行政不服審査法

行政不服審査法52条:裁決の拘束力

裁決の拘束力

審査請求に基づいて審理員が審理し、その後、審理員が意見書を審査庁に提出します。

そして、審査庁は、行政不服審査会に諮問し、行政不服審査会が審査庁に答申(意見を述べること)します。

それの答申を考慮して、審査庁は裁決します。

審査庁が裁決すると、関係行政庁は、この裁決の内容に拘束されます。

例えば、申請に基づいて処分を行い、その処分の手続きが違法だ!不当だ!と審査請求(不服申立て)をし、認容裁決がなされる(処分の手続きが違法または不当と判断される)と、処分庁は、この裁決の趣旨に従って、改めて申請に対する処分を行う必要があります。

そして、この裁決の拘束力については、認容裁決にのみ認められ、棄却裁決には認められません。したがって、処分は違法だ!不当だ!と審査請求を行い、棄却裁決(審査請求が認められなかった)によって処分が維持されたとしても、処分庁はその裁決に拘束されることはないので、あとで、職権で処分を取り消すことは可能です。(最判昭33.2.7:農地買収計画変更請求事件

裁決による処分取消・変更の公示

法令の規定により公示された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、処分庁は、当該処分が取り消され、又は変更された旨を公示しなければならない。

例えば、Aに対して、営業停止処分を下し、その後、審査請求に対して、裁決で営業停止処分が取消しとなった場合、その旨を公示して国民に伝えなければなりません。

裁決による処分取消・変更の通知

法令の規定により処分の相手方以外の利害関係人に通知された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、処分庁は、その通知を受けた者(審査請求人及び参加人を除く。)に、当該処分が取り消され、又は変更された旨を通知しなければなりません。

例えば、Aに対して、営業停止処分を下した場合、Aの取引先等の関係者に対しても営業停止処分した旨を通知しなければなりません。また、処分を「営業停止処分」から「指示処分」に変更した場合も同様に通知が必要です

(裁決の拘束力)
行政不服審査法第52条 裁決は、関係行政庁を拘束する。
2 申請に基づいてした処分が手続の違法若しくは不当を理由として裁決で取り消され、又は申請を却下し、若しくは棄却した処分が裁決で取り消された場合には、処分庁は、裁決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければならない。
3 法令の規定により公示された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、処分庁は、当該処分が取り消され、又は変更された旨を公示しなければならない。
4 法令の規定により処分の相手方以外の利害関係人に通知された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、処分庁は、その通知を受けた者(審査請求人及び参加人を除く。)に、当該処分が取り消され、又は変更された旨を通知しなければならない。

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行政不服審査法50条:裁決の方式

裁決は、審査庁が記名押印した裁決書という書面によって行う必要があります。

裁決書の記載事項

そして、上記裁決書には下記内容を記載しなければなりません。

  1. 主文
  2. 事案の概要
  3. 審理関係人の主張の要旨
  4. 理由(裁決の判断に至った理由)

行政不服審査会への諮問が不要な場合には、裁決書には、審理員意見書を添付しなければなりません。

再審査請求の教示

再審査請求をすることができる裁決を、審査庁がする場合、裁決書に下記内容を記載し、教示しなければなりません。

  1. 再審査請求することができる旨
  2. 再審査請求をすべき行政庁
  3. 再審査請求期間

(裁決の方式)
行政不服審査法第50条 裁決は、次に掲げる事項を記載し、審査庁が記名押印した裁決書によりしなければならない。
一 主文
二 事案の概要
三 審理関係人の主張の要旨
四 理由(第1号の主文が審理員意見書又は行政不服審査会等若しくは審議会等の答申書と異なる内容である場合には、異なることとなった理由を含む。)
2 第43条第1項の規定による行政不服審査会等への諮問を要しない場合には、前項の裁決書には、審理員意見書を添付しなければならない。
3 審査庁は、再審査請求をすることができる裁決をする場合には、裁決書に再審査請求をすることができる旨並びに再審査請求をすべき行政庁及び再審査請求期間(第62条に規定する期間をいう。)を記載して、これらを教示しなければならない。

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行政不服審査法49条:不作為についての審査請求の裁決

不作為についての審査請求に理由がある場合、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法または不当である旨を宣言します。この宣言とともに、一定の処分をすべきと認めるときは下記措置を取ります。

審査庁 とるべき措置
不作為庁の上級行政庁 処分庁に対して、処分すべき旨を命じる
不作為庁 自ら処分をする

例えば、XがA知事に宅建の免許の申請をして、A知事が免許するかしないかの処分をしなかったとして、XがA知事の上級行政庁である、国土交通大臣に審査請求をした。この場合、審査庁は国土交通大臣です。国土交通大臣が認容裁決をした場合、不作為庁であるA知事に対して、許可にするのか、不許可にするのか、何からの処分をするように命ずることができます。また、審査請求の内容を精査して許可処分をしなさい!と命ずることも可能です。

(不作為についての審査請求の裁決)
行政不服審査法第49条 不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。
2 不作為についての審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
3 不作為についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言する。この場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
一 不作為庁の上級行政庁である審査庁 当該不作為庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
二 不作為庁である審査庁 当該処分をすること。
4 審査請求に係る不作為に係る処分に関し、第43条第1項第1号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。
5 前項に規定する定めがある場合のほか、審査請求に係る不作為に係る処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が第3項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。

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行政不服審査法47条:事実上の行為についての審査請求の認容

事実上の行為についての認容裁決

事実上の行為についての審査請求に理由がある場合、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法または不当である旨を宣言します。そして、この宣言とともに審査庁は下記のような措置を取ります。

審査庁 とるべき措置
処分庁以外の審査庁 処分庁に対して、事実行為の全部または一部を撤廃し、または、変更すべき旨を命じる
処分庁 処分庁自ら事実行為の全部または一部を撤廃し、または変更する

撤廃とは?

撤廃とは、例えば、収容されている者を放免したり(収容をやめて解放すること)、領置(押収)している物を返還したりすることを言います。

(事実上の行為についての審査請求の認容)
行政不服審査法第47条 事実上の行為についての審査請求が理由がある場合(第45条第3項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、次の各号に掲げる審査庁の区分に応じ、当該各号に定める措置をとる。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変更すべき旨を命ずることはできない。
一 処分庁以外の審査庁 当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずること。
二 処分庁である審査庁 当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すること。

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行政不服審査法48条:不利益変更の禁止

行政不服審査法48条の「不利益変更の禁止」については、行政書士試験でも頻繁に出題される部分です!内容的には非常に簡単なので、しっかり頭に入れておきましょう!

行政不服審査法46条の処分の変更」を行う場合、審査請求人の不利益になるように変更することは許されません。

例えば、営業停止処分で、営業停止の期間を1か月として処分したにも関わらず、審査請求の結果、2か月に変更することはできないということです。簡単にいえば、処分よりも重い内容に変更してはいけないということです。

(不利益変更の禁止)
行政不服審査法第48条 第46条第1項本文又は前条の場合において、審査庁は、審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべき旨を命じ、若しくはこれを変更することはできない。

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行政不服審査法46条:処分についての審査請求の認容

審査請求の認容裁決

審査請求の認容とは、審査請求に理由がある(審査請求を認める)ということです。例えば、免許取消処分について、それはおかしいと思って審査請求をし、結果として認容された場合、免許取消処分の不服申立てが通ったということです。そのため、審査庁は、裁決で当該処分の「全部もしくは一部」の「取消しまたは変更」をすることができます。

処分の取消し

取消すことによって、処分の効力がなくなります。つまり、上記事例で言うと、免許取消処分の効力がなくなり、免許取消処分はなかったことになります。

処分の変更

変更とは、例えば、免許取消処分から業務停止処分に変更することを指します。そして、処分の変更ができるのは、上級行政庁と処分庁だけです。それ以外の行政庁は変更できません。例えば、知事が処分をして、第三者機関が審査した場合、この第三者機関は処分の変更はできないということです。例えば、固定資産課税台帳に登録された価格(評価額)に不服がある場合、固定資産評価審査委員会に対して審査請求ができますが、この固定資産評価審査委員会は、処分の変更はできません。処分の取消しは行えます。

申請の却下・棄却を取り消す場合

処分庁が申請を却下したり、棄却したりして、それに対して審査請求をしたとします。この審査請求に対して、審査庁は一定の処分をすべきことを認める場合(認容される場合)、次のような措置を取ります。

審査庁 とるべき措置
上級行政庁 審査庁は、処分庁に対して処分をすべき旨を命じる
処分庁 処分庁は、自ら処分をする

(処分についての審査請求の認容)
行政不服審査法第46条 処分(事実上の行為を除く。以下この条及び第48条において同じ。)についての審査請求が理由がある場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、当該処分を変更することはできない。
2 前項の規定により法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分の全部又は一部を取り消す場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
一 処分庁の上級行政庁である審査庁 当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
二 処分庁である審査庁 当該処分をすること。
3 前項に規定する一定の処分に関し、第43条第1項第1号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。
4 前項に規定する定めがある場合のほか、第2項に規定する一定の処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が同項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。

<<行政不服審査法45条:処分についての審査請求の却下又は棄却 | 行政不服審査法47条:事実上の行為についての審査請求の認容>>

行政不服審査法45条:処分についての審査請求の却下又は棄却

行政不服審査法45条の「処分についての審査請求の却下又は棄却」については、却下と棄却の違いがポイントです。どういった場合に却下になり、どういった場合に棄却となるのかを覚えましょう!

処分についての審査請求期間が過ぎた場合(不適法である場合)、審査庁は、裁決で却下します。

審査請求について、理由がない場合、審査庁は、裁決で棄却します。

却下と棄却の違い

この2つの違いについてよく行政書士試験で出題されるので必ず頭に入れておきましょう!

却下 手続の不備など、不適法な場合に、審理をせずに門前払いをすること
棄却 手続の不備はなく適法に行われているため、審理はするが、請求に理由がないとして請求などを退けること

事情裁決

審査請求に係る処分が違法又は不当ではあるけど、処分を取り消してしまうと、公の利益に著しい障害を生ずる場合、諸事情を考慮した上で、公共の福祉に適合しないと認めるときは、例外的に裁決で棄却することができます。

つまり、処分は違法・不当だけど、公の利益を優先して、審査請求を棄却することができるということです。

この場合、審査庁は、裁決の主文で、当該処分が違法又は不当であることを宣言しなければならない。

(処分についての審査請求の却下又は棄却)
行政不服審査法第45条 処分についての審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。
2 処分についての審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
3 審査請求に係る処分が違法又は不当ではあるが、これを取り消し、又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、審査請求人の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、処分を取り消し、又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却することができる。この場合には、審査庁は、裁決の主文で、当該処分が違法又は不当であることを宣言しなければならない。

<<行政不服審査法44条:裁決の時期 | 行政不服審査法46条:処分についての審査請求の認容>>

行政不服審査法44条:裁決の時期

行政不服審査法44条の「裁決の時期」について、行政書士試験でのポイントは、「遅滞なく」という部分です。行政不服審査会等から諮問に対する答申(回答)を受けたときは、審査庁は遅滞なく裁決をしなければなりません。

審査請求から裁決までの流れ

処分が行われ、その処分に不服があると、下記流れで審査請求が行われます。

  1. 審査請求人は審査請求書を審査庁に提出します。
  2. 審査庁は審査請求書に不備がないかを審査します。
  3. 不備がなければ審査庁は、審査請求の手続きを担当する審理員を指名します。
  4. 審理員は処分庁に審査請求書を送付します。
  5. 処分庁は審理員に弁明書を提出します。
  6. 審査請求は審理員に反論書を提出します。
  7. 審理員は審査庁に審理員意見書を提出します。
  8. 審査庁が行政不服審査会に諮問します。

裁決の時期

下記事由に該当するときは、審査庁は、遅滞なく、裁決をしなければなりません。

  1. 行政不服審査会等から諮問に対する答申(回答)を受けたとき
  2. 行政不服審査会等への諮問が不要な場合には、審理員意見書が提出されたとき

(裁決の時期)
行政不服審査法第44条 審査庁は、行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第1項の規定による諮問を要しない場合(同項第2号又は第3号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第2号又は第3号に該当する場合にあっては同項第2号又は第3号に規定する議を経たとき)は、遅滞なく、裁決をしなければならない。

<<行政不服審査法43条:行政不服審査会等への諮問 | 行政不服審査法45条:処分についての審査請求の却下又は棄却>>事情裁決

 

行政不服審査法41条:審理手続の終結

審査請求の大まかな流れは下記の通りです。下記6の反論書の提出まで終わり、処分庁と審査請求人・参加人の意見を聴いて、必要な審理を終えたと認めるときは、審理員は審理手続を終結します。このページでは、審理手続を終える場面についての行政書士試験のポイントをお伝えします。

審査請求から裁決までの流れ

処分が行われ、その処分に不服があると、下記流れで審査請求が行われます。

  1. 審査請求人は審査請求書を審査庁に提出します。
  2. 審査庁は審査請求書に不備がないかを審査します。
  3. 不備がなければ審査庁は、審査請求の手続きを担当する審理員を指名します。
  4. 審理員は処分庁に審査請求書を送付します。
  5. 処分庁は審理員に弁明書を提出します。
  6. 審査請求は審理員に反論書を提出します。

審理手続の終結

どのような場合に審理手続を終結するか?

  1. 審理員は、必要な審理を終えたと認めるとき
  2. 弁明書反論書意見書証拠書類等が、相当期間内に提出されなかったとき
  3. 申立人が、正当な理由なく、口頭意見陳述に出頭しないとき

審理手続を終結したら何をするのか?

審理員が審理手続を終結したときは、審理員は、速やかに審理関係人(審査請求人、参加人、処分庁)に対し、審理手続を終結した旨並びに審理員意見書及び事件記録を審査庁に提出する予定時期を通知しなければなりません。当該予定時期を変更したときも、同様に通知が必要です。

(審理手続の終結)
行政不服審査法第41条 審理員は、必要な審理を終えたと認めるときは、審理手続を終結するものとする。
2 前項に定めるもののほか、審理員は、次の各号のいずれかに該当するときは、審理手続を終結することができる。
一 次のイからホまでに掲げる規定の相当の期間内に、当該イからホまでに定める物件が提出されない場合において、更に一定の期間を示して、当該物件の提出を求めたにもかかわらず、当該提出期間内に当該物件が提出されなかったとき。
イ 第29条第二項 弁明書
ロ 第30条第一項後段 反論書
ハ 第30条第二項後段 意見書
ニ 第32条第三項 証拠書類若しくは証拠物又は書類その他の物件
ホ 第33条前段 書類その他の物件
二 申立人が、正当な理由なく、口頭意見陳述に出頭しないとき。
3 審理員が前二項の規定により審理手続を終結したときは、速やかに、審理関係人に対し、審理手続を終結した旨並びに次条第一項に規定する審理員意見書及び事件記録(審査請求書、弁明書その他審査請求に係る事件に関する書類その他の物件のうち政令で定めるものをいう。同条第二項及び第四十三条第二項において同じ。)を審査庁に提出する予定時期を通知するものとする。当該予定時期を変更したときも、同様とする。

<<行政不服審査法40条:審理員による執行停止の意見書の提出 | 行政不服審査法42条:審理員意見書>>

行政不服審査法42条:審理員意見書

審査手続が終わると、審理員は意見書を作成します。

審理手続の流れは下記をご覧ください!このページでは、下図の7の審理員意見書の提出の部分を解説します。行政書士試験では重要な部分なのでしっかり頭に入れましょう!

審査請求から裁決までの流れ

処分が行われ、その処分に不服があると、下記流れで審査請求が行われます。

  1. 審査請求人は審査請求書を審査庁に提出します。
  2. 審査庁は審査請求書に不備がないかを審査します。
  3. 不備がなければ審査庁は、審査請求の手続きを担当する審理員を指名します。
  4. 審理員は処分庁に審査請求書を送付します。
  5. 処分庁は審理員に弁明書を提出します。
  6. 審査請求は審理員に反論書を提出します。

審理員意見書とは?

審理員意見書とは、審理手続を行った結果、「審査庁がどのような裁決をすべきか」という審理員の意見を記載した文書のことです。

そして、審理員は、審理手続を終結したときは、遅滞なく審理員意見書を作成しなければなりません。

さらに、審理員意見書を作成したときは、速やかに、審理員は、審査庁に提出しなければなりません。

(審理員意見書)
行政不服審査法第42条 審理員は、審理手続を終結したときは、遅滞なく、審査庁がすべき裁決に関する意見書(以下「審理員意見書」という。)を作成しなければならない。
2 審理員は、審理員意見書を作成したときは、速やかに、これを事件記録とともに、審査庁に提出しなければならない。

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