行政機関に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア.行政庁とは、行政主体の意思を決定し、これを外部に表示する権限を有する行政機関をいう。
イ.国家行政組織法には行政庁は独任制でなければならないとの規定があり、わが国には合議制の行政庁は存在しない。
ウ.上級行政庁は下級行政庁に対して監視権や取消権などの指揮監督権を有するが、訓令権については認められていない。
エ.行政庁がその権限の一部を他の行政機関に委任した場合であっても、権限の所在自体は、委任した行政庁から受任機関には移らない。
オ.法定の事実の発生に基づいて、法律上当然に行政機関の間に代理関係の生ずる場合を、授権代理という。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
- 五つ
【答え】:1
【解説】
ア.行政庁とは、行政主体の意思を決定し、これを外部に表示する権限を有する行政機関をいう。
ア・・・正しい
行政庁とは、行政主体の意思を決定し、これを外部に表示する権限を有する行政機関をいいます。行政庁とは、例えば、都道府県知事や市町村長、財務大臣、金融庁長官、警察署長、税務署長、建築主事等です。イメージとしては、各組織のトップです。会社で言えば、社長や支店長です。何らかの意思決定をするのは、組織の下の人ではなく、トップですよね!そして、行政庁には、独任制と合議制の2つがあります。
行政庁とは、行政主体の意思を決定し、これを外部に表示する権限を有する行政機関をいいます。行政庁とは、例えば、都道府県知事や市町村長、財務大臣、金融庁長官、警察署長、税務署長、建築主事等です。イメージとしては、各組織のトップです。会社で言えば、社長や支店長です。何らかの意思決定をするのは、組織の下の人ではなく、トップですよね!そして、行政庁には、独任制と合議制の2つがあります。
イ.国家行政組織法には行政庁は独任制でなければならないとの規定があり、わが国には合議制の行政庁は存在しない。
イ・・・誤り
選択肢1の通り、行政庁には、独任制と合議制の2つがあります。そして、国家行政組織法を含めて現行法に行政庁は独任制でなければならない、との規定は存在しません。実際、公正取引委員会、公安委員会、人事院、会計検査院等の合議制の行政庁は存在します。
選択肢1の通り、行政庁には、独任制と合議制の2つがあります。そして、国家行政組織法を含めて現行法に行政庁は独任制でなければならない、との規定は存在しません。実際、公正取引委員会、公安委員会、人事院、会計検査院等の合議制の行政庁は存在します。
ウ.上級行政庁は下級行政庁に対して監視権や取消権などの指揮監督権を有するが、訓令権については認められていない。
ウ・・・誤り
上級行政庁は下級行政庁に対して「監視権」や「取消権」などの指揮監督権を有しており、さらに、訓令・通達等の発する権限(訓令権)も有しています。よって、誤りです。
上級行政庁は下級行政庁に対して「監視権」や「取消権」などの指揮監督権を有しており、さらに、訓令・通達等の発する権限(訓令権)も有しています。よって、誤りです。
エ.行政庁がその権限の一部を他の行政機関に委任した場合であっても、権限の所在自体は、委任した行政庁から受任機関には移らない。
エ・・・誤り
権限の委任とは、行政庁が自己に属する権限の一部(全部委任はできない)を他の機関に委譲して、その受任した行政機関の権限として行わせることをいう。権限の委任をすると、「権限の所在」は、受任機関に移動し、委任庁はその権限を失います。よって、誤りです。
権限の委任とは、行政庁が自己に属する権限の一部(全部委任はできない)を他の機関に委譲して、その受任した行政機関の権限として行わせることをいう。権限の委任をすると、「権限の所在」は、受任機関に移動し、委任庁はその権限を失います。よって、誤りです。
オ.法定の事実の発生に基づいて、法律上当然に行政機関の間に代理関係の生ずる場合を、授権代理という。
オ・・・誤り
法定の事実の発生に基づいて、法律上当然に行政機関の間に代理関係の生ずる場合を、「法定代理」といいます。「授権代理」とは、権限を有する行政庁Aが、他の行政機関Bに対して権限を与えるもので、行政機関の間に代理関係の生じます。
この場合、権限を与えた行政庁AもBもどちらも権限を行使できます。
法定の事実の発生に基づいて、法律上当然に行政機関の間に代理関係の生ずる場合を、「法定代理」といいます。「授権代理」とは、権限を有する行政庁Aが、他の行政機関Bに対して権限を与えるもので、行政機関の間に代理関係の生じます。
この場合、権限を与えた行政庁AもBもどちらも権限を行使できます。
平成21年度(2009年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 憲法 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 職業選択の自由 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 精神的自由 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 学問の自由 | 問36 | 商法 |
問7 | 国会 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・社会 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |