令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講

平成28年・2016|問11|行政手続法

処分または行政指導であって、その根拠となる規定が法律に置かれているものに関する次の記述のうち、当該事項を求め得ることが行政手続法に規定されていないものはどれか。

  1. 不利益処分の名あて人となるべき者は、聴聞の通知を受けた場合、聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。
  2. 不利益処分の名あて人となるべき者は、弁明の機会の付与の通知を受けた場合、口頭による意見陳述のために、弁明の機会の付与に代えて聴聞を実施することを求めることができる。
  3. 法令に違反する行為の是正を求める行政指導の相手方は、当該行政指導が法定の要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、当該行政指導の中止を求めることができる。
  4. 何人も、法令に違反する事実がある場合において、法令違反の是正のためにされるべき処分がされていないと思料するときは、権限を有する行政庁に対し、当該処分をすることを求めることができる。
  5. 何人も、法令に違反する事実がある場合において、法令違反の是正のためにされるべき行政指導がされていないと思料するときは、権限を有する行政機関に対し、当該行政指導をすることを求めることができる。

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【答え】:2

【解説】

1.不利益処分の名あて人となるべき者は、聴聞の通知を受けた場合、聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。
1・・・行政手続法に規定されている
当事者(不利益処分の名あて人となるべき者)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事実についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができます(行政手続法18条)。
したがって、本肢は行政手続法18条1項に規定されています。

関連ポイントについては個別指導で解説します!

無駄な勉強をしないためにも、関連ポイントは一緒に勉強していきましょう!

2.不利益処分の名あて人となるべき者は、弁明の機会の付与の通知を受けた場合、口頭による意見陳述のために、弁明の機会の付与に代えて聴聞を実施することを求めることができる。
2・・・行政手続法に規定されていない
本肢のような「弁明の機会の付与」に代えて「聴聞」を実施することを求めることができる旨の規定はありません。

本問は、理解すべき点があるので、個別指導で解説いたします!

3.法令に違反する行為の是正を求める行政指導の相手方は、当該行政指導が法定の要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、当該行政指導の中止を求めることができる。
3・・・行政手続法に規定されている
法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができます(行政手続法36条の2第1項)。
よって、本肢は、行政手続法に規定されています。
4.何人も、法令に違反する事実がある場合において、法令違反の是正のためにされるべき処分がされていないと思料するときは、権限を有する行政庁に対し、当該処分をすることを求めることができる。
4・・・行政手続法に規定されている
何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができます(行政手続法36条の3第1項)。
よって、本肢は、行政手続法に規定されています。
5.何人も、法令に違反する事実がある場合において、法令違反の是正のためにされるべき行政指導がされていないと思料するときは、権限を有する行政機関に対し、当該行政指導をすることを求めることができる。
5・・・行政手続法に規定されている
選択肢4では「処分」を求めることができる
選択肢5では「行政指導」を求めることができる
と異なります。
しかし、どちらも「行政手続法36条の3第1項」に規定されています。

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平成28年度(2016年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 国民審査 問33 民法:債権
問4 プライバシー権 問34 民法:債権
問5 国会 問35 民法:親族
問6 信教の自由 問36 商法
問7 法の下の平等 問37 会社法
問8 取消しと撤回 問38 会社法
問9 行政裁量 問39 会社法
問10 行政事件訴訟法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識・政治
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 国家賠償法 問51 基礎知識・経済
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 地方自治法 問54 基礎知識・情報通信
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政事件訴訟法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・公文書管理法
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

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