情報通信に関する諸法律についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」は、近年改正され、あらかじめ同意した者に対してのみ広告宣伝メールの送信を認める方式(いわゆる「オプトイン」方式)を導入した。
- プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)は、インターネット上の情報流通によって権利侵害を受けたとする者が、プロバイダ等に対し、発信者情報の開示を請求できる権利を定めている。
- e-文書通則法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)は、民間事業者等が書面に代えて電磁的記録による保存、作成、縦覧、交付を行うことができるようにするための規定を置いている。
- 「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」は、不正アクセス行為およびコンピュータウイルスの作成行為等を禁止し、それらに対する罰則を定めている。
- 電子消費者契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)は、インターネットを用いた契約などにおける消費者の操作ミスによる錯誤について、消費者保護の観点から民法の原則を修正する規定を置いている。
【答え】:4
【解説】
1.「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」は、近年改正され、あらかじめ同意した者に対してのみ広告宣伝メールの送信を認める方式(いわゆる「オプトイン」方式)を導入した。
1・・・正しい
「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」は、平成20年に改正され、原則としてあらかじめ同意した者にしか広告宣伝メールの送信ができない方式(いわゆる「オプトイン」方式)を導入しています(特定電子メール法3条1項1号)。よって、本肢は正しいです。
「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」は、平成20年に改正され、原則としてあらかじめ同意した者にしか広告宣伝メールの送信ができない方式(いわゆる「オプトイン」方式)を導入しています(特定電子メール法3条1項1号)。よって、本肢は正しいです。
2.プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)は、インターネット上の情報流通によって権利侵害を受けたとする者が、プロバイダ等に対し、発信者情報の開示を請求できる権利を定めている。
2・・・正しい
特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれにも該当するときに限り、プロバイダに対し、当該プロバイダが保有する当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名、住所等)の開示を請求することができます(プロバイダ責任制限法4条)。
特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれにも該当するときに限り、プロバイダに対し、当該プロバイダが保有する当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名、住所等)の開示を請求することができます(プロバイダ責任制限法4条)。
- 侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。
- 当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。
よって、本肢は正しいです。
3.e-文書通則法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)は、民間事業者等が書面に代えて電磁的記録による保存、作成、縦覧、交付を行うことができるようにするための規定を置いている。
3・・・正しい
e-文書通則法では、民間事業者等が書面に代えて電磁的記録による保存(e-文書通則法3条)、作成(同法4条)、縦覧(同法5条)、交付(同法6条)を行うことができる旨の規定があります。よって、本肢は正しいです。
e-文書通則法では、民間事業者等が書面に代えて電磁的記録による保存(e-文書通則法3条)、作成(同法4条)、縦覧(同法5条)、交付(同法6条)を行うことができる旨の規定があります。よって、本肢は正しいです。
4.「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」は、不正アクセス行為およびコンピュータウイルスの作成行為等を禁止し、それらに対する罰則を定めている。
4・・・誤り
「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」には、コンピュータウイルスの作成行為等の禁止する規定はありません。また、コンピュータウイルスの作成行為・保管等については、「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律」が施行され、罰金の対象となっています。
「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」には、コンピュータウイルスの作成行為等の禁止する規定はありません。また、コンピュータウイルスの作成行為・保管等については、「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律」が施行され、罰金の対象となっています。
5.電子消費者契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)は、インターネットを用いた契約などにおける消費者の操作ミスによる錯誤について、消費者保護の観点から民法の原則を修正する規定を置いている。
5・・・正しい
電子消費者契約法3条において、インターネットを用いた契約等で、消費者の操作ミスによる錯誤について、消費者保護の観点から民法の原則を修正する規定を置いています。例えば、「無料に見えて、実は有料だった」といった場合に無効とすることができます。
電子消費者契約法3条において、インターネットを用いた契約等で、消費者の操作ミスによる錯誤について、消費者保護の観点から民法の原則を修正する規定を置いています。例えば、「無料に見えて、実は有料だった」といった場合に無効とすることができます。
平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
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問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 憲法 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 職業選択の自由 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 精神的自由 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 学問の自由 | 問36 | 商法 |
問7 | 国会 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・社会 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |