令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講

令和3年・2021|問57|基礎知識

国の行政機関の個人情報保護制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 行政機関の長は、保有個人情報の利用停止請求があった場合には、当該利用停止請求者の求めに応じ、すべての事案において一時的に利用の停止を決定し、その上で利用停止の必要性、相当性について行政機関内において検討し、その必要がないと認められるときには、利用停止を解除する必要がある。
  2. 行政機関の長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合において、不開示情報に該当する部分を容易に区分して除くことができ、かつ、不開示情報に該当する箇所に関係する関係機関の同意が得られたときは、開示可能な部分について開示しなければならない。
  3. 行政機関の長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合には、個人の権利利益を保護するための特別の必要性の有無を考慮しても、開示請求者に対して開示することは一切認められない。
  4. 行政機関の長は、開示請求に係る保有個人情報に開示請求者以外のものに関する情報が含まれているときは、開示決定等をするにあたって、当該第三者に関する情報の内容等を当該情報に係る第三者に対して通知するとともに、聴聞の機会を付与しなければならない。
  5. 行政機関の長は、保有個人情報の開示について、当該保有個人情報が電磁的記録に記録されているときは、その種別、情報化の進展状況等を勘案して行政機関が定める方法により行う。

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【答え】:5
【解説】
1.行政機関の長は、保有個人情報の利用停止請求があった場合には、当該利用停止請求者の求めに応じ、すべての事案において一時的に利用の停止を決定し、その上で利用停止の必要性、相当性について行政機関内において検討し、その必要がないと認められるときには、利用停止を解除する必要がある。

1・・・誤り

行政機関の長は、利用停止請求があった場合において、当該利用停止請求に理由があると認めるときは、当該行政機関における個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な限度で、当該利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしなければなりません。
ただし、当該保有個人情報の利用停止をすることにより、当該保有個人情報の利用目的に係る事務の性質上、当該事務の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、利用停止をしなくてもよいです(個人情報保護法100条)。

本問は「すべての事案において一時的に利用の停止を決定し、その上で利用停止の必要性、相当性について行政機関内において検討し、その必要がないと認められるときには、利用停止を解除する必要がある」が誤りです。このような記述は条文にありません。

 

2.行政機関の長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合において、不開示情報に該当する部分を容易に区分して除くことができ、かつ、不開示情報に該当する箇所に関係する関係機関の同意が得られたときは、開示可能な部分について開示しなければならない。

2・・・誤り

行政機関の長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合において、不開示情報に該当する部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければなりません(個人情報保護法79条1項)。

本問は「不開示情報に該当する箇所に関係する関係機関の同意が得られたとき」というのが誤りです。「関係機関の同意」は不要です。

 

3.行政機関の長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合には、個人の権利利益を保護するための特別の必要性の有無を考慮しても、開示請求者に対して開示することは一切認められない。

3・・・誤り

行政機関の長は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合であっても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示することができます(個人情報保護法80条)。

よって「個人の権利利益を保護するための特別の必要性の有無を考慮しても、開示請求者に対して開示することは一切認められない」は誤りです。上記の通り、開示が認められる場合はあります。

 

4.行政機関の長は、開示請求に係る保有個人情報に開示請求者以外のものに関する情報が含まれているときは、開示決定等をするにあたって、当該第三者に関する情報の内容等を当該情報に係る第三者に対して通知するとともに、聴聞の機会を付与しなければならない。

4・・・誤り

開示請求に係る保有個人情報に「国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人及び開示請求者以外の者(第三者という)」に関する情報が含まれているときは、行政機関の長は、開示決定等をするにあたって、当該情報に係る第三者に対し、政令で定めるところにより、当該第三者に関する情報の内容その他政令で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる(個人情報保護法86条1項)。

「聴聞の機会を付与」する必要はないので誤りです。

「意見書を提出する機会を与えることができる」にすぎません。

 

5.行政機関の長は、保有個人情報の開示について、当該保有個人情報が電磁的記録に記録されているときは、その種別、情報化の進展状況等を勘案して行政機関が定める方法により行う。

5・・・正しい

保有個人情報の開示は、当該保有個人情報が、文書又は図画に記録されているときは閲覧又は写しの交付により、

電磁的記録に記録されているときはその種別、情報化の進展状況等を勘案して行政機関が定める方法により行う(個人情報保護法87条1項)。

よって、本問は正しいです。

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令和3年(2021年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政手続法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 地方自治法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 基礎知識
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 行政法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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