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令和4年・2022|問34|民法

不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 未成年者が他人に損害を加えた場合、道徳上の是非善悪を判断できるだけの能力があるときは、当該未成年者は、損害賠償の責任を負う。
  2. 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、過失によって一時的にその状態を招いたとしても、損害賠償の責任を負わない。
  3. 野生の熊が襲ってきたので自己の身を守るために他人の宅地に飛び込み板塀を壊した者には、正当防衛が成立する。
  4. 路上でナイフを振り回して襲ってきた暴漢から自己の身を守るために他人の家の窓を割って逃げ込んだ者には、緊急避難が成立する。
  5. 路上でナイフを持った暴漢に襲われた者が自己の身を守るために他人の家の窓を割って逃げ込んだ場合、窓を壊された被害者は、窓を割った者に対して損害賠償を請求できないが、当該暴漢に対しては損害賠償を請求できる。

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【答え】:5

【解説】
1.未成年者が他人に損害を加えた場合、道徳上の是非善悪を判断できるだけの能力があるときは、当該未成年者は、損害賠償の責任を負う。

1・・・妥当ではない

未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負いません(民法712条:責任能力)。

ここで「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」とは、道徳上不正の行為たることを弁識する知能の意にあらず加害行為の法律上の責任を弁識するに足るべき知能を指すものと解するを相当とする(大判大6.4.30)」としている。

イメージとしては、おおよそ12歳から13歳以上であれば責任能力ありと考えられているのですが、
上記どういうことを言っているのかは、個別指導で解説します。

こういった判例は、内容を理解することが重要です。

単に、言葉だけを覚えても使い物にならず、本試験ではヒッカケ問題に引っかかってしまいます

しっかり理解しておきましょう!

2.精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、過失によって一時的にその状態を招いたとしても、損害賠償の責任を負わない。

2・・・妥当ではない

精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、原則、損害賠償責任を負いません(民法713条本文)。

ただし例外として、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、損害賠償責任を負います(民法713条ただし書き)。

よって、本肢は、「過失によって一時的にその状態を招いた場合、損害賠償の責任を負う」ので妥当ではありません。

例えば、お酒の飲みすぎによって、酩酊状態となり、他人に損害を加えた場合、損害賠償責任を負うことになります。

3.野生の熊が襲ってきたので自己の身を守るために他人の宅地に飛び込み板塀を壊した者には、正当防衛が成立する。

3・・・妥当ではない

本肢は、「正当防衛」ではなく、「緊急避難」です。

【正当防衛】

他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負いません(民法720条1項)。

これが「正当防衛」です。

例えば、Aは、通りすがり人Bに、ナイフで襲われそうになり、自分の身を守るために、持っていたバックでBの顔を殴った際に、Bが負傷した。この場合、Bに対してやむを得ずした反撃が「正当防衛」です。

この場合、Aは損害賠償責任を負いません。

【緊急避難】

他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合、損害賠償の責任を負いません(民法720条2項)。

例えば、本肢のように「野生の熊」による急迫の危難から逃れるため、「他人の宅地の板塀」を壊した場合、「緊急避難」となり、損害賠償責任を負いません。

4.路上でナイフを振り回して襲ってきた暴漢から自己の身を守るために他人の家の窓を割って逃げ込んだ者には、緊急避難が成立する。

4・・・妥当ではない

本肢は、選択肢3の解説の通り「正当防衛」となります。

なぜなら、他人の不法行為(路上でナイフを振り回して襲ってきた)に対し、「自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益(自己の身)」を防衛するため、やむを得ず加害行為をした(人の家の窓を割った)ので、「正当防衛」にあたります。

5.路上でナイフを持った暴漢に襲われた者が自己の身を守るために他人の家の窓を割って逃げ込んだ場合、窓を壊された被害者は、窓を割った者に対して損害賠償を請求できないが、当該暴漢に対しては損害賠償を請求できる。

5・・・妥当

正当防衛や緊急避難による被害者(損害を受けた者)は、不法行為をした者に対して損害賠償の請求をすることはできます(民法720条1項ただし書き、2項)。

したがって、「窓を壊された被害者」は、「暴漢」に対して損害賠償請求ができます。

一方、「窓を割った者(暴漢に襲われた者)」に対しては、損害賠償請求ができません。
これは、選択肢3の「民法720条1項本文」の内容でもあります。

よって、妥当です。

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令和4年(2022年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 地方自治法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 基礎知識
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 行政法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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