Aが所有する甲家屋につき、Bが賃借人として居住していたところ、甲家屋の2階部分の外壁が突然崩落して、付近を通行していたCが負傷した。甲家屋の外壁の設置または管理に瑕疵があった場合、民法の規定に照らし、誰がCに対して損害賠償責任を負うことになるか。必要に応じて場合分けをしながら、40字程度で記述しなさい。
【答え】:原則、Bが責任負い、Bが損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、Aが責任を負う。(44字)【解説】
Aが所有する甲家屋につき、Bが賃借人として居住していたところ、甲家屋の2階部分の外壁が突然崩落して、付近を通行していたCが負傷した。甲家屋の外壁の設置または管理に瑕疵があった場合、民法の規定に照らし、誰がCに対して損害賠償責任を負うことになるか。必要に応じて場合分けをしながら、40字程度で記述しなさい。
【問題文の状況】
- 甲家屋の所有者A・甲家屋の賃借人・占有者B
- 甲家屋の2階の壁が落ちて、近くを通ったC(第三者)がケガをした
- 甲家屋の壁の設置・管理に瑕疵があった
- 上記の場合、誰がCに対して損害賠償責任を負うか
【誰がCに対して損害賠償責任を負うことになるか】
本問は工作物責任に関する内容です。これに合う条文は下記です!
- 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。(民法717条1項)
問題文では「必要に応じて場合分けをしながら、40字程度で記述しなさい。」と書いてあるので、場合分けをします。
上記条文から、①原則と②例外(ただし書き)に分けて考えます。
①原則
まずは、工作物(甲家屋)の占有者Bが被害者に対してその損害を賠償する責任を負います。
②例外
例外として、占有者Bが損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者Aがその損害を賠償しなければなりません。
よって、上記をまとめると、
原則、BがCに対してその損害を賠償する責任を負い、Bが損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、Aが、Cに対する損害賠償責任を負う。(69字)
これでは、文字数が多いので、省略できる部分を省略します。
【40字程度にまとめると】
原則、Bが責任負い、Bが損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、Aが責任を負う。(44字)
令和3年(2021年)過去問
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法 |
問3 | 憲法 | 問33 | 民法 |
問4 | 憲法 | 問34 | 民法 |
問5 | 憲法 | 問35 | 民法 |
問6 | 憲法 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政手続法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識 |
問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 基礎知識 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識 |
問21 | 国家賠償法 | 問51 | 基礎知識 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識 |
問27 | 民法 | 問57 | 基礎知識 |
問28 | 民法 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法 | 問60 | 著作権の関係上省略 |