平成24年度(2012年度)過去問

平成24年・2012|問2|基礎法学

次に掲げる条文は、いずれも「みなす」の文言が含まれているが、正しい法律の条文においては「みなす」ではなく「推定する」の文言が用いられているものが一つだけある。それはどれか。

  1. 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。(民法753条)法改正により回答不要
  2. 移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみなす。(民事訴訟法22条3項)
  3. 文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書とみなす。(民事訴訟法228条2項)
  4. 自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪*については、他人の財物とみなす。(刑法242条)
  5. 試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。(行政書士法4条の7第3項〔一部省略〕)

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【答え】:3

【解説】

「みなす」とは、判断を確定させること言い、反対の事実を証明して、判断を覆すことはできません。一方、
「推定する」とは、一応そのよう判断を下すことをいい、反対の事実が証明されれば、その判断は覆されます(くつがえされます)

つまり、
反対の事実が証明できるような場合は、「推定する」という用語が使われ、
反対の事実を証明できない場合は「みなす」が使われます。

1.未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。(民法753条)法改正により回答不要
1・・・正しい
改正前の解説となります。 「未成年者が婚姻した」という事実があれば、成年に達した者とするわけなので
上記事実は通常、くつがえすことはできないので、「みなす」で正しいです。
2.移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみなす。(民事訴訟法22条3項)
2・・・正しい
「移送の裁判が確定した」という事実は、通常、くつがえすことはできないので「みなす」を使います。
3.文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書とみなす。(民事訴訟法228条2項)
3・・・誤り
「文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきとき」ということは、公務員が職務上作成したものではない可能性もあります
その場合は、くつがえされるので、「推定する」が使われます。
4.自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。(刑法242条)
4・・・正しい
「自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるとき」という事実があれば、それで、他人のモノとする、ということですが
上記事実があるのが前提で、通常覆られないので、「みなす」が使われます。
5.試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。(行政書士法4条の7第3項〔一部省略〕)
5・・・正しい
「試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員」である事実は通常覆らないので、「みなす」が使われます。

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成24年・2012|問3|憲法・内閣

内閣の「責任」について書かれた次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 日本国憲法における内閣は、衆議院に対してのみ「責任」を負うのであり、参議院に対しては「責任」を負っていない。
  2. 日本国憲法は内閣の「連帯責任」を強調しており、特定の国務大臣に対して単独の「責任」を負わせることは認めていない。
  3. 明治憲法では、君主に対する内閣の「連帯責任」のみが規定されており、衆議院に対する「責任」は想定されていなかった。
  4. 内閣の「責任」のとり方は任意かつ多様であるべきなので、日本国憲法の下で総辞職が必要的に要求されることはない。
  5. 大臣に対する弾劾制度を認めない日本国憲法においては、内閣に対して問われる「責任」は、政治責任であって狭義の法的責任ではない。

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【答え】:5

【解説】
1.日本国憲法における内閣は、衆議院に対してのみ「責任」を負うのであり、参議院に対しては「責任」を負っていない。
1・・・誤り
内閣は、行政権の行使について、国会(衆議院と参議院の両方)に対し連帯して責任を負います(憲法66条3項)。
よって、「衆議院に対してのみ」ではありません。
2.日本国憲法は内閣の「連帯責任」を強調しており、特定の国務大臣に対して単独の「責任」を負わせることは認めていない。
2・・・誤り
選択肢1の通り、内閣は国会に対して連帯責任を負っていることを憲法において強調しています。
ただし、「特定の国務大臣に対して単独の責任を負わせることは認めていない」とは規定されていません
実際、特定の大臣のみ、不適切発言により政治責任を取ることもあります。
3.明治憲法では、君主に対する内閣の「連帯責任」のみが規定されており、衆議院に対する「責任」は想定されていなかった。
3・・・誤り
明治憲法(大日本帝国憲法)では、「国務各大臣が、天皇に対して単独でその責任を負う(明治憲法第55条)」としていました。
「連帯責任」ではなく「各大臣が単独で責任」を負います。衆議院に対する「責任」は想定されていなかった点については正しいです。
4.内閣の「責任」のとり方は任意かつ多様であるべきなので、日本国憲法の下で総辞職が必要的に要求されることはない。
4・・・誤り
①内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければなりません(憲法69条)また、
②内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は、総辞職をしなければなりません(憲法70条)。①で解散された場合、その後衆議院の総選挙となり、選挙後初めて国会が召集された場合に内閣総辞職となります。つまり、内閣不信任決議が可決されると、内閣は責任を取るのですが、①の場合も②の場合もいずれにしても必ず総辞職をしなければなりません。

よって、「日本国憲法の下で総辞職が必要的に要求されることはない」は誤りです。

5.大臣に対する弾劾制度を認めない日本国憲法においては、内閣に対して問われる「責任」は、政治責任であって狭義の法的責任ではない。
5・・・正しい
国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設けます(憲法64条)。
つまり、弾劾制度は「裁判官」に対する制度です。
日本国憲法では、大臣に対する弾劾制度を認めていません。
また、内閣に対して問われる「責任」は、政治責任であると解されています。

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成24年・2012|問57|基礎知識・個人情報

個人情報の保護に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。(2023年の改正対応)

ア 個人情報保護法の一部の規定は、国の行政機関のみならず、地方公共団体の行政機関に対しても適用される。(改)

イ 個人情報保護法において基本理念を掲げる規定は、地方公共団体の行政機関に対しても適用される。

ウ 地方公共団体は、法律の委任を受けずに、個人情報の保護に関する条例を定めることが可能であり、また、その内容は、地方公共団体ごとに異なってもよい。

エ 地方公共団体は、その機関が保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずることが、個人情報保護法上求められている。(改)

オ 地方公共団体は、個人情報の保護に関する条例を定めることが可能であるが、その職員に対する処罰については個人情報保護法が適用されない。(改)

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

 

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【答え】:2
【解説】
ア 個人情報保護法の一部の規定は、国の行政機関のみ適用され、地方公共団体の行政機関に対しては適用されない。
ア・・・誤り
個人情報保護法の「行政機関等」の定義は、「行政機関」と「地方公共団体の機関(議会を除く)」「独立行政法人等」を指す、としています(個人情報保護法2条11項)。
つまり、「地方公共団体の行政機関」も「行政機関等」に含まれ、個人情報保護法が適用されます。
イ 個人情報保護法において基本理念を掲げる規定は、地方公共団体の行政機関に対しても適用される。
イ・・・正しい
個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであることに鑑み、その適正な取扱いが図られなければなりません(個人情報保護法3条:基本理念)。地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、国の施策との整合性に配慮しつつ、その地方公共団体の区域の特性に応じて、地方公共団体の機関、地方独立行政法人及び当該区域内の事業者等による個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有します(個人情報保護法5条)。つまり、個人情報保護法において基本理念を掲げる規定は、地方公共団体の行政機関に対しても適用されます。
ウ 地方公共団体は、法律の委任を受けずに、個人情報の保護に関する条例を定めることが可能であり、また、その内容は、地方公共団体ごとに異なってもよい。
ウ・・・正しい
地方公共団体は、法律の範囲内で、条例を制定することができます(憲法94条)。
つまり、法律の委任がなくても個人情報の保護に関する条例を定めることができます。また、判例では、条例の内容については、地方公共団体ごとに異なることも認められています最大判昭33.10.15)。
エ 地方公共団体は、その機関が保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずることが、個人情報保護法上求められている。
エ・・・正しい
地方公共団体は、その機関が保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずるものとする個人情報保護法12条)。
よって、本肢は正しいです。
オ 地方公共団体は、個人情報の保護に関する条例を定めることが可能であるが、その職員に対する処罰については個人情報保護法が適用されない。(改)
オ・・・誤り
個人情報保護法の罰則は、地方公共団体の職員に対しては、適用されます。
よって、誤りです。
例えば、行政機関等の職員(地方公共団体の職員)若しくは職員であった者などが、正当な理由がないのに、個人の秘密に属する事項が記録された個人情報ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(個人情報保護法176条)。

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成24年・2012|問56|基礎知識・情報通信

最近の情報通信分野に関する次のア~オの記述のうち、明らかに誤っているものの組合せはどれか。

ア クラウド・コンピューティングとは、ネットワーク上にあるサーバ群(クラウド)を利用することから命名されたコンピュータネットワークの利用形態であり、クラウドの中に閉じた通信であるので、もっとも強固なセキュリティを確立したといわれている。

イ マイナンバー制度とは、個人番号を利用し、行政機関等相互間で安全かつ効率的に情報連携を行うための仕組みを整備しようとするものであるが、個人情報保護の観点からの問題を指摘する反対論が強く、政府による検討段階には依然として至っていない。

ウ スマートフォンは、汎用的に使える小型コンピュータという点で、パソコンと同様の機能を有する。従来の携帯電話と呼ばれてきた端末も広義ではコンピュータであるが、汎用的に自由度の高い使い方ができるものではなかった。

エ デジタル・ディバイドとは、身体的又は社会的条件の相違に伴い、インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差のことである。

オ 現在、ICカードは、国内において公共、交通、決済といった広い分野のサービスで普及しており、その例として、住民基本台帳用ICカード、IC旅券、Taspoなどがあげられる。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

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【答え】:1【解説】
ア クラウド・コンピューティングとは、ネットワーク上にあるサーバ群(クラウド)を利用することから命名されたコンピュータネットワークの利用形態であり、クラウドの中に閉じた通信であるので、もっとも強固なセキュリティを確立したといわれている。
ア・・・誤り
クラウド・コンピューティングとは、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、データ処理や保管をゆだねるものです。
これまでは、パソコン本体でデータ処理やデータの保存を行っていましたが、最近では、ネット上のサーバーでデータ処理や保存をしたりしています
例えば、Googleドライブやドロップボックス等です。ただ、情報流出やシステムの故障による利用不能等の危険性もあることから、「もっとも強固なセキュリティを確立した」とは言えないです。
よって、誤りです。
イ マイナンバー制度とは、個人番号を利用し、行政機関等相互間で安全かつ効率的に情報連携を行うための仕組みを整備しようとするものであるが、個人情報保護の観点からの問題を指摘する反対論が強く、政府による検討段階には依然として至っていない。
イ・・・誤り
マイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関が保有する個人の情報が同一人の情報であることを確認するための制度です。
そして、平成28年(2016年)から、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)」は施行されています。よって、誤りです。
ウ スマートフォンは、汎用的に使える小型コンピュータという点で、パソコンと同様の機能を有する。従来の携帯電話と呼ばれてきた端末も広義ではコンピュータであるが、汎用的に自由度の高い使い方ができるものではなかった。
ウ・・・正しい
スマートフォンは、汎用的に使える小型コンピュータという点で、パソコンと同様の機能を有します。一方、従来の携帯電話と呼ばれてきた端末もコンピュータであるが、汎用的に自由度は低いです
実際、昔の携帯には、ソフト(アプリ)をインストールすることはできなかったです。よって、正しいです。
エ デジタル・ディバイドとは、身体的又は社会的条件の相違に伴い、インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差のことである。
エ・・・正しい
デジタル・ディバイドとは、インターネット等の情報通信技術を「利用できる者」と「利用できない者」との間にもたらされる格差のことです。
これにより、情報格差だけでなく、貧富の格差も生んでいます。
オ 現在、ICカードは、国内において公共、交通、決済といった広い分野のサービスで普及しており、その例として、住民基本台帳用ICカード、IC旅券、Taspoなどがあげられる。
オ・・・正しい
ICカード」とは、情報(データ)の記録や演算をするために集積回路(IC)が内蔵されているカードのことで、国内において公共、交通、決済といった広い分野のサービスで普及しています。例えば、住民基本台帳用ICカードIC旅券(パスポート)、Taspo(タバコ購入時の成人識別用ICカード)だけでなく、スイカやイコカ(ICカード鉄道乗車券)、ICクレジットカード、ICキャッシュカードなどもあります。

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成24年・2012|問55|基礎知識・個人情報保護

個人情報保護法(※)に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 個人情報保護法は、原則として生存者の個人情報を守るものであるが、死者の情報であっても、それが、同時にその遺族の個人情報でもある場合には、個人情報に含まれるものと解している。
  2. 個人情報保護法では、氏名のような基本的な情報は、一般に流通することが予定されているため、個人情報には含まれないと解されている。
  3. 個人情報保護法では、思想や病歴などに関する個人情報について、いわゆる要配慮個人情報として他の個人情報に比べて特に慎重な取扱いをする旨の規定を置いていない。
  4. 個人情報保護法では、前科情報は公共の利益に関わるものであるから、要配慮個人情報に含まれていない。
  5. 個人情報保護法の個人情報とは、情報そのもので個人が識別されるものでなければならず、他の情報と容易に照合することによって、特定個人を識別できる情報を含まない。

(注)※ 個人情報の保護に関する法律

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【答え】:1【解説】
1.個人情報保護法は、原則として生存者の個人情報を守るものであるが、死者の情報であっても、それが、同時にその遺族の個人情報でもある場合には、個人情報に含まれるものと解している。
1・・・妥当
個人情報保護法において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいいます(個人情報保護法2条1項)。
そして、死者の情報であっても、それが、同時にその遺族の個人情報でもある場合には、個人情報に含まれるものと解しています
よって、妥当です。
2.個人情報保護法では、氏名のような基本的な情報は、一般に流通することが予定されているため、個人情報には含まれないと解されている。
2・・・妥当ではない
個人情報保護法において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいいます(個人情報保護法2条1項)。
つまり、「氏名」は個人情報に含まれます。
3.個人情報保護法では、思想や病歴などに関する個人情報について、いわゆる要配慮個人情報として他の個人情報に比べて特に慎重な取扱いをする旨の規定を置いていない。
3・・・妥当ではない
個人情報保護法において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして一定の記述等が含まれる個人情報をいいます(個人情報保護法2条3項)。
そして、個人情報取扱事業者は、一定の場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはならない(個人情報保護法20条2項)と定められており、要配慮個人情報は取得自体原則禁止となっています
つまり、他の個人情報に比べて特に慎重な取扱いをする旨の規定を置いています
よって、妥当ではないです。
4.個人情報保護法では、前科情報は公共の利益に関わるものであるから、要配慮個人情報に含まれていない。
4・・・妥当ではない
個人情報保護法において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして一定の記述等が含まれる個人情報をいいます(個人情報保護法2条3項)。
つまり、「犯罪の経歴」については、「要配慮個人情報」に含まれています
5.個人情報保護法の個人情報とは、情報そのもので個人が識別されるものでなければならず、他の情報と容易に照合することによって、特定個人を識別できる情報を含まない。
5・・・妥当ではない
個人情報保護法において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいいます(個人情報保護法2条1項)。
つまり、上記カッコ書きの通り、「他の情報と容易に照合することによって、特定個人を識別できる情報」も個人情報に含みます

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成24年・2012|問54|基礎知識・個人情報保護

個人情報保護法(※)に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 個人情報取扱事業者が、5000人分を超える個人情報を漏えいした場合には過料に処せられるが、5000人分以下の個人情報を漏えいした場合には過料に処せられることはない。
  2. 個人情報取扱事業者は、個人情報を漏えいする事故を起こした場合であっても、原則、個人情報保護委員会への報告は不要である。(改)
  3. 個人情報取扱事業者が、あらかじめ本人の同意を得ることなく利用目的の範囲を超えて個人情報を取り扱った場合に、当該行為について発せられた個人情報保護委員会の命令に違反したときは、処罰の対象になる。
  4. 個人情報取扱事業者である法人の従業者が、当該法人の業務における個人情報の取扱いに関して個人情報保護委員会に虚偽報告をした場合、当該従業者個人が罰せられることはあっても、当該法人が罰せられることはない。
  5. 民間部門における個人情報の違法な取扱いに対する制裁は、この法律で設置された自主規制団体に委ねられており、個人情報取扱事業者は、この法律の違反について関係団体等から除名等の制裁を受けることがある。

(注)※ 個人情報の保護に関する法律

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【答え】:3
【解説】
1.個人情報取扱事業者が、5000人分を超える個人情報を漏えいした場合には過料に処せられるが、5000人分以下の個人情報を漏えいした場合には過料に処せられることはない。
1・・・妥当ではない
個人情報取扱事業者が個人情報の漏えいをしたとしても罰則規定はありません
よって、妥当ではありません。
2.個人情報取扱事業者は、個人情報を漏えいする事故を起こした場合であっても、原則、個人情報保護委員会への報告は不要である。(改)
2・・・妥当ではない
個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、原則、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければなりません。よって、妥当ではないです。
3.個人情報取扱事業者が、あらかじめ本人の同意を得ることなく利用目的の範囲を超えて個人情報を取り扱った場合に、当該行為について発せられた個人情報保護委員会の命令に違反したときは、処罰の対象になる。
3・・・妥当
個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはなりません個人情報保護法16条)。
そして、個人情報取扱事業者が上記に違反した場合、個人情報保護委員会は、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告することができます(同法42条1項)。
上記勧告に従わない場合、上記勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができます(同条2項)。
それにも従わない場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処させられます。
よって、妥当です。
4.個人情報取扱事業者である法人の従業者が、当該法人の業務における個人情報の取扱いに関して個人情報保護委員会に虚偽報告をした場合、当該従業者個人が罰せられることはあっても、当該法人が罰せられることはない。
4・・・妥当ではない
個人情報保護法の罰則規定は、両罰規定です。
そのため、「違反者(従業員)」だけでなく「その法人又は代表者」に対しても、罰金刑が科されます個人情報保護法87条)。
5.民間部門における個人情報の違法な取扱いに対する制裁は、この法律で設置された自主規制団体に委ねられており、個人情報取扱事業者は、この法律の違反について関係団体等から除名等の制裁を受けることがある。
5・・・妥当ではない
個人情報保護法で設置される団体は、認定個人情報保護団体です。
認定個人情報保護団体は、本人その他の関係者から対象事業者の個人情報等の取扱いに関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該対象事業者に対し、その苦情の内容を通知してその迅速な解決を求めなければなりません(個人情報保護法52条)。そして、民間部門における個人情報の違法な取扱いに対する制裁は、個人情報保護法自体に罰則規定などで定められており「認定個人情報保護団体」は行いません。よって、妥当ではありません。

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成24年・2012|問53|基礎知識・社会

日本の雇用・労働に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 労働契約は期間を定めないものが原則とされているが、嘱託、臨時、パートなどの非正規雇用に限り、上限1年の期間雇用が法律で認められている。
  2. 賃金の支払いは通貨で行うのが原則であるが、通貨に類似する商品券等での支払いも通貨に類するものとして、法律で認められている。
  3. 民間部門における雇用契約の締結にあたり、年少者の場合とは異なり、高齢者の雇用を制限する法律はない。
  4. 最低賃金法では支払うべき賃金の最低水準が定められているが、この水準は物価等を考慮して、市町村ごとに規定されている。
  5. 警察職員は、労働三権のうち、団結権のみ認められているが、団体交渉権や団体行動権は認められていない。

>解答と解説はこちら


【答え】:3【解説】
1.労働契約は期間を定めないものが原則とされているが、嘱託、臨時、パートなどの非正規雇用に限り、上限1年の期間雇用が法律で認められている。
1・・・妥当ではない
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(一定の労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはなりません(労働基準法14条)。つまり、原則上限は3年です。よって、誤りです。
2.賃金の支払いは通貨で行うのが原則であるが、通貨に類似する商品券等での支払いも通貨に類するものとして、法律で認められている。
2・・・妥当ではない
賃金は、原則、「通貨」で、直接労働者に、その全額を支払わなければなりません(労働基準法24条)。ただし、法令若しくは労働組合との協約に別段の定めがある場合等では、例外的に通貨以外での支払いも許されます。よって、本肢は、妥当ではありません。

「労働組合との協約に別段の定めがある場合」の具体例は、「行書塾」で解説します!

3.民間部門における雇用契約の締結にあたり、年少者の場合とは異なり、高齢者の雇用を制限する法律はない。
3・・・妥当
使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはなりません(労働基準法56条1項)。
上記は最低年齢の定めですが、高齢者の雇用について、年齢制限はありません
4.最低賃金法では支払うべき賃金の最低水準が定められているが、この水準は物価等を考慮して、市町村ごとに規定されている。
4・・・妥当ではない
最低賃金法では、支払うべき賃金の最低水準として「地域別最低賃金」が定められており
都道府県ごとに定められます。
本肢は「市町村ごと」となっているので誤りです。
5.警察職員は、労働三権のうち、団結権のみ認められているが、団体交渉権や団体行動権は認められていない。
5・・・妥当ではない
労働基本権には①団結権、②団体交渉権、③団体行動権(争議権)がありますが、
国家公務員・地方公務員は、原則、①団結権、②団体交渉権は認められているが、③団体行動権(争議権、ストライキ権)は認められていません。そして、警察職員、海上保安庁、消防員及び刑事施設において勤務する職員については、①~③すべての労働基本権が認められていません国家公務員法108条の2第5項、地方公務員法52条5項)。

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成24年・2012|問52|基礎知識・社会

防災政策に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 災害対策は、1960年代初頭に制定された災害対策基本法に基づくもので、災害予防、災害応急対応、災害復旧・復興の各段階において総合的な対策を講ずることが重要とされ、国が防災基本計画、都道府県・市町村が地域防災計画を、それぞれ策定することが義務付けられている。

イ 近年では、発生の頻度は低いが、発生すると大規模な被害をもたらす「低頻度巨大災害」への対応が課題となっており、被害をゼロにするという意味での「防災」ではなく、被害を少なくする「減災」の発想が重要であると指摘されている。

ウ 被災者救済に関しては、個人資産への補償は行わないとの方針がとられているため、被災者生活再建支援法では、被災者の生活再建に対する公的補助は行われているが、住宅の建設、補修等の再建方法に応じた公的補助は制度化されていない。

エ 東日本大震災からの復興を図るため、国では東日本大震災復興特別区域法を制定し、被災自治体が各種の計画を策定することによって、規制・手続等の特例、土地利用再編の特例、税制上の特例、財政・金融上の特例などの適用を受けられる仕組みをつくった。

オ 東日本大震災の被災地の復興を図るため、総務省に復興庁が設置され、復興に関する行政事務は、本来は他省庁の所管に属する事務を含めて、原則として一元的に処理することとされ、復興交付金も復興庁が決定・交付するものとなっている。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・エ
  4. ウ・オ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:4【解説】
ア 災害対策は、1960年代初頭に制定された災害対策基本法に基づくもので、災害予防、災害応急対応、災害復旧・復興の各段階において総合的な対策を講ずることが重要とされ、国が防災基本計画、都道府県・市町村が地域防災計画を、それぞれ策定することが義務付けられている。
ア・・・妥当
1959年(昭和34年)に愛知県、岐阜県、三重県及び紀伊半島一帯を中心として全国に大きな被害をもたらした伊勢湾台風を契機に、災害対策に関する「災害対策基本法」が1961年には制定されました。そして、災害予防、災害応急対応、災害復旧・復興の各段階において総合的な対策を講ずることが重要とされ、国が防災基本計画を策定することが義務付けられ、
都道府県・市町村が地域防災計画を策定することが義務付けられています。
イ 近年では、発生の頻度は低いが、発生すると大規模な被害をもたらす「低頻度巨大災害」への対応が課題となっており、被害をゼロにするという意味での「防災」ではなく、被害を少なくする「減災」の発想が重要であると指摘されている。
イ・・・妥当
近年、「100年1度の災害」といった「低頻度巨大災害」が行っています。
例えば、2011年の東日本大震災や、2014年の広島土砂災害等です。「低頻度巨大災害」とは、発生の頻度は低いが、発生すると大規模な被害をもたらす災害を指し、近年課題となっています。そして、被害をゼロにするという意味での「防災」ではなく
被害を少なくする「減災」の発想が重要であると指摘されています。
ウ 被災者救済に関しては、個人資産への補償は行わないとの方針がとられているため、被災者生活再建支援法では、被災者の生活再建に対する公的補助は行われているが、住宅の建設、補修等の再建方法に応じた公的補助は制度化されていない。
ウ・・・妥当ではない
被災者生活再建支援法では、住宅の建設、補修等の再建方法に応じた公的補助(個人財産への保障)が制度化されています。よって、本肢は妥当ではありません。ただし、住宅が全壊でも100万円を上限として保障されるだけで、額は小さいです。
エ 東日本大震災からの復興を図るため、国では東日本大震災復興特別区域法を制定し、被災自治体が各種の計画を策定することによって、規制・手続等の特例、土地利用再編の特例、税制上の特例、財政・金融上の特例などの適用を受けられる仕組みをつくった。
エ・・・妥当
東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ることを目的として2011年6月に「東日本大震災復興基本法」が制定されました。
被災自治体が各種の計画を策定することによって、「規制・手続等の特例」「土地利用再編の特例」「税制上の特例」「財政・金融上の特例」などの適用を受けられる仕組みをつくりました。
オ 東日本大震災の被災地の復興を図るため、総務省に復興庁が設置され、復興に関する行政事務は、本来は他省庁の所管に属する事務を含めて、原則として一元的に処理することとされ、復興交付金も復興庁が決定・交付するものとなっている。
オ・・・妥当ではない
復興庁は、内閣に設置されています。
よって「総務省」が誤りです。
その他は正しいです。

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成24年・2012|問51|基礎知識・社会

企業の独占・寡占に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア ビール、乗用車、携帯電話サービスなどは、少数の大企業に生産が集中する寡占化が進んでおり、国内の市場占有率は、近年上位3社で6割を超えている。イ コンツェルンとは、同業種の企業が合併し、さらなる規模の利益を追求する行為をいい、独占禁止法では原則として禁止されている。

ウ カルテルとは、生産量や価格などについて、同一産業内の各企業が協定を結んで利潤率の低下を防ぐ行為をいい、独占禁上法では原則として禁止されていたが、企業の経営環境の悪化を背景として、近年認められることとなった。

エ 独占禁止法により、持ち株会社の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により、その設立は解禁された。

オ 公正取引委員会は、独占禁止法に違反する行為について調査する役割を担うが、行政処分をなす権限は与えられていない。

  1. ア・エ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・オ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:1【解説】
ア ビール、乗用車、携帯電話サービスなどは、少数の大企業に生産が集中する寡占化が進んでおり、国内の市場占有率は、近年上位3社で6割を超えている。
ア・・・妥当
寡占化(かせんか)とは、少数の企業が、特定の市場を支配している状態を言います。
  • ビール業界では、キリン、アサヒ、サッポロ
  • 乗用車業界では、トヨタ、日産、ホンダ
  • 携帯電話業界では、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク

上記業者の市場占有率が近年で6割を超えており、寡占化が生じています。

イ コンツェルンとは、同業種の企業が合併し、さらなる規模の利益を追求する行為をいい、独占禁止法では原則として禁止されている。
イ・・・妥当ではない
コンツェルンとは、持株会社が親会社となって・同種異種問わず、あらゆる産業部門の企業を、株式保有を目的として資本的支配することです。
持株会社(選択肢エ参照)の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により解禁された。
本肢は、トラストの内容です。トラストとは、同業種の企業が合併し、規模の利益を追求する行為です。
原則、禁止ではないですが、事業支配力が過度に集中する行為は禁止です。
ウ カルテルとは、生産量や価格などについて、同一産業内の各企業が協定を結んで利潤率の低下を防ぐ行為をいい、独占禁上法では原則として禁止されていたが、企業の経営環境の悪化を背景として、近年認められることとなった。
ウ・・・妥当ではない
カルテルとは、複数の企業がお互いの利益を守るために協議して「価格維持」「生産量」「販路」等の協定を結ぶことで、独占禁止法で禁止されています。本肢は「近年認められることとなった」が誤りです。
エ 独占禁止法により、持ち株会社の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により、その設立は解禁された。
エ・・・妥当
選択肢イの通り、持株会社の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により解禁されました。
〇〇ホールディングスは、持株会社です。
例えば、セブン&アイ・ホールディングス、キリンホールディングスです。
オ 公正取引委員会は、独占禁止法に違反する行為について調査する役割を担うが、行政処分をなす権限は与えられていない。
オ・・・妥当ではない
独占禁止法に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、事業者に対し、当該行為の差止め、事業の一部の譲渡その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(独占禁止法7条)。したがって、本肢は誤りです。
公正取引委員会は、自ら、差止めなどの行政処分を行うことができます

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成24年・2012|問48|基礎知識・政治

近現代の日本の汚職・政治腐敗などの疑獄事件に関する次の記述のうち、明らかに誤っているものはどれか。

  1. 外国製の軍艦や兵器の輸入をめぐる海軍高官の汚職事件であるジーメンス事件が発覚すると、都市民衆の抗議運動が高まり、山本権兵衛内閣は退陣することとなった。
  2. 日本社会党・民主党・国民協同党の三党が連立した片山哲内閣の枠組を引き継いだ芦田均内閣は、広く政界からGHQまで巻き込んだ疑獄事件である昭和電工事件により、退陣した。
  3. 造船疑獄事件で、吉田茂内閣への批判が強まるなか、鳩山一郎ら自由党反吉田派は離党して鳩山を総裁とする日本民主党を結成した。同年末に吉田内閣は退陣し、鳩山内閣が成立した。
  4. 航空機売り込みをめぐる収賄容疑で、現職の首相である田中角栄が逮捕されたロッキード事件が起きた。そのため、与党の自由民主党内で「田中おろし」がなされ、田中内閣が総辞職して福田赳夫内閣が成立した。
  5. 消費税導入を実現した竹下登内閣は、おりからのリクルート事件の疑惑のなかで退陣した。これを受け継いだ宇野宗佑内閣も、参議院選挙での与党大敗を受けて退陣することとなった。

>解答と解説はこちら


【答え】:4【解説】
1.外国製の軍艦や兵器の輸入をめぐる海軍高官の汚職事件であるジーメンス事件が発覚すると、都市民衆の抗議運動が高まり、山本権兵衛内閣は退陣することとなった。
1・・・正しい
ジーメンス事件(1914年)は、ドイツのジーメンスによる艦船や装備品の輸入を巡って、日本海軍高官への贈賄が問題となった事件です。
これにより、山本権兵衛(やまもと・ごんのひょうえ)内閣は退陣することとなりました。
2.日本社会党・民主党・国民協同党の三党が連立した片山哲内閣の枠組を引き継いだ芦田均内閣は、広く政界からGHQまで巻き込んだ疑獄事件である昭和電工事件により、退陣した。
2・・・正しい
昭和電工事件(1948)とは、戦後の復興資金として復興金融金庫からの融資を得るために、昭和電工の社長が行った政府高官等への贈収賄事件です。
これにより、芦田均(あしだ・ひとし)内閣は退陣となった。
3.造船疑獄事件で、吉田茂内閣への批判が強まるなか、鳩山一郎ら自由党反吉田派は離党して鳩山を総裁とする日本民主党を結成した。同年末に吉田内閣は退陣し、鳩山内閣が成立した。
3・・・正しい
造船疑獄(ぞうせんぎごく)事件(1954年)とは、戦後、政府が財政投融資によって海運会社に資金を与えて新造船を発注させて事業に必要な商船を確保させる政策における贈収賄事件です。
これにより、吉田内閣は退陣し、鳩山内閣(日本民主党)が1954年に成立しました。
4.航空機売り込みをめぐる収賄容疑で、現職の首相である田中角栄が逮捕されたロッキード事件が起きた。そのため、与党の自由民主党内で「田中おろし」がなされ、田中内閣が総辞職して福田赳夫内閣が成立した。
4・・・誤り
ロッキード事件は、アメリカの航空機製造大手のロッキード社による旅客機の受注をめぐって、田中角栄が逮捕された汚職事件です。
田中角栄内閣のあと、三木武夫内閣となり、三木首相は、ロッキード事件の全容を明らかにしようと試みた。しかし、それが、田中派の報復ととられ、自民党内部の反発により、「三木おろし」がなされ、その後、福田赳夫(ふくだ・たけお)内閣となった。よって、「田中おろし」ではなく「三木おろし」が正解で、
「田中内閣が総辞職して福田赳夫内閣が成立した」ではなく、「三木内閣が総辞職して福田赳夫内閣が成立した」が正しいです。
5.消費税導入を実現した竹下登内閣は、おりからのリクルート事件の疑惑のなかで退陣した。これを受け継いだ宇野宗佑内閣も、参議院選挙での与党大敗を受けて退陣することとなった。
5・・・正しい
消費税導入を実現した竹下登内閣です。
そして、竹下内閣の時期に、リクルート事件が起きました。
リクルート事件(1988年)とは、リクルートの会長が自社の政治的財界的地位を高める目的で、有力政治家、官僚、通信業界有力者に「リクルート社の子会社であるリクルート・コスモス社」の未公開株を譲渡した贈収賄事件です。
これにより、竹下登内閣は退陣、さらにこれを受け継いだ宇野宗佑(うの・そうすけ)内閣も参議院選挙での与党大敗を受けて退陣することとなった。

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平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略