「日本司法支援センター」(いわゆる「法テラス」のこと。以下、「支援センター」とする。)の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 支援センターは、利用者からの問合せに応じて、裁判等の法的紛争を解決するための法制度に関する情報、弁護士や隣接法律専門職者(以下、弁護士等という。)の業務および弁護士会や隣接法律専門職者の団体の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。
- 支援センターは、利用者から個別の依頼に応じて、法的紛争の解決方法について指導および助言を無料で行い、利用者の資力が十分でない場合には、弁護士等の中から適当な者を紹介して、その報酬および費用を支払う業務を行う。
- 支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所からの求めに応じて国選弁護人の候補を指名して通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせて、その報酬および費用を支払う業務を行う。
- 支援センターは、いわゆる司法過疎地において、利用者からの個別の依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務を行う。
- 支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与やその損害または苦痛の回復・軽減を図るための制度その他被害者やその親族等の援助を行う団体等の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。
【答え】:2
【解説】
1.支援センターは、利用者からの問合せに応じて、裁判等の法的紛争を解決するための法制度に関する情報、弁護士や隣接法律専門職者(以下、弁護士等という。)の業務および弁護士会や隣接法律専門職者の団体の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。
1・・・正しい
支援センターは、次に掲げる情報及び資料を収集して整理し、情報通信の技術を利用する方法その他の方法により、一般の利用に供し、又は個別の依頼に応じて提供する業務を行います(総合法律支援法30条1項1号)。
支援センターは、次に掲げる情報及び資料を収集して整理し、情報通信の技術を利用する方法その他の方法により、一般の利用に供し、又は個別の依頼に応じて提供する業務を行います(総合法律支援法30条1項1号)。
- 裁判その他の法による紛争の解決のための制度の有効な利用に資するもの
- 弁護士、弁護士法人及び隣接法律専門職者の業務並びに弁護士会、日本弁護士連合会及び隣接法律専門職者団体
分かりやすく言えば、「情報提供業務」で無料です。
よって、本肢は正しいです。
2.支援センターは、利用者から個別の依頼に応じて、法的紛争の解決方法について指導および助言を無料で行い、利用者の資力が十分でない場合には、弁護士等の中から適当な者を紹介して、その報酬および費用を支払う業務を行う。
2・・・誤り
支援センターは、民事裁判等手続等に必要な費用を支払う資力がない国民等又はその支払により生活に著しい支障を生ずる国民等に対して、無料法律相談を実施したり、弁護士などに支払う費用の立て替えの業務を行います(総合法律支援法30条1項2号)。立て替えなので、利用者は後で返済する義務があります。
支援センターは、民事裁判等手続等に必要な費用を支払う資力がない国民等又はその支払により生活に著しい支障を生ずる国民等に対して、無料法律相談を実施したり、弁護士などに支払う費用の立て替えの業務を行います(総合法律支援法30条1項2号)。立て替えなので、利用者は後で返済する義務があります。
3.支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所からの求めに応じて国選弁護人の候補を指名して通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせて、その報酬および費用を支払う業務を行う。
3・・・正しい
支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所からの求めに応じて国選弁護人の候補を指名して通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせて、その報酬および費用を支払う業務を行います(総合法律支援法30条1項6号)。国選弁護については、利用者は費用を返済する必要はありません。
支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所からの求めに応じて国選弁護人の候補を指名して通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせて、その報酬および費用を支払う業務を行います(総合法律支援法30条1項6号)。国選弁護については、利用者は費用を返済する必要はありません。
4.支援センターは、いわゆる司法過疎地において、利用者からの個別の依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務を行う。
4・・・正しい
支援センターは、弁護士、弁護士法人又は隣接法律専門職者がその地域にいないことその他の事情によりこれらの者に対して法律事務の取扱いを依頼することに困難がある地域(司法過疎地)において、その依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な契約弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務を行っています(総合法律支援法30条1項7号)。分かりやすくいうと、「弁護士の派遣業」で、有料サービスとなります。
支援センターは、弁護士、弁護士法人又は隣接法律専門職者がその地域にいないことその他の事情によりこれらの者に対して法律事務の取扱いを依頼することに困難がある地域(司法過疎地)において、その依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な契約弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務を行っています(総合法律支援法30条1項7号)。分かりやすくいうと、「弁護士の派遣業」で、有料サービスとなります。
5.支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与やその損害または苦痛の回復・軽減を図るための制度その他被害者やその親族等の援助を行う団体等の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。
5・・・正しい
支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与やその損害または苦痛の回復・軽減を図るための制度その他被害者やその親族等の援助を行う団体等の活動に関する情報を無料で提供する業務を行います(総合法律支援法30条1項8号)。分かりやすく言えば、「被害者支援業務」で、無料です。
支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与やその損害または苦痛の回復・軽減を図るための制度その他被害者やその親族等の援助を行う団体等の活動に関する情報を無料で提供する業務を行います(総合法律支援法30条1項8号)。分かりやすく言えば、「被害者支援業務」で、無料です。
平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説
| 問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
|---|---|---|---|
| 問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
| 問3 | 憲法 | 問33 | 民法・債権 |
| 問4 | 職業選択の自由 | 問34 | 民法:債権 |
| 問5 | 精神的自由 | 問35 | 民法:親族 |
| 問6 | 学問の自由 | 問36 | 商法 |
| 問7 | 国会 | 問37 | 会社法 |
| 問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
| 問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
| 問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
| 問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
| 問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
| 問13 | 行政法 | 問43 | 行政法 |
| 問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
| 問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
| 問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
| 問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
| 問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
| 問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
| 問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・社会 |
| 問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
| 問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
| 問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
| 問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
| 問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
| 問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
| 問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
| 問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
| 問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
| 問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |



