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令和5年・2023|問38|会社法・種類株式

株式会社の種類株式に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。なお、定款において、単元株式数の定めはなく、また、株主総会における議決権等について株主ごとに異なる取扱いを行う旨の定めはないものとする。

  1. 株式会社が2以上の種類の株式を発行する場合には、各々の種類の株式について発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。
  2. 公開会社および指名委員会等設置会社のいずれでもない株式会社は、1つの株式につき2個以上の議決権を有することを内容とする種類株式を発行することができる。
  3. 株式会社は、株主総会または取締役会において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を必要とすることを内容とする種類株式を発行することができる。
  4. 公開会社および指名委員会等設置会社のいずれでもない株式会社は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役または監査役を選任することを内容とする種類株式を発行することができる。
  5. 株式会社は、株主総会の決議事項の全部について議決権を有しないことを内容とする種類株式を発行することができる。

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【答え】:2
【解説】
1.株式会社が2以上の種類の株式を発行する場合には、各々の種類の株式について発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。

1・・・正しい

株式会社は、内容の異なる2以上の種類の株式を発行する場合には、一定事項及び発行可能種類株式総数定款で定めなければなりません(会社法108条2項)。よって、正しいです。

【具体例】「剰余金配当に関する種類株式」の場合、当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容、発行可能種類株式総数を定款で定めます。

2.公開会社および指名委員会等設置会社のいずれでもない株式会社は、1つの株式につき2個以上の議決権を有することを内容とする種類株式を発行することができる。

2・・・誤り

株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければななりません(会社法109条1項)。ただし、公開会社でない株式会社(非公開会社)は、「剰余金の配当を受ける権利」「残余財産の分配を受ける権利」「株主総会における議決権」について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができます(会社法109条2項)。

3.株式会社は、株主総会または取締役会において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を必要とすることを内容とする種類株式を発行することができる。

3・・・正しい

株式会社は、「株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする」旨の種類株式を発行することができます(会社法108条1項8号)。この種類株式を「拒否権付種類株式」と呼ばれます。

【具体例】 例えば、取締役の選任について、「当会社の取締役の選任については、株主総会の決議のほか、A種類株式を有する株主の種類株主総会の決議を要する。」という規定があった場合、 株主総会によって取締役としてXを選任する決議が成立したときも、拒否権付種類株主総会で当該議案が否決されたときは、Xは取締役となることができません。

4.公開会社および指名委員会等設置会社のいずれでもない株式会社は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役または監査役を選任することを内容とする種類株式を発行することができる。

4・・・正しい

公開会社および指名委員会等設置会社のいずれでもない株式会社は、「当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役または監査役を選任すること」を内容とする種類株式を発行することができます(会社法108条1項9号)。この種類の株式を「役員選任権付種類株式」といいます。「役員選任権付種類株式」が利用される会社については、個別指導で解説します。具体例があると理解が深まり、応用問題にも対応できるようになります!

5.株式会社は、株主総会の決議事項の全部について議決権を有しないことを内容とする種類株式を発行することができる。

5・・・正しい

株式会社は、「株主総会の決議事項の全部について議決権を有しないこと」を内容とする種類株式を発行することができます(会社法108条1項3号)。この株式を持つ人は議決権を行使できません。しかし、一方で、配当や残余財産の配当が多くもらえたりする場合があります。

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令和5年(2023年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 行政手続法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 地方自治法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 基礎知識
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政事件訴訟法 問55 基礎知識
問26 行政法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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