2014年過去問

平成26年・2014|問37|会社法・株式会社の設立

株式会社の設立における出資等に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 株主となる者が設立時発行株式と引換えに払込み、または給付した財産の額は、その全額を資本金に計上することは要せず、その額の2分の1を超えない額を資本準備金として計上することができる。

イ 錯誤、詐欺または強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。(改)

ウ 設立時発行株式を引き受けた発起人が出資の履行をしない場合には、当該発起人は当然に設立時発行株式の株主となる権利を失う。

エ 発起人または設立時募集株式の引受人が払い込む金銭の額および給付する財産の額の合計が、定款に定められた設立に際して出資される財産の価額またはその最低額に満たない場合には、発起人および設立時取締役は、連帯して、その不足額を払い込む義務を負う。

オ 設立時発行株式の総額は、設立しようとする会社が公開会社でない場合を除いて、発行可能株式総数の4分の1を下ることはできない。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:4

【解説】

ア 株主となる者が設立時発行株式と引換えに払込み、または給付した財産の額は、その全額を資本金に計上することは要せず、その額の2分の1を超えない額を資本準備金として計上することができる。
ア・・・妥当
株式会社の資本金の額は、原則、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額です(会社法445条1項)。
ただし、上記払込み又は給付に係る額の2分の1を超えない額については、資本金として計上せずに、資本準備金にできます(同条2項3項)。
よって、本肢は妥当です。

上記内容がどういうことを言っているのかは、個別指導で解説いたします!

しっかり理解をしておきましょう!

イ 発起人は、会社の成立後は、錯誤、詐欺または強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。(改)
イ・・・妥当
発起人は、株式会社の成立後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの無効を主張することはできず、又は詐欺若しくは強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができません会社法51条2項)。
よって本肢は妥当です。

関連ポイントは、個別指導で解説いたします!

ウ 設立時発行株式を引き受けた発起人が出資の履行をしない場合には、当該発起人は当然に設立時発行株式の株主となる権利を失う。
ウ・・・妥当ではない
発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければなりません(会社法36条1項)。
上記通知を受けた発起人は、上記定められた期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失います(同条3項)。
つまり、出資をしない場合、いきなり、株主の権利を失うわけではないので、本肢は妥当ではありません。

本問は対比ポイントがあるので個別指導で解説します!

対比して勉強することは、理解学習の一つなので、実践しましょう!

エ 発起人または設立時募集株式の引受人が払い込む金銭の額および給付する財産の額の合計が、定款に定められた設立に際して出資される財産の価額またはその最低額に満たない場合には、発起人および設立時取締役は、連帯して、その不足額を払い込む義務を負う。
エ・・・妥当ではない
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければなりません(会社法27条)。
  1. 目的
  2. 商号
  3. 本店の所在
  4. 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  5. 発起人の氏名又は名称及び住所

そして、現物出資・財産引受の目的財産の価額が「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」に満たない場合(定款に定めた価額に著しく不足する場合)、発起人及び設立時取締役は、会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負います。(会社法52条1項)

したがって、「払い込む金銭の額(金銭)」も含まれて記述されているので、誤りとなります。

オ 設立時発行株式の総額は、設立しようとする会社が公開会社でない場合を除いて、発行可能株式総数の4分の1を下ることはできない。
オ・・・妥当
設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができません。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合(非公開会社の場合)は、4分の1を下回っても大丈夫です(会社法37条3項)。
よって、本肢は妥当です。これもしっかり理解する必要があるので、理解すべき部分は個別指導で解説します。

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成26年・2014|問47|基礎知識・政治

日本の政治資金に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 政党への公的助成である政党交付金の総額は、人口に250円を乗じて得た額を基準として予算に定めることとされている。
  2. 政党交付金は、国会に一定の議席を持つ受給資格のある全政党が受給しており、それらの政党では政治資金源の約半分を政党交付金に依存している。
  3. 政府は、政治腐敗防止のために政治資金規正法の制定を目指したが、国会議員からの反対が強く、まだ成立には至っていない。
  4. 政党への企業・団体献金は、政治腐敗防止のために禁止されているが、違法な政治献金が後を絶たない。
  5. 政治資金に占める事業収入の割合は、政党交付金の受給資格がある全政党で極めて低くなっている。

>解答と解説はこちら


【答え】:1

【解説】

1.政党への公的助成である政党交付金の総額は、人口に250円を乗じて得た額を基準として予算に定めることとされている。
1・・・正しい
政党交付金の総額の基準は「人口×250円」です。
2019年の日本の人口は1億2632万人とすると、政党交付金の目安は315億8000万円です。実際、2019年の政党交付金の総額は約317億7000万円です。
ほぼ近い金額となっています。
2.政党交付金は、国会に一定の議席を持つ受給資格のある全政党が受給しており、それらの政党では政治資金源の約半分を政党交付金に依存している。
2・・・誤り
政党交付金は、国会に一定の議席を持つ受給資格のある政党であれば、受給することができます。
日本共産党は、受給資格はあるものの、政党交付金を受給していません。その理由については、日本共産党のHPに記載しています。
3.政府は、政治腐敗防止のために政治資金規正法の制定を目指したが、国会議員からの反対が強く、まだ成立には至っていない。
3・・・誤り
政治資金規正法は、1948年に制定されています。
よって、誤りです。政治資金規正法の目的は下記の通りです。

1条(目的)
政治資金規正法は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。

4.政党への企業・団体献金は、政治腐敗防止のために禁止されているが、違法な政治献金が後を絶たない。

4・・・誤り

  • 「政党」及び「政党が指定する政治資金団体」への献金は、個人献金、企業献金ともに許されています
  • 「政治家個人」への献金は、個人献金、企業献金ともに原則、禁止です。

よって、 「政党への企業・団体献金は、政治腐敗防止のために禁止されている」が誤りです。

5.政治資金に占める事業収入の割合は、政党交付金の受給資格がある全政党で極めて低くなっている。
5・・・誤り
日本共産党については政治資金に占める事業収入の割合は、約80~90%あります。
選択肢2の「日本共産党は政党交付金を受け取っていない」というのは、裏を返すと、事業収入があるから、受給しなくても運営できているということです。
よって、本肢は、「政党交付金の受給資格がある全政党で極めて低くなっている」というのは誤りです。

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成26年・2014|問31|民法・保証

AがBから金1000万円を借り受けるにあたって、CおよびDがそれぞれAから委託を受けて保証人(連帯保証人ではない通常の保証人で、かつお互いに連帯しない保証人)となり、その後CがBに対して、主たる債務1000万円の全額を、同債務の弁済期日に弁済した。この場合に関する以下の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。なお、CD間には負担部分に関する特段の合意がないものとする。

  1. CはAおよびDに対して求償することができ、求償権の範囲は、Aに対しては、1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金に及び、Dに対しては、500万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金に及ぶ。
  2. CはAおよびDに対して求償することができ、求償権の範囲は、Aに対しては、1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金等に及び、Dに対しては、500万円である。
  3. CはAに対してのみ求償することができ、求償権の範囲は、1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金等に及ぶ。
  4. CはAに対してのみ求償することができ、求償権の範囲は、500万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金等に及ぶ。
  5. CはDに対してのみ求償することができ、求償権の範囲は、500万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金に及ぶ。

>解答と解説はこちら


【答え】:2

【解説】

AがBから金1000万円を借り受けるにあたって、CおよびDがそれぞれAから委託を受けて保証人(連帯保証人ではない通常の保証人で、かつお互いに連帯しない保証人)となり、その後CがBに対して、主たる債務1000万円の全額を、同債務の弁済期日に弁済した。

1.CはAおよびDに対して求償することができ、求償権の範囲は、Aに対しては、1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金に及び、Dに対しては、500万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金に及ぶ。

1・・・誤り

A:主たる債務者、B:債権者、CおよびD:普通保証人。

そして、普通保証人Cが全額弁済した。

この場合、CはAおよびDに対して求償することができます。

【求償の範囲】

主たる債務者Aに対しては、「1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金」を求償できます。

一方、
他の普通保証人Dに対しては、「500万円のみ」求償できます。

よって、この点が誤りです。

AがBから金1000万円を借り受けるにあたって、CおよびDがそれぞれAから委託を受けて保証人(連帯保証人ではない通常の保証人で、かつお互いに連帯しない保証人)となり、その後CがBに対して、主たる債務1000万円の全額を、同債務の弁済期日に弁済した。

2.CはAおよびDに対して求償することができ、求償権の範囲は、Aに対しては、1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金等に及び、Dに対しては、500万円である。

2・・・正しい

選択肢1と同様の考え方です。

A:主たる債務者、B:債権者、CおよびD:普通保証人。

そして、普通保証人Cが全額弁済した。

この場合、CはAおよびDに対して求償することができます。

【求償の範囲】

主たる債務者Aに対しては、「1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金」を求償できます。

一方、
他の普通保証人Dに対しては、「500万円のみ」求償できます。

よって、本肢は正しいです。

AがBから金1000万円を借り受けるにあたって、CおよびDがそれぞれAから委託を受けて保証人(連帯保証人ではない通常の保証人で、かつお互いに連帯しない保証人)となり、その後CがBに対して、主たる債務1000万円の全額を、同債務の弁済期日に弁済した。

3.CはAに対してのみ求償することができ、求償権の範囲は、1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金等に及ぶ。

3・・・誤り

選択肢1と同様の考え方です。

A:主たる債務者、B:債権者、CおよびD:普通保証人。

そして、普通保証人Cが全額弁済した。

この場合、Cは「AおよびD」に対して求償することができます。

よって、「CはAに対してのみ求償することができ」は誤りです。

4.CはAに対してのみ求償することができ、求償権の範囲は、500万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金等に及ぶ。

4・・・誤り

選択肢1と同様の考え方です。

A:主たる債務者、B:債権者、CおよびD:普通保証人。

そして、普通保証人Cが全額弁済した。

この場合、Cは「AおよびD」に対して求償することができます。

よって、「CはAに対してのみ求償することができ」は誤りです。

また、「500万円」も誤りです。正しくは「1000万円」です。

AがBから金1000万円を借り受けるにあたって、CおよびDがそれぞれAから委託を受けて保証人(連帯保証人ではない通常の保証人で、かつお互いに連帯しない保証人)となり、その後CがBに対して、主たる債務1000万円の全額を、同債務の弁済期日に弁済した。

AがBから金1000万円を借り受けるにあたって、CおよびDがそれぞれAから委託を受けて保証人(連帯保証人ではない通常の保証人で、かつお互いに連帯しない保証人)となり、その後CがBに対して、主たる債務1000万円の全額を、同債務の弁済期日に弁済した。

5.CはDに対してのみ求償することができ、求償権の範囲は、500万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金に及ぶ。

5・・・誤り

選択肢1と同様の考え方です。

A:主たる債務者、B:債権者、CおよびD:普通保証人。

そして、普通保証人Cが全額弁済した。

この場合、Cは「AおよびD」に対して求償することができます。

よって、「CはDに対してのみ求償することができ」は誤りです。

また、「求償権行使までに生じた利息、遅延損害金に及ぶ」も誤りです。

Dに対しては、500万円のみ求償できます。

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成26年・2014|問50|基礎知識・経済

日本の公債発行に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものはいくつあるか。

ア 財政法の規定では、赤字国債の発行は認められていないが、特例法の制定により、政府は赤字国債の発行をしている。

イ 東日本大震災以降、政府一般会計当初予算では、歳入の3割から4割以上が国債発行により調達されている。

ウ 東日本大震災以降の新規国債発行額をみると、建設国債のほうが赤字国債よりも発行額が多い。

エ 都道府県や市区町村が地方債発行により財源を調達する際には、当該地方議会の議決に加えて、国の許可を受けることが義務づけられている。

オ 地方自治体が発行する地方債は建設事業の財源調達に限られており、歳入を補填するための地方債は発行されていない。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ
  5. 五つ

>解答と解説はこちら


【答え】:2

【解説】

ア 財政法の規定では、赤字国債の発行は認められていないが、特例法の制定により、政府は赤字国債の発行をしている。
ア・・・妥当
財政法には「赤字国債が発行できる」という条文はありません。
しかし、「特例公債法」という法律で、赤字国債を発行することは認められています。この点については、整理して頭に入れた方がよいので、個別指導で整理の仕方を解説します!
イ 東日本大震災以降、政府一般会計当初予算では、歳入の3割から4割以上が国債発行により調達されている。
イ・・・妥当
東日本大震災が発生した平成23年(2011年)以降、
政府一般会計当初予算では、歳入の3割から4割以上が国債発行(政府の借金)により調達されています。
ウ 東日本大震災以降の新規国債発行額をみると、建設国債のほうが赤字国債よりも発行額が多い。
ウ・・・妥当ではない
東日本大震災が発生した平成23年(2011年)以降、新規国債発行額をみると、赤字国債のほうが建設国債よりも発行額が多いです。
よって、本肢は「赤字国債」と「建設国債」が逆になっているので妥当ではありません。
エ 都道府県や市区町村が地方債発行により財源を調達する際には、当該地方議会の議決に加えて、国の許可を受けることが義務づけられている。
エ・・・妥当ではない
地方公共団体は、地方債を起こし、又は起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとする場合は、政令で定めるところにより、総務大臣又は都道府県知事に協議しなければなりません(地方財政法5条の3の1項)。
つまり、地方債を発行する場合、「国の許可」は不要です。
総務大臣又は都道府県知事に協議」する必要があります。
オ 地方自治体が発行する地方債は建設事業の財源調達に限られており、歳入を補填するための地方債は発行されていない。
オ・・・妥当ではない
地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもって、その財源としなければならない。ただし、次に掲げる場合においては、地方債をもってその財源とすることができます(地方財政法5条)。つまり、下記の財源とするために、地方債を発行してもよい(地方自治体は借金してもよい)ということです。
  1. 交通事業、ガス事業、水道事業その他地方公共団体の行う企業(公営企業)に要する経費の財源とする場合
  2. 出資金及び貸付金の財源とする場合
  3. 地方債の借換えのために要する経費の財源とする場合
  4. 災害応急事業費、災害復旧事業費及び災害救助事業費の財源とする場合
  5. 学校その他の文教施設、保育所その他の厚生施設、消防施設、道路、河川、港湾その他の土木施設等の公共施設又は公用施設の建設事業費及び公共用若しくは公用に供する土地又はその代替地としてあらかじめ取得する土地の購入費(の財源とする場合

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成26年・2014|問41|憲法・砂川事件

次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

右安全保障条約(※)は、その内容において、主権国としてのわが国の平和と安全、ひいてはわが国[ ア ]に極めて重大な関係を有するものというべきであるが、また、その成立に当っては、時の[ イ ]は憲法の条章に基づき、米国と数次に亘る交渉の末、わが国の重大政策として適式に締結し、その後、それが憲法に適合するか否かの討議をも含めて衆参両院において慎重に審議せられた上、適法妥当なものとして国会の承認を経たものであることも公知の事実である。
ところで、本件安全保障条約は、前述のごとく、主権国としてのわが国の[ ア ]に極めて重大な関係をもつ[ ウ ]性を有するものというべきであって、その内容が違憲なりや否やの法的判断は、その条約を締結した[ イ ]およびこれを承認した国会の[ ウ ]的ないし[ エ ]的判断と表裏をなす点がすくなくない。

(※)日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約

(昭和34年12月16日刑集13巻13号3225頁)

1.存立の基礎 2.国権 3.建国の理念 4.幸福追求 5.自由裁量 6.憲法体制 7.衆議院 8.天皇 9.内閣総理大臣 10内閣 11.国会 12.権力分立 13.合目的 14.合法 15.高度の政治 16.要件裁量 17.民主 18.自由主義 19.大所高所 20.明白な違憲

>解答と解説はこちら


【答え】:ア:1、イ:10、ウ:15、エ:5

【解説】

右安全保障条約は、その内容において、主権国としてのわが国の平和と安全、ひいてはわが国[ア:存立の基礎]に極めて重大な関係を有するものというべきであるが、また、その成立に当っては、時の[イ:内閣]は憲法の条章に基づき、米国と数次に亘る交渉の末、わが国の重大政策として適式に締結し、その後、それが憲法に適合するか否かの討議をも含めて衆参両院において慎重に審議せられた上、適法妥当なものとして国会の承認を経たものであることも公知の事実である。
ところで、本件安全保障条約は、前述のごとく、主権国としてのわが国の[ア:存立の基礎]に極めて重大な関係をもつ[ウ:高度の政治]性を有するものというべきであって、その内容が違憲なりや否やの法的判断は、その条約を締結した[イ:内閣]およびこれを承認した国会の[ウ:高度の政治]的ないし[エ:自由裁量]的判断と表裏をなす点がすくなくない。

ア.

  • 右安全保障条約は、その内容において、主権国としてのわが国の平和と安全、ひいてはわが国[ ア ]に極めて重大な関係を有するものというべきである
  • 本件安全保障条約は、前述のごとく、主権国としてのわが国の[ ア ]に極めて重大な関係をもつ[ ウ ]性を有するものというべきであって、
ア・・・存立の基礎
安全保障条約が、わが国にとってどのようなものかを考えると分かりやすいです。わが国[ ア ]に極めて重大な関係を有する
わが国の[ ア ]に極めて重大な関係をもつということから、「アには存立の基礎」が入ります。
イ.
その成立(右安全保障条約の成立)に当っては、時の[ イ ]は憲法の条章に基づき、米国と数次に亘る交渉の末、わが国の重大政策として適式に締結し・・・その条約を締結した[ イ ]およびこれを承認した国会・・・
イ・・・内閣
条約を締結する権限を持つのは内閣なので、「イには内閣」が入ります。
ウ.エ.
本件安全保障条約は、前述のごとく、主権国としてのわが国の[ ア:存立の基礎 ]に極めて重大な関係をもつ[ ウ ]性を有するものというべきであって、その内容が違憲なりや否やの法的判断は、その条約を締結した[ イ:内閣 ]およびこれを承認した国会の[ ウ ]的ないし[ エ ]的判断と表裏をなす点がすくなくない。
ウ・・・高度の政治
エ・・・自由裁量
条約締結はどのような性質を持つのか?
また、
安全保障条約の内容が違憲なかどうかの法的判断は、国会のどのような判断と表裏をなすか?
を考えると、ウが分かります。
すると「ウには高度な政治」が入ります。また、条約締結の承認した国会にはどのような判断があるか?を考えると
「自由裁量」的な判断があるので
「エには自由裁量」が入ります。

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成26年・2014|問40|会社法・定款

株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)の次に掲げる事項のうち、会社法の規定に照らし、その事項について定款の定めを必要としないものはどれか。

  1. 公開会社でない株式会社が、剰余金の配当を受ける権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行うこと
  2. 譲渡制限株式を発行する株式会社が、相続その他の一般承継により当該会社の譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を当該会社に売り渡すことを請求すること
  3. 株券を発行していない株式会社が、その発行する全部の株式につき、株券を新たに発行すること
  4. 取締役の数が6人以上であって、そのうち1人以上が社外取締役である株式会社において、当該会社の代表取締役が当該会社を代表して多額の借財を行う場合に、当該行為についての取締役会の決議については、特別取締役による議決をもって行うこと
  5. 監査役会設置会社の取締役がその職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該取締役の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときに、当該会社の取締役がその決議によって、当該取締役の損害賠償責任額から最低責任限度額を控除した額の限度で当該損害賠償責任を免除すること

>解答と解説はこちら


【答え】:4

【解説】

1.公開会社でない株式会社が、剰余金の配当を受ける権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行うこと
1・・・定款の定めが必要
株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければなりません(会社法109条1項)。
非公開会社は、①剰余金の配当を受ける権利、②残余財産の分配を受ける権利、③株主総会における議決権に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いをする場合、その旨を「定款」で定めることができます(同条2項)。
よって、本肢の事項を定める場合、定款による定めが必要です。
2.譲渡制限株式を発行する株式会社が、相続その他の一般承継により当該会社の譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を当該会社に売り渡すことを請求すること
2・・・定款の定めが必要
株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができます(会社法174条)。
よって、本肢の事項を定める場合、定款による定めが必要です。
3.株券を発行していない株式会社が、その発行する全部の株式につき、株券を新たに発行すること
3・・・定款の定めが必要
株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨定款で定めることができます(会社法214条)。
よって、本肢の事項を定める場合、定款による定めが必要です。
4.取締役の数が6人以上であって、そのうち1人以上が社外取締役である株式会社において、当該会社の代表取締役が当該会社を代表して多額の借財を行う場合に、当該行為についての取締役会の決議については、特別取締役による議決をもって行うこと
4・・・定款の定めは不要
「指名委員会等設置会社を除く取締役会設置会社」において、①取締役の数が6人以上で、かつ、②取締役のうち1人以上が社外取締役である場合、取締役会は、「重要な財産の処分及び譲受け」および「多額の借財」についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した3人以上の特別取締役をもって行うことができる旨「取締役会」で定めることができます(会社法373条1項)。
したがって、本肢の内容は「定款による定めは不要」で、「取締役会」で決めます。指名委員会等設置会社が除かれている点については理解した方がよいので、個別指導で解説します!
5.監査役会設置会社の取締役がその職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該取締役の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときに、当該会社の取締役がその決議によって、当該取締役の損害賠償責任額から最低責任限度額を控除した額の限度で当該損害賠償責任を免除すること
5・・・定款の定めが必要
監査役設置会社(取締役が2人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、「役員等の株式会社に対する損害賠償責任」について、
当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、
責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、「責任の一部免除の規定」により免除することができる額を限度として
取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨定款で定めることができます(会社法426条1項)。
よって、本肢の内容は、誤りです。

定款で定める必要があります。

上記内容が、どういうことを言っているのかは個別指導で解説します!

しっかり内容を理解しましょう!

そうしないと、覚える量が多い行政書士試験には、対応できないので、理解すべき部分はしっかり理解していきましょう!

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成26年・2014|問39|会社法・株主総会

株主総会の決議に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. 取締役会設置会社の株主総会は、法令に規定される事項または定款に定められた事項に限って決議を行うことができる。
  2. 取締役会設置会社以外の会社の株主総会においては、招集権者が株主総会の目的である事項として株主に通知した事項以外についても、決議を行うことができる。
  3. 取締役または株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき議決権を行使できる株主の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったとみなされる。
  4. 株主総会の決議取消しの訴えにおいて、株主総会の決議の方法に関する瑕疵が重大なものであっても、当該瑕疵が決議に影響を及ぼさなかったものと認められる場合には、裁判所は、請求を棄却することができる。
  5. 会社を被告とする株主総会の決議取消しの訴え、決議の無効確認の訴え、および決議の不存在確認の訴えにおいて、請求認容の判決が確定した場合には、その判決は、第三者に対しても効力を有する。

>解答と解説はこちら


【答え】:4

【解説】

1.取締役会設置会社の株主総会は、法令に規定される事項または定款に定められた事項に限って決議を行うことができる。
1・・・妥当
株主総会は、「会社法に規定する事項」及び「株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項」について決議をすることができます(会社法295条1項)。
ただし、取締役会設置会社においては、株主総会は、「会社法に規定する事項」及び「定款で定めた事項」に限り、決議をすることができます(同条2項)。
本肢は、取締役会設置会社なので、「会社法に規定する事項」及び「定款で定めた事項」に限り、株式総会で決議できます
よって、本肢は妥当です。
2.取締役会設置会社以外の会社の株主総会においては、招集権者が株主総会の目的である事項として株主に通知した事項以外についても、決議を行うことができる。
2・・・妥当
取締役会設置会社」においては、株主総会は、「株主に通知した事項」以外の事項については、決議をすることができません会社法309条5項)。
取締役会設置会社以外の会社」においては、上記規定はないので、株主に通知していない事項についても決議が可能です。
よって、本肢は妥当です。
3.取締役または株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき議決権を行使できる株主の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったとみなされる。
3・・・妥当
取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき議決権を行使できる株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなします会社法319条1項)。
よって、本肢は妥当です。
本肢は関連ポイントがあるので、関連ポイントについては、個別指導で解説いたします!
4.株主総会の決議取消しの訴えにおいて、株主総会の決議の方法に関する瑕疵が重大なものであっても、当該瑕疵が決議に影響を及ぼさなかったものと認められる場合には、裁判所は、請求を棄却することができる。
4・・・妥当ではない
株主総会の決議取消しの訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、「その違反する事実が重大でなく」、かつ、「決議に影響を及ぼさない」ものであると認めるときは、同項の規定による「請求を棄却」することができます(会社法831条2項)。
本肢は、「株主総会の決議の方法に関する瑕疵が重大なものであっても、・・請求棄却できる」となっているので妥当ではありません。
瑕疵が重大の場合は、請求棄却はできないからです。
請求棄却ができるのは「①瑕疵が重大でなく」かつ「②決議に影響を及ぼさない」場合、つまり①②を同時に満たす場合のみです。

理解の仕方は個別指導で解説いたします!

5.会社を被告とする株主総会の決議取消しの訴え、決議の無効確認の訴え、および決議の不存在確認の訴えにおいて、請求認容の判決が確定した場合には、その判決は、第三者に対しても効力を有する。
5・・・妥当
会社の組織に関する訴えに係る請求(株主総会の決議取消しの訴え、決議の無効確認の訴え、および決議の不存在確認の訴え)を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有します会社法838条)。
よって、本肢は妥当です。

本肢は、対比ポイントがあるので、個別指導では、対比ポイントも含めて解説いたします!

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成26年・2014|問38|会社法・株式併合・株式分割

取締役会設置会社であり、種類株式発行会社でない株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が行う株式の併合・分割等に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものはどれか。なお、定款に別段の定めはないものとする。

  1. 株式を併合するには、その都度、併合の割合および株式の併合がその効力を生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。
  2. 株式を分割するには、その都度、株式の分割により増加する株式の総数の分割前の発行済株式の総数に対する割合および当該株式の分割に係る基準日ならびに株式の分割がその効力を生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。
  3. 株式の無償割当てをするには、その都度、割り当てる株式の数およびその効力の生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。
  4. 株式の分割によって定款所定の発行可能株式総数を超過することになる場合は、あらかじめ株主総会の決議により発行可能株式総数を変更するのでなければ、このような株式の分割をすることはできない。
  5. 株券発行会社が株式の併合または分割をしようとするときは、いずれの場合であっても、併合または分割の効力が生ずる日までに、当該会社に対し当該株式に係る株券を提出しなければならない旨の公告を行い、併合または分割した株式に係る株券を新たに発行しなければならない。

>解答と解説はこちら


【答え】:1

【解説】

1.株式を併合するには、その都度、併合の割合および株式の併合がその効力を生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。
1・・・正しい
株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければなりません(会社法180条2項)。
  1. 併合の割合
  2. 株式の併合がその効力を生ずる日
  3. 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類

よって、本肢は正しいです。

関連ポイントも覚えた方が効率的なので、その点は、個別指導で解説します。

2.株式を分割するには、その都度、株式の分割により増加する株式の総数の分割前の発行済株式の総数に対する割合および当該株式の分割に係る基準日ならびに株式の分割がその効力を生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。
2・・・誤り
株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければなりません(会社法183条2項)。
  1. 「株式の分割により増加する株式の総数」の「株式の分割前の発行済株式の総数」に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日
  2. 株式の分割がその効力を生ずる日
  3. 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類

本問は取締役会設置会社なので取締役会の決議で定めることができます。
したがって、誤りです。

「株式の分割により増加する株式の総数」の「株式の分割前の発行済株式の総数」に対する割合

例えば、100株を発行している会社が、1株を100株に分割する場合、株式分割後の発行済み株式総数は10,000株になります。

増加する株式数は9,900株ですので、「株式の分割により増加する株式の総数」は9,900です。

「株式の分割前の発行済株式の総数」は100株なので、100です。

よって、割合は9,900/100の99になります。

上記内容は理解しなくてもよいですが、それよりも理解すべき部分があるので、その点は個別指導で解説します!

3.株式の無償割当てをするには、その都度、割り当てる株式の数およびその効力の生ずる日を、株主総会の決議によって定めなければならない。
3・・・誤り
株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければなりません(会社法186条1項)。
そして、下記事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければなりません。ただし、定款に別段の定めがある場合は、定款に従います(同条3項)。
  1. 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
  2. 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日
  3. 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類

本問は取締役会設置会社なので取締役会の決議で定めることができます。
したがって、誤りです。

本問は対比部分があるので、対比部分も一緒に勉強すると効果的な勉強ができます!

なので、個別指導では、対比部分も併せて解説します!

4.株式の分割によって定款所定の発行可能株式総数を超過することになる場合は、あらかじめ株主総会の決議により発行可能株式総数を変更するのでなければ、このような株式の分割をすることはできない。
4・・・誤り
発行済株式総数は、発行可能株式総数を超えることはできません。

しかし、株式分割の場合は、例外的に、「株主総会の決議による発行可能株式総数の変更」をしなくても、行えます。

例えば、
当初の発行可能株式総数300株で、発行済株式総数が50株だったとします。

そして、発行済株式について、1株を10株に株式分割をするとなると、発行済株式総数は500株に増えます。

しかし、この場合、取締役会決議で当初の発行可能株式総数300株を10倍にすることは許されます

そのため、本肢の「株主総会の決議により発行可能株式総数を変更するのでなければ、このような株式の分割をすることはできない」は誤りです。

■なぜ、取締役会決議で足りるのか?

この理由については、個別指導で解説いたします!

理解をして、しっかり頭に定着していきましょう!
丸暗記だと、頭に定着せず、「覚えて→忘れて・・・」の繰り返しになります

そうならないために、理解学習を行う必要があります!

5.株券発行会社が株式の併合または分割をしようとするときは、いずれの場合であっても、併合または分割の効力が生ずる日までに、当該会社に対し当該株式に係る株券を提出しなければならない旨の公告を行い、併合または分割した株式に係る株券を新たに発行しなければならない。
5・・・誤り
株券発行会社が「株式の併合」をする場合には、当該行為の効力が生ずる日までに当該株券発行会社に対し株券を提出しなければならない旨を当該日の1か月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければなりません(会社法219条1項2号)。
そして、株式の併合をしたときは、株券発行会社は、併合した株式に係る株券を発行しなければなりません(会社法215条)。
これは株式併合のルールであり、株式分割については、上記ルールはありません
よって、本肢は「株式分割」の部分が誤りです。

なぜ、株式分割と株式併合で、株券の提出のルールが異なるのか?

この点については、個別指導で解説いたします!

理解をして、頭に定着させましょう!

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成26年・2014|問36|商法・支配人

商法上の支配人に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。

  1. 商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければならず、この登記の完了により支配人も商人資格を取得する。
  2. 支配人は、商人の営業所の営業の主任者として選任された者であり、他の使用人を選任し、または解任する権限を有する。
  3. 支配人の代理権の範囲は画一的に法定されているため、商人が支配人の代理権に加えた制限は、悪意の第三者に対しても対抗することができない。
  4. 支配人は、商人に代わり営業上の権限を有する者として登記されるから、当該商人の許可を得たとしても、他の商人の使用人となることはできない。
  5. 商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、支配人として選任されていなくても、当該営業所の営業に関しては、支配人とみなされる。

>解答と解説はこちら


【答え】:2

【解説】

1.商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければならず、この登記の完了により支配人も商人資格を取得する。
1・・・誤り
商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければなりません(商法22条)。
しかし、支配人が商人の資格を取得するわけではないので、誤りです。
商人の資格を取得するとは、イメージとしては、個人事業主になるということです。

支配人に関する関連ポイントは個別指導で解説いたします!

2.支配人は、商人の営業所の営業の主任者として選任された者であり、他の使用人を選任し、または解任する権限を有する。
2・・・正しい
商人は、支配人を選任し、その営業所において、その営業を行わせることができます(商法20条)。
そして、商人から選任された支配人は、他の使用人(従業員)を選任し、又は解任することができます(商法21条2項)。
よって、本肢は正しいです。
3.支配人の代理権の範囲は画一的に法定されているため、商人が支配人の代理権に加えた制限は、悪意の第三者に対しても対抗することができない。
3・・・誤り
支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません商法21条3項)。
逆に、商人が支配人の代理権に加えた制限は、悪意の第三者に対しては対抗することができるので、本肢は誤りです。
4.支配人は、商人に代わり営業上の権限を有する者として登記されるから、当該商人の許可を得たとしても、他の商人の使用人となることはできない。
4・・・誤り
支配人は、商人の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはいけません(商法23条)。
  1. 自ら営業を行うこと。
  2. 自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること。
  3. 他の商人又は会社若しくは外国会社の使用人となること。
  4. 会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。

したがって、商人の許可を得たのであれば、上記行為を行うことは可能です。

上記4つの具体例については個別指導で解説いたします!

5.商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、支配人として選任されていなくても、当該営業所の営業に関しては、支配人とみなされる。
5・・・誤り
商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなします(商法24条:表見支配人)。
「支配人とみなされる」わけではなく、その営業所における裁判外の行為をする権限を有するだけです。この点はしっかり違いを理解していただきたいので、個別指導で解説します!

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略

平成26年・2014|問35|民法・親族

利益相反行為に関する以下の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア 親権者が、共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、その結果、数人の子の間の利害の対立が現実化しない限り、利益相反行為にはあたらない。

イ 親権者である母が、その子の継父が銀行から借り入れを行うにあたり、子の所有の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。

ウ 親権者が、自己の財産を、子に対して有償で譲渡する行為は当該財産の価額の大小にかかわらず利益相反行為にあたるから、その子の成年に達した後の追認の有無にかかわらず無効である。

エ 親権者が、自ら債務者となって銀行から借り入れを行うにあたって、子の所有名義である土地に抵当権を設定する行為は、当該行為がどのような目的で行なわれたかに関わりなく利益相反行為にあたる。

オ 親権者が、他人の金銭債務について、連帯保証人になるとともに、子を代理して、子を連帯保証人とする契約を締結し、また、親権者と子の共有名義の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。

  1. ア・イ
  2. ア・エ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら

【答え】:5

【解説】

ア 親権者が、共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、その結果、数人の子の間の利害の対立が現実化しない限り、利益相反行為にはあたらない。

ア・・・妥当ではない

判例によると、
利益相反行為とは、行為の客観的性質上数人の子ら相互間に利害の対立を生ずるおそれのあるものを指称し、その行為の結果現実にその子らの間に利害の対立を生ずるか否かは問わない」としています(最判昭49.7.22)。

したがって、親権者が、共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、子ら相互間に利害の対立を生ずるおそれのあるので、利益相反行為にあたります。

よって、本肢は妥当ではありません。

本肢の具体例については個別指導で解説します!

イ 親権者である母が、その子の継父が銀行から借り入れを行うにあたり、子の所有の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。

イ・・・妥当ではない

親権者である母が、その子の継父が銀行から借り入れを行うにあたり、子の所有の不動産に抵当権を設定した場合、母は利益を受けていません(最判昭35.7.15)。

よって、母と子との間で利益相反はないので、本肢は妥当ではありません。

本肢の具体例については個別指導で解説します!

ウ 親権者が、自己の財産を、子に対して有償で譲渡する行為は当該財産の価額の大小にかかわらず利益相反行為にあたるから、その子の成年に達した後の追認の有無にかかわらず無効である。

ウ・・・妥当ではない

判例によると、
親権者と子の利益相反行為につき親権者が法定代理人としてなした行為は無権代理行為にあたる」としています(最判昭46.4.20)。

親権者が、自己の財産を、子に対して有償で譲渡する行為は、当該財産の価額の大小にかかわらず利益相反行為にあたり、無権代理行為として扱います。

そして、無権代理の場合、子が成年に達してから追認拒絶をした場合に無効となるのであって、追認の有無にかかわらず無効とはなりません。

よって、妥当ではありません。

エ 親権者が、自ら債務者となって銀行から借り入れを行うにあたって、子の所有名義である土地に抵当権を設定する行為は、当該行為がどのような目的で行なわれたかに関わりなく利益相反行為にあたる。

エ・・・妥当

判例によると、
親権者が自己の負担する貸金債務につき未成年の子の所有する不動産に抵当権を設定する行為は、借受金を右未成年の子の養育費に供する意図であっても、利益相反行為にあたる」としています(最判昭37.10.2)。

よって、本肢は妥当です。

オ 親権者が、他人の金銭債務について、連帯保証人になるとともに、子を代理して、子を連帯保証人とする契約を締結し、また、親権者と子の共有名義の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。

オ・・・妥当

判例によると、
第三者の金銭債務について、親権者がみずから連帯保証をするとともに、子の代理人として、同一債務について連帯保証をし、かつ、親権者と子が共有する不動産について抵当権を設定するなどの判示実関係のもとでは、子のためにされた連帯保証債務負担行為および抵当権設定行為は、利益相反行為にあたる」としています(最判昭43.10.8)。

よって、本肢は、妥当です。

本肢の具体例については個別指導で解説します!

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平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 幸福追求権など 問33 民法:債権
問4 経済的自由 問34 民法:債権
問5 投票価値の平等 問35 民法:親族
問6 内閣 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政調査 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法等 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 損失補償 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・経済
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・社会
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 基礎知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:債権 問60 著作権の関係上省略