会計参与と会計監査人の差異に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
- 大会社、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社は、会計監査人の設置が義務付けられているのに対して、当該いずれの会社形態においても、会計参与は任意に設置される機関である。
- 会計参与は会社法上「役員」に位置づけられるが、会計監査人は「役員」に含まれない。
- 会計参与は定時株主総会において選任決議が必要であるのに対して、会計監査人については、定時株主総会において別段の決議がなされなかったときは、再任されたものとみなす。
- 会計参与は、取締役または執行役と共同して計算関係書類を作成するが、会計監査人は計算関係書類の監査を行う。
- 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為等を発見したときは、遅滞なく、これを監査役等に報告しなければならないが、会計参与にはこのような報告義務はない。
【答え】:5
【解説】
1・・・正しい
監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、必ず会計監査人を置かなければなりません(会社法327条5項)。一方、会計参与の設置は、原則として任意です。よって、正しいです。
2・・・正しい
役員(取締役、会計参与及び監査役)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任します(会社法329条1項)。つまり、会計参与は会社法上「役員」に位置づけられていますが、会計監査人は「役員」に含まれません。よって、正しいです。関連ポイントは個別指導で解説します。
3・・・正しい
会計参与は、株主総会の決議によって選任します(会社法329条1項)。一方、会計監査人は、別段の決議がされなかったときは、定時株主総会において再任されたものとみなされます(会社法338条2項)。よって、正しいです。
4・・・正しい
会計参与は、取締役または執行役と共同して、計算書類等の作成をし、会計参与報告を作成しなければなりません(会社法374条1項、6項)。一方、会計監査人は、株式会社の計算書類等を監査し、会計監査報告を作成しなければなりません(会社法396条1項)。よって、正しいです。
5・・・誤り
会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければなりません(会社法397条1項)。
会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主(監查役設置会社にあっては、監査役)に報告しなければなりません(会社法375条1項)。つまり、会計監査人、会計参与ともに報告義務があるので誤りです。
令和5年(2023年)過去問
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法 |
問3 | 憲法 | 問33 | 民法 |
問4 | 憲法 | 問34 | 民法 |
問5 | 憲法 | 問35 | 民法 |
問6 | 憲法 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法・多肢選択 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法・多肢選択 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法・多肢選択 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識 |
問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 基礎知識 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識 |
問21 | 国家賠償法 | 問51 | 基礎知識 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識 |
問25 | 行政事件訴訟法 | 問55 | 基礎知識 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識 |
問27 | 民法 | 問57 | 基礎知識 |
問28 | 民法 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法 | 問60 | 著作権の関係上省略 |