平成24年・2012|問36|商法・商行為

商人間において、その双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、当事者の別段の意思表示がない限り、債権者は一定の要件の下で、留置権(いわゆる商人間の留置権)を行使することができる。この「一定の要件」に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。

  1. 債権が留置の目的物に関して生じたものではなく、かつ、目的物が債務者との間における商行為によらないで債権者の占有に属した物であってもよいが、目的物が債務者所有の物であることを要する。
  2. 留置の目的物が債務者との間における商行為によらないで債権者の占有に属した物であってもよいが、債権が目的物に関して生じたものであり、かつ、目的物が債務者所有の物であることを要する。
  3. 債権が留置の目的物に関して生じたものではなく、かつ、目的物が債務者所有の物でなくてもよいが、目的物が債務者との間における商行為によって債権者の占有に属した物であることを要する。
  4. 債権が留置の目的物に関して生じたものでなくてもよいが、目的物が債務者との間における商行為によって債権者の占有に属した物であり、かつ、目的物が債務者所有の物であることを要する。
  5. 留置の目的物が債務者所有の物でなくてもよいが、債権が目的物に関して生じたものであり、かつ、目的物が債務者との間における商行為によって債権者の占有に属した物であることを要する。

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【答え】:4【解説】

1.債権が留置の目的物に関して生じたものではなく、かつ、目的物が債務者との間における商行為によらないで債権者の占有に属した物であってもよいが、目的物が債務者所有の物であることを要する。
1・・・誤り
商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した②債務者の所有する物又は有価証券」を留置することができます。
ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、その意思表示に従い、留置することはできません(商法521条)。上記の通り、留置できる要件として
①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した「②債務者の所有する物又は有価証券」があります。本肢は「目的物が債務者との間における商行為によらないで債権者の占有に属した物」となっています。
したがって、①の要件を満たさないので、留置することはできません。よって、誤りです。

ちなみに、②の要件は満たしています。

さらに条文には、「債権は留置の目的物に関して生じたものである必要がある」旨の記載はないので、「債権は留置の目的物に関して生じたものでなくてもよい」です。
よって、「債権が留置の目的物に関して生じたものではなく」については、問題ございません。

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2.留置の目的物が債務者との間における商行為によらないで債権者の占有に属した物であってもよいが、債権が目的物に関して生じたものであり、かつ、目的物が債務者所有の物であることを要する。
2・・・誤り
考え方は選択肢1と同じです。
商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した②債務者の所有する物又は有価証券」を留置することができます。
ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、その意思表示に従い、留置することはできません(商法521条)。上記の通り、留置できる要件として
①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した「②債務者の所有する物又は有価証券」があります。本肢、「留置の目的物が債務者との間における商行為によらないで債権者の占有に属した物であってもよい」となっています。
したがって、①の要件を満たさないので、留置することはできません。よって、誤りです。

②の要件は満たしています。

さらに条文には、「債権は留置の目的物に関して生じたものである必要がある」旨の記載はないので、要件にはなっていないです。
よって、「債権が目的物に関して生じたものであり」については、問題ございません。

3.債権が留置の目的物に関して生じたものではなく、かつ、目的物が債務者所有の物でなくてもよいが、目的物が債務者との間における商行為によって債権者の占有に属した物であることを要する。
3・・・誤り
考え方は選択肢1、2と同じです。
商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した②債務者の所有する物又は有価証券」を留置することができます。
ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、その意思表示に従い、留置することはできません(商法521条)。上記の通り、留置できる要件として
①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した「②債務者の所有する物又は有価証券」があります。本肢、「目的物が債務者所有の物でなくてもよい」となっています。
したがって、②の要件を満たさないので、留置することはできません。よって、誤りです。

①の要件は満たしています。

さらに条文には、「債権は留置の目的物に関して生じたものである必要がある」旨の記載はないので、「債権は留置の目的物に関して生じたものでなくてもよい」です。
よって、「債権が留置の目的物に関して生じたものではなく」については、問題ございません。

4.債権が留置の目的物に関して生じたものでなくてもよいが、目的物が債務者との間における商行為によって債権者の占有に属した物であり、かつ、目的物が債務者所有の物であることを要する。
4・・・正しい
考え方は選択肢1、2、3と同じです。
商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した②債務者の所有する物又は有価証券」を留置することができます。
ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、その意思表示に従い、留置することはできません(商法521条)。上記の通り、留置できる要件として
①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した「②債務者の所有する物又は有価証券」があります。本肢はすべて満たしているので、正しいです。
5.留置の目的物が債務者所有の物でなくてもよいが、債権が目的物に関して生じたものであり、かつ、目的物が債務者との間における商行為によって債権者の占有に属した物であることを要する。
5・・・誤り
考え方は選択肢1、2、3、4と同じです。
商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した②債務者の所有する物又は有価証券」を留置することができます。
ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、その意思表示に従い、留置することはできません(商法521条)。上記の通り、留置できる要件として
①その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した「②債務者の所有する物又は有価証券」があります。本肢、「留置の目的物が債務者所有の物でなくてもよい」となっています。
したがって、②の要件を満たさないので、留置することはできません。よって、誤りです。

①の要件は満たしています。

さらに条文には、「債権は留置の目的物に関して生じたものである必要がある」旨の記載はないので、要件にはなっていないです。
よって、「債権が目的物に関して生じたものであり」については、問題ございません。


平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 内閣 問33 民法・債権
問4 内閣 問34 民法:債権
問5 財政 問35 民法:親族
問6 法の下の平等 問36 商法
問7 社会権 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・政治
問19 国家賠償法 問49 一般知識・社会
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 地方自治法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・社会
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 行政法 問54 一般知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 一般知識・個人情報保護
問26 行政法 問56 一般知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 一般知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

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