令和6年度(2024年度)過去問

令和7年・2025|問15|行政不服審査法

審査請求と再調査の請求との関係に関する次の会話の下線部(ア)~(エ)のうち、妥当なものの組合せはどれか。

.学生A:今日は行政不服審査法の定める審査請求と再調査の請求との関係について学んでいこう。

.学生B:再調査の請求は、処分庁自身がその処分の適否を再度見直すための仕組みだね。

.学生A:まず、行政処分について、(ア)処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合には、処分庁に対して再調査の請求を当然にすることができる。

.学生B:なるほど、実際には、租税や年金分野において多く提起されているようだね。

.学生A:そして、(イ)再調査の請求は任意的なものであるので、再調査の請求ができる場合でも、直ちに審査請求を提起することもできる。

.学生B:じゃあ、再調査の請求と審査請求の両方を同時に提起できるのかな?

.学生A:ちょっと待って・・・。どうやら、(ウ)再調査の請求をすると、原則として、その決定を経た後でなければ審査請求はできないことになっている。

.学生B:それでは、再調査の請求をしても、決定が出るのが遅れた場合にはどうなるのだろう?

.学生A:その場合でも、決定を経ることなく、審査請求をすることができる。(エ)このような場合、行政不服審査法では、再調査の請求が棄却されたとみなされることになっている。

.学生B:なかなか複雑な仕組みだね。正しく覚えておこう。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ

>解答と解説はこちら


【答え】:3(イ・ウ)

【解説】
(ア)処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合には、処分庁に対して再調査の請求を当然にすることができる。

ア・・・妥当でない

行政不服審査法5条1項は、処分庁に対する再調査の請求について、「法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるとき」に限り認めています。

つまり、審査請求ができる場合であっても、再調査の請求ができるかどうかは別問題であり、個別の法律(租税関係法・社会保険関係法など)に根拠規定がある場合のみ再調査の請求が認められます。「当然にすることができる」という記述は誤りです。

※「再調査の請求」とは、処分庁自身に対して処分の適否の再考を求める申立てで、簡易・迅速な権利救済を目的としたものです(旧法の「異議申立て」に相当)。

(イ)再調査の請求は任意的なものであるので、再調査の請求ができる場合でも、直ちに審査請求を提起することもできる。

イ・・・妥当である

行政不服審査法5条1項は、再調査の請求をすることが「できる」と規定しており、これは任意的手続であることを意味します。

したがって、再調査の請求が法律上認められている場合であっても、当該処分に不服がある者は、再調査の請求を経ることなく、直接審査請求を提起することができます。ただし、審査請求を先にした場合は、もはや再調査の請求はできません(同条1項ただし書き)。

(ウ)再調査の請求をすると、原則として、その決定を経た後でなければ審査請求はできないことになっている。

ウ・・・妥当である

一度再調査の請求を選択した場合、行政不服審査法5条2項本文により、当該再調査の請求についての決定を経た後でなければ審査請求をすることができないのが原則です。

これは、再調査の請求と審査請求を同時並行で提起することを防ぎ、手続の重複による混乱を避けるための規定です。再調査の請求を選んだ以上、まずその結論を待つ必要があります。

(エ)このような場合、行政不服審査法では、再調査の請求が棄却されたとみなされることになっている。

エ・・・妥当でない

再調査の請求をした日(または不備補正日)から3か月を経過しても決定がない場合など正当な理由がある場合には、決定を待たずに審査請求ができます(行政不服審査法5条2項ただし書き)。

この場合、再調査の請求は「取り下げられたものとみなされる」のであり(行政不服審査法56条)、本肢の「棄却されたものとみなされる」という記述は誤りです。「棄却」と「取下げ」は全く異なる概念であり、試験頻出の引っかけポイントです。

※「棄却」とは、申立ての内容が認められない旨の判断のことで、審査の結果として下されるものです。

※「取下げ」とは、申立人自らが申立てを撤回することで、審査の前提が消滅するものです。この場合は審判を経ることなく手続が終了します。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和7年・2025|問16|行政不服審査法

行政不服審査法が定める教示に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき教示を求められても、利害関係人は処分の相手方以外の者であることから、当該事項等を教示する必要はない。
  2. 行政庁は、審査請求もしくは再調査の請求または他の法令に基づく不服申立てをすることができる処分を書面でする場合、当該処分の相手方に対し、不服申立てができること、不服申立てをすべき行政庁、不服申立てができる期間について、教示をしなければならないが、口頭による教示も認められている。
  3. 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき書面による教示を求められた場合であっても、これに代えて口頭により教示をすることができる。
  4. 処分庁により審査請求をすべき行政庁について誤った行政庁が教示された場合、誤って教示された行政庁に書面で審査請求がなされたときは、当該行政庁は、審査庁となるべき行政庁を改めて教示し、審査請求人に審査請求書を返送しなければならない。
  5. 処分庁が不服申立てをすべき行政庁につき教示を怠った場合、当該処分に不服がある者は、処分庁に審査請求書を提出することができ、処分庁以外の行政庁に審査請求ができる処分であるときは、処分庁は、審査請求書を当該行政庁に送付しなければならず、送付された場合、初めから当該行政庁に審査請求がされたものとみなされる。

>解答と解説はこちら


【答え】:5
【解説】
1.行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき教示を求められても、利害関係人は処分の相手方以外の者であることから、当該事項等を教示する必要はない。

1.妥当でない

行政不服審査法82条2項は、利害関係人からの教示請求に関する規定を明確に置いています。

同項によれば、行政庁は、利害関係人から「当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうか」「不服申立てをすべき行政庁」「不服申立てができる期間」について教示を求められたときは、当該事項を教示しなければなりません

処分の相手方以外の者(利害関係人)であることは、教示義務を免除する理由にはなりません。本肢は「利害関係人には教示する必要はない」と述べており、妥当ではありません。

※「教示」とは、行政庁が処分をする際に、不服申立てができる旨・申立先・期間などを相手方等に知らせる制度のことです。

※「利害関係人」とは、処分の相手方以外の者で、当該処分について利害関係を有する者をいいます。

2.行政庁は、審査請求もしくは再調査の請求または他の法令に基づく不服申立てをすることができる処分を書面でする場合、当該処分の相手方に対し、不服申立てができること、不服申立てをすべき行政庁、不服申立てができる期間について、教示をしなければならないが、口頭による教示も認められている。

2.妥当でない

行政不服審査法82条1項は、不服申立てができる処分を書面でする場合には、処分の相手方に対して教示を書面でしなければならないと定めています。

本肢は「口頭による教示も認められている」と述べていますが、処分を書面でする場合の教示は書面による教示が義務づけられており、口頭での代替は認められていません

口頭による処分の場合は、そもそも書面教示の義務自体が生じない(口頭処分には82条1項の適用がない)ことと混同しないよう注意が必要です。

※「審査請求」とは、処分に不服がある者が、処分庁の上級行政庁等(審査庁)に対して審査を求める申立てのことです。

3.行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうかや不服申立期間等につき書面による教示を求められた場合であっても、これに代えて口頭により教示をすることができる。

3.妥当でない

利害関係人からの教示請求(行政不服審査法82条2項)について、同条3項は「書面による教示を求められたときは、書面によって教示しなければならない」と明定しています。

つまり、利害関係人が口頭での教示請求をした場合は口頭で応じることもできますが、書面による教示を求めた場合は必ず書面で教示しなければならず、これに代えて口頭で教示することはできません。

本肢は「書面による教示を求められた場合であっても口頭で教示できる」と述べており、82条3項に反し、妥当ではありません。

4.処分庁により審査請求をすべき行政庁について誤った行政庁が教示された場合、誤って教示された行政庁に書面で審査請求がなされたときは、当該行政庁は、審査庁となるべき行政庁を改めて教示し、審査請求人に審査請求書を返送しなければならない。

4.妥当でない

行政不服審査法22条1項は、審査請求をすることができる行政庁が誤って教示された場合において、誤った行政庁に書面で審査請求がされたときの取扱いを定めています。

同項によれば、誤った教示を受けた行政庁は、速やかに審査請求書を処分庁または審査庁となるべき行政庁に「送付」し、かつその旨を審査請求人に「通知」しなければなりません。

本肢は「審査庁となるべき行政庁を改めて教示し、審査請求書を審査請求人に返送しなければならない」と述べていますが、正しくは審査庁等への「送付」であり「返送」ではありません。審査請求人への対応も「通知」であって、書類を返すものではない点に注意が必要です。

5.処分庁が不服申立てをすべき行政庁につき教示を怠った場合、当該処分に不服がある者は、処分庁に審査請求書を提出することができ、処分庁以外の行政庁に審査請求ができる処分であるときは、処分庁は、審査請求書を当該行政庁に送付しなければならず、送付された場合、初めから当該行政庁に審査請求がされたものとみなされる。

5.妥当である

行政不服審査法83条は、行政庁が不服申立先の教示を怠った場合の救済規定です。

同条1項によれば、行政庁が不服申立てができる旨を教示したにもかかわらず、不服申立てをすべき行政庁を教示しなかった場合、当該処分に不服がある者は処分庁に不服申立書を提出することができます

そして、提出を受けた処分庁は、処分庁以外の行政庁に審査請求できる処分であるときは、速やかに審査請求書を審査庁となるべき行政庁に送付し、その旨を審査請求人に通知しなければなりません(同条2項)。

さらに同条3項により、送付された場合には初めから当該行政庁に審査請求がされたものとみなされます(審査請求期間の計算においても審査請求書提出時を基準にするという保護が図られています)。本肢の記述はこれらの規定と合致しており、妥当です。

※「処分庁」とは、当該処分を行った行政庁のことです。

※「審査庁」とは、審査請求を受理して審査を行う行政庁(通常は処分庁の上級行政庁等)のことです。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和7年・2025|問17|行政事件訴訟法

抗告訴訟の対象に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 関税定率法(当時)の規定に基づく輸入禁制品に該当する貨物と認めるのに相当の理由がある旨の税関長による通知は、いわゆる観念の通知と見るべきものであるが、当該通知があった場合には、輸入申告者は貨物を適法に輸入する道を閉ざされるのであって、これは当該通知によって生ずるに至った法律上の効果と見るのが相当であり、当該通知は行政処分にあたる。
  2. 交通反則金の納付の通告は、通告を受けた者において通告に係る反則金を納付すべき法律上の義務を生じさせるものであるから、行政処分にあたる。
  3. 地方公共団体の水道事業において、水道料金を条例の適用範囲全域につき一律に値上げすることを内容とする水道給水条例が制定された場合、水道の利用者はかかる条例の施行によって値上げされた水道料金の支払義務を負うこととなるため、当該条例の制定行為は行政処分にあたる。
  4. 登録免許税を過大に納付して登記を受けた者が、登記機関に対して税務署長への還付通知を行うように登録免許税法に基づいて請求した場合、当該通知を拒否する旨の登記機関による通知は、登記等を受けた者の手続上の地位を否定する法的効果を有さないため、行政処分にあたらない。
  5. 都市計画法に基づく都市計画決定としてなされる工業地域指定は、これによって当該地域内において、建築物の建築を制限する法的効果が土地所有者等に対して生じることとなるため、具体的な権利侵害を伴うものであるから、行政処分にあたる。

>解答と解説はこちら


【答え】:1
【解説】
1.関税定率法(当時)の規定に基づく輸入禁制品に該当する貨物と認めるのに相当の理由がある旨の税関長による通知は、いわゆる観念の通知と見るべきものであるが、当該通知があった場合には、輸入申告者は貨物を適法に輸入する道を閉ざされるのであって、これは当該通知によって生ずるに至った法律上の効果と見るのが相当であり、当該通知は行政処分にあたる。

1.妥当である

税関長による「輸入禁制品に該当する相当の理由がある旨の通知」は、通知があると輸入申告者が適法に輸入できなくなるという法律上の効果を直接発生させます。判例は、このような通知は単なる観念の通知にとどまらず、法律上の効果をもたらすものとして行政処分にあたると判示しています。通知の性質を形式ではなく法的効果の有無で判断するという処分性判断の基本的考え方が示された事例です。

2.交通反則金の納付の通告は、通告を受けた者において通告に係る反則金を納付すべき法律上の義務を生じさせるものであるから、行政処分にあたる。

2.妥当でない

交通反則金の納付通告は行政処分にあたりません(最判昭和57年7月15日)。通告を受けた者は、反則金を納付するか、納付しないで刑事手続に委ねるかを選択できる立場にあります。反則金の納付は任意であり、通告によって法律上の義務が確定的に生じるわけではないため、処分性が否定されます。「支払義務を生じさせるから処分にあたる」という論理が誤りです。

※「処分性」とは、抗告訴訟の対象となる「行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為」(行政事件訴訟法3条2項)に該当するかどうかの問題です。

3.地方公共団体の水道事業において、水道料金を条例の適用範囲全域につき一律に値上げすることを内容とする水道給水条例が制定された場合、水道の利用者はかかる条例の施行によって値上げされた水道料金の支払義務を負うこととなるため、当該条例の制定行為は行政処分にあたる。

3.妥当でない

水道料金を一律に値上げする条例の制定行為は、特定の個人に向けた処分ではなく一般的・抽象的なルールの制定であり、処分性が否定されます(最判平成18年7月14日)。条例制定は「行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視できない」とされ、抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたりません。支払義務が発生しても、その根拠が法規の制定である場合は処分性が認められない点を押さえましょう。

4.登録免許税を過大に納付して登記を受けた者が、登記機関に対して税務署長への還付通知を行うように登録免許税法に基づいて請求した場合、当該通知を拒否する旨の登記機関による通知は、登記等を受けた者の手続上の地位を否定する法的効果を有さないため、行政処分にあたらない。

4.妥当でない

登録免許税の過大納付者が還付通知を求めたにもかかわらず、登記機関がこれを拒否した場合、判例(最判平成17年4月14日)は当該拒否通知は抗告訴訟の対象となる行政処分にあたると判示しています。拒否通知は申請者が法的手続を通じて還付を受けるための手続上の地位を否定する法的効果を有するため、処分性が肯定されます。「法的効果を有さないため処分にあたらない」という記述が誤りです。

5.都市計画法に基づく都市計画決定としてなされる工業地域指定は、これによって当該地域内において、建築物の建築を制限する法的効果が土地所有者等に対して生じることとなるため、具体的な権利侵害を伴うものであるから、行政処分にあたる。

5.妥当でない

都市計画における用途地域の指定は、土地の利用制限という法的効果を生じさせますが、特定の個人に向けた具体的な法律関係の変動ではなく、地域一般に対する抽象的・一般的な規制であるため、処分性が否定されます。判例は用途地域指定を抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたらないとしています。具体的な権利侵害があっても、その発生原因が一般的規制の設定である場合は処分性が認められない点が重要です。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和7年・2025|問18|行政事件訴訟法

処分取消訴訟の出訴期間について定めた下記の規定に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。 行政事件訴訟法(行訴法)14条1項「取消訴訟は、処分・・・があったことを知った日から6ヵ月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。」 なお、本問では「処分・・・があったことを知った日」を「基準日」という。

  1. 行訴法は、行訴法14条1項のほかに、処分の日から一定期間を経過したときは、取消訴訟を提起することができない旨の定めを置いているが、この定めには「正当な理由があるときは、この限りでない。」とのただし書きは付されていない。
  2. 個人情報保護条例(当時)に基づく保有個人情報の一部開示決定に対する取消訴訟について、開示文書の内容の詳細や不利益性を認識した時が基準日となることから、基準日は、当該決定の通知書が到達した日ではなく、当該開示文書が到達した日とされる。
  3. 行訴法14条1項が定める出訴期間の定めは、無効等確認訴訟の他、形式的当事者訴訟にも準用されることが行訴法において規定されている。
  4. 審査請求をすることができる処分についてそれがなされた場合、当該処分に係る取消訴訟は、当該審査請求をした者については、行訴法14条1項の規定にかかわらず、当該審査請求を行った日が基準日とされる。
  5. 都市計画法における都市計画事業の認可のように、処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合には、当該告示があった日が基準日とされる。

>解答と解説はこちら


【答え】:5
【解説】
1.行訴法は、行訴法14条1項のほかに、処分の日から一定期間を経過したときは、取消訴訟を提起することができない旨の定めを置いているが、この定めには「正当な理由があるときは、この限りでない。」とのただし書きは付されていない。

1.妥当でない

行政事件訴訟法14条には主観的出訴期間(1項・処分を知った日から6か月)と客観的出訴期間(2項・処分の日から1年)の両方が規定されており、どちらにも「正当な理由があるときはこの限りでない」というただし書きが付されています。「客観的出訴期間にはただし書きがない」という記述が誤りです。両方の期間にただし書きがある点を正確に覚えておきましょう。

※「主観的出訴期間」とは、当事者が処分を知った日を起算点とする期間制限(6か月)です。「客観的出訴期間」とは、処分の日そのものを起算点とする絶対的な期間制限(1年)です。

2.個人情報保護条例(当時)に基づく保有個人情報の一部開示決定に対する取消訴訟について、開示文書の内容の詳細や不利益性を認識した時が基準日となることから、基準日は、当該決定の通知書が到達した日ではなく、当該開示文書が到達した日とされる。

2.妥当でない

判例(最判平成28年3月10日)は、「処分があったことを知った日」とは処分があったことを現実に知った日をいい、処分内容の詳細や不利益性等の認識までは不要と判示しています。一部開示決定のような処分が個別に通知される場合は、通知書が到達した時点で処分の効力が生じ、その到達日が基準日となります。開示文書の到達日ではなく、通知書の到達日が基準日となる点が重要です。

3.行訴法14条1項が定める出訴期間の定めは、無効等確認訴訟の他、形式的当事者訴訟にも準用されることが行訴法において規定されている。

3.妥当でない

出訴期間を定めた行政事件訴訟法14条は、無効等確認訴訟には準用されていません(行政事件訴訟法38条1項)。無効等確認の訴えは、処分が重大かつ明白な瑕疵により無効であることを主張するものであり、出訴期間の制限なくいつでも提起できます。また、形式的当事者訴訟(行政事件訴訟法41条)にも14条は準用されておらず、「形式的当事者訴訟に準用される」という記述も誤りです。

4.審査請求をすることができる処分についてそれがなされた場合、当該処分に係る取消訴訟は、当該審査請求をした者については、行訴法14条1項の規定にかかわらず、当該審査請求を行った日が基準日とされる。

4.妥当でない

審査請求をした者について出訴期間の起算点は、「審査請求をした日」ではなく、「裁決があったことを知った日から6か月」または「裁決の日から1年」のいずれか早い日です(行政事件訴訟法14条3項)。審査請求後は裁決を待って訴訟を提起することになるため、出訴期間の起算点は審査請求日ではなく裁決に関する日を基準とする点を正確に覚えておきましょう。

5.都市計画法における都市計画事業の認可のように、処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合には、当該告示があった日が基準日とされる。

5.妥当である

都市計画事業の認可のように、個別通知ではなく告示によって多数の関係権利者等に画一的に告知される処分については、告示があった日が「処分があったことを知った日(基準日)」となります(最判平成14年10月24日)。個別通知の場合と異なり、告示による場合は告示日を起算点として出訴期間が計算されます。通知方法(個別通知か告示か)によって基準日の考え方が異なる点を整理しておきましょう。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和7年・2025|問19|行政事件訴訟法

処分差止めの訴えに関する次のア~オの記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア.処分差止めの訴えは、一定の処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるときに限り提起することができる。

イ.処分差止めの訴えは、対象となる処分がされることにより生ずるおそれのある損害が、処分がされた後に取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることなどにより容易に救済を受けることができないときに提起することができるとするのが判例である。

ウ.処分差止めの訴えは、義務付けの訴えと同様、申請に対する処分を対象にする場合とそれ以外の処分を対象にする場合に区分され、訴訟要件と本案勝訴要件につき、それぞれ別個の定めが置かれている。

エ.取消しの訴えについては、処分または裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する旨の規定が置かれているが、この規定は、処分差止めの訴えには準用されていない。

オ.仮の差止めは、処分差止めの訴えを提起する前においても申し立てることができるが、本案について理由がないとみえるときは、仮の差止めの決定をすることができない。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・エ
  4. ウ・エ
  5. ウ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:3

【解説】
ア.処分差止めの訴えは、一定の処分がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるときに限り提起することができる。

ア.妥当でない

差止めの訴えの要件として「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるとき」という基準は誤りです。差止めの訴えの要件は「重大な損害を生ずるおそれ」があり、かつ「その損害を避けるため他に適当な方法がないとき」です(行政事件訴訟法37条の4第1項)。「償うことのできない損害」と「緊急の必要」という基準は、差止めの訴えではなく仮の差止め(行政事件訴訟法37条の5第2項)の要件です。

※「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分または裁決をしてはならない旨を命じることを求める訴訟類型です(行政事件訴訟法3条7項)。

イ.処分差止めの訴えは、対象となる処分がされることにより生ずるおそれのある損害が、処分がされた後に取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることなどにより容易に救済を受けることができないときに提起することができるとするのが判例である。

イ.妥当である

差止めの訴えの「他に適当な方法がないとき」という要件は、処分がされた後に取消訴訟を提起して執行停止の決定を受けることなどにより容易に救済を受けることができない場合を意味します(行政事件訴訟法37条の4第1項)。すなわち、事後的救済(取消訴訟+執行停止)では不十分な場合に限り差止めの訴えが認められるという補充性の原則が求められています。これは本条の趣旨を適切に表した記述です。

ウ.処分差止めの訴えは、義務付けの訴えと同様、申請に対する処分を対象にする場合とそれ以外の処分を対象にする場合に区分され、訴訟要件と本案勝訴要件につき、それぞれ別個の定めが置かれている。

ウ.妥当でない

義務付けの訴えは申請型と非申請型(直接型)の2種類に区分されていますが(行政事件訴訟法37条の2・37条の3)、差止めの訴えにはそのような区分はありません(行政事件訴訟法37条の4)。差止めの訴えは単一の訴訟類型として規定されており、申請の有無による類型分けはされていません。義務付けの訴えとの違いを正確に区別して覚えましょう。

エ.取消しの訴えについては、処分または裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する旨の規定が置かれているが、この規定は、処分差止めの訴えには準用されていない。

エ.妥当である

取消判決の第三者効を定めた規定(行政事件訴訟法32条1項)は、差止めの訴えには準用されていません(行政事件訴訟法38条1項)。差止めの訴えには判決の拘束力(行政事件訴訟法33条)の規定は準用されますが、取消判決の第三者効の規定は準用対象から除かれています。差止めの訴えについてどの規定が準用されどの規定が準用されないかを整理しておきましょう。

※「取消判決の第三者効」とは、処分・裁決の取消判決がその訴訟の当事者以外の第三者に対しても効力を有するという原則です(行政事件訴訟法32条1項)。対世効ともいいます。

オ.仮の差止めは、処分差止めの訴えを提起する前においても申し立てることができるが、本案について理由がないとみえるときは、仮の差止めの決定をすることができない。

オ.妥当でない

仮の差止めは、差止めの訴えを提起した後でなければ申し立てることができません(行政事件訴訟法37条の5第2項)。「提起する前においても申し立てることができる」という記述が誤りです。また、本案について理由がないとみえるときは仮の差止めの決定をすることができない(同条3項)という要件は正しい内容です。仮の差止めは「差止めの訴えの提起があった場合において」と明文で定められている点を押さえましょう。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和7年・2025|問20|国家賠償法

国家賠償法1条に関する次のア~エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア.国家賠償法1条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、ここにいう「公権力の行使」は、行政事件訴訟法において抗告訴訟の対象を表す「公権力の行使」と同じ意味であるから、国会議員が行う立法行為は、この概念には含まれないとするのが判例である。

イ.国家賠償法1条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、行政指導や情報提供などの非権力的行政作用も、ここにいう「公権力の行使」に含まれうるとするのが判例である。

ウ.国家賠償法1条による賠償責任を認めるには、加害公務員が「職務を行うについて」他人に損害を与えていることが必要であり、公務員が職務執行の意思をもたずに私的な目的のためになした違法行為については、その外形のいかんにかかわらず、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。

エ.国家賠償法1条による賠償責任を認めるには、加害公務員が職務上尽くすべき注意義務に違反していることが必要であるが、公務員が法律解釈を誤って違法行為を行ったとしても、それにつき異なる見解が対立し、そのいずれについても相当の根拠が認められる場合には、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. ア・エ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ

>解答と解説はこちら


【答え】:4

【解説】
ア.国家賠償法1条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、ここにいう「公権力の行使」は、行政事件訴訟法において抗告訴訟の対象を表す「公権力の行使」と同じ意味であるから、国会議員が行う立法行為は、この概念には含まれないとするのが判例である。

ア.妥当でない

国家賠償法1条の「公権力の行使」は、行政事件訴訟法における「公権力の行使」より広い概念です。判例(東京高判昭和56年11月13日)は、国・公共団体の作用のうち純粋な私経済作用と国家賠償法2条の営造物管理作用を除くすべての作用がここにいう公権力の行使にあたるとしており、立法権の行使や司法権の行使も含まれます。「国会議員の立法行為は含まれない」という記述が誤りです。

イ.国家賠償法1条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、行政指導や情報提供などの非権力的行政作用も、ここにいう「公権力の行使」に含まれうるとするのが判例である。

イ.妥当である

行政指導は権力的作用ではありませんが、国家賠償法1条における「公権力の行使」には非権力的行政作用も含まれます。判例(最判平成5年2月18日)は、指導要綱に基づき教育施設負担金の寄付を求める行政指導について、給水拒否などの制裁措置を背景に事実上強制する場合には行政指導の限度を超え、違法な公権力の行使にあたると判示しています。任意性が確保されているかどうかが適法性の分岐点となります。

ウ.国家賠償法1条による賠償責任を認めるには、加害公務員が「職務を行うについて」他人に損害を与えていることが必要であり、公務員が職務執行の意思をもたずに私的な目的のためになした違法行為については、その外形のいかんにかかわらず、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。

ウ.妥当でない

判例は外形標準説を採用しており、公務員が職務執行の意思を持たず私的目的でなした行為であっても、外形上職務行為と認められる場合には国家賠償法1条の「職務を行うについて」に該当し、行政主体の賠償責任が成立しうるとされています。「外形のいかんにかかわらず責任が成立しない」という記述は外形標準説を否定するものであり、判例と反対の結論です。

※「外形標準説」とは、職務行為かどうかの判断を公務員の主観的意図ではなく行為の外形(外観)によって判断する考え方です。被害者保護の観点から重要な法理です。

エ.国家賠償法1条による賠償責任を認めるには、加害公務員が職務上尽くすべき注意義務に違反していることが必要であるが、公務員が法律解釈を誤って違法行為を行ったとしても、それにつき異なる見解が対立し、そのいずれについても相当の根拠が認められる場合には、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。

エ.妥当である

ある法律解釈について対立する複数の見解があり、いずれにも相当の根拠が認められる場合、公務員がその一方の見解に従って職務を行ったとしても、後にその解釈が違法と判断されたからといって直ちに公務員に過失があったとはいえません(最判昭和46年6月24日)。国家賠償責任における「過失」の判断は当時の状況や法的知識の水準を踏まえた客観的な注意義務違反の有無によるものであり、解釈が複数ありうる場面での合理的な判断は過失を構成しません。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和7年・2025|問21|国家賠償法

国家賠償法に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。 (注)* 失火ノ責任ニ関スル法律

  1. 国または公共団体の損害賠償の責任については、民法の規定が補充的に適用されるとされており、失火責任法* もここにいう民法に含まれるが、消防署職員の消火活動が不十分なため残り火が再燃して火災が発生した事案は、失火責任法にいう「失火」に該当せず、失火責任法の適用はない。
  2. 国または公共団体の公権力の行使にあたる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国または公共団体がこれを賠償した場合において、当該加害公務員は、国または公共団体に対し、各自が負う責任の度合いや資力の有無に応じて分割された求償債務を負う。
  3. 市町村が設置する学校の教諭につき、当該教諭の給与を都道府県が負担する場合において、当該教諭がその職務を行うについて故意または過失によって違法に生徒に損害を与えたときは、当該教諭の給与を負担する都道府県が、国家賠償法に基づく損害賠償の義務を負い、学校の設置主体である当該市町村は、同法に基づく損害賠償責任を負わない。
  4. 公の営造物の設置または管理に瑕疵があることによる国家賠償責任につき、当該営造物の設置または管理にあたる者とその費用の負担者とが異なるときは、その双方が責任を負うことになるが、ここにいう設置費用の負担者には、当該営造物の設置費用につき法律上の負担義務を負う者のほか、この者と同等もしくはこれに近い設置費用を負担し、実質的には事業を共同して執行していると認められる一定範囲の者も含まれる。
  5. 国または公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人(被害者)に被害を生ぜしめた事案においては、それらの一連の行為を組成する各行為のいずれもが国または同一の公共団体の公務員の職務上の行為にあたる場合であったとしても、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任が成立するためには、被害者において、当該事案における加害行為とそれを行った者を特定しなければならない。

>解答と解説はこちら


【答え】:4
【解説】
1.国または公共団体の損害賠償の責任については、民法の規定が補充的に適用されるとされており、失火責任法* もここにいう民法に含まれるが、消防署職員の消火活動が不十分なため残り火が再燃して火災が発生した事案は、失火責任法にいう「失火」に該当せず、失火責任法の適用はない。

1.妥当でない

判例(最判昭和53年7月17日)は、消防署職員の消火活動が不十分で残り火が再燃した場合も「失火」に該当し、失火責任法が適用されると判示しています。また、国家賠償法4条の「民法」には失火責任法が含まれるため、公務員の失火による国・公共団体の賠償責任にも失火責任法が適用されます。「失火責任法の適用はない」という記述が誤りです。

※「失火責任法」とは、失火による損害賠償責任について、失火者に重大な過失がある場合に限り責任を負うとする法律です。通常の過失(軽過失)では責任を負わない点が民法の一般原則(709条)と異なります。

2.国または公共団体の公権力の行使にあたる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国または公共団体がこれを賠償した場合において、当該加害公務員は、国または公共団体に対し、各自が負う責任の度合いや資力の有無に応じて分割された求償債務を負う。

2.妥当でない

複数の公務員が共同して故意により損害を与えた場合、国・公共団体が賠償した後の求償関係については、各公務員は連帯して求償債務を負います。「各自の責任の度合いや資力に応じて分割された求償債務を負う」という記述は誤りで、故意による共同加害行為の場合は分割債務ではなく連帯債務として求償義務を負います。不法行為における連帯責任の原則(民法719条)が基礎となっています。

3.市町村が設置する学校の教諭につき、当該教諭の給与を都道府県が負担する場合において、当該教諭がその職務を行うについて故意または過失によって違法に生徒に損害を与えたときは、当該教諭の給与を負担する都道府県が、国家賠償法に基づく損害賠償の義務を負い、学校の設置主体である当該市町村は、同法に基づく損害賠償責任を負わない。

3.妥当でない

市町村立学校の教諭がその職務上で生徒に損害を与えた場合、設置主体である市町村と給与を負担する都道府県の双方が国家賠償責任を負います(国家賠償法1条1項・3条1項)。給与を負担する都道府県が賠償した場合は、設置主体である市町村に対して全額を求償できます(最判平成21年10月23日)。「市町村は損害賠償責任を負わない」という記述が誤りです。

4.公の営造物の設置または管理に瑕疵があることによる国家賠償責任につき、当該営造物の設置または管理にあたる者とその費用の負担者とが異なるときは、その双方が責任を負うことになるが、ここにいう設置費用の負担者には、当該営造物の設置費用につき法律上の負担義務を負う者のほか、この者と同等もしくはこれに近い設置費用を負担し、実質的には事業を共同して執行していると認められる一定範囲の者も含まれる。

4.妥当である

国家賠償法3条1項の「設置費用の負担者」には、法律上の負担義務者のみならず、これと同等またはこれに近い設置費用を負担し、実質的に事業を共同して執行していると認められる者も含まれます(最判昭和50年11月28日)。例えば、国が設置できる営造物を地方公共団体に設置させ、国が同等額の経済的補助をしつつ危険防止措置を請求できる立場にある場合、国も設置費用の負担者に含まれます。単なる贈与に過ぎない者は含まれません。

※「国家賠償法3条1項」とは、公の営造物の設置・管理者とその費用負担者が異なる場合に、費用負担者も損害賠償責任を負うとする規定です。複数の主体が関わる場合の責任分担を定めています。

5.国または公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人(被害者)に被害を生ぜしめた事案においては、それらの一連の行為を組成する各行為のいずれもが国または同一の公共団体の公務員の職務上の行為にあたる場合であったとしても、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任が成立するためには、被害者において、当該事案における加害行為とそれを行った者を特定しなければならない。

5.妥当でない

一連の職務行為により損害が生じた場合、判例は被害者が特定の加害行為およびその行為者を特定しなくても、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求が認められるとしています。一連の行為を組成する各行為がいずれも同一の国または公共団体の公務員の職務行為である場合、全体として国または公共団体の責任を問えば足ります。被害者に過大な立証負担を課さないための法的扱いです。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和7年・2025|問22|行政法

条例の適法性に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. ため池の破損等の原因となる堤とうの使用行為は憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあることから、これを条例をもって禁止し、処罰の対象にしても憲法および法律に抵触するものとはいえない。
  2. 地方自治法の定める相当に具体的な内容の事項につき、同法に基づき限定された刑罰の範囲内において、条例をもって罰則を定めることは憲法31条に反するとはいえない。
  3. 暴走族による集会等を規制する暴走族追放条例は、その規制対象が本来的な意味における暴走族およびその類似集団による集会に限定されると解されることから、憲法21条1項、31条に反するとはいえない。
  4. 国民健康保険の保険料率を定める国民健康保険条例が、市長に対して、条例の定める基準に基づき保険料率を決定・公示することを委任したとしても、そのことが憲法84条の趣旨に違反するとはいえない。
  5. 集団行進および集団示威行為における交通秩序の維持を目的とする条例は、道路交通法と同一の行為を処罰することになるため、憲法31条に違反する。

>解答と解説はこちら


【答え】:5
【解説】
1.ため池の破損等の原因となる堤とうの使用行為は憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあることから、これを条例をもって禁止し、処罰の対象にしても憲法および法律に抵触するものとはいえない。

1.妥当である

ため池の堤とうを使用してため池を破損等させる行為は、そもそも憲法・民法が保障する財産権の行使の範囲外にあるとされています(最大判昭和38年6月26日)。ため池の安全を守ることは地域住民の生命・財産を守るためのものであり、そのような危険行為を条例で禁止・処罰しても財産権の侵害にはあたらず、憲法および法律に抵触しません。条例による財産権規制の合憲性を認めた重要判例です。

2.地方自治法の定める相当に具体的な内容の事項につき、同法に基づき限定された刑罰の範囲内において、条例をもって罰則を定めることは憲法31条に反するとはいえない。

2.妥当である

法律による罰則のみが許されるという厳格な解釈を採れば条例罰則は違憲となりますが、最高裁(最大判昭和37年5月30日)は、地方自治法の定める相当に具体的な事項について、同法が限定した刑罰の範囲内で条例が罰則を定めることは憲法31条に違反しないと判示しました。民主的に選出された議会で制定される条例も、法律に準じた民主的正統性を持つとされています。

※「憲法31条」は罪刑法定主義の根拠規定とされ、刑罰を科すには法律の定める手続によることを要求しています。条例罰則はその委任関係の明確性が問われます。

3.暴走族による集会等を規制する暴走族追放条例は、その規制対象が本来的な意味における暴走族およびその類似集団による集会に限定されると解されることから、憲法21条1項、31条に反するとはいえない。

3.妥当である

暴走族追放条例の文言は広く解釈すると集会の自由(憲法21条1項)や罪刑法定主義(憲法31条)に抵触する可能性がありますが、最高裁(最判平成19年9月18日)は、条例の規制対象を本来的な意味における暴走族およびその類似集団に限定して解釈すれば、憲法21条1項・31条に違反しないと判示しました。限定解釈によって合憲性を維持した事例として重要な判例です。

4.国民健康保険の保険料率を定める国民健康保険条例が、市長に対して、条例の定める基準に基づき保険料率を決定・公示することを委任したとしても、そのことが憲法84条の趣旨に違反するとはいえない。

4.妥当である

国民健康保険料は税ではありませんが、強制徴収される公的負担として租税類似の性格を持ちます。最高裁(最判平成18年3月1日)は、国民健康保険条例が市長に条例の基準に基づいた保険料率の決定・公示を委任しても、憲法84条の趣旨に違反しないと判示しました。条例に基準が定められた上での委任であれば、租税法律主義(憲法84条)の趣旨を満たすとされています。

※「憲法84条」(租税法律主義)は、新たな課税や租税の変更には法律または法律の定める条件が必要とする原則です。保険料など税以外の公的負担にも類推適用されることがあります。

5.集団行進および集団示威行為における交通秩序の維持を目的とする条例は、道路交通法と同一の行為を処罰することになるため、憲法31条に違反する。

5.妥当でない

集団行進等を規制する条例が道路交通法と同一行為を対象とする場合でも、両者の目的・規制の趣旨が異なる場合には条例が国法と矛盾抵触するとはいえず、憲法31条違反にもなりません(最大判昭和29年11月24日)。道路交通法が道路交通秩序全般を目的とするのに対し、集団行進取締条例は集団デモ等の特有の秩序維持を目的としており、目的・規制内容が異なるため両立が認められます。「道路交通法と同一行為を処罰するだけで違憲」という断定が誤りです。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和7年・2025|問23|地方自治法

都道府県における知事と議会の関係に関する次の記述のうち、法令に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 議会の議決に属する事項については、軽易な事項であるか否かにかかわらず、議会が議決により知事の専決処分に委ねることはできない。
  2. 知事は、議会における議決について異議があるときは、その議決が法令に違反しないものである場合であっても、当該議決を再議に付すことができる。
  3. 再議の結果、議決がなお法令に違反すると知事が認める場合には、内閣総理大臣に対し審査を申し立てることができる。
  4. 知事は、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認める場合には、議決事項を専決処分とすることができるが、後に議会がこれを承認しない場合には、当該専決処分は無効となる。
  5. 議会により不信任が議決された場合には、知事は議会を解散することができるが、解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職する。

>解答と解説はこちら


【答え】:2
【解説】
1.議会の議決に属する事項については、軽易な事項であるか否かにかかわらず、議会が議決により知事の専決処分に委ねることはできない。

1.妥当でない

議会の権限に属する事項のうち、軽易な事項については、議会の議決により特に指定した場合に限り、知事(長)が専決処分をすることができます(地方自治法180条1項)。「軽易か否かにかかわらず委ねることができない」という記述は誤りです。軽易な事項への専決処分委任は「議会の指定」が要件であり、知事が独断で行えるものではありません。

※「専決処分」とは、議会の議決・決定によらずに知事(長)が単独で処分を行うことをいいます。地方自治法179条(緊急時等の専決処分)と180条(軽易事項の委任による専決処分)の2種類があります。

2.知事は、議会における議決について異議があるときは、その議決が法令に違反しないものである場合であっても、当該議決を再議に付すことができる。

2.妥当である

知事には、議会の議決に異議があるときに再議に付すことができる一般的拒否権が認められています(地方自治法176条1項)。この一般的拒否権は、当該議決が法令に違反するか否かにかかわらず、知事が異議を有するだけで発動できます。再議に付された議決が出席議員の3分の2以上の多数で再び可決されると、その議決は確定します(同条3項)。法令違反を要件とする特別拒否権(同条5項)と区別して覚えておきましょう。

3.再議の結果、議決がなお法令に違反すると知事が認める場合には、内閣総理大臣に対し審査を申し立てることができる。

3.妥当でない

再議の結果、議決がなお法令に違反すると認める場合の申立先は、内閣総理大臣ではなく総務大臣です(地方自治法176条7項)。都道府県の長は総務大臣に、市町村の長は都道府県知事に申し立てます。国の監督機関として内閣総理大臣ではなく総務大臣が地方自治を所管している点を正確に押さえておきましょう。

4.知事は、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認める場合には、議決事項を専決処分とすることができるが、後に議会がこれを承認しない場合には、当該専決処分は無効となる。

4.妥当でない

緊急時の専決処分(地方自治法179条)は、議会が事後に不承認とした場合でも専決処分自体は無効になりません。不承認の場合、知事は速やかに必要と認める措置を講じなければならないとされているに過ぎません(同条3項)。専決処分の効力は議会の承認の有無に左右されず維持されます。「承認がなければ無効」という記述が誤りです。

5.議会により不信任が議決された場合には、知事は議会を解散することができるが、解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職する。

5.妥当でない

不信任議決を受けた知事が議会を解散した後、解散後初めて招集された議会で再び不信任の議決があったときに、議長からの通知を受けた日に知事は失職します(地方自治法178条2項)。「解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職する」という記述は誤りで、再度の不信任議決が条件です。再選挙で民意を受けた議会が再び不信任を可決した場合に初めて失職する仕組みです。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

令和7年・2025|問24|地方自治法

普通地方公共団体に対する国または都道府県の関与に関する次のア~エの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア.各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の要求をすることができる。

イ.各大臣は、その担任する事務に関し、市町村の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときに、都道府県知事に対し、当該事務の処理について違反の是正のために必要な措置を講ずべきことを当該市町村に求めるよう指示をすることはできず、これを当該市町村に対し直接に指示することができる。

ウ.都道府県知事は、市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、各大臣の指示によることなく、当該市町村に対し、是正の要求をすることができる。

エ.各大臣は、その所管する法律またはこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の指示をすることができる。

  1. ア・イ
  2. ア・エ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ

>解答と解説はこちら


【答え】:2

【解説】
ア.各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の要求をすることができる。

ア.妥当である

各大臣は、担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対して是正の要求をすることができます(地方自治法245条の5第1項)。是正の要求を受けた地方公共団体は、必要な措置を講じる義務を負う点も合わせて押さえておきましょう。

※「是正の要求」とは、国が地方公共団体の自治事務の処理について、違反の是正・改善のための措置を求める関与の手段です(地方自治法245条の5)。法的拘束力があり、受けた地方公共団体は対応義務を負います。

イ.各大臣は、その担任する事務に関し、市町村の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときに、都道府県知事に対し、当該事務の処理について違反の是正のために必要な措置を講ずべきことを当該市町村に求めるよう指示をすることはできず、これを当該市町村に対し直接に指示することができる。

イ.妥当でない

各大臣が市町村の自治事務の処理の適正化を求める場合、市町村に対して直接指示するのではなく、都道府県知事に対して「市町村への是正の要求をするよう指示する」という手続をとります(地方自治法245条の5第3項)。都道府県知事はその指示を受けて、市町村に対し是正の要求をしなければなりません(同条4項)。「直接市町村に指示できる」という記述が誤りで、国→都道府県→市町村という段階的な関与の仕組みが採られています。

ウ.都道府県知事は、市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、各大臣の指示によることなく、当該市町村に対し、是正の要求をすることができる。

ウ.妥当でない

都道府県知事が市町村の自治事務について是正の要求を行うためには、各大臣の指示があることが必要です(地方自治法245条の5第3項・4項)。都道府県知事が独自の判断で是正の要求をすることはできません。「各大臣の指示によることなく」という記述が誤りです。国→都道府県知事→市町村という指示の流れが法定されており、都道府県知事の独自の是正要求は認められていません。

エ.各大臣は、その所管する法律またはこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の指示をすることができる。

エ.妥当である

各大臣は、所管する法律またはこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令に違反していると認めるとき、または著しく適正を欠き明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対して是正の指示をすることができます(地方自治法245条の7第1項)。自治事務への「是正の要求」と法定受託事務への「是正の指示」の違いを整理しておきましょう。

※「是正の指示」とは、国または都道府県が地方公共団体の法定受託事務の処理について具体的な行為を命ずる関与手段です(地方自治法245条の7)。「是正の要求」(自治事務)と異なり、指示を受けた側は具体的行為を行う義務を負います。

令和8年度行政法予想模試

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略