • ご相談はこちら

  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。