地方自治法に定める、普通地方公共団体の長と議会との関係に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、長において専決処分にすることができる。
- 議会において長の不信任の議決がなされた場合には、長は議会を解散することができる。
- 議会の審議に必要な説明のため議長から出席を求められたときは、長は議場に出席しなければならないが、出席できない正当な理由があり、その旨を議長に届け出たときは、出席しなくてもよい。
- 議会の議決が法令に違反すると認められるときは、長は専決処分により、議決を適法なものとするための是正措置をとることができる。
- 議会の議決において、収入又は支出に関し執行することができないものがあったとしても、長は必ずしも再議に付す法的義務を負うわけではない。
【答え】:4【解説】
1.議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、長において専決処分にすることができる。
1・・・正しい
普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができます(地方自治法180条1項)。
よって、正しいです。
普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができます(地方自治法180条1項)。
よって、正しいです。
2.議会において長の不信任の議決がなされた場合には、長は議会を解散することができる。
2・・・正しい
普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、直ちに議長からその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければなりません。
この場合においては、普通地方公共団体の長は、その通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができます(地方自治法178条1項)。よって、議会において長の不信任の議決がなされた場合には、長は議会を解散することができるので、本肢は正しいです。
普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、直ちに議長からその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければなりません。
この場合においては、普通地方公共団体の長は、その通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができます(地方自治法178条1項)。よって、議会において長の不信任の議決がなされた場合には、長は議会を解散することができるので、本肢は正しいです。
3.議会の審議に必要な説明のため議長から出席を求められたときは、長は議場に出席しなければならないが、出席できない正当な理由があり、その旨を議長に届け出たときは、出席しなくてもよい。
3・・・正しい
普通地方公共団体の長等は、議会の審議に必要な説明のため議長から出席を求められたときは、原則、議場に出席しなければなりません。
ただし、出席すべき日時に議場に出席できないことについて正当な理由がある場合において、その旨を議長に届け出たときは、出席しなくてもよいです(地方自治法121条1項)。
よって、本肢は正しいです。
普通地方公共団体の長等は、議会の審議に必要な説明のため議長から出席を求められたときは、原則、議場に出席しなければなりません。
ただし、出席すべき日時に議場に出席できないことについて正当な理由がある場合において、その旨を議長に届け出たときは、出席しなくてもよいです(地方自治法121条1項)。
よって、本肢は正しいです。
4.議会の議決が法令に違反すると認められるときは、長は専決処分により、議決を適法なものとするための是正措置をとることができる。
4・・・誤り
「普通地方公共団体の議会の議決又は選挙」が「その権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反する」と認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければなりません:(地方自治法176条4項:違法再議)。
つまり、「専決処分により是正措置をとることができる」のではありません。
正しくは「理由を示して再議(再度議決のやり直し)に付さなければならない」です。
「普通地方公共団体の議会の議決又は選挙」が「その権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反する」と認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければなりません:(地方自治法176条4項:違法再議)。
つまり、「専決処分により是正措置をとることができる」のではありません。
正しくは「理由を示して再議(再度議決のやり直し)に付さなければならない」です。
5.議会の議決において、収入又は支出に関し執行することができないものがあったとしても、長は必ずしも再議に付す法的義務を負うわけではない。
5・・・正しい
「収入又は支出に関し執行することができないものがあった(収支執行不可能)」場合については、一般再議に該当するので、再議するか否かは、長の判断によります。
そのため、必ずしも再議に付す義務はないので、正しいです。
「収入又は支出に関し執行することができないものがあった(収支執行不可能)」場合については、一般再議に該当するので、再議するか否かは、長の判断によります。
そのため、必ずしも再議に付す義務はないので、正しいです。
平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 内閣 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 内閣 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 財政 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 法の下の平等 | 問36 | 商法 |
問7 | 社会権 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・個人情報保護 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |