令和6年度(2024年度)過去問

令和7年・2025|問45|民法・記述

Aの配偶者であるBは、Aから法律行為に関する代理権を授与されていないにもかかわらず、Aが所有する高級腕時計甲につき、自身の海外旅行費用に充てるために、Aの代理人と称してCに売却する旨の売買契約(以下「本件契約」という)を締結した。このような場合におけるCのAに対する本件契約の履行請求の可否につき、判例は、民法110条(権限外の行為の表見代理)の趣旨を類推して相手方保護を図る旨を示した。判例は、Cにおいて、どのような場合に上記の類推適用を認めているかについて、40字程度で記述しなさい。

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    【答え】:本件契約が夫婦の日常家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当な理由がある場合(45字)
    【解説】

    本問のポイントは、日常家事代理権(民法761条)権限外の行為の表見代理(民法110条)の類推適用の関係です。

    まず前提として、夫婦は互いに日常の家事に関する法律行為について相互に代理権を有します(民法761条)。しかし本問のBによる高級腕時計の売却は、海外旅行費用に充てるためのものであり、「日常家事」の範囲を明らかに超えています。したがってBには代理権がなく、本件契約は無権代理となります。

    問題はCの保護です。判例(最高裁昭和44年12月18日)は、日常家事代理権という「基本代理権」が存在することを根拠に、その権限を超えた行為に対して民法110条(権限外の行為の表見代理)の趣旨を類推適用することを認めました。

    ただし類推適用が認められるのは無条件ではなく、相手方Cが、その行為(本件契約)が日常家事の範囲内に属すると信じ、かつそのように信じたことについて正当な理由がある場合に限られます。Cに正当な理由がない場合は保護されません。

    論点 根拠 内容
    基本代理権 民法761条 夫婦間の日常家事代理権
    類推適用の根拠 民法110条の類推 権限外の行為の表見代理
    類推適用の要件 最高裁昭和44年判決 日常家事の範囲内と信ずるにつき正当な理由

    記述式では「日常家事の範囲内に属すると信ずるにつき正当な理由」という文言を正確に書けるかどうかが勝負です。「正当な理由」は民法110条の「正当な理由」と同じ概念であり、相手方の善意・無過失を意味します。「信じただけ」では足りず、そう信じたことに合理的な根拠が必要な点を押さえておきましょう。

    ※「日常家事代理権」とは、夫婦が日常の家事(食料品の購入・光熱費の支払いなど)について互いに代理権を持つことをいいます(民法761条)。日用品の購入などには及びますが、高額な財産処分は含まれません。
    ※「表見代理(民法110条)」とは、代理権の範囲を超えた行為であっても、相手方が正当な理由をもって代理権の範囲内と信じた場合に、本人に効果を帰属させる制度です。相手方保護を目的とします。

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    令和7年(2025年)過去問

    問1 基礎法学 問31 民法
    問2 基礎法学 問32 民法
    問3 憲法 問33 民法
    問4 憲法 問34 民法
    問5 憲法 問35 民法
    問6 憲法 問36 商法
    問7 憲法 問37 会社法
    問8 行政法 問38 会社法
    問9 行政法 問39 会社法
    問10 行政法 問40 会社法
    問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
    問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
    問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
    問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
    問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
    問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
    問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
    問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
    問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
    問20 国家賠償法 問50 基礎知識
    問21 国家賠償法 問51 基礎知識
    問22 行政法 問52 基礎知識
    問23 地方自治法 問53 行政書士法
    問24 地方自治法 問54 基礎知識
    問25 行政法 問55 基礎知識
    問26 情報公開法 問56 基礎知識
    問27 民法 問57 基礎知識
    問28 民法 問58 著作権の関係上省略
    問29 民法 問59 著作権の関係上省略
    問30 民法 問60 著作権の関係上省略

    令和7年・2025|問46|民法・記述

    Aは、Bの所有する隣家の火災(以下「本件火災」という。本件火災は、AおよびBの故意・過失によるものではない)を見つけ、消防署に通報した。本件火災は、ボヤ(小火)であったので、これを消し止めることができると思い、Aは、Aの家に備え付けてあったA所有の消火器を用いて消火活動を開始した。この場合に、どのような法的根拠に基づき消火活動を継続しなければならないか。また、Aは、消火器を使ったため新たな消火器を購入する必要が生じたが、そのための費用を、どのような法的性質を有するものとしてBに対して償還を請求することができるか。民法の規定に照らして、40字程度で記述しなさい。

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      【答え】:事務管理に基づき継続しなければならない。本人のために有益な費用として償還請求できる。(42字)
      【解説】

      本問は、事務管理(民法697条〜702条)に関する記述式問題です。

      まず、AはBの所有する隣家の消火活動という「他人の事務」を、Bの依頼なく自発的に開始しました。本件火災はAおよびBの故意・過失によるものではないため、不法行為の問題は生じません。AがBのために無断で事務を処理しているこの状況が、まさに事務管理(民法697条)に該当します。

      次に、消火活動の継続義務についてです。事務管理を開始した者は、本人(B)が管理できる状態になるまで、その事務管理を継続しなければなりません(民法700条)。途中でやめることで本人に不利益が生じることを防ぐためです。本問では消防署への通報済みとはいえ、ボヤを消し止められると判断して開始した以上、Aは消火活動を継続する義務を負います。

      最後に、消火器の費用についてです。事務管理者が本人のために支出した費用は、有益な費用として本人に償還請求することができます(民法702条1項)。消火器の使用はBの財産(隣家)を守るために支出した費用であり、本人(B)のために有益な費用として認められます。

      論点 根拠条文 内容
      消火活動の法的根拠 民法697条 事務管理の成立
      継続義務の根拠 民法700条 本人が管理できるまで継続義務あり
      費用償還請求の根拠 民法702条1項 有益費用として償還請求可能

      記述式問題では、①法的根拠(条文・制度名)、②要件・効果を簡潔に盛り込むことが高得点のコツです。「事務管理」「有益な費用」という用語を正確に使えているかが採点上のポイントになります。

      ※「事務管理」とは、義務なく他人のために事務を管理することをいいます(民法697条)。本人の意思に反しない限り成立し、管理者は善良な管理者の注意義務を負います。
      ※「有益費用」とは、本人の財産の価値を増加させるために支出した費用のことです。事務管理者は有益費用を本人に償還請求できます(民法702条1項)。

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      令和7年(2025年)過去問

      問1 基礎法学 問31 民法
      問2 基礎法学 問32 民法
      問3 憲法 問33 民法
      問4 憲法 問34 民法
      問5 憲法 問35 民法
      問6 憲法 問36 商法
      問7 憲法 問37 会社法
      問8 行政法 問38 会社法
      問9 行政法 問39 会社法
      問10 行政法 問40 会社法
      問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
      問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
      問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
      問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
      問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
      問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
      問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
      問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
      問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
      問20 国家賠償法 問50 基礎知識
      問21 国家賠償法 問51 基礎知識
      問22 行政法 問52 基礎知識
      問23 地方自治法 問53 行政書士法
      問24 地方自治法 問54 基礎知識
      問25 行政法 問55 基礎知識
      問26 情報公開法 問56 基礎知識
      問27 民法 問57 基礎知識
      問28 民法 問58 著作権の関係上省略
      問29 民法 問59 著作権の関係上省略
      問30 民法 問60 著作権の関係上省略

      令和7年・2025|問47|基礎知識

      日本の住民投票に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

      1. 市町村合併の当否をめぐり住民投票が行われた事例はない。
      2. 住民投票を実施するために制定される住民投票条例には、投票すべき課題に関してその都度制定される個別型と、将来に備えてあらかじめ住民投票の手続等を定めておく常設型がある。
      3. 地方公共団体が整備する公共施設の建設の当否について住民投票が行われた事例はない。
      4. 原子力発電所の設置に関して住民投票が行われた事例はない。
      5. いわゆる大阪都構想(大阪市を廃止して特別区を設置する構想)をめぐる住民投票は、国会決議に基づいて実施された。

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      【答え】:2
      【解説】
      1.市町村合併の当否をめぐり住民投票が行われた事例はない。

      1.妥当でない

      市町村合併の当否をめぐる住民投票は多くの事例があります。「事例はない」という記述は誤りです。平成の大合併(1999〜2010年)の際には、全国各地で合併の賛否を問う住民投票が実施されました。

      ※「平成の大合併」とは、1999年〜2010年にかけて国の主導で行われた大規模な市町村合併のことです。全国の市町村数は約3,200から約1,700へと大幅に減少しました。

      2.住民投票を実施するために制定される住民投票条例には、投票すべき課題に関してその都度制定される個別型と、将来に備えてあらかじめ住民投票の手続等を定めておく常設型がある。

      2.妥当である

      住民投票条例には大きく2つの形式があります。個別設置型は、特定の課題が生じた際にその都度、議会の議決により住民投票条例を制定して実施する方式です。一方、常設型は、将来の住民投票に備えてあらかじめ手続きや要件を条例で定めておき、要件を満たした際に実施する方式です。近年は常設型を採用する自治体が増えています。

      ※「住民投票条例」とは、地方自治法に定める住民投票(リコールなど)とは別に、地方公共団体が独自に住民の意思を問うために制定する条例です。法的拘束力を持たない諮問型が多数を占めます。

      3.地方公共団体が整備する公共施設の建設の当否について住民投票が行われた事例はない。

      3.妥当でない

      公共施設の建設の当否をめぐる住民投票も多くの事例があります。産業廃棄物処理施設・ごみ焼却場・ダム建設などについて、全国各地で住民投票が実施されてきました。「事例はない」という記述は明らかな誤りです。

      4.原子力発電所の設置に関して住民投票が行われた事例はない。

      4.妥当でない

      原子力発電所の設置に関する住民投票は複数の事例があります1996年に新潟県巻町(現・新潟市)で最初の住民投票が実施され、その後も新潟県刈羽村、三重県海山町などで同様の住民投票が行われています。巻町の住民投票は日本初の原発に関する住民投票として歴史的に重要な事例です。

      5.いわゆる大阪都構想(大阪市を廃止して特別区を設置する構想)をめぐる住民投票は、国会決議に基づいて実施された。

      5.妥当でない

      大阪都構想をめぐる住民投票は国会決議ではなく、大都市地域における特別区の設置に関する法律(大都市法)に基づいて実施されました。2015年と2020年の2度にわたって住民投票が行われましたが、いずれも反対多数で否決され、事実上廃案となっています。

      ※「大阪都構想」とは、大阪府・大阪市・堺市を再編し、東京23区のような複数の特別区で構成される「大阪都」を新設する構想です。府と市の二重行政の解消による行政効率化を目的としていました。
      ※「大都市法(大都市地域における特別区の設置に関する法律)」とは、政令指定都市を廃止して特別区を設置する手続きを定めた法律です。住民投票で過半数の賛成が必要とされています。

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      令和7年(2025年)過去問

      問1 基礎法学 問31 民法
      問2 基礎法学 問32 民法
      問3 憲法 問33 民法
      問4 憲法 問34 民法
      問5 憲法 問35 民法
      問6 憲法 問36 商法
      問7 憲法 問37 会社法
      問8 行政法 問38 会社法
      問9 行政法 問39 会社法
      問10 行政法 問40 会社法
      問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
      問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
      問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
      問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
      問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
      問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
      問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
      問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
      問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
      問20 国家賠償法 問50 基礎知識
      問21 国家賠償法 問51 基礎知識
      問22 行政法 問52 基礎知識
      問23 地方自治法 問53 行政書士法
      問24 地方自治法 問54 基礎知識
      問25 行政法 問55 基礎知識
      問26 情報公開法 問56 基礎知識
      問27 民法 問57 基礎知識
      問28 民法 問58 著作権の関係上省略
      問29 民法 問59 著作権の関係上省略
      問30 民法 問60 著作権の関係上省略

      令和7年・2025|問48|基礎知識

      日本の政党と政治に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

      ア.政党助成法に基づく政党交付金の交付の対象となる政党には、法人格を取得していない政党も含まれる。

      イ.政治資金規正法は、政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与することを目的として制定された。

      ウ.田中角栄内閣は、日本新党や日本社会党などによる非自民・非共産連立政権であった。

      エ.鳩山由紀夫内閣は、民主党、社会民主党、国民新党の3党による連立政権であった。

      オ.国政選挙などの際に、有権者が政策の実現性を明確に判断できるように、マニフェストと呼ばれる政策文書がつくられたこともある。

      1. ア・イ
      2. ア・ウ
      3. イ・オ
      4. ウ・エ
      5. エ・オ

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      【答え】:2

      【解説】
      ア.政党助成法に基づく政党交付金の交付の対象となる政党には、法人格を取得していない政党も含まれる。

      ア.妥当でない

      政党交付金の交付対象となるのは法人格を取得した政党に限られます。法人格を取得していない政党は政党交付金の交付を受けることができません。「法人格のない政党も含まれる」という記述は誤りです。

      ※「政党交付金」とは、政党助成法に基づき、国が政党に対して交付する資金のことです。国民一人あたり250円を基準に算出した総額を、議席数・得票数に応じて各政党に配分します。

      イ.政治資金規正法は、政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与することを目的として制定された。

      イ.妥当である

      政治資金規正法は、政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与することを目的としています(政治資金規正法1条)。政治団体の届出義務、政治資金の収支公開、政治資金の授受規制などを定めており、国民の不断の監視と批判の下に政治活動が行われるようにすることがその趣旨です。

      ※「政治資金規正法」とは、政治団体の届出・収支報告や政治献金のルールを定めた法律です。「規制」ではなく「規正」(正しく規律する)という字を使う点に注意しましょう。

      ウ.田中角栄内閣は、日本新党や日本社会党などによる非自民・非共産連立政権であった。

      ウ.妥当でない

      田中角栄内閣は自民党単独政権です。日本新党や日本社会党などによる非自民・非共産連立政権を率いたのは細川護熙内閣(1993年)です。田中角栄と細川護熙を混同させるひっかけパターンですので、各内閣の政権構成を整理して覚えておきましょう。

      エ.鳩山由紀夫内閣は、民主党、社会民主党、国民新党の3党による連立政権であった。

      エ.妥当である

      鳩山由紀夫内閣(2009年)は、民主党・社会民主党・国民新党の3党による連立政権でした。2009年の衆議院選挙で民主党が圧勝し、自民党から政権交代が実現した際に発足した内閣です。3党の組み合わせを正確に覚えておきましょう。

      オ.国政選挙などの際に、有権者が政策の実現性を明確に判断できるように、マニフェストと呼ばれる政策文書がつくられたこともある。

      オ.妥当である

      マニフェストは「政権公約」と訳され、政策の具体的な数値目標・実施時期・財源などを明示した政策文書です。もともとイギリスの主要政党が選挙の際に公表するものであり、日本では2003年の統一地方選挙・衆議院選挙から本格的に使われるようになりました

      ※「マニフェスト」とは、選挙の際に政党・候補者が有権者に示す政権公約のことで、単なるスローガンではなく数値目標や財源を明記した具体的な政策文書を指します。

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      令和7年(2025年)過去問

      問1 基礎法学 問31 民法
      問2 基礎法学 問32 民法
      問3 憲法 問33 民法
      問4 憲法 問34 民法
      問5 憲法 問35 民法
      問6 憲法 問36 商法
      問7 憲法 問37 会社法
      問8 行政法 問38 会社法
      問9 行政法 問39 会社法
      問10 行政法 問40 会社法
      問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
      問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
      問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
      問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
      問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
      問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
      問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
      問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
      問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
      問20 国家賠償法 問50 基礎知識
      問21 国家賠償法 問51 基礎知識
      問22 行政法 問52 基礎知識
      問23 地方自治法 問53 行政書士法
      問24 地方自治法 問54 基礎知識
      問25 行政法 問55 基礎知識
      問26 情報公開法 問56 基礎知識
      問27 民法 問57 基礎知識
      問28 民法 問58 著作権の関係上省略
      問29 民法 問59 著作権の関係上省略
      問30 民法 問60 著作権の関係上省略

      令和7年・2025|問49|基礎知識

      日本の米価に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。 (注)* 主要食糧の需給および価格の安定に関する法律

      1. 「米公方」と呼ばれた江戸幕府将軍・徳川綱吉は、米価を安定させて、犬などの生類の保護をしようとして、大阪の堂島米市場を公認するなどした。
      2. 大正期に米価が急落すると、全国各地で米商人などによる政府機関へのテロ・襲撃が起きて大騒擾となり、「米騒動」と呼ばれた。
      3. 1970年代の日本の食糧管理制度では、政府は、米などの価格を規制する一方、米の過剰生産を抑えるために減反(生産調整)を行った。
      4. 1995年のいわゆる新食糧法* の施行によって、米価に関しては原則的に公定価格(生産者米価と消費者米価)によることとされた。
      5. 米価の急騰を受けて、2025年から、米国政府国際開発庁(USAID:U.S.Agency for International Development)は、対日支援として備蓄米の放出を開始した。

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      【答え】:3
      【解説】
      1.「米公方」と呼ばれた江戸幕府将軍・徳川綱吉は、米価を安定させて、犬などの生類の保護をしようとして、大阪の堂島米市場を公認するなどした。

      1.妥当でない

      「米公方」と呼ばれ、米価の安定のために大阪の堂島米市場を公認したのは、徳川綱吉ではなく第8代将軍・徳川吉宗です。吉宗は新田開発や年貢増産によって米の増産を図りましたが、米に依存しすぎたことで米の収穫量が社会全体に影響する不安定な構造を生んでしまったという側面もありました。なお、生類憐みの令で知られる綱吉は第5代将軍です。

      ※「堂島米市場」とは、大阪・堂島に設けられた米の先物取引市場で、世界最古の先物取引市場の一つとされています。

      2.大正期に米価が急落すると、全国各地で米商人などによる政府機関へのテロ・襲撃が起きて大騒擾となり、「米騒動」と呼ばれた。

      2.妥当でない

      米騒動が起きたのは米価の急落ではなく急騰が原因です。大正7年(1918年)、政府がシベリア出兵の方針を固めたことを背景に投機目的の米買い占めが横行して米価が高騰し、富山県の漁民・主婦らが米の移出禁止と安売りを求めて立ち上がったことが全国に波及しました。テロ・政府機関への襲撃という記述も不正確です。

      ※「米騒動」とは、1918年(大正7年)に富山県を発端として全国に広がった米価高騰への民衆抗議運動です。当時の寺内正毅内閣が退陣に追い込まれ、原敬による初の本格的政党内閣誕生につながりました。

      3.1970年代の日本の食糧管理制度では、政府は、米などの価格を規制する一方、米の過剰生産を抑えるために減反(生産調整)を行った。

      3.妥当である

      食糧管理制度は1942年に制定され、当初は食糧不足対策として機能しました。しかし1967年以降は米の過剰生産(コメ余り)が社会問題となり、政府は減反(生産調整)と自主流通米制度を柱とした改革を実施しました。価格規制と生産抑制を同時に行ったという点が本肢のポイントです。

      ※「食糧管理制度」とは、食糧管理法に基づき、米・麦などの主要食糧の需給・価格を国家が管理する制度です。1995年の食糧法施行により廃止されました。
      ※「減反(生産調整)」とは、米の過剰生産を防ぐために政府が農家に作付け面積を減らすよう求めた政策です。

      4.1995年のいわゆる新食糧法* の施行によって、米価に関しては原則的に公定価格(生産者米価と消費者米価)によることとされた。

      4.妥当でない

      1995年施行の新食糧法では、米価を原則として公定価格で定めるという制度は採用されていません。農林水産大臣が基本方針を定めるとされているものの、価格は原則として市場に委ねられる方向へと転換されました。「原則的に公定価格による」という記述が誤りです。

      ※「新食糧法」とは、1995年施行の「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」の通称です。旧食糧管理法を廃止し、米の流通規制を大幅に緩和しました。
      ※「公定価格」とは、政府が法令によって定める価格のことで、生産者が政府に売る価格(生産者米価)と消費者が政府から買う価格(消費者米価)の2種類がありました。

      5.米価の急騰を受けて、2025年から、米国政府国際開発庁(USAID:U.S.Agency for International Development)は、対日支援として備蓄米の放出を開始した。

      5.妥当でない

      2024年〜2025年の記録的な米価高騰・品薄状態を受けて備蓄米を放出したのは、米国政府国際開発庁(USAID)ではなく日本政府です。USAIDは米国の対外援助機関であり、日本の国内米価対策に関与するものではありません。「対日支援」という表現も誤りです。

      ※「USAID(米国政府国際開発庁)」とは、アメリカの政府機関で、開発途上国への経済・人道支援を行う機関です。日本の食糧政策とは無関係です。
      ※「備蓄米」とは、不作や災害など不測の事態に備えて政府が保管している米のことです。

      令和8年度行政法予想模試

       


      令和7年(2025年)過去問

      問1 基礎法学 問31 民法
      問2 基礎法学 問32 民法
      問3 憲法 問33 民法
      問4 憲法 問34 民法
      問5 憲法 問35 民法
      問6 憲法 問36 商法
      問7 憲法 問37 会社法
      問8 行政法 問38 会社法
      問9 行政法 問39 会社法
      問10 行政法 問40 会社法
      問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
      問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
      問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
      問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
      問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
      問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
      問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
      問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
      問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
      問20 国家賠償法 問50 基礎知識
      問21 国家賠償法 問51 基礎知識
      問22 行政法 問52 基礎知識
      問23 地方自治法 問53 行政書士法
      問24 地方自治法 問54 基礎知識
      問25 行政法 問55 基礎知識
      問26 情報公開法 問56 基礎知識
      問27 民法 問57 基礎知識
      問28 民法 問58 著作権の関係上省略
      問29 民法 問59 著作権の関係上省略
      問30 民法 問60 著作権の関係上省略

      令和7年・2025|問51|基礎知識

      経済に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

      1. 需要曲線とは、ある財について、ある消費者が一定期間に消費したい量を、その財の価格の関数として描いた曲線を意味する。
      2. 需要の価格弾力性とは、ある財の価格が1%上昇した際の、需要の減少率を意味する。
      3. 機会費用とは、ある財の取引機会を利用するために必要な、取引相手の探索や条件の交渉などにかかる費用を意味する。
      4. 完全競争とは、多数の生産者と多数の消費者が市場に参加しており、その結果として、個別の経済主体の行動が価格に与える影響が無視できるほど小さい状態を意味する。
      5. 市場の失敗とは、ある財の市場において外部性が発生するなどの理由により、市場が効率性の達成に失敗する状態を意味する。

      >解答と解説はこちら


      【答え】:3
      【解説】
      1.需要曲線とは、ある財について、ある消費者が一定期間に消費したい量を、その財の価格の関数として描いた曲線を意味する。

      1.妥当である

      需要曲線とは、ある財の価格と需要量の関係をグラフで示した曲線です。買い手はなるべく安く買いたいため、価格が上がると需要は減少し、価格が下がると需要は増加します。この関係を描くと、需要曲線は右下がりの形になります。

      2.需要の価格弾力性とは、ある財の価格が1%上昇した際の、需要の減少率を意味する。

      2.妥当である

      需要の価格弾力性とは、価格が1%上昇した際に需要が何%減少するかを示す指標です。弾力性が高い財は価格変動に対して需要が大きく変化し、弾力性が低い財(生活必需品など)は価格が変わっても需要がほとんど変わりません。試験では「弾力性が高い=需要の変動が大きい」という関係を押さえておきましょう。

      3.機会費用とは、ある財の取引機会を利用するために必要な、取引相手の探索や条件の交渉などにかかる費用を意味する。

      3.妥当でない

      問題文の説明は「機会費用」ではなく「取引費用」の説明です。取引費用とは、取引相手の探索や条件の交渉・契約締結などにかかるコストを指します。一方、機会費用とは、ある選択をすることで失われる別の選択肢から得られたはずの利益のことです。例えば、大学に進学することを選んだ場合、その間に就職していれば得られたはずの収入が機会費用にあたります。

      4.完全競争とは、多数の生産者と多数の消費者が市場に参加しており、その結果として、個別の経済主体の行動が価格に与える影響が無視できるほど小さい状態を意味する。

      4.妥当である

      完全競争とは、売り手・買い手ともに多数存在し、個々の経済主体が価格に影響を与えられない状態を指します。完全競争が成立する条件として、市場への参入・退出の自由、商品の同質性、完全な情報の流通などが挙げられます。ただし、現実の市場では完全競争が成立することは非常に稀であり、理論上の概念として重要です。

      5.市場の失敗とは、ある財の市場において外部性が発生するなどの理由により、市場が効率性の達成に失敗する状態を意味する。

      5.妥当である

      市場の失敗とは、市場メカニズムが効率的な資源配分を達成できない状態を指します。主な原因として、①外部性(自分の行動が市場を介さず他者に影響を与えること)、②公共財(非排除性・非競合性を持つ財)、③情報の非対称性(売り手と買い手の間で情報量に格差があること)、④独占・寡占(少数の事業者が市場を支配すること)の4つが挙げられます。

      令和8年度行政法予想模試

       


      令和7年(2025年)過去問

      問1 基礎法学 問31 民法
      問2 基礎法学 問32 民法
      問3 憲法 問33 民法
      問4 憲法 問34 民法
      問5 憲法 問35 民法
      問6 憲法 問36 商法
      問7 憲法 問37 会社法
      問8 行政法 問38 会社法
      問9 行政法 問39 会社法
      問10 行政法 問40 会社法
      問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
      問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
      問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
      問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
      問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
      問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
      問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
      問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
      問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
      問20 国家賠償法 問50 基礎知識
      問21 国家賠償法 問51 基礎知識
      問22 行政法 問52 基礎知識
      問23 地方自治法 問53 行政書士法
      問24 地方自治法 問54 基礎知識
      問25 行政法 問55 基礎知識
      問26 情報公開法 問56 基礎知識
      問27 民法 問57 基礎知識
      問28 民法 問58 著作権の関係上省略
      問29 民法 問59 著作権の関係上省略
      問30 民法 問60 著作権の関係上省略

      令和7年・2025|問53|行政書士法

      行政書士法に関する次のア~エの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

      ア.行政書士が、この法律もしくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、当該行政書士に対し、戒告処分をすることができる。

      イ.行政書士が、この法律もしくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、当該行政書士に対し、法定年数以内の業務の停止処分をすることができる。

      ウ.行政書士法人が、この法律またはこの法律に基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは運営が著しく不当と認められるときは、総務大臣は、当該行政書士法人の解散処分をすることができる。

      エ.行政書士が、この法律もしくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときに、都道府県知事が懲戒処分として業務を禁止した行政書士について、日本行政書士会連合会は登録を抹消することはできない。

      1. ア・イ
      2. ア・ウ
      3. イ・ウ
      4. イ・エ
      5. ウ・エ

      >解答と解説はこちら


      【答え】:5

      【解説】
      ア.行政書士が、この法律もしくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、当該行政書士に対し、戒告処分をすることができる。

      ア.妥当である

      行政書士が法令・処分違反をした場合、または行政書士たるにふさわしくない重大な非行があった場合、都道府県知事は戒告・2年以内の業務停止・業務禁止のいずれかの処分をすることができます(行政書士法14条)。処分の主体が「都道府県知事」である点と、3種類の処分の内容をセットで覚えておきましょう。

      イ.行政書士が、この法律もしくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、当該行政書士に対し、法定年数以内の業務の停止処分をすることができる。

      イ.妥当である

      法定年数以内の業務停止処分とは2年以内の業務停止を指します(行政書士法14条)。肢アの解説のとおり、都道府県知事が行う懲戒処分の一つです。「法定年数=2年」という数字を正確に押さえておきましょう。

      ウ.行政書士法人が、この法律またはこの法律に基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは運営が著しく不当と認められるときは、総務大臣は、当該行政書士法人の解散処分をすることができる。

      ウ.妥当でない

      行政書士法人への処分権限を持つのは総務大臣ではなく都道府県知事です。行政書士法人が法令・処分違反をした場合や運営が著しく不当と認められる場合に解散等の処分を行うのも、個人の行政書士への処分と同様に都道府県知事です。「行政書士関連の懲戒処分は都道府県知事」と一括して覚えておきましょう。

      エ.行政書士が、この法律もしくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したときまたは行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときに、都道府県知事が懲戒処分として業務を禁止した行政書士について、日本行政書士会連合会は登録を抹消することはできない。

      エ.妥当でない

      都道府県知事が業務禁止の懲戒処分を下した行政書士について、日本行政書士会連合会は登録を抹消「することができる」のではなく、「しなければならない」と義務付けられています。任意規定と義務規定を混同させるひっかけパターンです。「できる」と「しなければならない」の違いは条文上の重要ポイントですので、注意してください。

      令和8年度行政法予想模試

       


      令和7年(2025年)過去問

      問1 基礎法学 問31 民法
      問2 基礎法学 問32 民法
      問3 憲法 問33 民法
      問4 憲法 問34 民法
      問5 憲法 問35 民法
      問6 憲法 問36 商法
      問7 憲法 問37 会社法
      問8 行政法 問38 会社法
      問9 行政法 問39 会社法
      問10 行政法 問40 会社法
      問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
      問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
      問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
      問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
      問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
      問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
      問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
      問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
      問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
      問20 国家賠償法 問50 基礎知識
      問21 国家賠償法 問51 基礎知識
      問22 行政法 問52 基礎知識
      問23 地方自治法 問53 行政書士法
      問24 地方自治法 問54 基礎知識
      問25 行政法 問55 基礎知識
      問26 情報公開法 問56 基礎知識
      問27 民法 問57 基礎知識
      問28 民法 問58 著作権の関係上省略
      問29 民法 問59 著作権の関係上省略
      問30 民法 問60 著作権の関係上省略

      令和7年・2025|問56|基礎知識

      インターネット上のなりすまし広告などを通じた近年の投資詐欺問題に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

      1. 被害者はインターネットを頻繁に利用する若年層が多く、半数以上が30歳未満である。
      2. 被害に遭うきっかけとしては、投資サイトよりも、メッセージングサービスやソーシャルネットワークサービスが多くを占める。
      3. 被害を避けるには、著名人のなりすましによる広告での勧誘ではないかを判断するために、本人の公式アカウントなどで情報を確認することが望ましい。
      4. 詐欺の手段として、存在しない架空の暗号資産への投資勧誘が行われることがある。
      5. 振込先として個人の口座が指定されたり、振込先の口座が頻繁に変わることがある。

      >解答と解説はこちら


      【答え】:1
      【解説】
      1.被害者はインターネットを頻繁に利用する若年層が多く、半数以上が30歳未満である。

      1.妥当でない

      「半数以上が30歳未満」という記述が誤りです。実際には、被害相談者を年代別にみると男女ともに50〜60代が半数を超えており、30代以下は全体の約10%にとどまっています。SNS投資詐欺はインターネットに不慣れな高齢層が狙われやすいというイメージを持ちがちですが、実際には比較的リテラシーがあると思われる中高年層が多く被害に遭っている点が重要なポイントです。「若年層が多い」という思い込みを利用したひっかけです。

      2.被害に遭うきっかけとしては、投資サイトよりも、メッセージングサービスやソーシャルネットワークサービスが多くを占める。

      2.妥当である

      SNS投資詐欺の最初の接触ツールはSNSやメッセージングサービスが最多であり、男女ともに過半数を占めています。投資サイトへの直接誘導よりも、まずSNS上での接触から始まり、その後に偽の投資話へ誘導するという手口が主流となっています。「入口はSNS」というパターンをしっかり押さえておきましょう。

      3.被害を避けるには、著名人のなりすましによる広告での勧誘ではないかを判断するために、本人の公式アカウントなどで情報を確認することが望ましい。

      3.妥当である

      著名人が無料で投資教室を開催したり、確実に利益が出る投資話を無料で教えたりすることは基本的にありえません。被害を避けるための第一歩は、「この著名人は本当にこの投資を勧めているのか?」と疑い、本人の公式アカウントやオフィシャルサイトで情報を確認することです。なりすまし広告は精巧に作られているため、広告の見た目だけで判断しないことが重要です。

      4.詐欺の手段として、存在しない架空の暗号資産への投資勧誘が行われることがある。

      4.妥当である

      詐欺の手口として、実在しない架空の暗号資産への投資勧誘や、偽物の投資アプリのインストールを求めるケースが相次いでいます。対策としては、勧められた暗号資産や投資アプリの名称をインターネットで検索し、信頼できる情報源で実在を確認することが不可欠です。「有名そうな名前だから本物」と思い込まないことが大切です。

      5.振込先として個人の口座が指定されたり、振込先の口座が頻繁に変わることがある。

      5.妥当である

      正規の投資であれば、振込先として個人名義の口座が指定されることはまずありません。また、振込のたびに口座が変わる場合は、詐欺グループが摘発を逃れるために「飛ばし口座」を使い捨てにしている典型的なパターンです。

      危険なサイン 理由
      振込先が個人名義の口座 正規業者は法人口座を使用するのが通常
      振込のたびに口座が変わる 摘発を避けるための「飛ばし口座」の使い捨て

      令和8年度行政法予想模試

       


      令和7年(2025年)過去問

      問1 基礎法学 問31 民法
      問2 基礎法学 問32 民法
      問3 憲法 問33 民法
      問4 憲法 問34 民法
      問5 憲法 問35 民法
      問6 憲法 問36 商法
      問7 憲法 問37 会社法
      問8 行政法 問38 会社法
      問9 行政法 問39 会社法
      問10 行政法 問40 会社法
      問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
      問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
      問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
      問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
      問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
      問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
      問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
      問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
      問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
      問20 国家賠償法 問50 基礎知識
      問21 国家賠償法 問51 基礎知識
      問22 行政法 問52 基礎知識
      問23 地方自治法 問53 行政書士法
      問24 地方自治法 問54 基礎知識
      問25 行政法 問55 基礎知識
      問26 情報公開法 問56 基礎知識
      問27 民法 問57 基礎知識
      問28 民法 問58 著作権の関係上省略
      問29 民法 問59 著作権の関係上省略
      問30 民法 問60 著作権の関係上省略

      令和7年・2025|問52|基礎知識

      ジェンダーと平等に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。 (注)* 雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保等に関する法律

      1. 英国では、19世紀末から20世紀初頭にかけて、参政権を求めて女性たちが抗議活動を行い、厳しい取締りを受けた。
      2. 米国では、1969年に、同性愛者らが集まるとされる特定のバーへの取締りを機に、同性愛者らによる抗議運動が起きた。
      3. 日本では、2019年に、性暴力に反対するフラワーデモが各地で行われ、多くのひとたちが集まった。
      4. 国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW:Committee on the Elimination of Discrimination Against Women)は、日本政府に対して、女性が婚姻後も婚姻前の姓を実質的に保持できるよう、法律を改正することを勧告した。
      5. 日本の男女雇用機会均等法* では、妊娠や出産を理由とする解雇は禁止されていない。

      >解答と解説はこちら


      【答え】:5
      【解説】
      1.英国では、19世紀末から20世紀初頭にかけて、参政権を求めて女性たちが抗議活動を行い、厳しい取締りを受けた。

      1.妥当である

      イギリスでは19世紀末から20世紀初頭にかけて、女性たちが参政権を求めてサフラジェット・サフラジストと呼ばれる運動を展開し、厳しい取締りを受けながらも抗議活動を続けました。その背景には、労働者による参政権要求運動(チャーチスト運動)から始まる選挙法改正の歴史があります。

      内容
      1回目 1832年 制限選挙のまま(財産要件の緩和)
      2回目 1867年 都市労働者へ参政権拡大
      3回目 1884年 農村労働者へ参政権拡大
      4回目 1918年 女性(30歳以上)に参政権付与
      5回目 1928年 男女21歳で完全普通選挙が実現

      「チャーチスト運動→改正5回→1928年に完全普通選挙」とセットで押さえておきましょう。

       

      2.米国では、1969年に、同性愛者らが集まるとされる特定のバーへの取締りを機に、同性愛者らによる抗議運動が起きた。

      2.妥当である

      1969年6月28日、ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン」に対する警察の強制捜査に対し、LGBTQ+当事者たちが抵抗したことから、ストーンウォール暴動が起きました。この出来事は現代LGBTQ+解放運動の転換点とされており、毎年6月がLGBT Pride Monthとされているのもこの事件が由来です。

       

      3.日本では、2019年に、性暴力に反対するフラワーデモが各地で行われ、多くのひとたちが集まった。

      3.妥当である

      フラワーデモは、2019年3月に続いた性暴力事件の無罪判決を受け、女性たちが抗議の意味を込めて花を持ち2019年4月11日に集まったことから始まりました。その後、毎月11日に女性への性暴力への抗議のための自発的な集まりが全国各地で継続して行われるようになっています。

       

      4.国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW:Committee on the Elimination of Discrimination Against Women)は、日本政府に対して、女性が婚姻後も婚姻前の姓を実質的に保持できるよう、法律を改正することを勧告した。

      4.妥当である

      2024年10月29日、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は日本政府に対する総括所見において、女性が婚姻後も旧姓を保持できるよう、夫婦の姓の選択に関する法律を改正するよう勧告しました。日本は夫婦同姓を法律で強制する国として国際的にも注目されており、2024年の最新動向として押さえておきたい事項です。

       

      5.日本の男女雇用機会均等法* では、妊娠や出産を理由とする解雇は禁止されていない。

      5.妥当でない

      「禁止されていない」という記述が誤りです。男女雇用機会均等法9条3項および育児・介護休業法10条において、妊娠・出産・育児休業等を理由とする解雇その他の不利益取扱いは明確に禁止されています。

      法律 条文 禁止内容
      男女雇用機会均等法 9条3項 妊娠・出産を理由とする解雇等の不利益取扱い
      育児・介護休業法 10条 育児休業取得を理由とする不利益取扱い

      「均等法9条3項+育介法10条=不利益取扱い禁止」とセットで記憶してください。本試験では「〜は禁止されていない」という否定形のひっかけが頻出ですので、特に注意が必要です。

      令和8年度行政法予想模試

       


      令和7年(2025年)過去問

      問1 基礎法学 問31 民法
      問2 基礎法学 問32 民法
      問3 憲法 問33 民法
      問4 憲法 問34 民法
      問5 憲法 問35 民法
      問6 憲法 問36 商法
      問7 憲法 問37 会社法
      問8 行政法 問38 会社法
      問9 行政法 問39 会社法
      問10 行政法 問40 会社法
      問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
      問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
      問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
      問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
      問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
      問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
      問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
      問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
      問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
      問20 国家賠償法 問50 基礎知識
      問21 国家賠償法 問51 基礎知識
      問22 行政法 問52 基礎知識
      問23 地方自治法 問53 行政書士法
      問24 地方自治法 問54 基礎知識
      問25 行政法 問55 基礎知識
      問26 情報公開法 問56 基礎知識
      問27 民法 問57 基礎知識
      問28 民法 問58 著作権の関係上省略
      問29 民法 問59 著作権の関係上省略
      問30 民法 問60 著作権の関係上省略

      令和7年・2025|問57|基礎知識

      個人情報保護制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。 (注)* 個人情報の保護に関する法律

      1. 個人情報保護法* では、民間事業者への罰則として、年間の売上高に応じた額を上限とした罰金が定められている。
      2. 個人情報保護法には、刑事罰としての罰金以外に、制定時以来、課徴金が定められている。
      3. 個人情報保護委員会は、いわゆるマイナンバーカード(個人番号カード)の交付事務を行っている。
      4. 個人情報保護委員会は、個人情報保護法の定める行政機関等に対しては監視を行わない。
      5. 個人情報保護委員会は、個人情報保護法の定める個人情報取扱事業者等に対して立入検査を行うことができる。

      >解答と解説はこちら


      【答え】:5
      【解説】
      1.個人情報保護法* では、民間事業者への罰則として、年間の売上高に応じた額を上限とした罰金が定められている。

      1.妥当でない

      個人情報保護法における罰金は、違反の類型ごとにあらかじめ上限額が定められています。情報漏洩については100万円以下(177条)、不正な利益を図る目的での個人情報の提供・盗用については50万円以下(179条)といった形です。EUのGDPRのように「年間売上高の〇%」といった売上高連動型の罰金制度は採用されていないため、本肢は誤りです。

      GDPRとは、「欧州連合(EU)が2018年に施行した個人データ保護のルール」のこと

       

      2.個人情報保護法には、刑事罰としての罰金以外に、制定時以来、課徴金が定められている。

      2.妥当でない

      個人情報保護法には課徴金の制度は定められていません。課徴金とは、違反行為によって得た利益を剥奪するために行政が課す金銭的制裁ですが、同法は刑事罰としての罰金のみを規定しており、課徴金は制定当初から現在に至るまで設けられていません。「制定時以来」という表現で既存の制度であるかのように見せるひっかけパターンです。

       

      3.個人情報保護委員会は、いわゆるマイナンバーカード(個人番号カード)の交付事務を行っている。

      3.妥当でない

      マイナンバーカード(個人番号カード)の交付事務を行っているのは、個人情報保護委員会ではなく市区町村です(マイナンバー法17条1項)。個人情報保護委員会はあくまで個人情報の保護に関する監督・指導を行う機関であり、マイナンバーカードの発行・交付業務は担っていません。機関の役割を混同させるひっかけです。

       

      4.個人情報保護委員会は、個人情報保護法の定める行政機関等に対しては監視を行わない。

      4.妥当でない

      個人情報保護委員会は、民間事業者だけでなく行政機関等に対しても監視を行います。具体的には、必要があると認めるときに資料の提出要求・実地調査(156条)、指導および助言(157条)、勧告(158条)、勧告に基づく措置の報告要求(159条)といった手段で行政機関等を監督する権限を有しています。「監視を行わない」という記述は明らかな誤りです。

      5.個人情報保護委員会は、個人情報保護法の定める個人情報取扱事業者等に対して立入検査を行うことができる。

      5.妥当である

      個人情報保護委員会は、必要な限度において個人情報取扱事業者等に対して報告の徴収および立入検査を行う権限を持っています(146条1項)。

      条文 権限の内容 対象
      146条1項 報告の徴収・立入検査 個人情報取扱事業者等
      156条 資料提出要求・実地調査 行政機関等
      157条 指導および助言 行政機関等
      158条 勧告 行政機関等

      民間事業者への「立入検査」と行政機関等への「実地調査」は条文上で使い分けられています。混同しないよう整理して覚えておきましょう。

      令和8年度行政法予想模試

       


      令和7年(2025年)過去問

      問1 基礎法学 問31 民法
      問2 基礎法学 問32 民法
      問3 憲法 問33 民法
      問4 憲法 問34 民法
      問5 憲法 問35 民法
      問6 憲法 問36 商法
      問7 憲法 問37 会社法
      問8 行政法 問38 会社法
      問9 行政法 問39 会社法
      問10 行政法 問40 会社法
      問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
      問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
      問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
      問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
      問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
      問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
      問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
      問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
      問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
      問20 国家賠償法 問50 基礎知識
      問21 国家賠償法 問51 基礎知識
      問22 行政法 問52 基礎知識
      問23 地方自治法 問53 行政書士法
      問24 地方自治法 問54 基礎知識
      問25 行政法 問55 基礎知識
      問26 情報公開法 問56 基礎知識
      問27 民法 問57 基礎知識
      問28 民法 問58 著作権の関係上省略
      問29 民法 問59 著作権の関係上省略
      問30 民法 問60 著作権の関係上省略