累積投票を利用した場合
株式会社の取締役を選任する際に、議決権を有する各株主が、その有する株式1株につき、選任する取締役の数と同数の議決権を持つことを認める投票方法です。当該投票により、最多数の投票を得た者から順に取締役に選任されたものとされます。
例えば、普通株式100株を発行している株式会社で、株主が3名(A:60株、B:30株、C:10株)いるとした場合、この株式会社が取締役を2名選任するとします。
この場合、議決権の数はそれぞれ下記の通りです。
A:60株×2=議決権120個
B:30株×2=議決権60個
C:10株×2=議決権20個
そして、
Aが、候補者Xと候補者Yを選任し、
BとCが、候補者Zを選任した場合
これにより、Zは80個の議決権を獲得します。
一方、候補者Xと候補者Yは合計して120個の議決権しか獲得できません。
もし、候補者Xに100個、候補者Yに20個の議決権が配分された場合
XとZが取締役に選任されます。
累積投票を利用しない場合
議決権の過半数の決議により取締役を選任するため、議決権の過半数である60株を有するAが推薦する候補者XとYが取締役に選任されます。