テキスト

取締役

取締役とは、会社の具体的な業務に関する意思決定を行い、現実に業務執行を行う機関です。

取締役の資格

取締役の資格とは、誰が取締役になれるのか?ということです。この点について会社法では、下記のいずれかに該当する場合、取締役になれないと規定しています(331条1項)。そして、下記事由を欠格事由と言います。

  1. 法人
  2. 会社法等の法律に違反し、または一定の罪を犯し、罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
  3. 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)等

取締役の選任

取締役の選任は、株主総会の専属決議事項とされています(329条)。つまり、株主総会でしか決議できません。そして、決議の方法は普通決議です。

そして、上記普通決議の内容については定款の定めにより変更ができます。

定足数については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1まで下げることができます。3分の1未満にはできません。

また、決議要件について、出席した当該株主の議決権の過半数を上回る割合を定款で定めることができます(341条)。

取締役の選任については、累積投票制度が認められています(342条)。

取締役の解任

解任とは、任期の途中にその役職を解かれること・やめさせることを言います。

そして、取締役の解任については、①株主総会決議による解任と②解任の訴えの2つの場合があります。

株主総会における解任決議

取締役は、いつでも、株主総会の普通決議によって解任することができます(339条1項)。

ただし、累積投票で選任された取締役の解任の場合、特別決議が必要です(309条2項7号)。

正当な理由なく株主総会決議により解任された者は、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができます(339条2項)。

役員解任の訴え

少数株主は、取締役解任の訴えを行うことにより、取締役の解任を行うことができます。

これは、悪いことをした取締役が、会社内で力を持っている者の場合、株主総会決議をしても、その取締役を恐れて、賛成票を入れず否決されることがあります。

そのような場合に備えて、裁判所に訴えることができるようにしています。

役員に欠員が生じた場合

役員(取締役又は会計参与)が欠けた場合、または定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了または辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有します346条1項)。

悪いことをして解任となった場合は、上記ルールは適用されず、役員としての権利義務はなくなります

辞任とは、自らの意思でやめることです。

取締役の員数

非取締役会設置会社では、1人又は2人以上の取締役を置かなければなりません(326条)。つまり、1人以上置かなければならないということです。

取締役会設置会社では3人以上の取締役を置かなければなりません(331条5項)。

取締役の任期

取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することはできます332条1項)。

言い換えると、取締役の任期は最長「選任の日から2年」ということです。

「非公開株式会社」かつ「監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社でない」場合

「非公開株式会社」かつ「監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社でない株式会社」については、定款によって、任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長(延長)することができます(332条2項)。

監査等委員会設置会社の場合

監査等委員会設置会社の場合、

監査等委員の取締役は、原則、任期2年ですが
監査等委員でない取締役は、原則、任期1年とされています(332条3項)。

指名委員会等設置会社の場合

指名委員会等設置会社の取締役は、任期は原則1年ですが、定款または株主総会決議により、任期を短縮できます(332条1項)。

取締役の地位と権限

取締役の地位や権限については、非取締役会設置会社、取締役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社によって異なります。

これは分かりやすいように、下表のように、「意思決定機関」「業務執行機関」「代表者」と分けて考えると覚えやすいです。

非取締役会設置会社における取締役

取締役会がない場合、会社の業務の意思決定は、原則、取締役が行います。もし、取締役が2人以上いる場合、過半数をもって決定します(348条1項)。

ただし、定款の別段の定めがあれば、それに従います。

そして、非取締役会設置会社の代表者については、
原則、各取締役が会社を代表します。
例外として、代表取締役が定まっている場合、代表取締役が会社を代表します(349条1項2項)。

取締役会設置会社における取締役

取締役会設置会社では、取締役会が会社の業務の意思決定を行うので、取締役個人としては、あくまでも取締役会の構成員として、意思決定の議決権を持つにすぎないことになります(362条)。

業務の執行についても、基本的には取締役の中から選ばれた代表取締役が行います。
※指名委員会等設置会社の場合は、執行役が業務の執行を行います(418条)。

取締役の義務

取締役は下記義務および下記規制を負います。

  1. 善管注意義務
  2. 忠実義務
  3. 競業取引の禁止
  4. 利益相反取引の禁止

善管注意義務

会社と取締役の関係は、委任の規定に従います(330条)。

つまり、「会社=委任者」「取締役=受任者」という関係が成立します。

そうすると、受任者たる取締役は、委任者たる会社に対して善良なる管理者の注意義務(善管注意義務)を負います(民法644条)。

もし、取締役が善管注意義務を怠り、会社に損害を与えた場合、債務不履行により損害賠償義務を負うこととなります(民法415条)。

忠実義務

忠実義務とは、法令および定款・株主総会決議を遵守し、会社のために忠実にその職を行わなければならないという義務を言います(335条)。

判例では、忠実義務は、善管注意義務を、より明確に注意的に規定したものに過ぎず善管注意義務とは別個のより高度な注意義務を取締役に課したものではない、としています(最大判昭45.6.24)。

つまり、善管注意義務と忠実義務は同質の義務であるということです。

競業取引の禁止(競業避止義務)

取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき、株主総会(取締役会設置会社においては取締役会)において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければなりません(356条1項1号)。

「自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引」とは、「競業取引」のことを指します。

例えば、株式会社Aがホームページの作成事業を行っており、取締役Bは、自らホームページ作成事業を立ち上げたり、他のホームページ作成業者Cの代表取締役に就任して、ホームページの作成事業を行ったりしてはいけない、ということです。

このような義務を競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)と言います。

承認を得ずに競業取引を行った場合どうなるか?(競業取引の効果)

株主総会・取締役会の承認を要する競業取引であるにも関わらず、承認を得ずに取引を行った取締役は、会社に損害が生じた場合、任務懈怠による損害賠償責任を負うことになります(432条1項)。

その場合、「取締役が得た利益」又は「第三者が得た利益」の額が損害額と推定され、損害賠償請求の対象となります。

つまり、競業取引自体は有効だが、損害賠償で処理するということです。

利益相反取引の禁止

利益相反取引とは、取締役と会社の利益が相反する取引を言います。

つまり、取締役が利益を得て、会社が不利益を被る取引のことです。

例えば、会社の所有する土地を取締役が安く購入する契約等です。

この場合も、株主総会(取締役会設置会社においては取締役会)において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければなりません(356条1項3号)。

利益相反取引の効果

利益相反取引については、会社は原則として取締役に対して無効を主張することができます。

一方、会社は、承認がなかったことを知らない第三者に対して無効を主張できません

取締役の報酬

取締役の報酬は、定款または株主総会の決議により定めなければなりません(361条1項)。

つまり、定款の定めがない場合、株主総会決議で決めるということです。

取締役会決議では決めることができません

なぜなら、それができると、取締役が自分達の報酬を決めることができるようになり、不当に高額にして会社の経営に影響を及ぼす恐れがあるからです。

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行政上の強制手段

行政の目的を達成するために、国民に任意にしてもらいたい場合や、義務として行ってもらいたい場合があります。それにも関わらず、国民が思うように行ってくれないときに、行政機関は行政上の強制手段を発動して、行政の目的を達成させることができます。

例えば、お酒の飲みすぎで、路上で寝ている人がいた場合、このまま放ってい置いては、車を運転する人の迷惑になります。そのために、警察官が、路上で寝ている人を、強制的に安全な場所に運びます。これも行政上の強制手段です。その他にも色々あるので、その点を解説していきます。

行政上の強制手段には、大きく分けて「行政強制」と「行政罰」の2つに分けることができます。

行政強制と行政罰

行政強制とは、将来に向けて、行政目的を達成するための行為です。

一方、
行政罰は、過去の義務違反に対する制裁です。

行政強制はさらに、行政上の強制執行(①代執行・②執行罰・③直接強制・④行政上の強制徴収)と即時強制に分けることができます。

行政上の強制執行と即時強制の違い

行政上の強制執行は、義務が課されているにもかかわらず、その義務を履行しない場合に、行政庁が実力行使して義務を履行させます。

一方、
即時強制は、義務が課されていないけど、相手方の身体や財産に実力行使することです。上の例にもある、路上で寝ている人がいた場合に、警察官が安全な場所に移動させる行為が即時強制です。

行政上の強制執行

行政上の強制執行は、①代執行・②執行罰・③直接強制・④行政上の強制徴収の4種類あるのですが、どれも、義務が課されているにもかかわらず、その義務を履行しない場合の話です。そして、上記4つすべてについて言えることは、法律の根拠がなければ行うことができないということです。それでは、具体例を使いながら解説していきます。

代執行

 

代執行とは、代替的作為義務が履行されない場合に、「行政庁もしくは第三者」が自ら、義務者に代わって義務を履行し、その費用を義務者から徴収することを言います。

例えば、Aが所有する建物が建築基準法違反で、いつ倒壊してもおかしくない状況にあったとします。

この場合、市長は、Aに対して「建物を除去しなさい!」と除去命令が下すことができます。

この除去命令を受けたAは、除去する義務が発生します。それでも、Aが、建物を除去しない場合、

(Ⅰ)市長(行政庁)は「1か月以内に除去しないのであれば、代執行(市が強制的に除去)をします!」と文書で戒告(お知らせ)をします。

(Ⅱ)それでもAが除去しない場合、「それでは、代執行を行います!」と代執行令書を使って、Aに通知します。

(Ⅲ)市は、代執行を行います(強制的に、建物の取り壊しを行う)。

(Ⅳ)かかった費用については、Aから徴収します。

ここで行政書士試験で出題される内容は、上記の細かい流れです。

(Ⅰ)文書で戒告・(Ⅱ)代執行令書による通知

行政庁は、相当期間を定めて、文書で戒告します。ただし、例外として、非常の場合、または、危険切迫の場合は、(Ⅰ)戒告と(Ⅱ)代執行令書による通知を省略できます。

(Ⅲ)代執行

代執行を実際に行う執行責任者は、証票を携帯し、要求があるときは、いつでもこれを呈示しなければなりません。

(Ⅳ)費用の徴収

代執行に実際に要した費用を、納期日を定め、義務者に対して、文書をもって納付を命じます。期限内に納付がない場合は、国税滞納処分の例により、義務者から強制徴収をすることができます。

※国税滞納処分の例とは、「国税徴収法に規定されている、納税義務者が納税しない場合の手続きに従って」という意味です。

執行罰

執行罰とは、義務の不履行に対して、過料を科すことを予告し、その予告によって、義務者に心理的圧迫を加えて間接的に義務の履行を強制することを言います。

「罰」という漢字が含まれていますが、「罰」ではありません。もし、義務を履行すれば、過料を取られることはないからです。ただし、義務を履行しないと、何度も過料を科されることがあるので注意が必要です。イメージとしては、DVDの延滞料です。DVDを期限までに返却すれば延滞料を取られませんが、延滞すると、毎日、延滞料がずっと科されます。

実際、執行罰は、砂防法36条しかありません。

砂防法36条 私人ニ於テ此ノ法律若ハ此ノ法律ニ基キテ発スル命令ニ依ル義務ヲ怠ルトキハ国土交通大臣若ハ都道府県知事ハ一定ノ期限ヲ示シ若シ期限内ニ履行セサルトキ若ハ之ヲ履行スルモ不充分ナルトキハ五百円以内ニ於テ指定シタル過料ニ処スルコトヲ予告シテ其ノ履行ヲ命スルコトヲ得

砂防法等の命令による義務を怠ると、国土交通大臣もしくは知事は、一定期限を示す等して、500円以内の過料に処することを予告して、履行を命ずることができる

執行罰は、行政刑罰と併科しても二重処罰の禁止規定(憲法39条後段)には違反しません

直接強制

直接強制とは、行政上の義務を義務者が履行しない場合に、行政庁が、義務者の身体又は財産に実力を加えて、義務の履行があったとみなす行為を言います。有名な事例は、成田国際空港の安全確保に関する緊急措置法3条です。

1項 国土交通大臣は、規制区域内に所在する建築物その他の工作物について、その工作物が次の各号に掲げる用に供され、又は供されるおそれがあると認めるときは、当該工作物の所有者、管理者又は占有者に対して、期限を付して、当該工作物をその用に供することを禁止することを命ずることができる。
一 多数の暴力主義的破壊活動者の集合の用
二 暴力主義的破壊活動等に使用され、又は使用されるおそれがあると認められる爆発物、火炎びん等の物の製造又は保管の場所の用
三 成田国際空港又はその周辺における航空機の航行に対する暴力主義的破壊活動者による妨害の用

6項 国土交通大臣は、第一項の禁止命令に係る工作物が当該命令に違反して同項各号に掲げる用に供されていると認めるときは、当該工作物について封鎖その他その用に供させないために必要な措置(建物の実力封鎖)を講ずることができる

行政上の強制徴収

行政上の強制徴収とは、国民が、行政上の金銭納付義務を履行しない場合に、行政庁が、自ら強制的に徴収し、当該国民は義務を果たしたことにすることを言います。

例えば、税金を滞納している人がいた場合、滞納者の財産を差押えて、競売にかけて得られた代金で納税することが強制徴収です。

行政上の金銭納付義務とは

道路占有料河川占有料放置違反金等があります。

水道料金は民事上の話なので、民事上の強制執行の対象となるので注意しましょう!

また、行政上の金銭納付義務については、行政上の強制徴収の手段によって行う必要があり、民事上の強制執行によって行うことはできません

即時強制

即時強制とは、義務を命じる余裕のない緊急の必要がある場合に、行政機関が、国民に義務を課することなく、国民の身体や財産に実力行使することを言います。

上記の通り、国民の身体や財産に実力行使するので、即時強制を行うには「法律の根拠」もしくは「条例で定めていること」が必要です。

例えば、路上で寝ている人がいた場合に、「起きて路上から離れてください!」と義務を命じていては、それまでに車にひかれてしまうかもしれません。緊急で路上から離れさせる必要があります。実際、警察官職務執行法の3条に上記内容が規定されています。

第三条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して左の各号の一に該当することが明らかであり、且つ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、とりあえず警察署、病院、精神病者収容施設、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。
一 精神錯乱又はでい酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす虞(おそれ)のある者
二 迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)

行政罰

行政罰とは、過去の義務違反に対する制裁です。そして、行政罰には「行政刑罰」と「行政上の秩序罰」の2つがあります。

※公務員に対する懲戒解雇などは「懲戒罰」なので、行政罰ではありません。

執行罰と行政罰の違い

執行罰は、行政強制の一つなので、将来に向けて、行政目的を達成するための行為です。簡単にいえば、将来、義務を履行しないと罰を加えますよ!という内容です。

一方、
行政罰は、過去の義務違反に対する制裁です。もうすでに、義務違反をしたから、それに対して罰を加えます!という内容です。

行政刑罰

行政刑罰とは、刑法に定めのある刑罰を科すものを言います。具体的には、拘禁、罰金、拘留、科料です。そして、行政刑罰は、刑法総則の規定が適用され、刑事訴訟法の定める手続きによって科されることになります。ただし、例外的に、大量に生じる軽微な違反事件(例えば、国税犯則取締法に基づく通告処分等)は刑事訴訟法によらない簡易的な手続きが定められています。

また、行政刑罰の特徴として、違反行為者のほか、その使用主や事業主も科刑される「両罰規定」が置かれていることが多いです。例えば、宅建業法84条です。

第84条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第79条又は第79条の2 一億円以下の罰金刑

第79条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 不正の手段によって免許を受けた場合
二 無免許で宅建業を営んだ場合
三 自己の名義をもって他人に宅建業を営ませた場合
四 業務の停止命令に違反して業務を営んだ場合

第79条の2 重要事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げた者は、二年以下の拘禁若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

行政上の秩序罰

行政上の秩序罰とは、形式的で軽微な行政上の義務違反に対して課される過料のことです。例えば、届出義務や登録義務、通知義務に違反した場合です。

そして、科料は刑罰ですが、過料は刑罰ではありません。そのため、
法令に基づく過料は、非訟事件手続法によって地方裁判所が科します。

一方、地方公共団体の条例や規則に違反した場合、地方自治法の定めに基づいて、地方公共団体の長が行政処分として科します。

そして、「秩序罰による過料」と「行政刑罰」は、目的や要件が異なるため併科してもよいです。

会期の種類、議決の方法(定足数と表決数)

会期の種類

会期とは、国会の活動期間で、一年中国会を開いているわけではありません。一定の限られた期間のみ国会は開かれています。

そして、会期には、下記4つがあります。

  1. 毎年1回定期に召集される常会
  2. 必要に応じて臨時的に召集される臨時会
  3. 衆議院解散後、総選挙が行われた後に召集される特別会
  4. 衆議院が解散すると同時に参議院は閉会となるが、国に緊急の必要があるとき、参議院のみ召集される緊急集会

常会

憲法第52条
国会の常会は、毎年一回これを召集する。

常会は、一般的に通常国会と呼ばれることが多いです。そして、国会法で「毎年1月に召集される」ことと、「会期は150日」であることが規定されています。

臨時会

憲法第53条
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

常会は上記の通り、1年のうち150日しか行いません。閉会した後も、国会の活動を必要とする自体が生じることもあります。そのような場合に、臨時会を行います。臨時会は、衆議院もしくは参議院のいずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があった場合、内閣は臨時会の召集決定をしなければなりません。

特別会

憲法第54条
衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

衆議院が解散すると、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙が行われます。そして、その選挙の日に新しい議員が当選するのですが、その選挙の日から30日以内に国会を召集しなければなりません。ここで召集される国会が特別会です。

任期満了(4年経過)に伴う衆議院の総選挙後に召集される国会は臨時会です。


緊急集会

憲法第54条
2 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
3 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

まず、衆議院が解散すると、同時に参議院は閉会となります。つまり、特別会が召集されるまで、国会は活動停止状態です。その間に、戦争になったり、大規模災害が起こったりして、急遽国会を開かないといけない場合、衆議院は解散しているので、衆議院議員は一人もいません。そのため、参議院が国会の役割を代行して、国会を開きます。これが緊急集会です。

そして、緊急集会を召集するのは、内閣です。天皇ではありません。

また、臨時会のように議員の召集要求も不要です。

緊急集会で議決されたことは、あくまでも臨時的な措置にすぎないので、その後、衆議院の同意を得られなければ、その効力を失います

会議の原則(定足数と表決数)

定足数

憲法第56条
両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

定足数とは、会議を開いて、議決するために必要な、最小限度の出席人数です。

議事を開いて(審議して)、議決をするためには、衆議院議員と参議院議員の合計人数の3分の1以上の出席が必要です。これに満たない場合、議事を開くことができません(審議することができない)。

表決数

表決数とは、意思決定を行う上で必要な賛成数です。原則、表決は、出席議員の過半数で決めます。総議員の過半数ではないので注意しましょう!

ただし、憲法に特別の定めがある場合(例外)もあります。

資格訴訟の裁判で
議員議席を失われること
出席議員の3分の2以上の議決
秘密会の開催 出席議員の3分の2以上の議決
議員の除名 出席議員の3分の2以上の議決
衆議院の法律案の再可決 出席議員の3分の2以上の可決
憲法改正の発議 総議員の3分の2以上の賛成
各議員の表決を
会議録へ記載すること
出席議員の5分の1以上の賛成
臨時会の召集 いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求

資格争訟裁判とは?

衆議院議員や参議院議員が、国会議員となる資格を有しているか(例えば、公務員と兼務していないか)を審議する裁判です。ここで、国会議員の議席を失われるためには、出席議員の3分の2以上の賛成が必要です。

秘密会とは?

衆議院も参議院も、会議は公開が原則です。しかし、会議を公開せずに、秘密で会議を行うことも可能です。この秘密会にするために必要な議決が「出席議員の3分の2以上の議決」です。実際、国会で秘密会を開催した事例はありません。

議員除名とは?

「資格争訟裁判」では、年齢が25歳未満であったり、国籍が外国籍であったり、他の公務員と兼職していたりといった、本来なら議員として選ばれるはずもない者が議員になったような場合の話です。一方、「議員除名」は、議員が非行を行った場合に、その議員に対して懲罰として行うことです。議員除名も資格争訟裁判同様、出席議員の3分の2以上の議決が必要です。

衆議院の法律案の再可決とは?

法律案については、衆議院で可決した後に、参議院で否決されると、衆議院で再度審議します。ここで、出席議員の3分の2以上の多数で、再度可決すると、無事、法律となります。

憲法改正の発議とは?

国会議員(衆議院100人以上、参議院50人以上)の賛成により憲法改正案の原案が提出され、衆参各議院においてそれぞれ憲法審査会で審査されたのちに、本会議で審議します。

両院それぞれの本会議にて 3分の2以上の賛成で可決した場合、国会が国民に対して、この改正案でどうですか?と提案します。これが「憲法改正の発議」です。

この発議後60日から180日の間に国民投票を行い議決します。

憲法改正案に対する賛成の投票の数が、投票総数(賛成の投票数と反対の投票数を合計した数)の2分の1を超えた場合は、国民の承認があったものとなり、憲法が改正されます。

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行政不服審査法41条:審理手続の終結

審査請求の大まかな流れは下記の通りです。下記6の反論書の提出まで終わり、処分庁と審査請求人・参加人の意見を聴いて、必要な審理を終えたと認めるときは、審理員は審理手続を終結します。このページでは、審理手続を終える場面についての行政書士試験のポイントをお伝えします。

審査請求から裁決までの流れ

処分が行われ、その処分に不服があると、下記流れで審査請求が行われます。

  1. 審査請求人は審査請求書を審査庁に提出します。
  2. 審査庁は審査請求書に不備がないかを審査します。
  3. 不備がなければ審査庁は、審査請求の手続きを担当する審理員を指名します。
  4. 審理員は処分庁に審査請求書を送付します。
  5. 処分庁は審理員に弁明書を提出します。
  6. 審査請求人は審理員に反論書を提出します。

審理手続の終結

どのような場合に審理手続を終結するか?

  1. 審理員は、必要な審理を終えたと認めるとき
  2. 弁明書反論書意見書証拠書類等が、相当期間内に提出されなかったとき
  3. 申立人が、正当な理由なく、口頭意見陳述に出頭しないとき

審理手続を終結したら何をするのか?

審理員が審理手続を終結したときは、審理員は、速やかに審理関係人(審査請求人、参加人、処分庁)に対し、審理手続を終結した旨並びに審理員意見書及び事件記録を審査庁に提出する予定時期を通知しなければなりません。当該予定時期を変更したときも、同様に通知が必要です。

(審理手続の終結)
行政不服審査法第41条 審理員は、必要な審理を終えたと認めるときは、審理手続を終結するものとする。
2 前項に定めるもののほか、審理員は、次の各号のいずれかに該当するときは、審理手続を終結することができる。
一 次のイからホまでに掲げる規定の相当の期間内に、当該イからホまでに定める物件が提出されない場合において、更に一定の期間を示して、当該物件の提出を求めたにもかかわらず、当該提出期間内に当該物件が提出されなかったとき。
イ 第29条第二項 弁明書
ロ 第30条第一項後段 反論書
ハ 第30条第二項後段 意見書
ニ 第32条第三項 証拠書類若しくは証拠物又は書類その他の物件
ホ 第33条前段 書類その他の物件
二 申立人が、正当な理由なく、口頭意見陳述に出頭しないとき。
3 審理員が前二項の規定により審理手続を終結したときは、速やかに、審理関係人に対し、審理手続を終結した旨並びに次条第一項に規定する審理員意見書及び事件記録(審査請求書、弁明書その他審査請求に係る事件に関する書類その他の物件のうち政令で定めるものをいう。同条第二項及び第四十三条第二項において同じ。)を審査庁に提出する予定時期を通知するものとする。当該予定時期を変更したときも、同様とする。

<<行政不服審査法40条:審理員による執行停止の意見書の提出 | 行政不服審査法42条:審理員意見書>>

差止めの訴え(抗告訴訟の一種)

行政事件訴訟法の類型でも勉強した通り、主観訴訟の中の抗告訴訟の一つに「差止めの訴え」があります。

主観訴訟とは、個人の権利利益の救済を目的とし、自分自身に直接関係する行政活動に対する訴訟を指し、抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関して違法でないかと不服がある場合の訴訟です。

差止めの訴えとは?

差止めの訴え差止め訴訟)とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟を言います。

上記「処分や裁決がされようとしている場合」に行う訴訟なので、処分や裁決がされる前に提起するものだということです。行政書士の試験ではここが非常に重要です。

例えば、Aが建物を建築したが、甲県が「この建物は違法建築物です。直してくれませんか?」という行政指導をAに対して行った。しかし、Aは違法建築物ではないと思っていた。このまま放っておくと、除去命令の処分をされかねません。そのためAは甲県に対して、除去命令をしないように差止めの訴えを提起することができます。

差止め訴訟の訴訟要件

差止め訴訟を提起できる要件は下記3つです。すべて満たした場合に適法となり審理されます。いずれか一つでも満たさない場合は、不適法として却下されます。

非申請型の義務付け訴訟と同じ訴訟要件です。

  1. 一定の処分や裁決がなされることにより重大な損害を生ずるおそれがあること
  2. その損害を避けるため他に適当な方法がないこと
  3. 行政庁が一定の処分をしてはならない旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者であること

差止め訴訟の勝訴要件

差止め訴訟で原告が勝訴するためには下記2つのいずれかを満たす必要があります。

  1. 行政庁がその処分をすべきでないことが明らかであること
  2. 行政庁がその処分をすることが裁量権の逸脱・濫用となると認められること

上記のいずれかを満たせば、認容判決(原告勝訴)となり、どちらも満たさない場合は棄却判決(原告敗訴)となります。

<<義務付けの訴え | 仮の義務付け・仮の差止め>>

最大判昭50.4.30:薬事法距離制限事件

論点

  1. 薬事法距離制限は憲法22条1項(職業選択の自由)に違反しているか?

事案

Xは、薬局開設の許可申請を行ったが、広島県知事Yは、薬事法と県条例の定める薬局等の配置基準に適合しないとして、不許可処分をした。

そこで、Xは、距離制限を定める薬事法6条2項および県条例が、憲法22条1項に違反する等と主張して、不許可処分の取消訴訟を提起した。

※薬事法(改正前)では、「薬局の配置の場所が配置の適正を欠くと認められう場合は、許可を与えない。また、配置の基準は、住民に対し適正な調剤の確保と医薬品の適正な供給うを図ることができるように、都道府県が条例で定めるものとし、その制定にあたっては、人口、交通事情その他調剤および医薬品の需要に影響を与える各般の事情を考慮するものとする。」と規定されていた。

そして、広島県条例では、既存薬局からおおむね100mとの距離制限を設けていた。

判決

薬事法距離制限は憲法22条1項(職業選択の自由)に違反しているか?

違反している(違憲)

一般に許可制は職業の自由に対する強力な制限であるから、合憲といえるためには、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要し、また、それが消極目的規制である場合には、より緩やかな制限である職業活動の内容および態様に対する規制によっては目的を十分に達成できないことを要する

本件薬局の適正配置規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極目的のための規制措置であり、目的自体は重要な公共の利益といえる。

しかし、「薬局の偏在→競争激化→一部薬局等の経営の不安定→不良医薬品の供給の危険」という因果関係は、確実な根拠に基づく合理的な判断とは認めがたく、本適正配置規制の必要性と合理性を肯定するに足りない

したがって、薬事法6条2項および県条例は、憲法22条1項に違反し、無効である。

国会

国会の地位

憲法第41条
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

憲法第43条
両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。

上記41条、43条から、国会には、憲法上3つの地位を与えています。

  1. 国民の代表機関
  2. 国権の最高機関
  3. 唯一の立法機関

国の代表機関

43条の両議院とは、衆議院と参議院の2つを指し、衆議院議員も参議院議員も全国民の代表であり、地方選挙区の代表者ではありません

そして、「代表」の意味については、全国民のためを思って行動をすれば、それが国民の意思と異なっていたとしてもよい、つまり、選挙区や後援団体の意思に拘束されず、自己の信念に従って行動できるということです。これを「自由委任の原則」と言います。そして、このような代表の在り方を「政治的代表」と言います。

一方、国民の多様な意思を国会に反映させる必要があるため、国民意思と代表者の意思をできるだけ近づけ、社会の実勢力が国会にできるだけ忠実に反映する必要があります。このような代表の在り方を「社会学的代表」と言います。

国権の最高機関

最高機関とは、国民によって直接選出された議員によって構成される国会が、国政中心的な地位を占めるという点で、国会を「国権の最高機関」として位置付けています。

唯一の立法機関

「形式的意味の立法」と「実質的意味の立法(一般的抽象的法規範)」

立法とは、分かりやすくいうと、「法律を作ること」です。そして、憲法第41条では、「国会は唯一の立法機関」といっているので、内容を問わず、どんな法律も作れるのか?というとそうではありません。特定の内容を持った法律を作ることとしています。

そして、内容を問わず、国会の議決で法律を作ることを「形式的意味の立法」と言い、特定の規範内容を持った法律を作ることを「実質的意味の立法」と言います。

そして41条の「立法」とは,形式的意味だけでなく,実質的意味も含んでいます。

そして、特定の規範内容を持った法律(実質的意味の法律)は、不特定多数の人々に対して適用され(一般的)、不特定多数の場合・不特定多数の事件に適用される(抽象的)ので、一般的抽象的法規範とされています。
※法規範とは、国の法律等によって規定されている規則・規準(ルール)です。

「国会中心立法の原則」と「国会単独立法の原則」

憲法第41条「国会は唯一の立法機関」の「唯一」とはどういう意味か?

2つの考え方があります。それが「国会中心立法の原則」と「国会単独立法の原則」です。

国会中心立法の原則

国会中心立法の原則とは、立法について国会が関わっていればよい、つまり、立法に国会が関わっていればよく、他に関わる機関があってもよい、という考え方です。

国会中心立法の原則の例外として、下記があります。

  • 衆議院、参議院の各議院が制定する議員規則58条2項
  • 最高裁判所が制定する裁判所規則77条1項
  • 地方公共団体の議会が制定する条例94条

これらは、国会が一切かかわらずに規則や条例を定めてしまうので、国会中心立法の原則の例外となります。

市販のテキストなどで、「国会以外の機関が立法を行うことは、憲法に特別の定めがある場合を除き許されない」というのは、上記の内容を難しくまとめた内容で、内容自体は上記と同じです。

国会単独立法の原則

国会単独立法の原則とは、国会が立法に関わる場合に、国会以外にかかわる機関がない考え方です。言い方を変えると、「他の機関の関与なく国会の議決だけで法律を成立させることができる」ということです。

国会単独立法の原則の例外として、地方自治特別法制定のための住民投票95条)があります。地方自治特別法とは、特定の地方公共団体のみ適用される法律で、その地方公共団体の住民投票で過半数の同意がなければ国会は制定できません。一番わかりやすい事例が「大阪都構想」です。大阪都構想を実現するためには、地方自治特別法の制定が必要であり、この地方自治特別法は、国会だけでは制定できず、住民投票(他の機関の位置づけ)が必要になります。そのため、「国会単独立法の原則」の例外にあたります。

衆議院と参議院の違い

国会は衆議院と参議院の二院制です。そして、衆議院と参議院の違いは下記の通りです。

下記内容はすべて重要です。

衆議院 参議院
任期 4年 6年
解散制度 解散あり 解散なし
定数 465名 248名
選挙権 満18歳以上 満18歳以上
被選挙権 満25歳以上 満30歳以上
選挙方法 小選挙区比例代表並立制
重複立候補が認められている
小選挙区:289名
比例代表:176名
選挙区制と比例代表制
重複立候補が認められていない
選挙区:148名
比例代表:100名
3年ごとに半数改選

重複立候補とは、立候補者が「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」と2つとも立候補できるということです。これは衆議院のみ認められ、参議院の場合、「選挙区選挙」と「比例代表選挙」のどちらかを選んで立候補する形になります。

<<天皇(国事行為・皇室の財産) | 会期の種類・議決の方法(定足数と表決数)>>

 

行政不服審査法58条:再調査の請求の却下又は棄却の決定

再調査の請求が法定の期間を過ぎた場合(不適法である場合)、処分庁は、決定により却下します。

再調査請求について、理由がない場合、処分庁は、決定で棄却します。

再調査請求について、結論を出すことを「決定」という文言を使います。

審査請求について、結論を出すことは「裁決」でしたね!

却下と棄却の違い

この2つの違いについてよく行政書士試験で出題されるので必ず頭に入れておきましょう!

却下 手続の不備など、不適法な場合に、審理をせずに門前払いをすること
棄却 手続の不備はなく適法に行われているため、審理はするが、請求に理由がないとして請求などを退けること

(再調査の請求の却下又は棄却の決定)
行政不服審査法第58条 再調査の請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、処分庁は、決定で、当該再調査の請求を却下する。
2 再調査の請求が理由がない場合には、処分庁は、決定で、当該再調査の請求を棄却する。

<<行政不服審査法57条:三月後の教示 | 行政不服審査法59条:再調査の請求の認容の決定>>

行政手続法38条:意見公募手続(命令等を定める場合の一般原則)

意見公募手続

意見公募手続きとは、簡単に言えば、「国民の意見を聴く」手続きを言います。命令等を定める場合、国民の多様な意見を聴いて、それを考慮しながら最終的に命令等を定めていきます。

日本は民主主義国家なので、国民の意見を聴くことは重要ですね!

命令等とは?

意見公募手続きが必要な命令等とは、下記4つです。行政書士試験では、最重要用語です。絶対に覚えましょう!

  1. 法律に基づく命令または規則
  2. 審査基準
  3. 処分基準
  4. 行政指導指針

法律に基づく命令とは、政令(内閣が制定)省令(大臣が制定)を指します。

>>政令や省令などの法規命令はこちら

そして、命令等を定める機関(命令制定機関)は、根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるよう命令を制定しなければなりません。

さらに、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の「実施状況」、「社会経済情勢の変化」等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければなりません。(努力義務なので、「必ず、適正を確保しなければならない」わけではない)

第六章 意見公募手続等
(命令等を定める場合の一般原則)
行政手続法第38条 命令等を定める機関(閣議の決定により命令等が定められる場合にあっては、当該命令等の立案をする各大臣。以下「命令等制定機関」という。)は、命令等を定めるに当たっては、当該命令等がこれを定める根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるようにしなければならない。
2 命令等制定機関は、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければならない。

<<行政手続法37条:届出 | 行政手続法39条、40条、41条、42条、43条、45条:意見公募手続の流れ>>

行政手続法3条:適用除外

行政手続法の適用除外については、行政書士試験では、覚えておかないといけない部分です。行政不服審査法の適用除外と混乱しやすい部分なので、対比しながら覚えていくとよいでしょう!

行政手続法が適用されないのは、下記の通りです。

  1. 国会若しくは地方議会の議決によってされる処分
  2. 裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
  3. 国会若しくは地方議会の議決又は同意等を経てされる処分
  4. 検査官会議で決すべきものとされている処分及び会計検査の際にされる行政指導
  5. 刑事事件に関する検察官等がする処分及び行政指導
  6. 国税又は地方税の犯則事件に関する処分及び行政指導
    金融商品取引の犯則事件に関する処分及び行政指導
  7. 学校講習所訓練所又は研修所で、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政指導
  8. 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分及び行政指導
  9. 公務員に対する処分及び行政指導
    (例えば、懲戒処分(懲罰)・・・免職・停職・減給・戒告
    分限処分・・・降任・免職・休職・降級)
  10. 外国人の出入国難民の認定補完的保護対象者の認定又は帰化に関する処分及び行政指導
  11. 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分(例えば、行政書士試験の結果等)
  12. 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定に基づいてされる裁定その他の処分及び行政指導
  13. 公衆衛生、環境保全、防疫、保安のために、警察官若しくは海上保安官等によってされる処分及び行政指導
  14. 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導行政調査も含む
  15. 審査請求再調査の請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の処分
  16. 行政手続法の聴聞若しくは弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分及び行政指導

行政手続法と行政不服審査法の適用除外の違い

行政手続法のみ適用除外の内容 9.公務員の懲戒処分
10.難民認定
12.利害の反する者の利害調整を目的とした処分
13.公衆衛生・環境保全・防疫・保安のための処分
14.報告または物件提出等の情報収集を目的とした処分
15.不服申立て(審査請求・再調査請求)による裁決・決定
16.聴聞・弁明の機会付与手続き(意見陳述の手続き)において法令に基づいてされる処分
不服審査法のみ適用除外の内容 当事者の法律関係を確認し、又は形成する処分で、その処分に関する訴えにおいて当事者の一方が被告となるもの

行政手続法における地方公共団体の適用除外

地方公共団体について、行政手続法が適用されないものは下記内容です。

  1. 地方公共団体の機関がする処分で、その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る
  2. 行政指導
  3. 地方公共団体の機関に対する届出で、その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る
  4. 地方公共団体の機関が命令等を定める行為

1と3について、地方公共団体の機関がする処分および届出について、その根拠となる規定が法律に置かれているものは、行政手続法が適用されます。

(適用除外)
第3条 次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第4章の2までの規定は、適用しない。
一 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
二 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
三 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
四 検査官会議で決すべきものとされている処分及び会計検査の際にされる行政指導
五 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分及び行政指導
六 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び行政指導並びに金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む。)、財務局長又は財務支局長がする処分及び行政指導
七 学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政指導
八 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分及び行政指導
九 公務員(国家公務員法第二条第一項に規定する国家公務員及び地方公務員法第三条第一項に規定する地方公務員をいう。以下同じ。)又は公務員であった者に対してその職務又は身分に関してされる処分及び行政指導
十 外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導
十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
十二 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定に基づいてされる裁定その他の処分(その双方を名宛人とするものに限る。)及び行政指導
十三 公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益に関わる事象が発生し又は発生する可能性のある現場において警察官若しくは海上保安官又はこれらの公益を確保するために行使すべき権限を法律上直接に与えられたその他の職員によってされる処分及び行政指導
十四 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導
十五 審査請求、再調査の請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の処分
十六 前号に規定する処分の手続又は第三章に規定する聴聞若しくは弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分及び行政指導
2 次に掲げる命令等を定める行為については、第六章の規定は、適用しない。
一 法律の施行期日について定める政令
二 恩赦に関する命令
三 命令又は規則を定める行為が処分に該当する場合における当該命令又は規則
四 法律の規定に基づき施設、区間、地域その他これらに類するものを指定する命令又は規則
五 公務員の給与、勤務時間その他の勤務条件について定める命令等
六 審査基準、処分基準又は行政指導指針であって、法令の規定により若しくは慣行として、又は命令等を定める機関の判断により公にされるもの以外のもの
3 第一項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第6章までの規定は、適用しない。

<<行政手続法2条:定義 | 行政手続法4条:国の機関等に対する処分等の適用>>