商法上の支配人に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- 商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければならず、この登記の完了により支配人も商人資格を取得する。
- 支配人は、商人の営業所の営業の主任者として選任された者であり、他の使用人を選任し、または解任する権限を有する。
- 支配人の代理権の範囲は画一的に法定されているため、商人が支配人の代理権に加えた制限は、悪意の第三者に対しても対抗することができない。
- 支配人は、商人に代わり営業上の権限を有する者として登記されるから、当該商人の許可を得たとしても、他の商人の使用人となることはできない。
- 商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、支配人として選任されていなくても、当該営業所の営業に関しては、支配人とみなされる。
【解説】
1.商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければならず、この登記の完了により支配人も商人資格を取得する。
1・・・誤り
商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければなりません(商法22条)。
しかし、支配人が商人の資格を取得するわけではないので、誤りです。
商人の資格を取得するとは、イメージとしては、個人事業主になるということです。
商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければなりません(商法22条)。
しかし、支配人が商人の資格を取得するわけではないので、誤りです。
商人の資格を取得するとは、イメージとしては、個人事業主になるということです。
支配人に関する関連ポイントは個別指導で解説いたします!
2.支配人は、商人の営業所の営業の主任者として選任された者であり、他の使用人を選任し、または解任する権限を有する。
2・・・正しい
商人は、支配人を選任し、その営業所において、その営業を行わせることができます(商法20条)。
そして、商人から選任された支配人は、他の使用人(従業員)を選任し、又は解任することができます(商法21条2項)。
よって、本肢は正しいです。
商人は、支配人を選任し、その営業所において、その営業を行わせることができます(商法20条)。
そして、商人から選任された支配人は、他の使用人(従業員)を選任し、又は解任することができます(商法21条2項)。
よって、本肢は正しいです。
3.支配人の代理権の範囲は画一的に法定されているため、商人が支配人の代理権に加えた制限は、悪意の第三者に対しても対抗することができない。
3・・・誤り
支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません(商法21条3項)。
逆に、商人が支配人の代理権に加えた制限は、悪意の第三者に対しては対抗することができるので、本肢は誤りです。
支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません(商法21条3項)。
逆に、商人が支配人の代理権に加えた制限は、悪意の第三者に対しては対抗することができるので、本肢は誤りです。
4.支配人は、商人に代わり営業上の権限を有する者として登記されるから、当該商人の許可を得たとしても、他の商人の使用人となることはできない。
4・・・誤り
支配人は、商人の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはいけません(商法23条)。
支配人は、商人の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはいけません(商法23条)。
- 自ら営業を行うこと。
- 自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること。
- 他の商人又は会社若しくは外国会社の使用人となること。
- 会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
したがって、商人の許可を得たのであれば、上記行為を行うことは可能です。
上記4つの具体例については個別指導で解説いたします!
5.商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、支配人として選任されていなくても、当該営業所の営業に関しては、支配人とみなされる。
5・・・誤り
商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなします(商法24条:表見支配人)。
「支配人とみなされる」わけではなく、その営業所における裁判外の行為をする権限を有するだけです。この点はしっかり違いを理解していただきたいので、個別指導で解説します!
商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなします(商法24条:表見支配人)。
「支配人とみなされる」わけではなく、その営業所における裁判外の行為をする権限を有するだけです。この点はしっかり違いを理解していただきたいので、個別指導で解説します!
平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
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問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 幸福追求権など | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 経済的自由 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 投票価値の平等 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 内閣 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政調査 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法等 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 損失補償 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・経済 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・社会 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |