行政不服審査法

行政不服審査法20条:口頭による審査請求

行政不服審査法20条「口頭による審査請求」の内容は、簡単な内容なので覚えてしまいましょう!ただ、行政書士試験ではあまり出題されない部分です。ただし、難しくないので出題されたら必ず得点できるようにしましょう!

口頭で審査請求をする場合、行政不服審査法19条の「処分における審査請求書の記載内容」と「不作為における審査請求書の記載内容」を陳述し(口頭で伝え)、行政庁は、その内容を記録します。記録が終わったら、陳述人(口頭で話した者)に読み聞かせを行い誤りがないかを確認させなければなりません。

(口頭による審査請求)
行政不服審査法第20条 口頭で審査請求をする場合には、前条第2項から第5項までに規定する事項を陳述しなければならない。この場合において、陳述を受けた行政庁は、その陳述の内容を録取し、これを陳述人に読み聞かせて誤りのないことを確認しなければならない。

<<行政不服審査法19条:審査請求書の提出 | 行政不服審査法21条:処分庁等を経由する審査請求>>

行政不服審査法7条:適用除外

行政不服審査法7条は、下記事項は「2条・3条の規定を適用しない」としています。どういうことかというと、下記事項については、審査請求できないということです。

では、どういった場合に審査請求ができないのか?

審査請求ができない場合

  1. 国会若しくは地方議会の議決によってされる処分
  2. 裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
  3. 国会若しくは地方議会の議決又は同意等を経てされる処分
  4. 検査官会議で決すべきものとされている処分
  5. 当事者間の法律関係を確認し、又は形成する処分で、法令の規定により当該処分に関する訴え(形式的当事者訴訟)においてその法律関係の当事者の一方を被告とすべきものと定められているもの
  6. 刑事事件に関する検察官等がする処分
  7. 国税又は地方税の犯則事件に関する処分
    金融商品取引の犯則事件に関する処分
  8. 学校講習所訓練所又は研修所で、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分
  9. 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分
  10. 外国人の出入国又は帰化に関する処分
  11. 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分(例えば、行政書士試験の結果等)
  12. 行政不服審査法に基づいて行われる処分

この点については、行政手続法で適用除外になっているものと、行政不服審査法で適用除外になっているものの違いを覚えるとよいでしょう!

行政手続法と行政不服審査法の適用除外の違い

手続法のみ適用除外 ① 公務員の懲戒処分
② 利害の反する者の利害調整を目的とした処分
③ 難民認定
④ 報告または物件提出等の情報収集を目的とした処分
⑤ 公衆衛生・環境保全・防疫・保安のための処分
⑥ 不服申立て(審査請求・再調査請求)による裁決・決定
⑦ 聴聞・弁明の機会付与手続き(意見陳述の手続き)において法令に基づいてされる処分
不服審査法のみ適用外 形式的当事者訴訟によるべきとされている処分

行政不服審査法における国の機関または地方公共団体等の適用除外

「国の機関」又は「地方公共団体」その他の「公共団体」若しくはその機関に対する処分で、これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるもの及びその不作為については、行政不服審査法の規定は、適用しません。

これは、行政手続法と同様に行政不服審査法も適用しないことを意味します。

イメージとしては、国の機関や地方公共団体に対する処分については、審査請求できないということです。

(適用除外)
第7条 次に掲げる処分及びその不作為については、第2条及び第3条の規定は、適用しない。
一 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
二 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
三 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
四 検査官会議で決すべきものとされている処分
五 当事者間の法律関係を確認し、又は形成する処分で、法令の規定により当該処分に関する訴えにおいてその法律関係の当事者の一方を被告とすべきものと定められているもの
六 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分
七 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む。)、財務局長又は財務支局長がする処分
八 学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分
九 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分
十 外国人の出入国又は帰化に関する処分
十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
十二 この法律に基づく処分(第五章第一節第一款の規定に基づく処分を除く。)

2 国の機関又は地方公共団体その他の公共団体若しくはその機関に対する処分で、これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるもの及びその不作為については、この法律の規定は、適用しない。

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行政事件訴訟法の概要

行政事件訴訟法とは?

行政事件訴訟法は、裁判によって、違法な行政活動によって権利利益を侵害された国民の救済を図るものです。

行政不服審査法 違法または不当な行政行為
行政事件訴訟法 違法な行政行為(不当な行政行為は行政事件訴訟法の対象外

訴訟は、民事訴訟、刑事訴訟、行政事件訴訟に区別でき、行政事件訴訟法は、公権力の行使に関する争いを含む公法上の法律関係に関する紛争解決を目的としてます。

民事事件 民事訴訟法
刑事事件 刑事訴訟法
行政事件 行政事件訴訟法

行政事件訴訟法の経緯

1945年(昭和20年)第二次世界大戦が終戦。

1946年(昭和21年)日本国憲法が公布。

1948年(昭和23年)に「行政事件訴訟特例」が制定(戦後に制定)。

行政事件訴訟特例法は、民事訴訟法の特例を定めたものであり、全文でわずか12条のみの簡単なものでした。この法律は、制定が急がれたため、欠陥も多かったため、
1962年(昭和37年)に法改正され、現行の「行政事件訴訟法」が制定されました。

行政事件訴訟法の類型

行政事件訴訟法は大きく分けて主観訴訟客観訴訟に分けることができます。

主観訴訟は、個人の権利利益の救済を目的とし、自分自身に直接関係する行政活動に対する訴訟を指し、客観訴訟は、行政の適法性の確保を目的とし、自分には直接関係ない行政活動に対する訴訟を指します。

主観訴訟

主観訴訟とは、個人の権利利益の救済を目的とし、自分自身に直接関係する行政活動に対する訴訟を指し、大きく分けて、抗告訴訟当事者訴訟に分けることができます。

主観訴訟は、個人の権利利益が侵害され、または侵害されそうになっている場合、その救済を求める訴えを指します。

抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関して違法でないかと不服がある場合の訴訟で、当事者訴訟は、当事者間の公法上の法律関係を争う訴訟です。

抗告訴訟

抗告訴訟には、下記5つがあります。詳細は下記リンク先で解説しています。

  1. 取消訴訟(処分の取消しの訴え、裁決の取消しの訴え)
  2. 無効等確認の訴え
  3. 不作為の違法確認の訴え
  4. 義務付けの訴え
  5. 差止めの訴え

当事者訴訟

当事者訴訟には、下記2つがあります。詳細は下記リンク先で解説しています。

  1. 形式的当事者訴訟
  2. 実質的当事者訴訟

客観訴訟

客観訴訟は、行政の適法性の確保を目的とし、自分には直接関係ない行政活動に対する訴訟を指し、民衆訴訟機関訴訟があります。

この客観訴訟は、行政活動が法律に違反している場合に個人の利益に関係なく、違法状態を回復するための訴訟です。

<<行政不服審査法 | 取消訴訟の概要原処分主義裁決主義審査請求前置主義>>

 

行政不服審査法83条:教示をしなかった場合の不服申立て

行政庁がすべき教示をしなかった場合

教示すべき事項教示しなかった場合、処分を受けた者(処分に不服がある者)は処分庁に不服申立書を提出することができます。

当該処分が、「処分庁以外の行政庁」に対して、審査請求できる処分であるときは、処分庁は速やかに不服申立書を審査庁に送付しなければなりません。

送付されたときは、初めから「権限ある行政庁(審査庁等)」に不服申立てがされたものとみなされます

行政庁が教示内容を誤った場合(行政不服審査法22条)>>

(教示をしなかった場合の不服申立て)
行政不服審査法第83条 行政庁が前条の規定による教示をしなかった場合には、当該処分について不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。
2 第19条(第5項第1号及び第2号を除く。)の規定は、前項の不服申立書について準用する。
3 第1項の規定により不服申立書の提出があった場合において、当該処分が処分庁以外の行政庁に対し審査請求をすることができる処分であるときは、処分庁は、速やかに、当該不服申立書を当該行政庁に送付しなければならない。当該処分が他の法令に基づき、処分庁以外の行政庁に不服申立てをすることができる処分であるときも、同様とする。
4 前項の規定により不服申立書が送付されたときは、初めから当該行政庁に審査請求又は当該法令に基づく不服申立てがされたものとみなす。
5 第3項の場合を除くほか、第1項の規定により不服申立書が提出されたときは、初めから当該処分庁に審査請求又は当該法令に基づく不服申立てがされたものとみなす。

<<行政不服審査法82条:不服申立てをすべき行政庁等の教示 | 行政事件訴訟法>>

行政不服審査法82条:不服申立てをすべき行政庁等の教示

教示とは?

教示とは、処分を行う行政庁が、処分相手や利害関係人に対して、「不服がある場合は、こういう方法がありますよ!」と教えてくれる制度です。

行政不服審査法は、国民みんなが知っている法律ではないので、国民の権利利益の救済の方法を教えるルールを定めています。

教示しなければならない場合

教示をしなければならないのは、下記2つの場合です。

審査請求、再調査請求等をすることができる処分について

  1. 相手方に対して書面で処分を行う場合
  2. 利害関係人から教示を求められた場合

教示すべき内容

教示すべき内容は下記3つです。

  1. 不服申立てをすることができる旨
  2. 不服申立てをすべき行政庁
  3. 不服申立てをすることができる期間

教示すべき相手方と教示の方法

教示相手 教示の方法
処分の相手方に対して 処分を口頭でする場合を除いて書面で教示すること
利害関係人に対して 教示すべき求めがあった場合に教示する
その際、書面による教示を求められた場合書面で教示すること

(不服申立てをすべき行政庁等の教示)
行政不服審査法第82条 行政庁は、審査請求若しくは再調査の請求又は他の法令に基づく不服申立て(以下この条において「不服申立て」と総称する。)をすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。
2 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうか並びに当該処分が不服申立てをすることができるものである場合における不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない。
3 前項の場合において、教示を求めた者が書面による教示を求めたときは、当該教示は、書面でしなければならない。

<<行政不服審査法66条:審査請求に関する規定の準用 | 行政不服審査法83条:教示をしなかった場合の不服申立て

行政不服審査法65条:再審査請求の認容の裁決

再審査請求の認容裁決(原裁決の取消し)

再審査請求の認容とは、再審査請求に理由がある(再審査請求を認める)ということです。例えば、免許取消処分について、それはおかしいと思って審査請求をし、結果として棄却された。その棄却裁決にも不服があり、再審査請求をして、再審査請求が認められるということです。この場合、再審査庁は、裁決で当該原裁決の「全部もしくは一部」の「取消し」をすることができます。

再審査請求については、変更裁決はできないので注意しましょう!

事実上の行為についての再審査請求の認容裁決(事実上の行為の撤廃)

事実行為とは?

事実上の行為とは、「行政がする、国民の権利や義務が発生しない行為」です。

事実行為の例としては、行政指導や即時強制があります。

例えば、「勧告(注意といったイメージ)」は行政指導の一つです。勧告を受けたからと言って、勧告に従う必要はありません。従わなかったとしても、罰則などはないです。

しかし、勧告に従わないと、「この会社は勧告に従いませんでした」と公表されたりします。

事実上の行為の撤廃

そして、上記勧告(事実上の行為)について、不服があり、審査請求を行い、結果として棄却された。その棄却裁決にも不服があり、再審査請求をして、再審査請求が認められるということです。この場合、再審査庁は、裁決で当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、処分庁に対し、当該事実上の行為の全部又は一部を撤廃すべき旨を命じます

(再審査請求の認容の裁決)
行政不服審査法第65条 原裁決等(事実上の行為を除く。)についての再審査請求が理由がある場合(前条第3項に規定する場合及び同条第四項の規定の適用がある場合を除く。)には、再審査庁は、裁決で、当該原裁決等の全部又は一部を取り消す。
2 事実上の行為についての再審査請求が理由がある場合(前条第四項の規定の適用がある場合を除く。)には、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、処分庁に対し、当該事実上の行為の全部又は一部を撤廃すべき旨を命ずる。

行政不服審査法64条:再審査請求の却下又は棄却の裁決 | 行政不服審査法66条:審査請求に関する規定の準用>>

行政不服審査法63条:裁決書の送付

再審査を行う行政庁は、再審査請求について、審理をするために、「原裁決をした行政庁」に対し原裁決に関する裁決書の送付を求めます。

つまり、審査請求について、行政庁Aが裁決し、再審査請求について行政庁Bが行う場合、行政庁Bが行政庁Aに対して、裁決書を送付してください!と求めます。

これは、行政庁Aがどのような審査をしたのかを、再審査請求を行う行政庁Bが確認するためです。

(裁決書の送付)
行政不服審査法第63条 第66条第1項において読み替えて準用する第11条第2項に規定する審理員又は第66条第1項において準用する第9条第1項各号に掲げる機関である再審査庁(他の法律の規定により再審査請求がされた行政庁(第66条第1項において読み替えて準用する第14条の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。)をいう。以下同じ。)は、原裁決をした行政庁に対し、原裁決に係る裁決書の送付を求めるものとする。

<<行政不服審査法62条:再審査請求期間 | 行政不服審査法64条:再審査請求の却下又は棄却の裁決>>

行政不服審査法64条:再審査請求の却下又は棄却の裁決

再審査請求期間(1か月もしくは1年)が過ぎた場合(不適法である場合)、審査庁は、裁決で却下します。

再審査請求について、理由がない場合、審査庁は、裁決で棄却します。

却下と棄却の違い

この2つの違いについてよく行政書士試験で出題されるので必ず頭に入れておきましょう!

却下 手続の不備など、不適法な場合に、審理をせずに門前払いをすること
棄却 手続の不備はなく適法に行われているため、審理はするが、請求に理由がないとして請求などを退けること

再審査請求の棄却裁決

再審査請求に係る原裁決(審査請求について却下もしくは棄却した裁決)が違法又は不当な場合で、かつ、当該審査請求に係る処分が違法又は不当のいずれでもないときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却します。

どういうことかというと、下記場合において、④が違法で②が適法の場合、⑤の再審査請求について棄却裁決します。なぜなら、審査庁Bの判断は間違っていても、処分庁Aの処分が正しいから、処分庁Aの処分内容を尊重して、Xからの再審査請求を棄却するということです。

①Xが許可申請した。

②処分庁Aが却下処分or拒否処分(審査請求に係る処分)がした。(←これは違法でも不当でもない=適法)

③Xが審査請求(不服申立て)をした。

④審査庁Bが却下裁決or棄却裁決(原裁決)をした。(←これが違法または不当)

⑤Xが再審査請求した。

再審査請求における事情裁決

再審査請求に係る原裁決が違法又は不当ではあるけど、処分を取り消し、又は撤廃してしまうと、公の利益に著しい障害を生ずる場合、諸事情を考慮した上で、公共の福祉に適合しないと認めるときは、例外的に、再審査庁は裁決で棄却することができます。

つまり、審査庁の裁決は違法・不当だけど、公の利益を優先して、再審査請求を棄却することができるということです。

この場合、再審査庁は、裁決の主文で、当該原裁決が違法又は不当であることを宣言しなければなりません。

(再審査請求の却下又は棄却の裁決)
行政不服審査法第64条 再審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を却下する。
2 再審査請求が理由がない場合には、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却する。
3 再審査請求に係る原裁決(審査請求を却下し、又は棄却したものに限る。)が違法又は不当である場合において、当該審査請求に係る処分が違法又は不当のいずれでもないときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却する。
4 前項に規定する場合のほか、再審査請求に係る原裁決等が違法又は不当ではあるが、これを取り消し、又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、再審査請求人の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、原裁決等を取り消し、又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却することができる。この場合には、再審査庁は、裁決の主文で、当該原裁決等が違法又は不当であることを宣言しなければならない。

<<行政不服審査法63条:裁決書の送付 | 行政不服審査法65条:再審査請求の認容の裁決>>

行政不服審査法62条:再審査請求期間

再審査請求の請求期間

再審査請求は下記期間内に請求しないといけません。下記期間を過ぎて再調査請求をしても不適法として却下されてしまいます。

下記主観的期間と客観的期間である1か月または1年のどちらか一方でも経過してしまうと再審査請求ができなくなります。

主観的期間 原則、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して1か月以内
例外として、正当な理由があるときは、1か月を超えてもよい
客観的期間 原則処分があった日の翌日から起算して1年以内
正当な理由があるときは、1年を超えてもよい

原裁決とは?

原裁決とは、再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決を言います。

例えば、A市長から、営業停止処分を受けたXが、B知事に審査請求し、B知事が棄却裁決をした。この棄却裁決について、Xが再審査請求をした場合、当該棄却裁決が原裁決です。

対比して覚えていただきたいのは下記部分です!

審査請求の期間制限>>

再調査請求の期間制限>>

(再審査請求期間)
行政不服審査法第62条 再審査請求は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して1月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2 再審査請求は、原裁決があった日の翌日から起算して1年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

<<行政不服審査法61条:審査請求に関する規定の準用 | 行政不服審査法63条:裁決書の送付>>

行政不服審査法61条:審査請求に関する規定の準用(再調査請求)

審査請求の規定が、再調査請求に準用されるもの

下記内容は審査請求のルールですが、この審査請求のルールが再調査請求にも適用されるということです。

第9条第4項 審査庁職員による意見聴取
第10条 法人でない社団又は財団の審査請求
第11条 総代
第12条 代理人による審査請求
第13条 参加人
第14条 行政庁が裁決をする権限を有しなくなった場合の措置
第15条 審理手続の承継
第16条 標準審理期間
第19条の一部 審査請求書の提出
第20条 口頭による審査請求
第23条 審査請求書の補正
第24条 審理手続を経ないでする却下裁決
第25条
(第3項を除く。)
執行停止
第26条 執行停止の取消し
第27条 審査請求の取下げ
第31条
(第5項を除く。)
口頭意見陳述
第32条
(第2項を除く。)
証拠書類等の提出
第39条 審理手続の併合又は分離
第51条 裁決の効力発生
第53条 証拠書類等の返還

(審査請求に関する規定の準用)
行政不服審査法第61条 第9条第4項、第10条から第16条まで、第18条第3項、第19条(第3項並びに第5項第1号及び第2号を除く。)、第20条、第23条、第24条、第25条(第3項を除く。)、第26条、第27条、第31条(第5項を除く。)、第32条(第2項を除く。)、第39条、第51条及び第53条の規定は、再調査の請求について準用する。この場合において、別表第二の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

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