質権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。
- 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができず、また、質物の占有を第三者によって奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。
- 不動産質権は、目的不動産を債権者に引き渡すことによってその効力を生ずるが、不動産質権者は、質権設定登記をしなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。
- 債務者が他人の所有に属する動産につき質権を設定した場合であっても、債権者は、その動産が債務者の所有物であることについて過失なく信じたときは、質権を即時取得することができる。
- 不動産質権者は、設定者の承諾を得ることを要件として、目的不動産の用法に従ってその使用収益をすることができる。
- 質権は、債権などの財産権の上にこれを設定することができる。
【答え】:4
【解説】
1・・・正しい
動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができません(民法352条)。
そして、動産質権者は、質物の占有を奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができます(民法353条)。
よって、正しいです。
質権については、具体例を含めて、個別指導のテキストP81に記載されているので
そちらを参考にしてみてください!
2・・・正しい
質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生じます(民法344条)。
これは、不動産質権も動産質権も同じです。
そして、不動産質権(物権)は登記をしなければ、第三者に対抗することはできない(民法177条)ので、本肢は正しいです。
3・・・正しい
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得します(民法192条)。
質権の設定は、上記の「取引行為」に含まれるので、質権も即時取得の対象です。
よって、本肢は「動産」について、「善意無過失で」質権を設定してもらっているので、即時取得できます。
よって、正しいです。
4・・・誤り
不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができます(民法356条)。
よって、設定者の承諾を得ることは要件ではありません。
よって、誤りです。
「対比ポイント」や「用語解説」は個別指導で行っています!
5・・・正しい
質権は、財産権をその目的とすることができます(民法362条)。
したがって、本肢は正しいです。
財産権とは、債権、株式、地上権等です。
そして、債権に質権を設定することを「債権質」と言います。
問1 | 著作権の関係上省略 | 問31 | 民法:物権 |
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問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 憲法・議員 | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 法の下の平等 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 選挙権・選挙制度 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 教科書検定制度 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法・その他 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 基礎知識・政治 |
問20 | 問題非掲載のため省略 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 国家賠償法 | 問51 | 基礎知識・経済 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・政治 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・経済 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・情報通信 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |