次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]にあてはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。
・・・(中略)・・・。
憲法13条は[ ウ ]と人格の尊重を宣言しているところ、〔不妊手術を強制する当時の優生保護法の〕本件規定の[ エ ]は、特定の障害等を有する者が不良であり、そのような者の出生を防止する必要があるとする点において、立法当時の社会状況をいかに勘案したとしても、正当とはいえないものであることが明らかであり、本件規定は、そのような[ エ ]の下で特定の個人に対して生殖能力の喪失という重大な犠牲を求める点において、[ ウ ]と人格の尊重の精神に著しく反するものといわざるを得ない。
(最大判令和6年7月3日民集78巻3号382頁)
【答え】:ア:5(生存)、イ:10(身体への侵襲)、ウ:19(個人の尊厳)、エ:13(立法目的)
・・・(中略)・・・。
憲法13条は[ ウ:個人の尊厳 ]と人格の尊重を宣言しているところ、〔不妊手術を強制する当時の優生保護法の〕本件規定の[ エ:立法目的 ]は、特定の障害等を有する者が不良であり、そのような者の出生を防止する必要があるとする点において、立法当時の社会状況をいかに勘案したとしても、正当とはいえないものであることが明らかであり、本件規定は、そのような[ エ:立法目的 ]の下で特定の個人に対して生殖能力の喪失という重大な犠牲を求める点において、[ ウ:個人の尊厳 ]と人格の尊重の精神に著しく反するものといわざるを得ない。
(最大判令和6年7月3日民集78巻3号382頁)
ア・・・生存
憲法13条は、個人が単に生命を維持するだけでなく、人格をもつ一人の人間として生きることに関わる権利を保障しています。この意味を表す判例上の文言が「人格的生存」です。
自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由は、自分の身体のあり方を自ら決め、人間として尊重されながら生きるための基礎となるため、「人格的生存に関わる重要な権利」と位置付けられています。最高裁は、令和5年10月25日大法廷決定でこの表現を用い、令和6年7月3日大法廷判決もそれを引用しています(国立国会図書館資料)。
したがって、
「憲法13条は、人格的[生存]に関わる重要な権利として……」
となります。
「人格の自律」も憲法13条と関係する考え方ですが、本問では空欄の前に「人格的」とあるため、「人格的人格の自律」となって文章が成立しません。また、判決原文も「人格的生存」としているため、アは「生存」です。
イ・・・身体への侵襲
不妊手術は、外科的な処置により生殖機能を永続的に失わせるものであり、身体への侵襲の典型例です。本判決は、自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由が憲法13条によって保障されると明示し、強制不妊手術がこの自由に対する重大な制約にあたると判断しました。「生命への危害」や「精神的苦痛」と区別し、外科的処置という身体的介入に着目した語句です。よって、イには「身体への侵襲」が入ります。
ウ・・・個人の尊厳
憲法13条は「すべて国民は、個人として尊重される」と規定しており、これが個人の尊厳の宣言です。本判決は、旧優生保護法が特定の障害を持つ者を「不良」と位置づけて強制不妊手術を課したことが、個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反すると断じました。憲法13条の条文そのものに照らせば「個人の尊厳」が自然に導かれます。よって、ウには「個人の尊厳」が入ります。
エ・・・立法目的
旧優生保護法の強制不妊手術規定について、最高裁は立法目的そのものが正当でないと判断しました。通常の違憲審査では「目的の正当性→手段の相当性」の順に検討しますが、本件では「不良な遺伝子を排除する」という立法目的自体が個人の尊厳に反し、正当化できないとされた点が重要です。「立法目的達成手段」や「正当化根拠」ではなく、目的レベルで否定された点を押さえておきましょう。よって、エには「立法目的」が入ります。
令和7年(2025年)過去問
| 問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法 |
|---|---|---|---|
| 問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法 |
| 問3 | 憲法 | 問33 | 民法 |
| 問4 | 憲法 | 問34 | 民法 |
| 問5 | 憲法 | 問35 | 民法 |
| 問6 | 憲法 | 問36 | 商法 |
| 問7 | 憲法 | 問37 | 会社法 |
| 問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
| 問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
| 問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
| 問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法・多肢選択 |
| 問12 | 個人情報保護法 | 問42 | 行政法・多肢選択 |
| 問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法・多肢選択 |
| 問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
| 問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
| 問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
| 問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識 |
| 問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識 |
| 問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 基礎知識 |
| 問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識 |
| 問21 | 国家賠償法 | 問51 | 基礎知識 |
| 問22 | 行政法 | 問52 | 基礎知識 |
| 問23 | 地方自治法 | 問53 | 行政書士法 |
| 問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識 |
| 問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識 |
| 問26 | 情報公開法 | 問56 | 基礎知識 |
| 問27 | 民法 | 問57 | 基礎知識 |
| 問28 | 民法 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
| 問29 | 民法 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
| 問30 | 民法 | 問60 | 著作権の関係上省略 |



