令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講
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資本金、準備金、剰余金

資本金

資本金とは、原則、「設立」又は「株式の発行」に際して株主となる者が当該株式会社に対して「払込み又は給付」をした財産の合計額です(445条)。 イメージとしては、株主が出資したお金の合計です。 ただし、「払込み又は給付」に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上せずに、「資本準備金(準備金)」として計上できます。

資本金の額の増加と減少

株式会社は、株主総会の決議(普通決議)により、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができます(450条309条1項)。 つまり、剰余金にあるお金を資本金に移すことができる、ということです。 一方、資本金の額を減少させるには、株主総会の特別決議が必要です(447条1項、309条2項9号)。 そして、資本金の額を減少させる場合、原則として、債権者保護手続が必要となります(449条)。

債権者保護手続

債権者保護手続とは、債権者に異議を述べる機会を与えなければならない、ということです。 そして、株式会社は、会社債権者が異議を述べるために、1か月以上の期間を定めて、官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければなりません(449条2項)。

準備金

準備金には、①資本準備金と利益準備金の2つがあります。 ①資本準備金とは、株主が払い込みまたは給付をしたお金のうち、資本金に組み入れられなかった部分の金額が積み立てられたものをいいます利益準備金とは、利益剰余金のうち、会社法によって積み立てることが義務付けられているお金です。

準備金の額の増加と減少

株式会社は、株主総会の決議(普通決議)により、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる(451条309条1項)。 つまり、剰余金にあるお金を準備金に移すことができる、ということです。 一方、準備金の額を減少させるには、原則として、株主総会の普通決議が必要です(448条309条1項)。 ただし、準備金の額を減少させる場合、原則として、債権者保護手続が必要となります(449条)。

資本金 準備金
増加 普通決議 普通決議
減少 特別決議 債権者保護手続が必要 普通決議 債権者保護手続が必要

剰余金

剰余金とは、簡単に言えば、会社が儲けて余ったお金です。この剰余金の中から、株主に配当を行います。 しかし、いくらでも株主に配当できるかというとそうではありません。 会社は、分配可能額の範囲内で、いつでも配当することができます(453条461条1項2項)。 ただし、純資産額が300万円を下回る場合、剰余金を配当することができません458条)。 ※分配可能額の計算方法までは覚えなくても大丈夫です。

配当の流れ

株式会社は、剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の普通決議が必要です(454条1項)。 ※取締役会設置会社では、一事業年度の途中に、1回だけ取締役会の決議によって剰余金の配当(中間配当)ができる旨を定款で定めることができます(454条5項)。

違法な配当を行った場合

分配可能額を超えて配当した場合、「①業務執行者」と「②剰余金の配当等の議事を提案した取締役等」「③金銭などの交付を受けた者」は、会社に対して、連帯して、交付を受けた金銭などの支払い義務を負います(462条1項)。

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