平成28年度(2016年度)過去問

平成28年・2016|問47|一般知識・政治

日本と核兵器の関係に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 1945年8月6日にアメリカが広島に、同年8月9日にソ連が長崎に、それぞれ原爆を投下した。
  2. 1954年にビキニ環礁でフランスが水爆実験をし、日本漁船が被ばくし、死者が出た。
  3. 1971年に、核兵器を「もたず、つくらず、もちこませず」を趣旨とする非核三原則が国会で決議された。
  4. 第2次安倍内閣は、これまでの非核三原則を閣議決定において転換し、オーストラリアに核兵器を輸出した。
  5. 2016年5月に現職としては初めて、アメリカのオバマ大統領が被爆地である広島および長崎を訪問した。

>解答と解説はこちら


【答え】:3

【解説】

1.1945年8月6日にアメリカが広島に、同年8月9日にソ連が長崎に、それぞれ原爆を投下した。
1・・・妥当ではない
1945年8月6日アメリカ広島に原爆を投下し
1945年8月9日アメリカ長崎に原爆を投下しました。したがって、後半部分「ソ連」が妥当ではありません。
2.1954年にビキニ環礁でフランスが水爆実験をし、日本漁船が被ばくし、死者が出た。
2・・・妥当ではない
ビキニ環礁は、日本の南東、オーストラリアの北東にあるマージャル諸島にあります。
そして、1954年に「アメリカ」が、ビキニ環礁で水爆実験を行いました。
この実験は「キャッスル作戦」と呼ばれ、実験の結果、日本の漁船「第五福竜丸等」の船舶が被曝し、広範な範囲が放射性物質で汚染されました。したがって「フランス」が誤りです。
3.1971年に、核兵器を「もたず、つくらず、もちこませず」を趣旨とする非核三原則が国会で決議された。
3・・・妥当
非核三原則とは、「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」という三つの原則を言います。
1967年12月「佐藤栄作首相」が国会答弁で述べたものです。
その後、1971年に、国会で非核三原則確認の決議が実現しました。
これが評価され、佐藤栄作は、1974年にノーベル平和賞を受賞した。
4.第2次安倍内閣は、これまでの非核三原則を閣議決定において転換し、オーストラリアに核兵器を輸出した。
4・・・妥当ではない
本肢は妥当ではありません。
安倍内閣を含めて、これまで、日本が、オーストラリアに核兵器を輸出したことはありません。
5.2016年5月に現職としては初めて、アメリカのオバマ大統領が被爆地である広島および長崎を訪問した。
5・・・妥当ではない
2016年5月に現職大統領としては初めてアメリカのオバマ大統領が「広島」に訪問しました。
長崎には訪問していません。

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成28年・2016|問46|民法・記述

民法の規定によれば、離婚の財産上の法的効果として、離婚した夫婦の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。判例は、離婚に伴う財産分与の目的ないし機能には3つの要素が含まれ得ると解している。この財産分与の3つの要素の内容について、40字程度で記述しなさい。

>解答と解説はこちら


【答え】:
  1. 婚姻中の共同財産の清算及び離婚後の一方の生計維持ならびに精神的損害の賠償を含む。(40字)
  2. 婚姻中の夫婦財産の清算、離婚後の生活に困窮する配偶者の扶養、離婚に伴う慰謝料を含む。(41字)

【解説】

問題文について

民法768条では「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる」と規定されています。

そして、判例は、「離婚に伴う財産分与の目的ないし機能」には3つの要素が含まれ得る、と解しています。

質問内容

この財産分与の目的・機能の3つの要素が何か?

という質問内容です。

なので、3つの目的・機能を記述すればよいです。

そして、判例では、下記3つを判示しています。

  1. 婚姻中の夫婦共有財産の清算
  2. 離婚後の生活の扶養
  3. 離婚による慰謝料

例えば、会社員と専業主婦の夫婦の離婚を考えると

  1. 夫婦が結婚してから離婚するまでの間に築き上げてきた財産を分配します。
  2. 離婚後、元妻が生活費を得ることができるようになるまで、生活費が必要なので、そのお金も必要です。
  3. さらに、離婚に伴う精神的苦痛も考慮する必要があるので、その慰謝料も支払われます。

これらの3つを文章の中に入れるわけです。

すると、下記文章となります。

  1. 婚姻中の共同財産の清算及び離婚後の一方の生計維持ならびに精神的損害の賠償を含む。(40字)
  2. 婚姻中の夫婦財産の清算、離婚後の生活に困窮する配偶者の扶養、離婚に伴う慰謝料を含む。(41字)

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成28年・2016|問45|民法・記述

改正民法により、問題不成立(解かなくても大丈夫です)
Aは、Bとの間でB所有の甲土地(以下「甲」という。)につき売買契約(以下「契約」という。)を締結し、その後、契約に基づいて、Bに対し売買代金を完済して、Bから甲の引き渡しを受け、その旨の登記がなされた。ただ、甲については、契約の締結に先だって、BがCから借り受けた金銭債務を担保するために、Cのために抵当権が設定され、その旨の登記がなされていた。この場合において、Aは、Bに対し、Cの抵当権に関し、どのようになったときに、どのような主張をすることができるかについて、民法の規定に照らし、40字程度で記述しなさい。
なお、本問においては、Aは、Cに対する第三者としての弁済、Cの請求に応じた代価弁済、または、Cに対する抵当権消滅請求は行わないものとする。

>解答と解説はこちら


【答え】:
  • 抵当権が実行されて、甲の所有権を失ったときに、契約の解除および損害賠償を主張できる。(42文字)
  • Aは、抵当権が実行されたときに、契約の解除と受けた損害の賠償請求を主張できる。(39字)

【解説】

問題文の状況

まず、問題文の状況を時系列にすると下記流れになります。

  1. 甲については、BがCから借り受けた金銭債務を担保するために、Cのために抵当権が設定され、その旨の登記がなされていた。
  2. Aは、Bとの間でB所有の甲土地(甲)につき売買契約を締結した=売主B、買主A
  3. その後、契約に基づいて、買主Aは売主Bに対し売買代金を完済して、売主Bから甲の引き渡しを受け、その旨の登記がなされた。

質問内容

上記状況において、質問内容は下記2点です。

Aは、Bに対し、Cの抵当権に関し、①どのようになったときに、②どのような主張をすることができるか?

ただし、条件として下記3つがあります。

  1. 買主Aは、Cに対する第三者としての弁済はしない
  2. 買主Aは、Cの請求に応じた代価弁済はしない
  3. 買主Aは、Cに対する抵当権消滅請求は行わない

上記状況で、「買主Aが何らかの主張ができる」となると
抵当権が実行されて(競売にかけられて)、Aが所有権を失うことしかありません。

そのため、その点に焦点を当てて考えていきます。

①どのようになったときに

上記の通り、「抵当権が実行されたとき」です。
ちなみに、民法の条文では「競売」という文言は使っていないので上記内容がキーワードとなります。

②どのような主張をすることができるか?

民法567条1項では、「売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができ、また、買主は、損害を受けたときは、その賠償を請求することができる」としています。

したがって、「契約解除」と「損害賠償請求」の2つのキーワードは入れた方がよいでしょう!

これをまとめると、下記のようになります。

  1. 抵当権が実行されて、甲の所有権を失ったときに、契約の解除および損害賠償を主張できる。(42文字)
  2. Aは、抵当権が実行されたときに、契約の解除と受けた損害の賠償請求を主張できる。(39字)

※改正民法により、答えは変わってきます。
修正はまだしておりませんので、ご留意ください。

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成28年・2016|問44|行政法・記述

A市は、A市路上喫煙禁止条例を制定し、同市の指定した路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙した者について、2万円以下の過料を科す旨を定めている。Xは、路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙し、同市が採用した路上喫煙指導員により発見された。この場合、Xに対する過料を科すための手続は、いかなる法律に定められており、また、同法によれば、この過料は、いかなる機関により科されるか。さらに、行政法学において、このような過料による制裁を何と呼んでいるか。40字程度で記述しなさい。

>解答と解説はこちら


【答え】:A市長により、地方自治法の定める手続きによって科され、これを秩序罰と呼ぶ。(37字)
この手続は地方自治法に定められており、この過料はA市長により科され、秩序罰という。(41字)
「A市長」については「(普通)地方公共団体の長」でもよいです。

【解説】

問題文の状況

まず、問題文の状況を確認すると下記3つに分けることができます。

  1. A市は、A市路上喫煙禁止条例を制定した
  2. 条例の内容は、同市の指定した路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙した者について、2万円以下の過料を科す旨である
  3. Xは、路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙し、同市が採用した路上喫煙指導員により発見された

質問内容

上記状況において、質問内容は下記3点です。

  1. Xに対する過料を科すための手続は、いかなる法律に定められているか?
  2. 同法によれば、この過料は、いかなる機関により科されるか?
  3. 行政法学において、このような過料による制裁を何と呼んでいるか?

Xに対する過料を科すための手続は、いかなる法律に定められているか?

普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に条例に違反した者に対し、2年以下の懲役若しくは禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができます(地方自治法14条3項)。
このルールにしたがって、A市は、2万円以下の過料を科する旨を定めている。
したがって、この過料を科すための手続きは「地方自治法」です。
なので、一つ目のキーワードとして「地方自治法」は解答に入れる必要があります。

地方自治法によれば、この過料は、いかなる機関により科されるか?

普通地方公共団体の長が過料の処分をしようとする場合においては、過料の処分を受ける者に対し、あらかじめその旨を告知するとともに、弁明の機会を与えなければなりません(地方自治法255条の3)。
したがって、条例違反や規則違反により、過料を科することができる機関は「普通地方自治体の長」である「A市長」です。
したがって、「(普通)地方公共団体の長」または「A市長」が2つ目のキーワードなので
どちらか一方は入れる必要があります。

細かい解説については、個別指導で解説します!

行政法学において、このような過料による制裁を何と呼んでいるか?

条例違反や規則違反による過料は「行政罰の一つである『秩序罰』」です。

よって、「秩序罰」が3つ目のキーワードです。

上記3つのキーワードをすべて入れて、文章にまとめると下記解答例になります。

  1. A市長により、地方自治法の定める手続きによって科され、これを秩序罰と呼ぶ。(37字)
  2. この手続は地方自治法に定められており、この過料はA市長により科され、秩序罰という。(41字)
  3. 地方公共団体の長により、地方自治法の定める手続きによって科され、これを秩序罰と呼ぶ。(42字)
  4. 地方自治法に定められており、この過料は普通地方公共団体の長により科され、秩序罰という。(43字)

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成28年・2016|問42|行政法・川崎民商事件

次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

[ ア ]について[ イ ]の規定を設けない立法の合憲性が問われた事件において、最高裁は、次のように述べてこれを合憲と判断した。すなわち、憲法31条による保障は、「直接には[ ウ ]に関するものであるが、[ エ ]については、それが[ ウ ]ではないとの理由のみで、そのすべてが当然に同条による保障の枠外にあると判断することは相当ではない」。「しかしながら、同条による保障が及ぶと解すべき場合であっても、一般に、[ エ ]は、[ ウ ]とその性質においておのずから差異があり、また、行政目的に応じて多種多様であるから、[ ア ]の相手方に・・・告知、弁解、防御の機会を与えるかどうかは、[ ア ]により制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、[ ア ]により達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量して決定されるべきものであって、常に必ずそのような機会を与えることを必要とするものではないと解するのが相当である」。また、この判決に付された意見も、「[ エ ]がそれぞれの行政目的に応じて多種多様である実情に照らせば、・・・[ ア ]全般につき・・・告知・聴聞を含む[ イ ]を欠くことが直ちに違憲・無効の結論を招来する、と解するのは相当でない」と述べて、法廷意見の結論を是認した(最大判平成4年7月1日民集46巻5号437頁)。とはいえ、この判決では、[ エ ]の重要な一部をなす[ イ ]が憲法31条に照らしてどのようなものであるべきかは、示されなかった。

1.立法手続 2.行政立法 3.行政訴訟 4.刑事手続 5.行政裁量 6.行政手続 7.司法権 8.営業の自由 9.財産権 10.基本的人権 11.司法手続 12.事前手続 13.適正手続 14.立法権 15.行政権 16.権利救済 17.破壊活動 18.人身の自由 19.行政処分 20.犯罪行為

>解答と解説はこちら


【答え】:ア:19(行政処分)、イ:12(事前手続)、ウ:4(刑事手続)、エ:6(行政手続)

【解説】

ア:行政処分 ]について[ イ:事前手続 ]の規定を設けない立法の合憲性が問われた事件において、最高裁は、次のように述べてこれを合憲と判断した。すなわち、憲法31条による保障は、「直接には[ ウ:刑事手続 ]に関するものであるが、[ エ:行政手続 ]については、それが[ ウ:刑事手続 ]ではないとの理由のみで、そのすべてが当然に同条による保障の枠外にあると判断することは相当ではない」。「しかしながら、同条による保障が及ぶと解すべき場合であっても、一般に、[ エ:行政手続 ]は、[ ウ:刑事手続 ]とその性質においておのずから差異があり、また、行政目的に応じて多種多様であるから、[ ア:行政処分 ]の相手方に・・・告知、弁解、防御の機会を与えるかどうかは、[ ア:行政処分 ]により制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、[ ア:行政処分 ]により達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量して決定されるべきものであって、常に必ずそのような機会を与えることを必要とするものではないと解するのが相当である」。また、この判決に付された意見も、「[ エ:行政手続 ]がそれぞれの行政目的に応じて多種多様である実情に照らせば、・・・[ ア:行政処分 ]全般につき・・・告知・聴聞を含む[ イ:事前手続 ]を欠くことが直ちに違憲・無効の結論を招来する、と解するのは相当でない」と述べて、法廷意見の結論を是認した(最大判平成4年7月1日民集46巻5号437頁)。とはいえ、この判決では、[ エ:行政手続 ]の重要な一部をなす[ イ:事前手続 ]が憲法31条に照らしてどのようなものであるべきかは、示されなかった。

「行政目的に応じて多種多様であるから、[ ア ]の相手方に・・・告知、弁解、防御の機会を与えるかどうかは、[ ア ]により制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、[ ア ]により達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量して決定されるべきものであって、常に必ずそのような機会を与えることを必要とするものではないと解するのが相当である」

ア・・・行政処分

  1. [ア]の相手方に告知、弁解、防御の機会を与える
  2. [ア]により制限を受ける権利利益の内容
  3. [ア]により達成しようとする公益の内容

という3の内容から、「アには行政処分」が入ります。


「告知・聴聞を含む[ イ ]を欠くことが直ちに違憲・無効の結論を招来する、と解するのは相当でない」
イ・・・事前手続
行政手続法の内容ですが、
「聴聞」は、「行政処分」を行う「前」に行う手続きです。
よって、「イには事前手続」が入ります。
ウ、エ
[ ア:行政処分 ]について[ イ:事前手続 ]の規定を設けない立法の合憲性が問われた事件において、最高裁は、次のように述べてこれを合憲と判断した。すなわち、憲法31条による保障は、「直接には[ ウ ]に関するものであるが、[ エ ]については、それが[ ウ ]ではないとの理由のみで、そのすべてが当然に同条による保障の枠外にあると判断することは相当ではない。
ウ・・・刑事手続
エ・・・行政手続
憲法31条では、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」と規定されています。
これは、この規定は、直接には「刑事手続」に関するものです。
しかし、刑事手続ではないからいう理由だけで、憲法31条の保障の枠外にあると判断することは相当ではありません。
よって、「ウには刑事手続」「エには行政手続」が入ります。

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成28年・2016|問41|憲法・検閲

次の文章は、最高裁判所判決の一節である。空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

憲法二一条二項前段は、「検閲は、これをしてはならない。」と規定する。憲法が、表現の自由につき、広くこれを保障する旨の一般的規定を同条一項に置きながら、別に検閲の禁止についてかような特別の規定を設けたのは、検閲がその性質上表現の自由に対する最も厳しい制約となるものであることにかんがみ、これについては、公共の福祉を理由とする例外の許容(憲法一二条、一三条参照)をも認めない趣旨を明らかにしたものと解すべきである。けだし、諸外国においても、表現を事前に規制する検閲の制度により思想表現の自由が著しく制限されたという歴史的経験があり、また、わが国においても、旧憲法下における出版法(明治二六年法律第一五号)、新聞紙法(明治四二年法律第四一号)により、文書、図画ないし新聞、雑誌等を出版直前ないし発行時に提出させた上、その発売、頒布を禁止する権限が内務大臣に与えられ、その運用を通じて[ ア ]な検閲が行われたほか、映画法(昭和一四年法律第六六号)により映画フイルムにつき内務大臣による典型的な検閲が行われる等、思想の自由な発表、交流が妨げられるに至った経験を有するのであって、憲法二一条二項前段の規定は、これらの経験に基づいて、検閲の[ イ ]を宣言した趣旨と解されるのである。
そして、前記のような沿革に基づき、右の解釈を前提として考究すると、憲法二一条二項にいう「検閲」とは、[ ウ ]が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき[ エ ]に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指すと解すべきである。

(最大判昭和59年12月12日民集38巻12号1308頁)

1.行政権 2.絶対的禁止 3.例外的 4.否定的体験 5.外形的 6.原則的禁止 7.形式的 8.制限的適用 9.抜き打ち的 10.積極的廃止 11.実質的 12.個別的具体的 13.警察権 14.法律的留保的 15.国家 16.網羅的一般的 17.司法権 18裁量的 19.公権力 20.排他的

>解答と解説はこちら


【答え】:ア:11(実質的)、イ:2(絶対的禁止)、ウ:1(行政権)、 エ:16(網羅的一般的)

【解説】

憲法二一条二項前段は、「検閲は、これをしてはならない。」と規定する。憲法が、表現の自由につき、広くこれを保障する旨の一般的規定を同条一項に置きながら、別に検閲の禁止についてかような特別の規定を設けたのは、検閲がその性質上表現の自由に対する最も厳しい制約となるものであることにかんがみ、これについては、公共の福祉を理由とする例外の許容(憲法一二条、一三条参照)をも認めない趣旨を明らかにしたものと解すべきである。けだし、諸外国においても、表現を事前に規制する検閲の制度により思想表現の自由が著しく制限されたという歴史的経験があり、また、わが国においても、旧憲法下における出版法(明治二六年法律第一五号)、新聞紙法(明治四二年法律第四一号)により、文書、図画ないし新聞、雑誌等を出版直前ないし発行時に提出させた上、その発売、頒布を禁止する権限が内務大臣に与えられ、その運用を通じて[ ア:実質的 ]な検閲が行われたほか、映画法(昭和一四年法律第六六号)により映画フイルムにつき内務大臣による典型的な検閲が行われる等、思想の自由な発表、交流が妨げられるに至った経験を有するのであって、憲法二一条二項前段の規定は、これらの経験に基づいて、検閲の[ イ:絶対的禁止 ]を宣言した趣旨と解されるのである。
そして、前記のような沿革に基づき、右の解釈を前提として考究すると、憲法二一条二項にいう「検閲」とは、[ ウ:行政権 ]が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき[ エ:網羅的一般的 ]に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指すと解すべきである。

(最大判昭和59年12月12日民集38巻12号1308頁)


「文書、図画ないし新聞、雑誌等を出版直前ないし発行時に提出させた上、その発売、頒布を禁止する権限が内務大臣に与えられ、その運用を通じて[ ア ]な検閲が行われたほか~映画フイルムにつき内務大臣による典型的な検閲が行われる等、思想の自由な発表、交流が妨げられるに至った経験を有する」
ア・・・実質的
上記記述から、「実質的」な検閲が行われていたことが分かります。
したがって、「アには実質的」が入ります。

「憲法二一条二項前段の規定は、これらの経験に基づいて、検閲の[ イ ]を宣言した趣旨と解されるのである。」
イ・・・絶対的禁止
憲法21条2項の前段には「検閲は、これをしてはならない。」と規定されています。
これは、検閲の絶対的禁止を示す内容です。
したがって、「イには絶対的禁止」が入ります。
ウ、エ
「検閲」とは、[ ウ ]が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき[ エ ]に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指すと解すべきである。
ウ・・・行政権
エ・・・網羅的一般的
検閲とは、下記6つの要件を満たすものを言います。
  1. 行政権が主体となって、
  2. 思想内容等の表現物を対象とし、
  3. 表現物の一部または全部の発表を禁止する目的で、
  4. 対象とされる表現物を網羅的一般的に、
  5. 発表前に審査した上、
  6. 不適当と認めるものの発表を禁止すること

したがって、「ウには行政権」が入り、「エには網羅的一般的」が入ります。

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成28年・2016|問40|会社法・持分会社

合名会社および合資会社(以下、本問において併せて「会社」という。)に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものの組合せはどれか。なお、定款には別段の定めがないものとする。

ア 会社は、定款に資本金の額を記載し、これを登記する。

イ 会社がその財産をもってその債務を完済することができない場合、社員は、それぞれの責任の範囲で連帯して会社の債務を弁済する責任を負う。

ウ 会社の持分は、社員たる地位を細分化したものであり、均一化された割合的単位で示される。

エ 会社の社員は、会社に対し、既に出資として払込みまたは給付した金銭等の払戻しを請求することができる。

オ 会社の社員は、会社の業務を執行し、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。

  1. ア・ウ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:1

【解説】

ア 会社は、定款に資本金の額を記載し、これを登記する。
ア・・・誤り
合名会社及び合資会社では、資本金の額登記事項ではありません会社法912条会社法913条)。
イ 会社がその財産をもってその債務を完済することができない場合、社員は、それぞれの責任の範囲で連帯して会社の債務を弁済する責任を負う。
イ・・・正しい
持分会社の社員(無限責任社員)は、当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負います(会社法580条1項1号)。
ただし、有限責任社員については、その出資の価額を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負うだけです(会社法580条2項)。
よって、本問は正しいです。
この問題は「合資会社」も含まれているので「誤り」のように見えますが、正しい問題となります。

その理由については個別指導で解説します。

ウ 会社の持分は、社員たる地位を細分化したものであり、均一化された割合的単位で示される。
ウ・・・誤り
会社の持分は、株式のように細かく分けること(細分化)はできません。一方、
株式会社が発行する株式は、細分化された割合的単位として示されます。
そして、株式会社は、細分化された割合的単位としての株式を発行することによって、多くの出資者から資本を調達することができます。
エ 会社の社員は、会社に対し、既に出資として払込みまたは給付した金銭等の払戻しを請求することができる。
エ・・・正しい
合名会社及び合資会社の社員は、持分会社に対し、既に出資として払込又は給付をした金銭等の払戻し(出資の払戻し)を請求することができます(会社法624条1項)。
合名会社及び合資会社には無限責任社員がいます。
そのため、金銭の払い戻しにより、会社内のお金が少なくなっても、会社の債権者は、社員(個人)に対して請求できるので、不利益を被らないです。
オ 会社の社員は、会社の業務を執行し、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。
オ・・・正しい
持分会社の社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行します(会社法590条1項)。そして、業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務(善管注意義務)を負います(会社法593条1項)。
よって、本肢は正しいです。

当然と言ったら、当然の内容ですね!

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成28年・2016|問39|会社法・委員会設置会社

監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

  1. 監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも監査役を設置することができない。
  2. 監査等委員会設置会社は、定款で定めた場合には、指名委員会または報酬委員会のいずれかまたは双方を設置しないことができる。
  3. 監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも取締役会設置会社である。
  4. 監査等委員会設置会社を代表する機関は代表取締役であるが、指名委員会等設置会社を代表する機関は代表執行役である。
  5. 監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも会計監査人を設置しなければならない。

>解答と解説はこちら


【答え】:2

【解説】

1.監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも監査役を設置することができない。
1・・・正しい
監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社には、監査役を置くことはできません(会社法327条4項)
監査等委員会設置会社には「監査等委員会」が設置され
指名委員会等設置会社には「監査委員会」が設置されます。
この2つが監査役の役割を果たします。

なぜ、上記2つの会社について、監査役が設置することができないかは、個別指導で解説します!

2.監査等委員会設置会社は、定款で定めた場合には、指名委員会または報酬委員会のいずれかまたは双方を設置しないことができる。
2・・・誤り
監査等委員会設置会社には、そもそも「指名委員会」と「報酬委員会」はありません
そのため、定款で上記2つを設置しないということを定めることもできません。
よって、誤りです。
3.監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも取締役会設置会社である。
3・・・正しい
監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、取締役会を置かなければなりません(会社法327条1項3号第4号)。
したがって、本肢は正しいです。
理由は、個別指導で解説します!
4.監査等委員会設置会社を代表する機関は代表取締役であるが、指名委員会等設置会社を代表する機関は代表執行役である。
4・・・正しい
監査等委員会設置会社では、代表取締役が、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します(会社法349条4項)。
指名委員会等設置会社では、代表執行役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します(会社法420条3項、会社法349条4項)。したがって、本肢は正しいです。
5.監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも会計監査人を設置しなければならない。
5・・・正しい
監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければなりません会社法327条5項)
よって、本肢は正しいです。
監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社については理解をすれば、解ける問題が非常に多いです。
個別指導では理解の核となる部分を解説します!

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成28年・2016|問38|会社法・種類株式

会社法上の公開会社(指名委員会等設置会社を除く。)が発行する株式に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものの組合せはどれか。

ア 会社は、その発行する全部の株式の内容として、株主総会の決議によってその全部を会社が取得する旨の定款の定めがある株式を発行することができる。

イ 会社は、その発行する全部の株式の内容として、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある旨の定款の定めがある株式を発行することができる。

ウ 会社は、譲渡による当該種類の株式の取得について、会社の承認を要する旨の定款の定めがある種類株式を発行することができる。

エ 会社は、株主が当該会社に対して当該株主の有する種類株式を取得することを請求することができる旨の定款の定めがある種類株式を発行することができる。

オ 会社は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において、取締役または監査役を選任する旨の定款の定めがある種類株式を発行することができる。

  1. ア・イ
  2. ア・エ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:4

【解説】

ア 会社は、その発行する全部の株式の内容として、株主総会の決議によってその全部を会社が取得する旨の定款の定めがある株式を発行することができる。
ア・・・誤り
本肢の「株主総会の決議によってその全部を会社が取得する旨の定款の定めがある株式」とは、「全部取得条項付の株式」です。
すべての株式について、上記株式にすることはできません。よって、本肢は「その発行する全部の株式の内容として」というのが誤りです。2つ以上の種類の株式の1つとして「全部取得条項付種類株式」とすることは可能です(会社法108条7号:種類株式)。

全部の株式について発行できるものは下記3つです。

  1. 譲渡制限株式
  2. 取得請求権付株式
  3. 取得条項付株式
イ 会社は、その発行する全部の株式の内容として、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある旨の定款の定めがある株式を発行することができる。
イ・・・誤り
本肢の「議決権を行使することができる事項について制限がある旨の定款の定めがある株式」とは、「議決権の制限に関する株式」です。
すべての株式について、上記株式にすることはできません。よって、本肢は「その発行する全部の株式の内容として」というのが誤りです。2つ以上の種類の株式の1つとして「議決権の制限に関する種類株式」とすることは可能です(会社法108条3号:種類株式)。

具体例について個別指導で解説します!

ウ 会社は、譲渡による当該種類の株式の取得について、会社の承認を要する旨の定款の定めがある種類株式を発行することができる。
ウ・・・正しい
本肢の「譲渡による当該種類の株式の取得について、会社の承認を要する旨の定款の定めがある種類株式」とは、「譲渡制限付の種類株式」です。

譲渡制限付の種類株式」については、公開会社であっても発行することはできるので、正しいです。

具体例について個別指導で解説します!

エ 会社は、株主が当該会社に対して当該株主の有する種類株式を取得することを請求することができる旨の定款の定めがある種類株式を発行することができる。
エ・・・正しい
本問の「株主が当該会社に対して当該株主の有する種類株式を取得することを請求することができる旨の定款の定めがある種類株式」とは、「取得請求権付の種類株式」です。

公開会社は「取得請求権付種類株式」を発行することはできるので、正しいです。

オ 会社は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において、取締役または監査役を選任する旨の定款の定めがある種類株式を発行することができる。
オ・・・誤り
本肢の「種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において、取締役または監査役を選任する旨の定款の定めがある種類株式」とは、「取締役・監査役の選解任権付種類株式」です。

そして、「取締役・監査役の選解任権付種類株式」は、「指名委員会等設置会社及び公開会社」では発行することはできません(会社法108条1項ただし書き)。
よって、本肢は「公開会社」に関する問題なので、誤りです。

▼公開会社で発行できない理由については、個別指導で解説します。

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成28年・2016|問37|会社法・株式会社の設立

株式会社の設立における出資の履行等に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 株式会社の定款には、株式会社の設立に際して出資される財産の額またはその最低額を記載または記録しなければならない。

イ 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、またはその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならないが、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他の権利の設定または移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることができる。

ウ 発起人は、その引き受けた設立時発行株式について金銭の払込みを仮装した場合には、仮装した出資に係る金銭の全額を会社に対して支払う義務を負い、この義務は、総株主の同意がなければ免除することができない。

エ 発起設立または募集設立のいずれの場合においても、発起人は、払込みの取扱いをした銀行等に対して、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができ、この証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること、または当該金銭の返還に関して制限があることをもって、成立後の株式会社に対抗することはできない。

オ 設立時発行株式の株主となる者が払込みをした金銭の額および給付した財産の額は、その全額を資本金として計上しなければならないが、設立時発行株式の株主となる者の全員の同意があるときに限り、その額の2分の1を超えない額を剰余金として計上することができる。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:5

【解説】

ア 株式会社の定款には、株式会社の設立に際して出資される財産の額またはその最低額を記載または記録しなければならない。
ア・・・正しい
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければなりません(会社法27条:絶対的記載事項)。
  1. 目的
  2. 商号
  3. 本店の所在地
  4. 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  5. 発起人の氏名又は名称及び住所

したがって、「設立に際して出資される財産の額またはその最低額」は、必ず、定款に記載または記録しなければなりません。

イ 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、またはその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならないが、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他の権利の設定または移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることができる。
イ・・・正しい
発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産(現物出資財産)の全部を給付しなければなりません。
ただし、例外として、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることができます(会社法34条1項)。
よって、本肢は正しいです。関連ポイントを含めた詳細解説は、個別指導で行います!

関連ポイントも併せて勉強して、頭を整理していきましょう!

ウ 発起人は、その引き受けた設立時発行株式について金銭の払込みを仮装した場合には、仮装した出資に係る金銭の全額を会社に対して支払う義務を負い、この義務は、総株主の同意がなければ免除することができない。
ウ・・・正しい
発起人は、下記の場合には、株式会社に対し、当該下記に定める行為をする義務を負います(会社法52条の2)。
  1. 出資金の払込みを仮装した場合:払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払の義務を負う
  2. 現物出資の給付を仮装した場合:給付を仮装した現物出資財産の全部の給付の義務を負う

また、総株主の同意があれば、支払い義務は免除されるので本肢は1にあたり、正しいです。

エ 発起設立または募集設立のいずれの場合においても、発起人は、払込みの取扱いをした銀行等に対して、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができ、この証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること、または当該金銭の返還に関して制限があることをもって、成立後の株式会社に対抗することはできない。
エ・・・誤り
募集設立の場合には、発起人は、出資金の払込みの取扱いをした銀行等に対し、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができます(会社法64条)。
これは、募集設立のみのルールで、発起設立では適用されません。
したがって「発起設立または募集設立のいずれの場合においても」が誤りです。
「募集設立の場合において」であれば正しいです。
オ 設立時発行株式の株主となる者が払込みをした金銭の額および給付した財産の額は、その全額を資本金として計上しなければならないが、設立時発行株式の株主となる者の全員の同意があるときに限り、その額の2分の1を超えない額を剰余金として計上することができる。
オ・・・誤り
株式会社の資本金の額は、原則、「設立又は株式の発行に際して株主となる者」が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額となります(会社法445条1項)。
ただし、上記払込み又は給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができ、資本金に計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければなりません(会社法445条2項3項)。「剰余金」が誤りで、正しくは「資本準備金」です。

上記内容がどういうことを言っているのかは
個別指導で解説します!

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略