Aは、工場を建設するために、Bから、Bが所有する甲土地(更地)を、賃貸借契約締結の日から賃借期間30年と定めて賃借した。ただし、甲土地の貸借権の登記は、現在に至るまでされていない。ところが、甲土地がBからAに引き渡される前に、甲土地に何らの権利も有しないCが、AおよびBに無断で、甲土地に塀を設置したため、Aは、甲土地に立ち入って工場の建設工事を開始することができなくなった。そこで、Aは、Bに対応を求めたが、Bは何らの対応もしないまま現在に至っている。Aが甲土地に工場の建設工事を開始するために、Aは、Cに対し、どのような請求をすることができるか。民法の規定および判例に照らし、40字程度で記述しなさい。
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【答え】:例1)Bの所有権に基づく妨害排除請求権を債権者代位することで、塀の除去を請求することができる。(44字)
例2)Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使し、塀の除去を請求することができる。(39字)
【解説】
Aは、工場を建設するために、Bから、Bが所有する甲土地(更地)を、賃貸借契約締結の日から賃借期間30年と定めて賃借した。ただし、甲土地の貸借権の登記は、現在に至るまでされていない。ところが、甲土地がBからAに引き渡される前に、甲土地に何らの権利も有しないCが、AおよびBに無断で、甲土地に塀を設置したため、Aは、甲土地に立ち入って工場の建設工事を開始することができなくなった。そこで、Aは、Bに対応を求めたが、Bは何らの対応もしないまま現在に至っている。Aが甲土地に工場の建設工事を開始するために、Aは、Cに対し、どのような請求をすることができるか。民法の規定および判例に照らし、40字程度で記述しなさい。
問題文の状況

質問内容
Aが甲土地に工場の建設工事を開始するために、Aは、Cに対し、「どのような請求」をすることができるか。解説
今回、塀を設置されて占有を妨害されただけで、占有を奪われた(占有された)とまでは言えないので、「妨害排除請求」ができるかを考えます。 「妨害排除請求権」は、「物権(不動産賃借権も含む)が占有以外の形で妨害されているとき、妨害の排除を請求する権利」のことです。 妨害排除請求をするための根拠となるのは、下記2つがあります。- 賃借権に基づく妨害排除請求
- 所有権に基づく妨害排除請求
令和4年(2022年)過去問
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法 |
問3 | 憲法 | 問33 | 民法 |
問4 | 憲法 | 問34 | 民法 |
問5 | 憲法 | 問35 | 民法 |
問6 | 憲法 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 一般知識 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 一般知識 |
問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 一般知識 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 一般知識 |
問21 | 国家賠償法 | 問51 | 一般知識 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 一般知識 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 一般知識 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 一般知識 |
問25 | 行政法 | 問55 | 一般知識 |
問26 | 行政法 | 問56 | 一般知識 |
問27 | 民法 | 問57 | 一般知識 |
問28 | 民法 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法 | 問60 | 著作権の関係上省略 |
