日本の中小企業に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア.中小企業基本法上の定義に基づき、企業を中小企業と大企業とに区分すると、大企業は企業総数の1%にも満たず、中小企業が全体のおおよそ99%を占めている。
イ.中小企業基本法において、中小企業とは、資本金、従業員数、売上高の三つが一定規模以下の企業と規定されている。
ウ.法人税法では、当期末の資本金額が一定規模以下の普通法人について、標準税率よりも低い軽減税率を適用することとしている。
エ.中小企業の多くは、従業者一人当たりの賃金や資本装備率が低い反面、優れた技術や特許を持っており、大企業に比べて生産性が高い。
オ.いわゆる中小企業挑戦支援法(※)の導入により、資本金1円以上での会社設立が可能となったことから、会社の設立登記数が増大した。
- ア・イ
- ア・ウ
- イ・エ
- ウ・オ
- エ・オ
(注)※ 中小企業等が行う新たな事業活動の促進のための中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律
【答え】:3
【解説】
ア.中小企業基本法上の定義に基づき、企業を中小企業と大企業とに区分すると、大企業は企業総数の1%にも満たず、中小企業が全体のおおよそ99%を占めている。
ア・・・正しい
中小企業白書によると、2016年6月現在、大企業は企業総数の0.3%(1万1千社)であり、中小企業が全体のおおよそ99.7%(357万8千社)を占めています。
中小企業白書によると、2016年6月現在、大企業は企業総数の0.3%(1万1千社)であり、中小企業が全体のおおよそ99.7%(357万8千社)を占めています。
イ.中小企業基本法において、中小企業とは、資本金、従業員数、売上高の三つが一定規模以下の企業と規定されている。
イ・・・誤り
中小企業基本法における中小企業とは、「資本金の額又は出資の総額」「従業員数」「事業内容」によって、判断します。つまり、「売上高の規模」は、中小企業の判断基準ではありません。
中小企業基本法における中小企業とは、「資本金の額又は出資の総額」「従業員数」「事業内容」によって、判断します。つまり、「売上高の規模」は、中小企業の判断基準ではありません。
ウ.法人税法では、当期末の資本金額が一定規模以下の普通法人について、標準税率よりも低い軽減税率を適用することとしている。
ウ・・・正しい
各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に23.2%の税率を乗じて計算した金額です。ただし、資本金が1億円以下の法人は、課税所得800万円までは19%です(法人税法66条1項2項)。
各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に23.2%の税率を乗じて計算した金額です。ただし、資本金が1億円以下の法人は、課税所得800万円までは19%です(法人税法66条1項2項)。
よって、資本金が1億円以下の場合、軽減税率となるので、正しいです。
エ.中小企業の多くは、従業者一人当たりの賃金や資本装備率が低い反面、優れた技術や特許を持っており、大企業に比べて生産性が高い。
エ・・・誤り
中小企業は、大企業に比べて生産性が低いです。
その理由の一つとして、大企業は、中小企業よりも、質の高い設備を持っていることがあげられます。
中小企業は、大企業に比べて生産性が低いです。
その理由の一つとして、大企業は、中小企業よりも、質の高い設備を持っていることがあげられます。
オ.いわゆる中小企業挑戦支援法の導入により、資本金1円以上での会社設立が可能となったことから、会社の設立登記数が増大した。
オ・・・正しい
中小企業挑戦支援法は、組織面で中小企業者等の創業・新事業への「挑戦」を容易にする措置を講じるとともに、資金調達面においても、「挑戦」に必要な資金の供給源の拡大を促す措置を講じ、経済活性化と雇用拡大の原動力である元気な中小企業等の育成・発展を進めるために2003年に制定されました。その一つとして、資本金1円以上での会社設立が可能としました。
中小企業挑戦支援法は、組織面で中小企業者等の創業・新事業への「挑戦」を容易にする措置を講じるとともに、資金調達面においても、「挑戦」に必要な資金の供給源の拡大を促す措置を講じ、経済活性化と雇用拡大の原動力である元気な中小企業等の育成・発展を進めるために2003年に制定されました。その一つとして、資本金1円以上での会社設立が可能としました。
その結果、会社の設立登記数が増大しました。
平成22年度(2010年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 基本的人権 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 法の下の平等 | 問34 | 民法:親族 |
問5 | 精神的自由 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 財政 | 問36 | 会社法 |
問7 | 国会 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 法改正により削除 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政事件訴訟法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政事件訴訟法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・経済 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |