日本の雇用・労働に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 労働契約は期間を定めないものが原則とされているが、嘱託、臨時、パートなどの非正規雇用に限り、上限1年の期間雇用が法律で認められている。
- 賃金の支払いは通貨で行うのが原則であるが、通貨に類似する商品券等での支払いも通貨に類するものとして、法律で認められている。
- 民間部門における雇用契約の締結にあたり、年少者の場合とは異なり、高齢者の雇用を制限する法律はない。
- 最低賃金法では支払うべき賃金の最低水準が定められているが、この水準は物価等を考慮して、市町村ごとに規定されている。
- 警察職員は、労働三権のうち、団結権のみ認められているが、団体交渉権や団体行動権は認められていない。
【答え】:3【解説】
1.労働契約は期間を定めないものが原則とされているが、嘱託、臨時、パートなどの非正規雇用に限り、上限1年の期間雇用が法律で認められている。
1・・・妥当ではない
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(一定の労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはなりません(労働基準法14条)。つまり、原則上限は3年です。よって、誤りです。
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(一定の労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはなりません(労働基準法14条)。つまり、原則上限は3年です。よって、誤りです。
2.賃金の支払いは通貨で行うのが原則であるが、通貨に類似する商品券等での支払いも通貨に類するものとして、法律で認められている。
2・・・妥当ではない
賃金は、原則、「通貨」で、直接労働者に、その全額を支払わなければなりません(労働基準法24条)。ただし、法令若しくは労働組合との協約に別段の定めがある場合等では、例外的に通貨以外での支払いも許されます。よって、本肢は、妥当ではありません。
賃金は、原則、「通貨」で、直接労働者に、その全額を支払わなければなりません(労働基準法24条)。ただし、法令若しくは労働組合との協約に別段の定めがある場合等では、例外的に通貨以外での支払いも許されます。よって、本肢は、妥当ではありません。
「労働組合との協約に別段の定めがある場合」の具体例は、「行書塾」で解説します!
3.民間部門における雇用契約の締結にあたり、年少者の場合とは異なり、高齢者の雇用を制限する法律はない。
3・・・妥当
使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはなりません(労働基準法56条1項)。
上記は最低年齢の定めですが、高齢者の雇用について、年齢制限はありません。
使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはなりません(労働基準法56条1項)。
上記は最低年齢の定めですが、高齢者の雇用について、年齢制限はありません。
4.最低賃金法では支払うべき賃金の最低水準が定められているが、この水準は物価等を考慮して、市町村ごとに規定されている。
5.警察職員は、労働三権のうち、団結権のみ認められているが、団体交渉権や団体行動権は認められていない。
5・・・妥当ではない
労働基本権には①団結権、②団体交渉権、③団体行動権(争議権)がありますが、
国家公務員・地方公務員は、原則、①団結権、②団体交渉権は認められているが、③団体行動権(争議権、ストライキ権)は認められていません。そして、警察職員、海上保安庁、消防員及び刑事施設において勤務する職員については、①~③すべての労働基本権が認められていません(国家公務員法108条の2第5項、地方公務員法52条5項)。
労働基本権には①団結権、②団体交渉権、③団体行動権(争議権)がありますが、
国家公務員・地方公務員は、原則、①団結権、②団体交渉権は認められているが、③団体行動権(争議権、ストライキ権)は認められていません。そして、警察職員、海上保安庁、消防員及び刑事施設において勤務する職員については、①~③すべての労働基本権が認められていません(国家公務員法108条の2第5項、地方公務員法52条5項)。
平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
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問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 内閣 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 内閣 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 財政 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 法の下の平等 | 問36 | 商法 |
問7 | 社会権 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・個人情報保護 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |
