企業の独占・寡占に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア ビール、乗用車、携帯電話サービスなどは、少数の大企業に生産が集中する寡占化が進んでおり、国内の市場占有率は、近年上位3社で6割を超えている。イ コンツェルンとは、同業種の企業が合併し、さらなる規模の利益を追求する行為をいい、独占禁止法では原則として禁止されている。
ウ カルテルとは、生産量や価格などについて、同一産業内の各企業が協定を結んで利潤率の低下を防ぐ行為をいい、独占禁上法では原則として禁止されていたが、企業の経営環境の悪化を背景として、近年認められることとなった。
エ 独占禁止法により、持ち株会社の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により、その設立は解禁された。
オ 公正取引委員会は、独占禁止法に違反する行為について調査する役割を担うが、行政処分をなす権限は与えられていない。
- ア・エ
- ア・オ
- イ・ウ
- ウ・オ
- エ・オ
【答え】:1【解説】
ア ビール、乗用車、携帯電話サービスなどは、少数の大企業に生産が集中する寡占化が進んでおり、国内の市場占有率は、近年上位3社で6割を超えている。
ア・・・妥当
寡占化(かせんか)とは、少数の企業が、特定の市場を支配している状態を言います。
寡占化(かせんか)とは、少数の企業が、特定の市場を支配している状態を言います。
- ビール業界では、キリン、アサヒ、サッポロ
- 乗用車業界では、トヨタ、日産、ホンダ
- 携帯電話業界では、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク
上記業者の市場占有率が近年で6割を超えており、寡占化が生じています。
イ コンツェルンとは、同業種の企業が合併し、さらなる規模の利益を追求する行為をいい、独占禁止法では原則として禁止されている。
イ・・・妥当ではない
コンツェルンとは、持株会社が親会社となって・同種異種問わず、あらゆる産業部門の企業を、株式保有を目的として資本的支配することです。
※持株会社(選択肢エ参照)の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により解禁された。
本肢は、トラストの内容です。トラストとは、同業種の企業が合併し、規模の利益を追求する行為です。
原則、禁止ではないですが、事業支配力が過度に集中する行為は禁止です。
コンツェルンとは、持株会社が親会社となって・同種異種問わず、あらゆる産業部門の企業を、株式保有を目的として資本的支配することです。
※持株会社(選択肢エ参照)の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により解禁された。
本肢は、トラストの内容です。トラストとは、同業種の企業が合併し、規模の利益を追求する行為です。
原則、禁止ではないですが、事業支配力が過度に集中する行為は禁止です。
ウ カルテルとは、生産量や価格などについて、同一産業内の各企業が協定を結んで利潤率の低下を防ぐ行為をいい、独占禁上法では原則として禁止されていたが、企業の経営環境の悪化を背景として、近年認められることとなった。
ウ・・・妥当ではない
カルテルとは、複数の企業がお互いの利益を守るために協議して「価格維持」「生産量」「販路」等の協定を結ぶことで、独占禁止法で禁止されています。本肢は「近年認められることとなった」が誤りです。
カルテルとは、複数の企業がお互いの利益を守るために協議して「価格維持」「生産量」「販路」等の協定を結ぶことで、独占禁止法で禁止されています。本肢は「近年認められることとなった」が誤りです。
エ 独占禁止法により、持ち株会社の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により、その設立は解禁された。
エ・・・妥当
選択肢イの通り、持株会社の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により解禁されました。
〇〇ホールディングスは、持株会社です。
例えば、セブン&アイ・ホールディングス、キリンホールディングスです。
選択肢イの通り、持株会社の設立は当初禁止されていたが、その後の法改正により解禁されました。
〇〇ホールディングスは、持株会社です。
例えば、セブン&アイ・ホールディングス、キリンホールディングスです。
オ 公正取引委員会は、独占禁止法に違反する行為について調査する役割を担うが、行政処分をなす権限は与えられていない。
オ・・・妥当ではない
独占禁止法に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、事業者に対し、当該行為の差止め、事業の一部の譲渡その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(独占禁止法7条)。したがって、本肢は誤りです。
公正取引委員会は、自ら、差止めなどの行政処分を行うことができます。
独占禁止法に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、事業者に対し、当該行為の差止め、事業の一部の譲渡その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(独占禁止法7条)。したがって、本肢は誤りです。
公正取引委員会は、自ら、差止めなどの行政処分を行うことができます。
平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 内閣 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 内閣 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 財政 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 法の下の平等 | 問36 | 商法 |
問7 | 社会権 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・個人情報保護 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |