民法のテキスト

根抵当権

根抵当権とは?

複数の債権を担保(保証)するために、不動産に設定するものが根抵当権です。

例えば、製造会社Aが、銀行Bから毎月仕入代金を借りるとします。

仕入代金を借りるたびにA所有の不動産に抵当権を設定して、返済したら抵当権を消滅させるというのは非常に面倒です。

そのため、不動産で保証する上限(極度額という)を決めて、その金額内は、この不動産で保証しているというのが根抵当権です。

根抵当権の被担保債権の範囲(根抵当権で保証される債権とは?)

根抵当権で保証される債権は、「確定した元本」並びに「利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部」について、極度額を限度まで保証されます(民法398条の3第1項)。

例えば、上記で、極度額5000万円とし、銀行Bが製造会社Aに対して、1000万円・2000万円・500万円と3回貸し、すべてについて返済されていないとします。そして、利息や損害賠償額が300万円だった場合、上記合計金額は3800万円です。

ここで、銀行Aが元本確定し、その後競売にかけて、5000万円で落札された(売れた)場合、銀行Bは、この5000万円から3800万円を優先的に弁済を受けることができます。

元本確定とは?

元本確定とは、根抵当権を実行するために(競売にかけるために)元本がいくらなのかを確定させる行為です。

元本が確定しないと、競売手続中に、被担保債権の額が変動するし、利息も変動してしまいます。そのため元本がいくらなのかを確定させます。

根抵当権設定者からの元本確定請求

根抵当権設定者(製造業者A)は、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができます。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から2週間を経過することによって確定します(民法398条の19第1項)。

※ 元本確定日の定めがあるときは、この定めに従います(同条19第3項)。

根抵当権者からの元本確定請求

根抵当権者(銀行B)は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができます。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定します(民法398条の19第2項)。

※ 元本確定日の定めがあるときは、この定めに従います(同条19第3項)。

根抵当権の被担保債権の譲渡(随伴性について)

元本確定前に根抵当権者(銀行B)が、被担保債権を第三者Cに譲渡(債権譲渡)しても、Cは根抵当権を取得しません。

言い換えると、元本確定前は、根抵当権に「随伴性(ずいはんせい)がない」ということです(第398条の7第1項)。

詳細解説は個別指導で解説します。

根抵当権の被担保債権の消滅(付従性について)

元本確定前に根抵当権設定者(製造会社A)が、債務を弁済して、被担保債権が消滅したとしても、当然に根抵当権が消滅するわけではありません。

言い換えると、元本確定前は、根抵当権に「付従性(ふじゅうせい)がない」ということです(第398条の7第1項)。

詳細解説は個別指導で解説します。

根抵当権の譲渡

元本確定前に、根抵当権者(銀行B)が根抵当権を譲り渡す場合根抵当権設定者(製造会社A)の承諾を得る必要があります(第398条の12第1項)。

元本確定後は、根抵当権設定者の承諾なく、根抵当権を譲渡できます。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。 もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。 個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。 また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています! 令和4年の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう! 個別指導の概要はこちら>>

民法テキストの目次

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参考条文

(根抵当権)
第398条の2 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
2 前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
3 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。次条第二項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。

(根抵当権の被担保債権の範囲)
第398条の3 根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。
2 債務者との取引によらないで取得する手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権を根抵当権の担保すべき債権とした場合において、次に掲げる事由があったときは、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使することができる。ただし、その後に取得したものであっても、その事由を知らないで取得したものについては、これを行使することを妨げない。
一 債務者の支払の停止
二 債務者についての破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立て
三 抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え

(根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更)
第398条の4 元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。
2 前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。
3 第一項の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。

(根抵当権の極度額の変更)
第398条の5 根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。

(根抵当権の元本確定期日の定め)
第398条の6 根抵当権の担保すべき元本については、その確定すべき期日を定め又は変更することができる。
2 第三百九十八条の四第二項の規定は、前項の場合について準用する。
3 第一項の期日は、これを定め又は変更した日から五年以内でなければならない。
4 第一項の期日の変更についてその変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定する。

(根抵当権の被担保債権の譲渡等)
第398条の7 元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。
2 元本の確定前に債務の引受けがあったときは、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができない。
3 元本の確定前に免責的債務引受があった場合における債権者は、第四百七十二条の四第一項の規定にかかわらず、根抵当権を引受人が負担する債務に移すことができない。
4 元本の確定前に債権者の交替による更改があった場合における更改前の債権者は、第五百十八条第一項の規定にかかわらず、根抵当権を更改後の債務に移すことができない。元本の確定前に債務者の交替による更改があった場合における債権者も、同様とする。

(根抵当権の譲渡)
第398条の12 元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる。
2 根抵当権者は、その根抵当権を二個の根抵当権に分割して、その一方を前項の規定により譲り渡すことができる。この場合において、その根抵当権を目的とする権利は、譲り渡した根抵当権について消滅する。
3 前項の規定による譲渡をするには、その根抵当権を目的とする権利を有する者の承諾を得なければならない。

(根抵当権の元本の確定事由)
第398条の20 次に掲げる場合には、根抵当権の担保すべき元本は、確定する。
一 根抵当権者が抵当不動産について競売若しくは担保不動産収益執行又は第三百七十二条において準用する第三百四条の規定による差押えを申し立てたとき。ただし、競売手続若しくは担保不動産収益執行手続の開始又は差押えがあったときに限る。
二 根抵当権者が抵当不動産に対して滞納処分による差押えをしたとき。
三 根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過したとき。
四 債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けたとき。
2 前項第三号の競売手続の開始若しくは差押え又は同項第四号の破産手続開始の決定の効力が消滅したときは、担保すべき元本は、確定しなかったものとみなす。ただし、元本が確定したものとしてその根抵当権又はこれを目的とする権利を取得した者があるときは、この限りでない。

(根抵当権の元本の確定請求)
第398条の19 根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。
2 根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。
3 前二項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。

法定地上権

法定地上権とは?

土地や建物に抵当権が設定されて、競売にかかることにより、土地と建物の所有者が異なることとなると、建物所有者は、建物を所有する権利がなくなるので、土地所有者から、「建物を取り壊して、立ち退いてください!」と言われたら困ります。そのため、一定要件を満たす場合、自動的に建物に地上権(土地を使う権利)が設定されます。これを「法定地上権」と言います。この法定地上権が成立すると、建物所有者は、土地について地上権を有することとなるので、引き続き建物を使い続けることができます

法定地上権の成立要件

下記4つの要件をすべて満たすことで、法定地上権は成立します。

  1. 抵当権設定当時に、土地の上に建物が存在していること
    →更地に抵当権が設定されていた場合、法定地上権は成立しない
  2. 抵当権設定当時に、土地と建物の所有者が同一であること
  3. 土地と建物の一方または双方に抵当権が設定されていること
  4. 競売により、土地と建物の所有者が異なる者となったこと

法定地上権に関する判例

土地にのみ抵当権が設定され、建物を取り壊して再築した場合

【事案】 土地及び建物の所有者が土地に抵当権を設定後、建物を取り壊して再築した。

【判例】 旧建物のために法定地上権が成立する場合におけると同一の範囲内において法定地上権が成立する(大判昭10.8.10)

土地・建物の両方に抵当権が設定され、建物を取り壊して再築した場合

【事案】 土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後、建物が取り壊され、土地上に新建物を再築された。

【判例】 新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、「新建物が建築された時点での土地の抵当権者」が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたとき等特段の事情のない限り新建物のために法定地上権は成立しない(最判平9.2.14)。

分かりやすい解説については個別指導で解説します。

抵当権設定当時に土地と建物の所有者が別人だった場合

【事案】 抵当権設定当時において土地及び建物の所有者が異なる人である。

【判例】 その土地又は建物に対する抵当権実行による競落の際、たまたま、当該土地及び建物の所有権が同一の者に帰していたとしても、成立要件2を満たさないため法定地上権は成立しない(最判昭44.2.14)

土地に1番抵当権・2番抵当権が設定され、2番抵当権のみ要件を満たす場合

【事案】 土地に先順位抵当権が設定された当時は土地と建物の所有者が異なっていたため成立要件を満たしていなかった。しかし、その後、土地と建物が同一人所有者となった後に後順位抵当権が設定され、後順位抵当権者を基準にすると、成立要件を満たしていた。

【判例】 土地の先順位抵当権が実行されたときであっても、土地に対する法定地上権は成立しない(最判平2.1.22)。

理由については個別指導で解説します。

建物に1番抵当権・2番抵当権が設定され、2番抵当権のみ要件を満たす場合

【事案】 建物に抵当権設定当時、土地・建物が所有者が異なっていたため成立要件を満たしていなかった。しかし、その後、土地と建物が同一人所有者となった後に後順位抵当権が設定され、後順位抵当権者を基準にすると、成立要件を満たしていた。

【判例】 建物の先順位抵当権が実行された時であっても、法定地上権が成立する(大判昭14.7.26)。

理由については個別指導で解説します。

単独所有の建物があり、土地が共有で、土地の共有持分に抵当権が設定された場合

【事案】 「A・B共有の土地」の上に「単独でAが建物を所有」していて、Aが、土地の共有持分について抵当権を設定していた。

【判例】 法定地上権は成立しない(最判昭29.12.23)。

理由については個別指導で解説します。

建物が共有で、単独所有の土地に抵当権が設定された場合

【事案】 「Aが単独所有する土地」の上に「A・B共有の建物」があり、Aが土地について抵当権を設定していた。

【判例】 法定地上権が成立する(最判昭46.12.21)

理由については個別指導で解説します。

共有である土地・建物に抵当権が設定された場合

【事案】 「A・B共有の土地」上に「A・C共有の建物」があるとき、土地の共有者A・Bが「Aの債務」を担保するため、「Aの土地の持分」および「Bの土地の持分」それぞれに抵当権を設定していた。

【判例】 法定地上権は成立しない(最判平6.12.20)

理由については個別指導で解説します。

また上記以外の判例についても、個別指導で解説します。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。 もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。 個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。 また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています! 令和4年の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう! 個別指導の概要はこちら>>

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参考条文

(法定地上権)
第388条 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。

抵当権の順位譲渡・順位放棄

抵当権の順位譲渡も抵当権の順位放棄も「後順位抵当権者」の優先弁済権の額を増やしてあげるためのものです。

違いは、「後順位抵当権者にあげる優先弁済権の額(計算の仕方)」です。

前提条件と計算の仕方

1番抵当権者A:被担保債権400万円
2番抵当権者B:被担保債権300万円
3番抵当権者C:被担保債権100万円

抵当不動産が競売にかかって600万円で売却されたとすると、弁済を受けることができる金額は下記の通りです。

A:400万円
B:200万円
C:0円

抵当権の順位譲渡

AがCに対して、順位譲渡したとすると、AとCの優先弁済額の合計(400万円+0円=400万円)の範囲内で、順位譲渡を受けたCから先に弁済を受けることができます。

つまり、400万円の範囲内で、Cから先に弁済を受け、残りをAがもらう流れとなります。Cの被担保債権は100万円なので

C:100万円
A:300万円
B:200万円(順位譲渡に関係しないから金額は変わらない)

抵当権の順位放棄

AがCに対して、順位放棄したとすると、AとCの優先弁済額の合計(400万円+0円=400万円)の範囲内で、被担保債権額の割合に応じて按分します。

つまり、Aの被担保債権額=400万円、Cの被担保債権額=100万円なので、400万円を、Aが4/5、Cが1/5で分けて、弁済を受けます。

A:320万円
C:80万円
B:200万円(順位放棄に関係しないから金額は変わらない)

となります。

細かい計算の仕方については、個別指導で解説します。

似たもので、「抵当権の譲渡」と「抵当権の放棄」もありますが、これも個別指導で解説します。

理解学習について

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参考条文

(抵当権の処分)
第376条 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
2 前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。

抵当権の順位変更

抵当権の順位変更とは?

抵当権の順位変更とは、抵当権の順位を当事者間で変更すること言います。

例えば、甲土地について、1番抵当権者A(被担保債権500万円)、2番抵当権者B(被担保債権300万円)がいた場合、甲土地が競売にかかって600万円で売れた場合、代金600万円については、抵当権の順位が上のAから先に弁済を受け、その後にBが弁済を受けます。

つまり、Aが500万円の弁済を受け、その後、残り100万円についてBが弁済を受けます。

AとBの間で順位変更があるとどうなるか?

ここで、AとBが順位変更をすると、「1番抵当権者がB(被担保債権300万円)」「2番抵当権者がA(被担保債権500万円)」となります。

そのため、甲土地が競売にかかって600万円で売れた場合、代金600万円について、Bから先に弁済を受け、その後にAが弁済を受けることになります。

つまり、Bが300万円、Aが残りの300万円について弁済を受けることとなります。順位変更をすることで

Aは、500万円→300万円に減り
Bは、100万円→300万円に増えることになります。

利害関係人がいる場合

例えば、1番抵当権について転抵当権者C(利害関係人)がいた場合、順位変更によりCの優先弁済権にも影響が出てくるので、利害関係人の承諾が必要となります(民法374条1項)。

抵当権の順位変更の効力発生要件

抵当権の順位変更は、登記をして初めて効力が発生します(民法374条2項)。

理解学習について

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(抵当権の順位の変更)
第374条 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。
2 前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。

抵当権

抵当権とは?

抵当権とは、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を言います(民法369条1項)。

例えば、AがBに対して100万円を貸し、債務者Bがその保証(担保)として、B所有の土地に抵当権を設定した場合、債務者B(抵当権設定者という)が返済期限に100万円をAに返済しないとき、債権者A(抵当権者という)は、「抵当権が設定された土地」を競売にかけて、その代金から100万円(+利息)の弁済を受けることができます。

このとき、土地の占有者は、所有者Bです。

物上保証人とは?

上記は抵当権設定者が債務者Bですが、第三者が抵当権設定者となる場合があります。この第三者を物上保証人と言います。

例えば、AがBに対して100万円を貸し、「債務者Bの親C」がその保証(担保)として、C所有の土地に抵当権を設定した場合、「抵当権者がA」で、「抵当権設定者はC」です。

このCが物上保証人です。

抵当権を設定できるもの(抵当権の目的物)

抵当権は、不動産地上権永小作権に抵当権を設定することができます(民法369条1項・2項)。言い換えると、抵当権の目的物は、「不動産、地上権、永小作権」だということです。

抵当権の効力の及ぶ範囲

抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(抵当不動産という。)に付加して一体となっている物(付加一体物)に及びます(370条)。

付加一体物とは?

例えば、「取外しの困難な庭石」「土地に植えられた木」「建物の場合、扉や窓」等です。

細かい解説は個別指導で解説します。

 

抵当権の性質

抵当権には「付従性」「随伴性」「物上代位性」という3つの性質があります。

付従性

「抵当権は単独では存在できない。特定の債権と一緒に存在する」という性質が付従性です。

例えば、上記事例では、AはBに100万円を貸しているので、Aは「100万円の貸金債権」を有します。

これを保証するために「抵当権」を設定しているので、「100万円の貸金債権」と「抵当権」は一緒に存在します。

言い換えると、「100万円の貸金債権」が消滅すれば(Bが返済すれば)、自動的に「抵当権」は消滅します。

そして、この抵当権と一緒に存在する債権(100万円の貸金債権)のことを「被担保債権」と言います。

随伴性

抵当権は、被担保債権と一緒に移動する」という性質が随伴性です。

例えば、上記事例で、抵当権者Aが「100万円の貸金債権」を第三者Cに譲渡(債権譲渡)したとします。この場合「100万円の貸金債権」はAからCに移動します。それに伴って、抵当権もAからCに移動します(抵当権者もAからCに変更となる)。

物上代位性

抵当権の設定された不動産が別の「価値」に変わった場合、その「価値」から弁済を受けることができる性質を物上代位性と言います。

例えば、例えば、AがBに対して100万円を貸し、債務者Bがその保証(担保)として、B所有の建物に抵当権を設定した。この建物が火災に見舞われ、火災保険金が下りる場合、「抵当権の設定された建物」が「火災保険金」という別の価値に変わっています。

この場合、火災保険金から、100万円の弁済を受けることができます。この場合、抵当権者は、火災保険金が支払われる前に差し押さえる必要があります(民法304条1項)。

抵当権の対抗要件

抵当権は、登記をすることで、第三者に対して対抗することができます(民法177条)。

抵当権の順位

同一の不動産に、数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後によります(民法373条)。

一番初めに設定された抵当権を「1番抵当権」
その後の二番目に設定された抵当権を「2番抵当権」と言います。

この場合、1番抵当権から先に弁済を受けることができます。

そして、1番抵当権が消滅すると、2番抵当権が1番抵当権に順位が上がります。

抵当権の被担保債権の範囲

「抵当権の被担保債権の範囲」とは、分かりやすくいうと、「抵当権で保証される範囲(金額)」ということです。

「抵当権の被担保債権の範囲」は、元本だけでなく、利息も保証されます。ただし、利息については、他の債権者がいる場合は、「満期となった最後の2年分」としており(民法375条1項本文)、他の債権者がいない場合にのみ、利息のすべてが保証されます。

満期となった最後の2年分」については、個別指導で詳しく解説します。

抵当権の侵害

第三者が「抵当権が設定された不動産」を損傷させたり、価値を下げる行為をした場合、抵当権者は「妨害排除請求」や「損害賠償請求」をすることができます。

また、抵当権設定者(債務者)が損傷させたり、価値を下げる行為をした場合、債務者は、期限の利益を主張することができなくなります(民法137条2号)。

その他の抵当権の重要ポイントについては個別指導で解説します!

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。 もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。 個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。 また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています! 令和4年の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう! 個別指導の概要はこちら>>

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参考条文

(期限の利益の喪失)
第137条 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。
二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。

(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

(物上代位)
第304条 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない

(抵当権の内容)
第369条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

(抵当権の効力の及ぶ範囲)
第370条 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限りでない。

第371条 抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

(抵当権の順位)
第373条 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。

(抵当権の順位の変更)
第374条 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。
2 前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。

(抵当権の被担保債権の範囲)
第375条 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。
2 前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。

質権

質権とは?

質権とは、債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物(質物)を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を言います(民法342条)。

例えば、AがBに対して10万円を借りるために、Aが所有する腕時計(質物)を保証(担保)としてBに引き渡した場合、債務者Aが質権設定者で、債権者Bが質権者となります。

イメージとしては、債権者Bは「質屋さん」です。

質権を設定できるもの

譲渡することができる物には質権を設定できます。

例えば、動産や不動産、債権にも質権を設定できます。

譲渡することができない物には質権を設定できません(民法343条)。

例えば、生活保護費の請求権は、生活保護を受けている本人のみの権利で、譲渡できないので、質権を設定することはできません。

質権の成立要件・効力発生要件

質権が成立し、効力が発生するためには、「①質権設定契約(当事者間の合意)」と「②目的物の引渡し」の2つが必要です(民法344条)。

そして、②について、「債権証書が存在しない権利質」の場合は、証書の引き渡しができないので②は不要です。

また、質権者に代わって、質権設定者が質物の占有をさせること(占有改定)はできません(民法345条)。

質権の効力

留置的効力

質権は、上記の通り、質権者が質物(質権が設定された物)を占有します。そして、債務者が弁済期に債務を弁済しなければ、質権設定者(債務者)は当該質物を質権設定者に取られてしまいます(所有権を失う)。この心理的圧迫によって弁済を促すことを留置的効力といいます。

優先弁済権

抵当権同様、質権者は質物を競売し、その落札代金から優先的に弁済を受けることができます。

質権の被担保債権の範囲

質権で保証される範囲(優先弁済を受けることができる範囲)は、「元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償」です(民法346条本文)。ただし、契約でその範囲を変更した場合その契約に従います(民法346条ただし書)。

転質

転質(てんしち)とは、質権が設定された質物をさらに他人への担保として権を設定することを言います(民法348条)。

例えば、AがBに対してお金を借りるために、Aが所有する腕時計(質物)を保証(担保)としてBに引き渡し、さらに、質権者Bが他の債権者Cからお金を借りて、その保証として、当該腕時計に質権(転質)を設定し、Cに引き渡す場合です。(下記BC間が転質)

A―(腕時計)→B―(腕時計)→C

動産質

動産質とは、質物が動産の場合を言います。上記腕時計に質権を設定した事例は「動産質」です。

動産質の対抗要件

動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができません(民法352条)。

つまり、動産質の対抗要件は「占有を継続すること」です。

占有を失うと、第三者に対して対抗できなくなくなります。そのため、第三者に質物の占有を奪われた場合占有回収の訴えによってのみ質物の返還請求ができます(民法200条、353条)。

※質権設定者に質物を奪われた場合は、質権に基づいて返還請求ができます。

不動産質

不動産質とは、質物が不動産の場合を言います。例えば、土地や建物に質権を設定する場合です。

不動産質の対抗要件

不動産質権は、質権設定の登記をすることで第三者に対して対抗することができます(民法177条)。

不動産質の使用収益権

不動産質権者は、不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができます(民法356条)。

つまり、不動産を預かったら、その土地や建物を、自分自身で使ったり、賃貸して家賃収入を得ることもできます。

上記収益を得ることができる一方、不動産質権者は、不動産の管理の費用を支払う義務を負います(民法357条)。

不動産質権の存続期間

不動産質権の存続期間は、最長10年です。これより長い期間を定めたときであっても、その期間は、十10年に短縮されます。

権利質

質権は、債権や株式等の財産権に設定することができます(民法362条1項)。

債権質の対抗要件

債権質(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)の対抗要件は、債権譲渡の対抗要件と同じく、質権設定者が第三債務者にその質権の設定を通知すること、又は第三債務者の承諾です(民法364条)。

債権の取立て

質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができます(民法366条1項)。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。 もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。 個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。 また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています! 令和4年の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう! 個別指導の概要はこちら>>

民法テキストの目次

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参考条文

(質権の内容)
第342条 質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

(質権の目的)
第343条 質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができない。

(質権の設定)
第344条 質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。

(質権設定者による代理占有の禁止)
第345条 質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない。

(質権の被担保債権の範囲)
第346条 質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

(質物の留置)
第347条 質権者は、前条に規定する債権の弁済を受けるまでは、質物を留置することができる。ただし、この権利は、自己に対して優先権を有する債権者に対抗することができない。

(転質)
第348条 質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で、質物について、転質をすることができる。この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。

(契約による質物の処分の禁止)
第349条 質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができない。

(留置権及び先取特権の規定の準用)
第350条 第二百九十六条から第三百条まで及び第三百四条の規定は、質権について準用する。

(物上保証人の求償権)
第351条 他人の債務を担保するため質権を設定した者は、その債務を弁済し、又は質権の実行によって質物の所有権を失ったときは、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。

(動産質の対抗要件)
第352条 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。

(不動産質権者による使用及び収益)
第356条 不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。

(不動産質権者による管理の費用等の負担)
第357条 不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。

(不動産質権者による利息の請求の禁止)
第358条 不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。

(不動産質権の存続期間)
第360条 不動産質権の存続期間は、十年を超えることができない。設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、十年とする。
2 不動産質権の設定は、更新することができる。ただし、その存続期間は、更新の時から十年を超えることができない。

(権利質の目的等)
第362条 質権は、財産権をその目的とすることができる。
2 前項の質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、前三節(総則、動産質及び不動産質)の規定を準用する。

(債権を目的とする質権の対抗要件)
第364条 債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)は、第四百六十七条の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。

(質権者による債権の取立て等)
第366条 質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができる。
2 債権の目的物が金銭であるときは、質権者は、自己の債権額に対応する部分に限り、これを取り立てることができる。
3 前項の債権の弁済期が質権者の債権の弁済期前に到来したときは、質権者は、第三債務者にその弁済をすべき金額を供託させることができる。この場合において、質権は、その供託金について存在する。
4 債権の目的物が金銭でないときは、質権者は、弁済として受けた物について質権を有する。

先取特権

先取特権とは?

先取特権は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を言います(303条)。

「他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利」は抵当権や質権と同じ権利なのですが、先取特権は「法律その他の法律の規定に従い」となってる点で異なります。

抵当権質権は、当事者同士で、抵当権設定契約質権設定契約をすることで成立する権利(約定担保物権という)ですが、先取特権はこのような契約はなくても、法律の規定によって、一定事由に該当すれば自動的成立する権利(法定担保物権)です。

例えば、会社Aに雇われていたBがいて、会社Aの経営不振により、Bに対して給料未払い状態であった。この場合、従業員Bは「賃金債権」を有し、会社Aの財産について先取特権を有します(民法306条2号)。そのため、他の債権者より先に賃料をもらえる権利を持ちます。

先取特権の種類

先取特権には、「一般先取特権」「動産先取特権」「不動産先取特権」があります

一般先取特権

下記先取特権は、債務者の総財産について優先弁済権を有します(306条)。

  1. 共益の費用の先取特権
    例えば、未払いのマンション管理費に関する債権
  2. 雇用関係の先取特権
    例えば、未払い賃金債権
  3. 葬式の費用の先取特権
  4. 日用品の供給の先取特権
    未払いの電気代やガス代に関する債権

動産先取特権

下記先取特権は、債務者の特定の動産について優先弁済権を有します(311条)。行政書士試験対策としては、「不動産の賃貸借の先取特権」は動産先取特権に該当することを覚えておきましょう!

  1. 不動産の賃貸借の先取特権
    例えば、未払い賃料の先取特権
  2. 旅館の宿泊の先取特権
  3. 旅客又は荷物の運輸の先取特権
  4. 動産の保存の先取特権
  5. 動産の売買の先取特権
  6. 種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給の先取特権
  7. 農業の労務の先取特権
  8. 工業の労務の先取特権

不動産先取特権

下記先取特権は、債務者の特定の不動産について優先弁済権を有します(325条)。

  1. 不動産の保存
    例えば、建物の未払い修理費用
  2. 不動産の工事
    例えば、土地の未払い造成費用
  3. 不動産の売買
    例えば、不動産の未払い代金

先取特権の効力

優先弁済的効力

先取特権者は、目的物を競売にかけて、その落札代金から、優先的に弁済を受ける権利を有します(民法303条)。

物上代位性

先取特権は、目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物(例えば火災保険金)に対しても、払渡し又は引渡しの前に差押えをすることで優先弁済権を主張できます(民法304条)。

ただし、一般先取特権は、債務者の総財産が先取特権の範囲なので、物上代位性はありません。

先取特権の優先順位

どの種類の先取特権が先に弁済を受ける権利を持つか?左の方が優先順位が高いです。

一般先取特権の間での優先順位

共益の費用>雇用関係>葬式費用>日用品の供給(民法329条)

不動産先取特権の間での優先順位

不動産の保存>工事>売買(民法331条)

同一の目的物について同一順位の先取特権者が数人あるときは、各先取特権者は、その債権額の割合に応じて優先弁済権を分け合います(民法332条)。

その他細かい優先順位については個別指導で解説します。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。 もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。 個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。 また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています! 令和4年の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう! 個別指導の概要はこちら>>

民法テキストの目次

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参考条文

(先取特権の内容)
第303条 先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

(物上代位)
第304条 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
2 債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。

(先取特権の不可分性)
第305条 第二百九十六条の規定は、先取特権について準用する。

(一般の先取特権)
第306条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
一 共益の費用
二 雇用関係
三 葬式の費用
四 日用品の供給

(共益費用の先取特権)
第307条 共益の費用の先取特権は、各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存、清算又は配当に関する費用について存在する。
2 前項の費用のうちすべての債権者に有益でなかったものについては、先取特権は、その費用によって利益を受けた債権者に対してのみ存在する。

(日用品供給の先取特権)
第310条 日用品の供給の先取特権は、債務者又はその扶養すべき同居の親族及びその家事使用人の生活に必要な最後の六箇月間の飲食料品、燃料及び電気の供給について存在する。

(動産の先取特権)
第311条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。
一 不動産の賃貸借
二 旅館の宿泊
三 旅客又は荷物の運輸
四 動産の保存
五 動産の売買
六 種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給
七 農業の労務
八 工業の労務

(不動産賃貸の先取特権)
第312条 不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する。

(不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲)
第313条 土地の賃貸人の先取特権は、その土地又はその利用のための建物に備え付けられた動産、その土地の利用に供された動産及び賃借人が占有するその土地の果実について存在する。
2 建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。

第314条 賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭についても、同様とする。

(不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲)
第315条 賃借人の財産のすべてを清算する場合には、賃貸人の先取特権は、前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する。

第316条 賃貸人は、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

(動産保存の先取特権)
第320条 動産の保存の先取特権は、動産の保存のために要した費用又は動産に関する権利の保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その動産について存在する。

(動産売買の先取特権)
第321条 動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、その動産について存在する。

(不動産の先取特権)
第325条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産について先取特権を有する。
一 不動産の保存
二 不動産の工事
三 不動産の売買

(不動産保存の先取特権)
第326条 不動産の保存の先取特権は、不動産の保存のために要した費用又は不動産に関する権利の保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その不動産について存在する。

(不動産工事の先取特権)
第327条 不動産の工事の先取特権は、工事の設計、施工又は監理をする者が債務者の不動産に関してした工事の費用に関し、その不動産について存在する。
2 前項の先取特権は、工事によって生じた不動産の価格の増加が現存する場合に限り、その増価額についてのみ存在する。

(不動産売買の先取特権)
第328条 不動産の売買の先取特権は、不動産の代価及びその利息に関し、その不動産について存在する。

(一般の先取特権の順位)
第329条 一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第三百六条各号に掲げる順序に従う。
2 一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。

(動産の先取特権の順位)
第330条 同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。この場合において、第二号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。
一 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権
二 動産の保存の先取特権
三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権
2 前項の場合において、第一順位の先取特権者は、その債権取得の時において第二順位又は第三順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。第一順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。
3 果実に関しては、第一の順位は農業の労務に従事する者に、第二の順位は種苗又は肥料の供給者に、第三の順位は土地の賃貸人に属する。

(不動産の先取特権の順位)
第331条 同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第三百二十五条各号に掲げる順序に従う。
2 同一の不動産について売買が順次された場合には、売主相互間における不動産売買の先取特権の優先権の順位は、売買の前後による。

(同一順位の先取特権)
第332条 同一の目的物について同一順位の先取特権者が数人あるときは、各先取特権者は、その債権額の割合に応じて弁済を受ける。

(先取特権と第三取得者)
第333条 先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。

(一般の先取特権の効力)
第335条 一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。
2 一般の先取特権者は、不動産については、まず特別担保の目的とされていないものから弁済を受けなければならない。
3 一般の先取特権者は、前二項の規定に従って配当に加入することを怠ったときは、その配当加入をしたならば弁済を受けることができた額については、登記をした第三者に対してその先取特権を行使することができない。
4 前三項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。

(一般の先取特権の対抗力)
第336条 一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。

(不動産保存の先取特権の登記)
第337条 不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。

(不動産工事の先取特権の登記)
第338条 不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。この場合において、工事の費用が予算額を超えるときは、先取特権は、その超過額については存在しない。
2 工事によって生じた不動産の増価額は、配当加入の時に、裁判所が選任した鑑定人に評価させなければならない。

(登記をした不動産保存又は不動産工事の先取特権)
第339条 前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。

(不動産売買の先取特権の登記)
第340条 不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約と同時に、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨を登記しなければならない。

(抵当権に関する規定の準用)
第341条 先取特権の効力については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、抵当権に関する規定を準用する。

留置権

留置権とは?

「留置権」とは、他人のものを占有している人が、そのものに生じた債権を有する場合、弁済を受けるまではそのものを留置して置ける権利です(民法295条)。

ただ、これでは分かりにくいで分かりやすく具体例を出します。

例えば、Aが時計を所有していて、時計屋Bに修理を依頼して、時計をBに引渡した。

この場合、「他人のものを占有している人」は時計屋Bです。

そして、「そのものに生じた債権」とは、時計屋Bが時計を修理することによって生じた修理代金債権です。

上記事例では、時計屋Bは、Aから修理代金をもらうまで時計を留置することができます(引渡さず、Bのもとにとどめておくことができる)。

留置権の成立要件

留置権は下記4つをすべて手満たすことで成立します。

  1. 債権と物との牽連性(けんれんせい)
    「牽連性」とは、関係性・つながりという意味です。つまり「物に関する債権」であることが要件です。上記事例では、「修理代金債権は、時計に関する債権」なので牽連性があります。
  2. 債権が弁済期にあること
    弁済期(支払い期限)が過ぎて、初めて留置権が発生します。
  3. 留置権者が他人のものを占有している
    他人の物を占有することで初めて留置する(とどめておく)ことが可能となります。
  4. 占有が不法行為によって始まったのではないこと
    不法占拠者は、適法に占有していないので、留置権は認められません。

留置権の不可分性

留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部を留置できます(民法296条)。

例えば、上記事例で、時計の修理代金が5万円だったとして、所有者Aが2万円しか支払っていない場合、まだ時計を返還しなくてもよい(留置することができる)ということです。

留置権の効力

果実の収取

留置権者は、留置物から生ずる果実を受領することができ、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができます(297条)。

例えば、果樹園を留置している場合、果樹園で取れる作物(法定果実)を売って、留置権者の債権の弁済に充てることができます。

留置物の保管等

留置権者が留置物を占有する場合、善良管理注意義務を負います(民法298条1項)。

留置権者は、債務者の承諾を得なければ、留置物を使用することはできないし、賃貸することも、担保提供することもできません(民法298条2項)。

費用償還請求

【必要費について】

留置権者が留置物について必要費を支出したときは、所有者にその償還をさせることができます(民法299条1項)。

【有益費について】

2 留置権者が留置物について有益費を支出したときは、これによる価格の増加が現存する場合に限り、所有者の選択に従い、「その支出した金額」又は「増価額」を償還させることができます。(民法299条2項本文)。

必要費と有益費の違い等、理解すべき点は、個別指導で解説します。

留置権と消滅時効

留置権の行使しているからといって、債権の消滅時効の進行が止まるわけではありません(民法300条)。つまり、留置権を行使していても、時効によって債権が消滅し、留置権も消滅することはあります

留置権の消滅

善管注意義務に違反したり、無断で使用・賃貸・担保提供した場合、債務者は、留置権の消滅請求をすることができます(民法298条3項)。

②債務者は、相当の担保を提供して、留置権の消滅請求をすることができます(民法301条)。例えば、上記時計の事例でいう所有者Aは担保提供をすれば、時計を返してもらえます。

③留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって、消滅します(民法302条本文)。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。 もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。 個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。 また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています! 令和4年の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう! 個別指導の概要はこちら>>

民法テキストの目次

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参考条文

(留置権の内容)
第295条 他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。

(留置権の不可分性)
第296条 留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。

(留置権者による果実の収取)
第297条 留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができる。
2 前項の果実は、まず債権の利息に充当し、なお残余があるときは元本に充当しなければならない。

(留置権者による留置物の保管等)
第298条 留置権者は、善良な管理者の注意をもって、留置物を占有しなければならない。
2 留置権者は、債務者の承諾を得なければ、留置物を使用し、賃貸し、又は担保に供することができない。ただし、その物の保存に必要な使用をすることは、この限りでない。
3 留置権者が前二項の規定に違反したときは、債務者は、留置権の消滅を請求することができる。

(留置権者による費用の償還請求)
第299条 留置権者は、留置物について必要費を支出したときは、所有者にその償還をさせることができる。
2 留置権者は、留置物について有益費を支出したときは、これによる価格の増加が現存する場合に限り、所有者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、裁判所は、所有者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

(留置権の行使と債権の消滅時効)
第300条 留置権の行使は、債権の消滅時効の進行を妨げない。

(担保の供与による留置権の消滅)
第301条 債務者は、相当の担保を供して、留置権の消滅を請求することができる。

(占有の喪失による留置権の消滅)
第302条 留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって、消滅する。ただし、第二百九十八条第二項の規定により留置物を賃貸し、又は質権の目的としたときは、この限りでない。

地役権

地役権とは?

「地役権」とは、自分の土地の利益(メリット)のために他人の土地を利用することができる権利のことです。

地役権:行政書士

要役地と承役地

利益を受ける土地を「要役地」、利益を与える方の土地を「承役地」と言います(民法281条1項)。

便益(利益・メリット)の種類

上図は、「通行」についての便益(利益・メリット)を対象としていますが、それ以外にも、日照や眺望等があります。

地役権の付従性

「地役権」は、「要役地の所有権」と切り離して、「要役地の所有権」のみを譲渡したり、「地役権」のみを譲渡したりすることはできません(民法281条2項)。

地役権の随伴性

地役権は、「要役地の所有権」の「従たる権利」です(民法281条1項)。
つまり、要役地の所有権に、地役権はくっついているイメージです。
そのため、「要役地の所有者A」が要役地を第三者Cに売却した場合、要役地の所有権は、AからCに移動するとともに、地役権もCに移動します。

地役権の不可分性

要役地が共有である場合、共有者の一人が、その持分の割合だけ地役権を消滅させることができません(民法282条1項)。つまり、地役権は、所有権全体に存在するもので、所有権の一部(持分)だけ地役権を消滅させることはできません

ここは覚えやすいイメージの仕方があるので、個別指導で解説します。

地役権の時効取得

地役権は、「継続的に行使」され、かつ、「外形上認識することができる」ものに限り、時効によって取得することができます(民法283条)。

要役地が共有である場合、共有者の一人が、地役権を時効取得したときは、他の共有者も、地役権を時効取得します(民法284条1項)。

これも「地役権の不可分性」同様、覚えやすいイメージの仕方があるので、個別指導で解説します。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。 もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。 個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。 また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています! 令和4年の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう! 個別指導の概要はこちら>>

民法テキストの目次

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参考条文

(地役権の内容)
第280条 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。

(地役権の付従性)
第281条 地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2 地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。

(地役権の不可分性)
第282条 土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることができない。
2 土地の分割又はその一部の譲渡の場合には、地役権は、その各部のために又はその各部について存する。ただし、地役権がその性質により土地の一部のみに関するときは、この限りでない。

(地役権の時効取得)
第283条 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

第284条 土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。
2 共有者に対する時効の更新は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。
3 地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の完成猶予の事由があっても、時効は、各共有者のために進行する。

共有

共有とは?

共有とは、目的物を複数のもので所有することを言います。

例えば、マンション一室を夫Aと妻Bが二人で所有するのが共有です。

共有の持分

「持分」とは、「所有権の割合」を指します。

例えば、5000万円のマンション一室を夫Aと妻Bがそれぞれ2500万円ずつ出し合って購入した場合、「夫Aの持分=1/2」、「妻Bの持分=1/2」です。

共有物の使用

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができます(民法249条)。言い換えると、少しでも持分を持てば、共有物の全部を使用することができます。

上記事例で、もし、妻Bが500万円しか出しておらず、持分が1/9しかなかったとしても、妻Bはマンション一室の全部を使用することができます。

上記「持分に応じた使用」がイメージしづらいので、個別指導で解説します。ここはイメージできれば簡単です。

共有物の保存・管理・変更行為

保存行為

保存行為」とは、「共有物の現状を維持する行為」です。
例えば、台風で建物の屋根の一部が壊れて雨漏りしている場合の屋根の修繕行為です。
これは、共有者は「単独」で行えます(民法252条ただし書)。

管理行為

管理行為」とは、「共有物の性質を変えることなく、共有物を利用・改良する行為」です。
例えば、上記事例のマンション一室を他人に賃貸する行為です。賃貸するだけなので、マンション一室の建物が別のモノに変わることはありません(=性質は変わっていない)。
これは、「持分の価格の過半数」で行えます(民法252条本文)。

変更行為

変更行為」とは、「共有物の性質や形状に変更を加えること」です。
例えば、共有物である山林を伐採して宅地にしたり、共有物である建物を増築したりすることです。
これは、「共有者全員の同意」があって初めて行えます(民法251条)。

共有物に関する負担

共有物の持分放棄・共有者の死亡

「共有者の一人がその持分を放棄したとき」、又は「共有者の一人が死亡して相続人がないとき」は、その持分は、他の共有者に帰属する。

ただし、共有者の一人が相続人なく死亡して、もし、特別縁故者がいた場合、特別縁故者への財産分与の対象になり、特別縁故者への財産分与がされない場合、他の共有者のものとなります。(最判平元.11.24

共有物の分割

各共有者は、いつでも共有物の分割請求ができます。

ただし、5年を超えない期間内で、分割を禁止する特約(不分割特約)が付いている場合は、その期間内は分割請求はできません(民法256条1項)。

不分割特約更新することができますが、更新後も、不分割特約の期間は、更新の時から5年以内で定めなければなりません。

そして、分割の方法は、下記3つがあります。

現物分割

「現物分割」とは、共有物を物理的に2つ以上に分けることです。

例えば、土地であれば、土地を分割(分筆)して、分けます。

代金分割

「代金分割」とは、共有物を売却して得た代金を共有者の持分に応じて分ける方法です。

例えば、持分1/2ずつで、ABがロレックスの時計(100万円相当)を共有していて、この時計を売って、100万円で売れた場合、AとBがそれぞれ50万円ずつもらう方法です。

価格賠償

「価格賠償」とは、共有者の1人が共有物を取得し、取得した共有者が、他の共有者にお金(代償金)払う分割方法です。

例えば、持分1/2ずつで、ABがロレックスの時計(100万円相当)を共有していて、Aがこの時計を取得し、AがBに50万円を支払う分割方法です。

共有物の担保責任

各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負います(民法261条)。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。 もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。 個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。 また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています! 令和4年の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう! 個別指導の概要はこちら>>

民法テキストの目次

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参考条文

(共有物の使用)
第249条 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

(共有持分の割合の推定)
第250条 各共有者の持分は、相等しいものと推定する。

(共有物の変更)
第251条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

(共有物の管理)
第252条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

(共有物に関する負担)
第253条 各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。
2 共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

(持分の放棄及び共有者の死亡)
第255条 共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

(共有物の分割請求)
第256条 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2 前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。

第257条 前条の規定は、第二百二十九条に規定する共有物については、適用しない。

(裁判による共有物の分割)
第258条 共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
2 前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。

(分割における共有者の担保責任)
第261条 各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負う。

(特別縁故者に対する相続財産の分与)
第958条の3 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第九百五十八条の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。