法令における通常の用語法等に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
- 「及び」と「並びに」は、いずれもその前後の語句を並列させる接続語であり、並列される語句に段階がある場合には、一番小さな並列的連結にだけ「及び」を用い、他の大きな並列的連結には全て「並びに」を用いる。
- 「又は」と「若しくは」は、いずれも前後の語句を選択的に連結する接続語であり、選択される語句に段階がある場合には、一番大きな選択的連結にだけ「又は」を用い、他の小さな選択的連結には全て「若しくは」を用いる。
- 法令に「A、Bその他のX」とある場合には、AとBは、Xの例示としてXに包含され、「C、Dその他Y」とある場合は、C、D、Yは、並列の関係にある。
- 法令に「適用する」とある場合は、その規定が本来の目的としている対象に対して当該規定を適用することを意味し、「準用する」とある場合は、他の事象に関する規定を、それに類似する事象について必要な修正を加えて適用することを意味する。なお、解釈により準用と同じことを行う場合、それは「類推適用」と言われる。
- 「遅滞なく」、「直ちに」、「速やかに」のうち、時間的即時性が最も強いのは「直ちに」であり、その次が「遅滞なく」である。これらのうち、時間的即時性が最も弱いのは「速やかに」である。
【解説】
1.「及び」と「並びに」は、いずれもその前後の語句を並列させる接続語であり、並列される語句に段階がある場合には、一番小さな並列的連結にだけ「及び」を用い、他の大きな並列的連結には全て「並びに」を用いる。
1・・・妥当
「及び」と「並びに」はどちらも「and」の意味です。言い換えれば、「AとB、A+B」ということです。そして、「及び」は小さいグループに使い、「並びに」は大きいグループに使います。
つまり、「AとB」というグループがあって、これに別のグループの「C」を加える場合は、(A及びB)並びにCとなります。
具体例については、個別指導で解説します!
「及び」と「並びに」はどちらも「and」の意味です。言い換えれば、「AとB、A+B」ということです。そして、「及び」は小さいグループに使い、「並びに」は大きいグループに使います。
つまり、「AとB」というグループがあって、これに別のグループの「C」を加える場合は、(A及びB)並びにCとなります。
具体例については、個別指導で解説します!
2.「又は」と「若しくは」は、いずれも前後の語句を選択的に連結する接続語であり、選択される語句に段階がある場合には、一番大きな選択的連結にだけ「又は」を用い、他の小さな選択的連結には全て「若しくは」を用いる。
2・・・妥当
「若しくは(もしくは)」と「又は」は、「or」という意味で、「どちらか一方」という意味です。
そして、「若しくは」は一番小さいグループに使い、「又は」は一番大きいグループに使います。(1グループしかない場合、「又は」を使う)
「(A若しくはB)又はC」と使います。
これも具体例については、個別指導で解説します!
「若しくは(もしくは)」と「又は」は、「or」という意味で、「どちらか一方」という意味です。
そして、「若しくは」は一番小さいグループに使い、「又は」は一番大きいグループに使います。(1グループしかない場合、「又は」を使う)
「(A若しくはB)又はC」と使います。
これも具体例については、個別指導で解説します!
3.法令に「A、Bその他のX」とある場合には、AとBは、Xの例示としてXに包含され、「C、Dその他Y」とある場合は、C、D、Yは、並列の関係にある。
3・・・妥当
「その他」とは、その語の前後の語句は独立していて、後に続く語とは別個の概念として並列的に並べる場合に用いられます。「A、Bその他C」であり、AとBとCとを対等なものとして並べます。
一方、「その他の」とは、その語の直前に置かれた語句が、後に続く語句の例示(具体例)となっている場合に用いられます。
「その他」とは、その語の前後の語句は独立していて、後に続く語とは別個の概念として並列的に並べる場合に用いられます。「A、Bその他C」であり、AとBとCとを対等なものとして並べます。
一方、「その他の」とは、その語の直前に置かれた語句が、後に続く語句の例示(具体例)となっている場合に用いられます。
4.法令に「適用する」とある場合は、その規定が本来の目的としている対象に対して当該規定を適用することを意味し、「準用する」とある場合は、他の事象に関する規定を、それに類似する事象について必要な修正を加えて適用することを意味する。なお、解釈により準用と同じことを行う場合、それは「類推適用」と言われる。
4・・・妥当
「適用」とは、Aという事項について規定される法令をそのままAに当てはまめるということです。
一方、「準用する」は、ある事項Aに関する規定を、他の類似事項Bについて、必要な修正を加えてあてはめるという意味です。
これも具体例については、個別指導で解説します!
「適用」とは、Aという事項について規定される法令をそのままAに当てはまめるということです。
一方、「準用する」は、ある事項Aに関する規定を、他の類似事項Bについて、必要な修正を加えてあてはめるという意味です。
これも具体例については、個別指導で解説します!
5.「遅滞なく」、「直ちに」、「速やかに」のうち、時間的即時性が最も強いのは「直ちに」であり、その次が「遅滞なく」である。これらのうち、時間的即時性が最も弱いのは「速やかに」である。
5・・・妥当ではない
「直ちに」が時間的に即時性が最も強く、最も時間が短いです。
「速やかに」が、その次に、即時性が強いです。
「遅滞なく」が、最も時間的即時性が弱いです。
「直ちに」が時間的に即時性が最も強く、最も時間が短いです。
「速やかに」が、その次に、即時性が強いです。
「遅滞なく」が、最も時間的即時性が弱いです。
平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説
| 問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
|---|---|---|---|
| 問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
| 問3 | 幸福追求権など | 問33 | 民法:債権 |
| 問4 | 経済的自由 | 問34 | 民法:債権 |
| 問5 | 投票価値の平等 | 問35 | 民法:親族 |
| 問6 | 内閣 | 問36 | 商法 |
| 問7 | 憲法 | 問37 | 会社法 |
| 問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
| 問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
| 問10 | 行政調査 | 問40 | 会社法 |
| 問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
| 問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
| 問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
| 問14 | 行政不服審査法等 | 問44 | 行政法・40字 |
| 問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
| 問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
| 問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
| 問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
| 問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
| 問20 | 損失補償 | 問50 | 基礎知識・経済 |
| 問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
| 問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・経済 |
| 問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
| 問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・社会 |
| 問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
| 問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
| 問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
| 問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
| 問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
| 問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |



