個人情報保護法(※)に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 個人情報取扱事業者が、5000人分を超える個人情報を漏えいした場合には過料に処せられるが、5000人分以下の個人情報を漏えいした場合には過料に処せられることはない。
- 個人情報取扱事業者は、個人情報を漏えいする事故を起こした場合であっても、原則、個人情報保護委員会への報告は不要である。(改)
- 個人情報取扱事業者が、あらかじめ本人の同意を得ることなく利用目的の範囲を超えて個人情報を取り扱った場合に、当該行為について発せられた個人情報保護委員会の命令に違反したときは、処罰の対象になる。
- 個人情報取扱事業者である法人の従業者が、当該法人の業務における個人情報の取扱いに関して個人情報保護委員会に虚偽報告をした場合、当該従業者個人が罰せられることはあっても、当該法人が罰せられることはない。
- 民間部門における個人情報の違法な取扱いに対する制裁は、この法律で設置された自主規制団体に委ねられており、個人情報取扱事業者は、この法律の違反について関係団体等から除名等の制裁を受けることがある。
(注)※ 個人情報の保護に関する法律
【答え】:3
【解説】
1.個人情報取扱事業者が、5000人分を超える個人情報を漏えいした場合には過料に処せられるが、5000人分以下の個人情報を漏えいした場合には過料に処せられることはない。
1・・・妥当ではない
個人情報取扱事業者が個人情報の漏えいをしたとしても罰則規定はありません。
よって、妥当ではありません。
個人情報取扱事業者が個人情報の漏えいをしたとしても罰則規定はありません。
よって、妥当ではありません。
2.個人情報取扱事業者は、個人情報を漏えいする事故を起こした場合であっても、原則、個人情報保護委員会への報告は不要である。(改)
2・・・妥当ではない
個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、原則、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければなりません。よって、妥当ではないです。
個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、原則、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければなりません。よって、妥当ではないです。
3.個人情報取扱事業者が、あらかじめ本人の同意を得ることなく利用目的の範囲を超えて個人情報を取り扱った場合に、当該行為について発せられた個人情報保護委員会の命令に違反したときは、処罰の対象になる。
3・・・妥当
個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはなりません(個人情報保護法16条)。
そして、個人情報取扱事業者が上記に違反した場合、個人情報保護委員会は、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告することができます(同法42条1項)。
上記勧告に従わない場合、上記勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができます(同条2項)。
それにも従わない場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処させられます。
よって、妥当です。
個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはなりません(個人情報保護法16条)。
そして、個人情報取扱事業者が上記に違反した場合、個人情報保護委員会は、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告することができます(同法42条1項)。
上記勧告に従わない場合、上記勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができます(同条2項)。
それにも従わない場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処させられます。
よって、妥当です。
4.個人情報取扱事業者である法人の従業者が、当該法人の業務における個人情報の取扱いに関して個人情報保護委員会に虚偽報告をした場合、当該従業者個人が罰せられることはあっても、当該法人が罰せられることはない。
5.民間部門における個人情報の違法な取扱いに対する制裁は、この法律で設置された自主規制団体に委ねられており、個人情報取扱事業者は、この法律の違反について関係団体等から除名等の制裁を受けることがある。
5・・・妥当ではない
個人情報保護法で設置される団体は、認定個人情報保護団体です。
認定個人情報保護団体は、本人その他の関係者から対象事業者の個人情報等の取扱いに関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該対象事業者に対し、その苦情の内容を通知してその迅速な解決を求めなければなりません(個人情報保護法52条)。そして、民間部門における個人情報の違法な取扱いに対する制裁は、個人情報保護法自体に罰則規定などで定められており「認定個人情報保護団体」は行いません。よって、妥当ではありません。
個人情報保護法で設置される団体は、認定個人情報保護団体です。
認定個人情報保護団体は、本人その他の関係者から対象事業者の個人情報等の取扱いに関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該対象事業者に対し、その苦情の内容を通知してその迅速な解決を求めなければなりません(個人情報保護法52条)。そして、民間部門における個人情報の違法な取扱いに対する制裁は、個人情報保護法自体に罰則規定などで定められており「認定個人情報保護団体」は行いません。よって、妥当ではありません。
平成24年度(2012年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 内閣 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 内閣 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 財政 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 法の下の平等 | 問36 | 商法 |
問7 | 社会権 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・個人情報保護 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |