令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講

令和2年・2020|問3|基礎法学

次の文章の空欄[ ア ]~[ オ ]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

未決勾留は、刑事訴訟法の規定に基づき、逃亡又は罪証隠滅の防止を目的として、被疑者又は被告人の[ ア ]を監獄内に限定するものであって、右の勾留により拘禁された者は、その限度で[ イ ]的行動の自由を制限されるのみならず、前記逃亡又は罪証隠滅の防止の目的のために必要かつ[ ウ ]的な範囲において、それ以外の行為の自由をも制限されることを免れない・・・。また、監獄は、多数の被拘禁者を外部から[ エ ]して収容する施設であり、右施設内でこれらの者を集団として管理するにあたっては、内部における規律及び秩序を維持し、その正常な状態を保持する必要があるから、・・・この面からその者の[ イ ]的自由及びその他の行為の自由に一定の制限が加えられることは、やむをえないところというべきである・・・被拘禁者の新聞紙、図書等の閲読の自由を制限する場合・・・具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の[ オ ]性があると認められることが必要であり、かつ、・・・制限の程度は、右の障害発生の防止のために必要かつ[ ウ ]的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。

(最大判昭和58年6月22日民集第37巻5号793頁)

  1. ア:居住 イ:身体 ウ:合理 エ:隔離 オ:蓋然
  2. ア:活動 イ:身体 ウ:蓋然 エ:遮断 オ:合理
  3. ア:居住 イ:日常 ウ:合理 エ:遮断 オ:蓋然
  4. ア:活動 イ:日常 ウ:蓋然 エ:隔離 オ:合理
  5. ア:居住 イ:身体 ウ:合理 エ:遮断 オ:蓋然

>解答と解説はこちら


【答え】:1

【解説】
本問は、最大判昭58.6.22のよど号ハイジャック新聞記事抹消事件の判決文の一部です。

未決勾留は、刑事訴訟法の規定に基づき、逃亡又は罪証隠滅の防止を目的として、被疑者又は被告人の[ア:居住]を監獄内に限定するものであって、右の勾留により拘禁された者は、その限度で[イ:身体]的行動の自由を制限されるのみならず、前期逃亡又は罪証隠滅の防止の目的のために必要かつ[ウ:合理]的な範囲において、それ以外の行為の自由をも制限されることを免れない・・・。また、監獄は、多数の被拘禁者を外部から[エ:隔離]して収容する施設であり、右施設内でこれらの者を集団として管理するにあたっては、内部における規律及び秩序を維持し、その正常な状態を保持する必要があるから、・・・この面からその者の[イ:身体]的自由及びその他の行為の自由に一定の制限が加えられることは、やむをえないところというべきである・・・被拘禁者の新聞紙、図書等の閲読の自由を制限する場合・・・具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の[オ:蓋然]性があると認められることが必要であり、かつ、・・・制限の程度は、右の障害発生の防止のために必要かつ[ウ:合理]的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。(最大判昭和58年6月22日民集第37巻5号793頁)

ア.未決勾留は、刑事訴訟法の規定に基づき、逃亡又は罪証隠滅の防止を目的として、被疑者又は被告人の[ ア ]を監獄内に限定するものであって

ア・・・居住
知っていれば「居住」と入れることができるが、知らない場合。「居住」または「活動」が入りそうですが、それ以上は判断できないと思います。なので、その他イ~オで答えを導きます。

イ.勾留により拘禁された者は、その限度で[ イ ]的行動の自由を制限されるのみならず、

イ・・・身体
勾留により拘禁された者が、どのような制限を受けるのかを考えると、拘禁されているので、「身体的」な制限を受けます。
「日常」についても制限を受けますが、拘禁の性質から考えても「身体」の方がより適切です。

※「拘禁」とは、その者の身体を継続的に拘束することです。

ウ.勾留により拘禁された者は、その限度で[イ:身体]的行動の自由を制限されるのみならず、前記逃亡又は罪証隠滅の防止の目的のために必要かつ[ ウ ]的な範囲において、それ以外の行為の自由をも制限されることを免れない

ウ・・・合理
「必要かつ合理的」という単語の組み合わせは、判例でもよく見かけます。「必要かつ合理的」としても意味も問題なく通じるので「合理」が入ります。

エ.監獄は、多数の被拘禁者を外部から[ エ ]して収容する施設であり

エ・・・隔離

監獄とは、「懲役、禁錮または拘留」に処せられた者、刑事被告人や死刑囚などを収容する施設です。この施設に入ると、親族や友人などの外部の者とは、引き離されて、収容されてしまいます。
ここから考えて「隔離」が入ることが分かります。

「遮断」も入りそうですが、
「遮断」とは、交通・電流・光・音・熱など「人以外のもの」をさえぎり止めることを言い、一般的に人には使いません。

オ.被拘禁者の新聞紙、図書等の閲読の自由を制限する場合・・・具体的事情のもとにおいて、その閲読を許すことにより監獄内の規律及び秩序の維持上放置することのできない程度の障害が生ずる相当の[ オ ]性があると認められることが必要であり・・・

オ・・・蓋然

「蓋然性がある」とは、その事柄が実際に起こるか否か、真であるか否かの、確実性が高いことを言います。

判例において、「蓋然性がある」という言葉は、ある結果が起こる確実性が高い場合に使われるので覚えておくと良いでしょう。

具体例は個別指導で解説します!

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令和2年(2020年)過去問

問1 著作権の関係上省略 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 基礎法学 問33 民法:債権
問4 憲法 問34 民法:債権
問5 憲法 問35 民法:親族
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・社会
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・経済
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・社会
問25 情報公開法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:物権 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

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