A市在住の日本国籍を有する住民X(40歳)とB市在住の日本国籍を有しない住民Y(40歳)に関する次の記述のうち、地方自治法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- Xは、A市でもB市でも、住民訴訟を提起する資格がある。
- Yは、A市でもB市でも、住民訴訟を提起する資格がない。
- Xは、A市でもB市でも、事務監査請求をする資格がある。
- Yは、A市では事務監査請求をする資格はないが、B市ではその資格がある。
- Xは、A市でもB市でも、市長選挙の候補者になる資格がある。
【解説】
市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とします(地方自治法10条)
そして、住民訴訟は、「普通地方公共団体の住民1人」でも行えます(外国籍の方も行えます)。
XはA市在住なので、A市では住民訴訟を提起する資格はあります。
一方、B市の住民ではないので、B市では住民訴訟を提起する資格はありません。
よって、「B市でも、住民訴訟を提起する資格がある」が誤りです。
選択肢1の解説の通り、
YはB市在住なので、B市では住民訴訟を提起する資格はあります。
一方、A市の住民ではないので、A市では住民訴訟を提起する資格はありません。
よって、「B市でも、住民訴訟を提起する資格がない」が誤りです。
日本国民たる普通地方公共団体の住民は、その属する普通地方公共団体の事務の監査請求をする権利を有します(地方自治法12条2項)
そして、事務監査請求は、有権者総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、普通地方公共団体の監査委員に対し、当該普通地方公共団体の事務の執行に関し、監査の請求をすることができます(地方自治法75条)。
XはA市在住なので、A市では事務監査請求をする資格はあります。
一方、B市の住民ではないので、B市では事務監査請求をする資格はありません。
よって、「B市でも、事務監査請求をする資格がある」が誤りです。
選択肢3の解説の通り、事務監査請求は「日本国民たる普通地方公共団体の住民」である必要があります。
本肢Yは「日本国籍を有しない」ので、住んでいるB市でも、事務監査請求をする資格はありません。
日本国民で年齢満25年以上のものは、市町村長の被選挙権を有します(地方自治法19条3項)
市町村長に立候補するために、当該地方公共団体の住民である必要はないので
40歳であるXは、A市でもB市でも、市長選挙の候補者になる資格があります。
平成26年度(2014年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
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問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 幸福追求権など | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 経済的自由 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 投票価値の平等 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 内閣 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政調査 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法等 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 損失補償 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・経済 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・社会 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |