日本の戦後復興期の経済に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 石炭・石油・鉄鋼・造船に対する傾斜生産方式が導入され、これにより生産の回復が図られた。
- ドッジラインにより、景気回復に向けて国債発行を通じた積極的な公共事業が各地で実施されるとともに、賃金・物価統制を通じて、インフレの収束が図られた。
- 輸出拡大を目指して、日本銀行による円安方向への為替介入が行われ、為替レートは1ドル=360円の水準維持が図られた。
- シャウプ勧告を受けて、企業の資本蓄積を促進するために、法人税率の引下げが行われた。
- 朝鮮戦争により、衣料調達や武器補修などの特需が起こったことから、繊維産業や金属工業を中心に生産水準が回復した。
【解説】
1.石炭・石油・鉄鋼・造船に対する傾斜生産方式が導入され、これにより生産の回復が図られた。
1・・・妥当ではない
本肢は「石油」「造船」が誤りです。
傾斜生産方式とは、第二次世界大戦後、日本がGHQ(アメリカ)によって行政が支配されていた時に、日本の経済復興のために実行された経済政策です。
内容としては、
当時の基幹産業である「鉄鋼、石炭」に資材・資金を超重点的に投入し、産業全体の拡大を図るというものです。
工業復興のための基礎的素材である石炭と鉄鋼の増産に向かって、全ての経済政策を集中的に「傾斜」するという意味から名付けられました。
その結果、生産の回復が図られました。
本肢は「石油」「造船」が誤りです。
傾斜生産方式とは、第二次世界大戦後、日本がGHQ(アメリカ)によって行政が支配されていた時に、日本の経済復興のために実行された経済政策です。
内容としては、
当時の基幹産業である「鉄鋼、石炭」に資材・資金を超重点的に投入し、産業全体の拡大を図るというものです。
工業復興のための基礎的素材である石炭と鉄鋼の増産に向かって、全ての経済政策を集中的に「傾斜」するという意味から名付けられました。
その結果、生産の回復が図られました。
2.ドッジラインにより、景気回復に向けて国債発行を通じた積極的な公共事業が各地で実施されるとともに、賃金・物価統制を通じて、インフレの収束が図られた。
2・・・妥当ではない
ドッジ・ライン(ドッジ・プラン)は、日本がGHQ(アメリカ)によって行政が支配されていた時に、日本経済の自立と安定とのために実施された「財政金融引き締め」の政策です。
「インフレを抑制すること」と「国内消費を抑制すること」を目的として、GHQ経済顧問として訪日したジョゼフ・ドッジが、立案、勧告したものです。
具体的な内容の一つが、
「日銀借入金返済などの債務償還の優先」
「1ドル=360円の単一為替レートの設定」です。
これにより、市場に出回るお金を少なくして、インフレを抑制しました。
本肢は「景気回復に向けて国債発行を通じた積極的な公共事業が各地で実施される」が妥当ではありません。
積極的な公共投資を行うと、インフレを助長させます。
ドッジ・ライン(ドッジ・プラン)は、日本がGHQ(アメリカ)によって行政が支配されていた時に、日本経済の自立と安定とのために実施された「財政金融引き締め」の政策です。
「インフレを抑制すること」と「国内消費を抑制すること」を目的として、GHQ経済顧問として訪日したジョゼフ・ドッジが、立案、勧告したものです。
具体的な内容の一つが、
「日銀借入金返済などの債務償還の優先」
「1ドル=360円の単一為替レートの設定」です。
これにより、市場に出回るお金を少なくして、インフレを抑制しました。
本肢は「景気回復に向けて国債発行を通じた積極的な公共事業が各地で実施される」が妥当ではありません。
積極的な公共投資を行うと、インフレを助長させます。
3.輸出拡大を目指して、日本銀行による円安方向への為替介入が行われ、為替レートは1ドル=360円の水準維持が図られた。
3・・・妥当ではない
為替レートは1ドル=360円の水準維持が図られたのは、選択肢2にもある通り、「ドッジ・ライン」によるものです。
日銀によって行ったものではありません。
むしろ、アメリカのGHQ主導で行ったものです。
為替レートは1ドル=360円の水準維持が図られたのは、選択肢2にもある通り、「ドッジ・ライン」によるものです。
日銀によって行ったものではありません。
むしろ、アメリカのGHQ主導で行ったものです。
4.シャウプ勧告を受けて、企業の資本蓄積を促進するために、法人税率の引下げが行われた。
4・・・妥当ではない
シャウプ勧告は、GHQの要請によって1949年(昭和24年)に結成された、カール・シャウプを団長とする日本税制使節団(シャウプ使節団)による日本の租税に関する報告書です。
簡単に言えば、GHQ主導で、日本の税制を変えなさい!と勧告したということです。
これまで、日本の税制は「複雑」で「不公平」でした。
これを直すようにジャウプは勧告して、法人税率を一律35%にした。
この目的は「企業の資本蓄積を促進するため」ではありません。
上記にも記載した通り
「不公平だった税制を公平にするため」です。
シャウプ勧告は、GHQの要請によって1949年(昭和24年)に結成された、カール・シャウプを団長とする日本税制使節団(シャウプ使節団)による日本の租税に関する報告書です。
簡単に言えば、GHQ主導で、日本の税制を変えなさい!と勧告したということです。
これまで、日本の税制は「複雑」で「不公平」でした。
これを直すようにジャウプは勧告して、法人税率を一律35%にした。
この目的は「企業の資本蓄積を促進するため」ではありません。
上記にも記載した通り
「不公平だった税制を公平にするため」です。
5.朝鮮戦争により、衣料調達や武器補修などの特需が起こったことから、繊維産業や金属工業を中心に生産水準が回復した。
5・・・妥当
朝鮮戦争とは、1950年に朝鮮半島で起きた、韓国(+アメリカ・イギリス)と北朝鮮(+ソ連・中国)を当事国とする戦争です。
朝鮮戦争に伴い、在韓米軍・在日米軍から日本に対して「衣料調達や武器補修」が発注され、日本の経済は好景気になり、経済が再建されました(朝鮮特需という)。
朝鮮戦争とは、1950年に朝鮮半島で起きた、韓国(+アメリカ・イギリス)と北朝鮮(+ソ連・中国)を当事国とする戦争です。
朝鮮戦争に伴い、在韓米軍・在日米軍から日本に対して「衣料調達や武器補修」が発注され、日本の経済は好景気になり、経済が再建されました(朝鮮特需という)。
平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:物権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 国民審査 | 問33 | 民法:債権 |
問4 | プライバシー権 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 国会 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 信教の自由 | 問36 | 商法 |
問7 | 法の下の平等 | 問37 | 会社法 |
問8 | 取消しと撤回 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政裁量 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政事件訴訟法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 基礎知識・政治 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 国家賠償法 | 問51 | 基礎知識・経済 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・情報通信 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政事件訴訟法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・公文書管理法 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |